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人間の感情

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  • 1:

    ***

    大阪の街はクリスマスのムードに酔いしれる人間で溢れている。

    2006-12-13 14:52:00
  • 4:

    ***

    自分の事を「みい」と呼ぶこの女は、美恵子という名前。私より3つ歳上の26歳で、綾瀬はるかによく似ていて美人だ。
    まぁ本人いわく「えびちゃん」らしいが…。
    年齢より大分若く見えるのは、喋り方のせいだろうか?
    26にもなって自分を「みい」と呼ぶからか…。

    2006-12-13 16:51:00
  • 5:

    ***

    出会ったのは1月前。このカフェで。
    「なぁ〜、ここいい〜?」ニコッと笑って私の前に座り、煙草に火を付けた。
    私は返事をするわけでもなく、笑顔を見せるわけでもなく…窓の外に目をやった。

    ――別に何も思わなかった。

    2006-12-13 17:03:00
  • 6:

    ***

    「なぁなぁ〜名前はぁ?」『優子ですけど?』
    「なんかわかるわぁ。優子っぽいなぁ〜」
    ぽいって…。。
    「ゆ−チャンさぁ、いつもここおるやんなぁ〜?みぃ知ってをねん。」

    2006-12-13 17:11:00
  • 7:

    ***

    2階だてのカフェの窓側の席…私の指定席。
    ここから下を歩く人々を見る時間が、私は1番好きなんだ。
    「んでなぁ〜何見てるん」美恵子が私に聞いた瞬間、何故かムカついて私は席を立った。
    「なぁんや。ちゃんと怒ったりするんやぁ〜」背中でそんな声が聞こえたけど、無視して外へ出た。

    2006-12-13 17:22:00
  • 8:

    ***

    カフェから歩いて5分の家に帰る。
    「ママお帰りぃ」出迎えてくれたのは娘の穂波。16歳。……もちろん私の娘ではない。《元旦那の娘》だ。私は3LDKのこのマンションに4人で住んでいる。
    いや、まだ3人だが。
    『ただいま。穂波、そんな格好でおったらアカンって何回言ったらわかるん?』

    2006-12-13 18:21:00
  • 9:

    ***

    「はぁ−い。ママ今日同伴なん?」
    『…うん。つわりは?』
    「今日は大丈夫そうな感じやで」
    ある程度会話を交してからシャワーを浴びる。脱衣場から出ると、穂波の旦那が帰って来ていた。

    2006-12-13 19:04:00
  • 10:

    ***

    『タカお帰り』「おうっ」一応息子になるんだろうか?タカシは私と同じ歳だ。私はさっと自分の部屋に入り仕事の用意をした。

    『行ってきます』

    さぁ。仕事だ。

    2006-12-13 19:09:00
  • 11:

    ***

    3人のパパ達が口を揃えて言う言葉がある。

    「ハルナは冷たい目をしてる。感情ってやつがない」

    なるほど。と思う。確かに私は情が無いんだ。

    2006-12-13 23:32:00
  • 12:

    ***

    人を愛するのなんて馬鹿らしい。《愛》なんて感情は所詮その場だけなんだ。
    《永遠の愛》なんて存在しない。だって現に「この人が好き、愛してる」って思ってた人と別れた今、普通に生活できてるんだ。
    私が穂波を娘として大事に思う《感情》は、ただ私に似てるから。それだけ。

    私は冷たいのかな…。

    2006-12-14 01:44:00
  • 13:

    ***

    あれから一月たった今、私はあのカフェに居る。

    私の前に座ってるのは美恵子。相変わらずよく喋りよく食べる。だんだん美恵子が見えてきた。

    例えば大丸で働いててストレス溜ってる事。

    2006-12-14 01:47:00
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