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FICTION

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  • 1:

    ◆Ybw76HdHt.

    もう、あそこへは
    帰れないのかもしれない

    次会う事があれば
    同じ事はしない……

    2006-11-14 22:17:00
  • 2:

    ◆Ybw76HdHt.

    今、俺が居る場所はお前には教えない。
    きっと教えたら……

    2006-11-14 22:20:00
  • 3:

    ◆Ybw76HdHt.

    俺の名前は真稀弥。
    スカウトを始めてもう三年も経つ。
    この仕事は天職だ。
    多分、スカウト以外できないだろう。

    2006-11-14 22:23:00
  • 4:

    ◆Ybw76HdHt.

    きっかけ何てよくある話。みなみに出て来て仕事もない、住む所もない。お先真っ暗な毎日。
    ただ、ぼーっとひっかけ橋を見ていた。そこにたまたま、通りすがりのスカウトマンに声をかけられた。
    「自分、ずっと此処おるけど何してるん??」
    顔を見るとそこまで男前じゃない顔だったが、何かオーラがある男だった。
    それが、俺と涼さんの出会い。

    2006-11-14 22:30:00
  • 5:

    ◆Ybw76HdHt.

    『別に、何もしてない』顔も見ずに答えると急に指を鳴らした。
    「自分、ひまやろ???今人足りてないねん。事務所行こ」
    そう言うと俺の腕を引っ張り、さっさと歩きだす。俺は返事なんてしてない。
    が、「そんなの」どうでもいいらしい。

    2006-11-14 22:39:00
  • 6:

    ◆Ybw76HdHt.

    着いた場所は普通のビルの三階。
    ソファーに座らされ、さっきの男は社長らしき男と喋っている。
    意味がわからないまま、ただ、男が戻ってくるのを待っていた。
    数分待つと、社長らしき男と一緒に戻ってきた。と思ったらいきなりスカウトの説明。
    口を挟む時間もくれない。

    2006-11-14 22:44:00
  • 7:

    ◆Ybw76HdHt.

    まぁどうせ俺は無職。
    スカウトマンになろうが別によかった。
    話が終わると社長らしき男は笑顔で俺の肩を叩き、「まぁ頑張れや!!!」
    愛想笑いでごまかして、外に出て行った。

    2006-11-14 22:47:00
  • 8:

    ◆Ybw76HdHt.

    「あの人はうちの社長。で、自分は今日からここの社員な。俺は香月涼。自分は???」
    “名前も知らん男をよく社員にするな‥‥”
    『砂木真稀弥……』

    こんな感じで俺のスカウトマン人生がスターと。もう三年前の事だが、俺は昨日の事のように思い出せる。

    2006-11-14 22:53:00
  • 9:

    ◆Ybw76HdHt.

    強引な就職だったが、何故か俺は何も思わなかった。普通なら怪しむだろうが‥‥‥
    涼さんは不思議なオーラを持った人だ。
    絶対に心の内が読めない。なのに、不思議と涼さんが言う事は信じてしまう。最初もそうだった。いきなり事務所に連れていかれても恐怖も不信感もなかった。

    2006-11-14 22:58:00
  • 10:

    ◆Ybw76HdHt.

    最初は全くの無知。
    ただひたすらに声をかけるだけ。
    ただ親には感謝だ。
    生まれ持った俺の顔で足を止めてくれる女は少なくなかったんだから。

    2006-11-14 23:01:00
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