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おしまいのひ。

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  • 1:

    GOROMA

    「俺さ、昨日さ、目が三つある猫をみたぜ」



    まるで大きなクワガタを見つけた子供のように目をキラキラ輝かせながら、慶太は言った。

    2006-12-22 17:00:00
  • 2:

    GOROMA

    「へぇ〜。」



    適当な返事を返すと、ひんやりとしたコンクリートの上に寝そべり、そそくさと読みかけのバイク雑誌を広げた。俺の興味は慶太のねぼけ話より、新しいバイク選びに集中して注がれているのだ。

    2006-12-22 17:07:00
  • 3:

    GOROMA

    「ちゃんと聞けよ!マジなんだって!!」



    言うなり、奴は俺から雑誌を取り上げ、屋上の隅の方へ放り投げてしまった。

    2006-12-22 17:29:00
  • 4:

    GOROMA

    立ち上がってそれを取りに行こうとすると、これでもかという位やかましく怒鳴り散らしてくるので、俺はとうとう諦めて腰を下ろした。


    「なによ。」

    2006-12-22 17:42:00
  • 5:

    GOROMA

    話を聞く姿勢になった事に安心したのか、慶太はまた、あのキラキラとした目の輝きを取り戻した。



    ――・・・話の概要はこうだ。

    2006-12-22 17:45:00
  • 6:

    GOROMA

    慶太は趣味でダンスをしていて、それと遭遇したのは夜の練習後深夜二時をすぎた頃だった。
    仲間と分かれ、冷たい夜風を肌に受けながら国道を原付でひた走っていると、無性に喉が渇いてきた。
    丁度煙草もきれていたので自宅近くのコンビニに寄ったところ、薄暗い駐車場の塀の上に、それは居たらしい。
    見た目は普通の猫だった。野良なのか、ごわついた毛は薄汚れて、灰色をしている。が、慶太は大がつく程の猫好きなので、それを見つけるなり顔が緩み、フラフラと近付いていった。
    しかし、振り向いた猫の顔を見たとたん、すぐに違和感に気付いたという。

    2006-12-22 18:15:00
  • 7:

    GOROMA

    なにか額に縦二センチ程の傷のようなものがあり、その周りをじくじくと膿が覆い、毛をしならせている。
    怪我をしているのかと不敏に思い、具合いを調べようと手を伸ばすと、クチュッと言う粘着音と共に傷口を押し広げ、腐敗し、所々赤黒い【もう一つの目】がぎょろりと姿を現した。
    突然の怪異に『ひっ』と間の抜けた声を漏らすと、三つ目の猫は塀の向こう側に飛び降り、そのままいなくなってしまった。

    ...らしい。

    2006-12-22 18:32:00
  • 8:

    GOROMA

    「わ〜怖い怖い!」

    へらへら笑う俺をじとっと睨むと慶太は言った。

    「...でもさ、最近多くね?こーゆうの。」

    2006-12-22 18:50:00
  • 9:

    名無しさん

    なんか不思議だけどアゲときます?

    2006-12-23 08:22:00
  • 10:

    名無しさん

    おもしろそう

    2006-12-23 13:12:00
  • 11:

    GOROMA

    >>9>>10ありがとうございます( ^ω^)

    2006-12-23 14:39:00
  • 12:

    GOROMA

    確かに...最近の世では、突然変異だかなんだかの奇妙な動物の目撃例が多くあげられている。
    初めのうちはマスコミも大きく取り上げ、毎日のようにブラウン菅からは実体解明に向けてのあれこれを報道されていた。
    しかし慣れというのはまったく恐ろしいものであり、特に害が無いと分かった今ではかつての恐怖心や追求心も失せ、ただの奇形として冷ややかな目を向けられるだけとなった。

    2006-12-23 14:57:00
  • 13:

    GOROMA

    『だけどそんなん今更じゃね?俺だって見たことあるよ、五本足のチワワ!超微妙だったけどさぁ〜(笑)』
    俺はしんきくさい空気を笑い飛ばし、よいしょとジジくさい掛け声と共に腰をあげて再びバイク雑誌に手を伸ばした。
    『けどさ...』
    今にも泣きそうな顔で、慶太が言った。

    2006-12-23 15:22:00
  • 14:

    GOROMA

    『だーいじょぶだって!お化けじゃあるまいし』
    ペラペラと古典の時間につけておいた目印の折り目を探す。
    『...うん。』

    2006-12-23 23:57:00
  • 15:

    GOROMA

    ―――――そうだ
    いつだって他人事にすぎない。
    どんなに悲惨な事故も、猟奇的な殺人も、わずかな同情が頬をかすめるだけであって、自分には一切関係性がない。
    どこからか湧いてくる安心感。
    自分だけは大丈夫、といった根拠のない自信。

    2006-12-24 00:02:00
  • 16:

    名無しさん

    これ怖い系ですか??

    2006-12-24 00:05:00
  • 17:

    名無しさん

    めっち書き方うまい!ずっと読むからかいてください??

    2006-12-24 02:07:00
  • 18:

    >>16怖くはないと思いますが...や、ちょっとグロいかな(:´Д`)?ぐらいなんできっと大丈夫っす??
    >>17駄文なのに読んでくれてありがとうございますホント...(ノД`)

    ちょっとずつしか更新できませんですんませんm(__)mなんか悪いのでサゲ更新にして、まぁまぁたまったらアゲときます☆

    2006-12-24 13:59:00
  • 19:

    だってそうでしょう?
    アナウンサーは毎日たくさんの死を視聴者に届ける。新聞だっておなじ。
    俺達は日々こんな近くに死を感じている。
    『ああそうなんだ。』くらいにしか思わないけれど。

    2006-12-25 00:12:00
  • 20:

    親が死んだ訳じゃない。
    連れが死んだ訳じゃない。俺が死んだ訳じゃない。
    どこかの誰かが不幸にもお亡くなりになった。
    それだけの事。
    可哀想。いたたまれない。
    そんな風に感情的になるのは一時的で、その後自分にとってなにか小さな良いことや悪いことが起きればすぐにその思いは掻き消えて、自分中心の重大ニュースに塗り変えられる。

    2006-12-25 00:22:00
  • 21:

    結局のところ
    どこかの誰かの一生を終らせた壮絶な死よりも、突然変異の化け物が街を徘徊している現実よりも、好きな子からきた一通のメールの方がよっぽど関心をもてる。
    人間っていうのはつまり、自分に直接的な関係のないものごとには興味が湧かない生き物なのだ。
    そういうものには何の現実身も感じないし、客観的な意見しか持てない。
    呑気で無関心な生き物。

    2006-12-25 00:36:00
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