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Θ第三次人間改革Θ
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1:
あたる◆GQAM3rgNqQ
[レズビアンやホモセクシャルなどの内容が含まれますので、ご理解のない方はご遠慮下さいm(__)m]
『人は人により人となる』―…カント2006-12-08 12:54:00 -
2:
あたる◆GQAM3rgNqQ
カント(1724-1804)
カントは人間は生まれながらにして道徳的存在でなく、徳によって、すなわち自己抑制によってのみ道徳的に善なる存在となれるとした。
云々…2006-12-08 12:58:00 -
3:
あたる◆GQAM3rgNqQ
「うわ!何!!!大森…西洋教育史なんか取ってんの(笑)」
小西勝(コニシマサル)がプリントを引っ張るもんで、大森有子(オオモリユウコ)のマーカーペンは大きくずれ、「コンドルセの提唱した女子教育の必要性」の文章を二分した。
「空き時間がぽっかり出来てね…なんかこの先生、休講多いし」
「あの教育大からひっぱって来られた偉いさんだろ、前期なんか7回休講だぜ?授業料ドロだよなぁ」2006-12-08 13:05:00 -
4:
あたる◆GQAM3rgNqQ
「授業料がおしいならもっとちゃーんと講義出ろよ」有子はプリントの裾を引っ張り、今度は取られないように肘を付きプリントを固定した。
「バイトが休めなくてさぁ、人数足んないんだよ…あ…大森来る?うちの塾!週4で入れば、そのへんの中小企業並の給料でるよ」
そんないい給料貰ってるなら、もっとマシな服着ろよ…という言葉を有子は勝に気付かれないよう、ゴクリと飲み込んだ。2006-12-08 14:42:00 -
5:
あたる◆GQAM3rgNqQ
安そうなボタンの付いた無地のシャツに、毎日同じジーパンとスニーカー…
おおよそ医大生に見えないその身なりも、勝が母子家庭で四人兄弟の長男と聞けば納得がいった。
初対面の時から、小学校からの同級生のごとく親しげにカリキュラムや時間割を聞いてきたその人なつっこさも、彼が楽しそうに話す貧乏自慢を聞いてからは、なんだか不敏に思えた。2006-12-08 16:27:00 -
6:
あたる◆GQAM3rgNqQ
いじめられっこといるのはいじめられっこ…その逆もしかり…なのだが
有子は誰とでもうまくやれる人間だった。本当に、薄く広くという訳でもないのに、誰とでも仲が良く、人付き合いが上手かった。
しかし、それは有子に言わせればルールをひとつ守るだけで可能なことだそうで、人の顔色ばかり気にする勝へのアドバイスは
「いいとこだけ見て、いいとこのみと付き合うのよ。」2006-12-08 16:47:00 -
7:
あたる◆GQAM3rgNqQ
それを実践した処で、そんな風に割り切れる人間がどれだけいるだろうか。
やはりほとんどの人間は、気の合う部分だけで付き合っているつもりでも自分のルールブックに反する行動は、なんとなく目に付くものである。
「有子疲れないの?」
よく聞かれる。だが有子は本当にそういうことを苦痛に感じない特殊人種なので、逆になんで人の事がそんなに許せないの?と聞きたくなった。2006-12-08 16:56:00 -
8:
あたる◆GQAM3rgNqQ
それを実践した処で、そんな風に割り切れる人間がどれだけいるだろうか。
やはりほとんどの人間は、気の合う部分だけで付き合っているつもりでも自分のルールブックに反する行動は、なんとなく目に付くものである。
「有子疲れないの?」
よく聞かれる。だが有子は本当にそういうことを苦痛に感じない特殊人種なので、逆になんで人の事がそんなに許せないの?と聞きたくなった。2006-12-08 16:56:00 -
9:
あたる◆GQAM3rgNqQ
話はそれたが、そんな訳で有子は入学ガイダンス以来、勝に懐かれているのである。
「なぁー頼むよー合コンしろよー」
「しつこい」
「お前ずーと女子校だろー」2006-12-08 17:02:00 -
10:
あたる◆GQAM3rgNqQ
「ずーと女子校だったけど、あんたが張り合えるような女はいない」
「俺じゃねぇよー玉木とか春日とかみんなのためにだよー」
「そんなに友達思いなら、実験遅れてくるのやめてよね!あの先生全員揃うまで実験も解剖もさせてくれないんだから!あんたと同じ班になると、帰るの電車3本は遅くなるっての!」
「だからー今お試し入塾やってるからバイト忙しいんだってー」2006-12-08 17:07:00 -
11:
名無しさん
気になる?
2006-12-08 18:51:00 -
12:
あたる◆GQAM3rgNqQ
12さん
ありがとう★2006-12-08 21:41:00 -
13:
あたる◆GQAM3rgNqQ
「そんなの言い訳にならないよ!春日だって塾のバイトしてんじゃん」
「でも春日のとこはお試し入塾キャンペーンしてないもん」
「・・・」
ガタン。大きな可動式黒板の横のドアが勢いよく開き先生が入ってきた。月曜の午後は必須科目が並んでいるため受講生が多い。300人用のこの大教室も、勝が来た頃にはほとんど席はうまっていた。2006-12-08 21:46:00 -
14:
あたる◆GQAM3rgNqQ
「先にこの前出した課題、医療現場のモラルハザードについて・・・だったかな・・・レポート前に出してくれ」
マイクなしでも大教室の後ろまで響き亘るこの先生の授業を聞くたびに、有子はドイツだけには留学したくないと思った。
この先生の様に、ドイツ帰りの医者は皆なぜか腹から声を出すことを覚えて帰ってくる。
大声で耳を劈かれるくらいなら、マイクという文明の力に頼って静かに進めて欲しいものだと有子は思う。2006-12-08 21:57:00 -
15:
あたる◆GQAM3rgNqQ
「大森!レポした!?」
「この授業レポート7割、出席点3割・・・したに決まってんでしょ・・・昨日なんか終電で帰ったつーの」
今時レポートは手書きのみ認めるってのもドイツ帰りっぽい・・・。
「写させて!俺やってないし・・・」2006-12-08 22:00:00 -
16:
あたる◆GQAM3rgNqQ
「もー前に出してあるし。あんたさぁ今日レポート提出だよってマー子にあんなにひつこく言ってもらっといて・・・」
「お前、横座らせろよ!えーそんなコト言ってたっけあいつ?あれ?あいつ休みなの?」
「マー子は研修!レポートはあたしが預かってたから出してあるよ」
有子の大きくでもまっすぐ細い指は黒板の前で、束ねたレポートをカバンに詰める教授の手元を指していた。2006-12-08 22:04:00 -
17:
あたる◆GQAM3rgNqQ
「まじ最悪ー。オレこの授業落としたの?!」
「さぁどーだろうね・・・レポ提あと3回あるから、あとの3回ちゃんと出したら大丈夫じゃないの」
「よかったー。この際、【可】でもいいや」
「あんたの成績じゃ【可】しか望めないでしょーが・・・」2006-12-08 22:08:00 -
18:
あたる◆GQAM3rgNqQ
「静かにー!はいじゃぁ初めようか、えーヨーロッパで医療というものが確立されたのは・・・」
先生が話し始めると同時に、有子はブルゾンを足元に掛け冷たい机に化粧っけのないほっぺたをくっつけると、おおよそ1時間半の眠りの旅へ。
勝は、周りの生徒達に今日のレポートをどこのサイトを見て書いたのか聞きまくった。まぁドイツ帰りの医者同様に声の大きな勝が、先生に怒鳴られたのは言うまでもない。
12月も終わりということで、山間の中腹にあるこのS医大の窓は、悲しそうな景色ばかり切り取っていた。2006-12-08 22:16:00 -
19:
あたる◆GQAM3rgNqQ
そんな窓から差し込む冬場のお日様の光に照らされた有子の寝顔は、目をそらしたくなくなる程に美しかった。
細くて長い黒髪は馬毛のような重たい艶を持ち、色白の有子の顔にはらはらとかかる。
まるで籠から娘の顔が透けているみたいに、有子の生まれつき薄い眉も、薄いのに鮮やかな色をした唇も、その黒髪のカーテンがかかる事で一層甘美な色気を漂わせていた。2006-12-08 22:25:00