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━距離━
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1:
りっ
遠く…遠い…
いや、近く…物凄く近い…
どっちだったかなぁ?
ねぇ、あなたはどうだったぁ?2006-12-09 22:01:00 -
11:
りっ
一週間程、店を休んでいたこともあり今日はいつになくクルクルと席を回る。一人一人に旅先でのことを繰り返し話す。相変わらずネタが少ない私。この仕事は向いてるのだろうか?そんなことがふと頭に過ぎるが、この仕事をとったら何も残らない自分に『大丈夫』。今日も言い聞かす。
2006-12-09 22:59:00 -
12:
りっ
AM3:00―
着替えを済まし軽く化粧を直して向かうは王子様のもと。
彼はいつも完璧に王子様を演じてくれる。一度だって期待を裏切ったことはない。そこには感情なんてなくて、いかにして正確に私の要求に答えるか、それが彼のお勤めなんだ。2006-12-09 23:05:00 -
13:
りっ
そんな何も得ることのできない彼に縋る私は可笑しい人間なのだろうか?たまに第三者的な目で自分を見ると、すごく滑稽だ。だからと言って今の自分を変えようなんて思うことはなく、ただ何となく過ぎていく日々。いいか悪いかなんて考えもしなかった。やっぱり私は可笑しかったんだね。あんたに出逢って初めてわかったよ。
2006-12-09 23:11:00 -
14:
「――ッ、りなッッ?」
!!!―――何度も呼んでいたんであろう。彼は真剣な眼差しで私を見ていた。「ごめん、ぼーっとしてた。」俯き様に小さな声を発する私に次の瞬間、意外な展開が待ち構えていた。
―――――――――" " "06/12/09 23:182006-12-09 23:18:00 -
15:
りっ
えっ?
なぜか、私は雑居ビルの屋上にいた。見渡す限りキラキラとした世界が広がる―キレイ―そう感じるのが普通なのだろうか。異常な程に光輝くネオンは全て虚像な気がした。私の心はいつのまにかカラカラに干からびていたみたいだ。2006-12-09 23:23:00 -
16:
りっ
右手が熱い―――
見上げると王子様は真っ直ぐ前を見ていた。何も発することなく真っ直ぐと。きつく握られた手を解くことも出来ず、なぜこの場に連れてこられたのかもわからず私はただただ彼を見ていた。2006-12-09 23:31:00 -
17:
りっ
私の視線に気付いた彼がゆっくりとこちらに顔を向けた。
―――ッッツ―――
たぶん私は大きく目を見開いていたと思う。彼の営業スタイルはちょい色、癒し系?あくまでも関係を持とうとするタイプではなかったはず。少なくとも私に対しては。2006-12-09 23:37:00 -
18:
りっ
「今日は一緒に帰ろう。もう自分を作るのは嫌だ。終わるまで待っててほしい。」その目で、その小さく白くて綺麗な顔にくりっとした目、その目で言われたら断れる人なんているのだろうか。
2006-12-09 23:43:00 -
19:
りっ
さっきのは何だったんだろ…色?これから色が始まる?色られて裏切られるなら今のままでいいのに…
「お前を誰にも渡したくないからオレについて来てほしい。」
そう言ったくせに最後は他の女と結婚をした奴を思い出した。2006-12-09 23:48:00 -
20:
りっ
―♪♪♪―
見覚えのないナンバーがディスプレイに表示された。一行に止む気配のない機械音。
「はい?」2006-12-09 23:53:00