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〜迷路〜
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1:
主
街に流れる
lovesongさえ
哀しみの歌に
聞こえる
俺はこのまま…2006-11-13 02:20:00 -
2:
主
中田 隼人=25歳。
いつからこんな大人になってしまったのだろう…2006-11-13 02:23:00 -
3:
主
大人になった人間は誰しもが、思う事なのだろうか?俺はただ…ただ今までの人生と向き合おうとしていた。
2006-11-13 02:27:00 -
4:
主
年齢を重ねるたび、人は綺麗にも汚くもなる。
泣きたくても、苦しくても我慢して強くなっていく…居場所はどこにあるのか?2006-11-13 02:30:00 -
5:
主
俺の人生は平凡な人生になるのだろうと、昔の俺は思っていた。
2006-11-13 02:31:00 -
6:
主
大学生活も二年目を迎えた。昼は学校、夜は居酒屋でバイト。休みの日は友達や彼女と過ごす。
2006-11-13 02:38:00 -
7:
主
特にこれと言って苦労は無かった。当時付き合っていた、同い年の久美とも将来の事まで考えていた。
2006-11-13 02:40:00 -
8:
主
久美はとても明るい子だった。久美が俺に
「はやちゃーん!」
と呼び掛けられる声に、俺はいつも元気付けられていた。2006-11-13 02:46:00 -
9:
主
付き合い出してから四年が経つ。これを皆に言うと
「隼人すげぇなぁ!」
決まってこの言葉が返ってきてた。2006-11-13 02:48:00 -
10:
主
四年は確かに長いが、久美に対しての感情は至って変わらなかった。
2006-11-13 02:50:00 -
11:
主
いつも明るくて、優しい久美だった。時折見せる甘える仕草やワガママな所が愛おしく感じた。
2006-11-13 02:52:00 -
12:
主
四年間、沢山ケンカもした。くだらないケンカが大きなケンカになる事もあった。泣かした事もあった…
2006-11-13 02:54:00 -
13:
主
当時の俺は大学生、
久美は専門学校生、
お互い環境が違う中で毎日を過ごしていた。2006-11-13 02:56:00 -
14:
主
ある日の事。
俺が居酒屋のバイトを終えると久美からのメールがあった。2006-11-13 02:58:00 -
15:
主
「ハァチャン、アイタイ」
2006-11-13 02:59:00 -
16:
主
当時は携帯が普及しだした頃だった。俺らは学生で金銭的に厳しい為、PHSを持っていた。
2006-11-13 03:02:00 -
17:
主
「アイタイ」
この言葉は、久美からメールでよく送られてきた。2006-11-13 03:04:00 -
18:
主
「イイヨ」
返事をして久美の家に向かった。そして久美はいつもの笑顔で迎えてくれた。2006-11-13 03:06:00 -
19:
主
「隼ちゃーん!おかえり」明るく俺に言うと、いつもの様に俺らは話しをし始めた。
2006-11-13 03:09:00 -
20:
主
久美はその頃1人暮らしだった。実家は近いが、決して実家には住まなかった。
2006-11-13 03:11:00 -
21:
主
いや…家族ではないのだろう…
久美の泣きだしそうな顔を見るたび、俺は久美の家庭に腹がたっていた。2006-11-13 03:16:00 -
22:
主
「気持ちは嬉しいけど、大丈夫☆久美1人で生活して自立してみたい!でもお互い就職する頃には…隼ちゃんのお嫁さん候補になる!笑」
2006-11-13 03:22:00 -
23:
主
いつもと変わらない明るい表情で答えた。久美は人前や友達の前では決して弱音は吐かない。
「弱音吐く暇あったら、笑ってたい!☆」2006-11-13 03:24:00 -
24:
主
久美の口癖だった。
そんな久美が今日は違った…2006-11-13 03:25:00 -
25:
主
それは2人でテレビを見て会話していた時だった…
久美「隼ちゃん〜…」
俺「どうしたん?」
久美「…やっぱりいい!」2006-11-13 03:29:00 -
26:
主
久美は悩みがあると、いつも自分で解決しようとする。察した俺は、つかさず訪ねた。すると久美はこう言った。
2006-11-13 03:31:00 -
27:
主
「隼ちゃんは、何でもお見通しやね☆久美なぁ〜隼ちゃんと海行きたい!」
2006-11-13 03:33:00 -
28:
主
悩みを聞くはずだったが、海に行こうとの誘いに驚いた。しかしいつもの違う…
2006-11-13 03:34:00 -
29:
主
なぜならいつもの久美なら、笑って明るく誘ってくると思ったからだ。
俺は軽くうなずいた。
すると久美はすぐに答えた。2006-11-13 03:38:00 -
30:
主
「今から行きたい!!
夜中やけど、今めっちゃ海見たい気分やねん!」今度はいつも通りの久美の笑顔で答えてくれた。2006-11-13 03:40:00 -
31:
主
久美が悩んでいるのは、気のせいにも思えたが、俺はバイクに久美を乗せて海まで向かった。季節は夏から秋になろうとして、風が気持ち良かった。
2006-11-13 03:43:00 -
32:
主
海に着くと久美は黙って海を眺めていた。
久美の表情は真剣な表情だった。
どれ位の時間海を眺めていたのだろうか…2006-11-13 03:46:00 -
33:
主
久美は俺に寄り添い、こう言った…
「久美なぁ〜、海見たら全部消えた気持ちになるねん☆
変わってるやろ?笑」2006-11-13 03:50:00 -
34:
主
「変わってなんか無いよ。
久美らしいやん☆」
俺からかける精いっぱいの言葉…
今は問いただすより、ただ側に居ようと思った。2006-11-13 03:54:00 -
35:
主
久美は少し涙を流していた。月明かりの光で久美の涙が分かったが、久美はバレない様に隠していた。
2006-11-13 03:57:00 -
36:
主
俺ひ少しずつ久美に問い始めた。ここで勢いよく問いただしても、久美は決して答えない…
いや…答える事は出来ないだろう…と思ったからだ。2006-11-13 04:00:00 -
37:
主
久美には背中に大きなヤケド跡がある。久美が幼少の頃に出来た傷だった。久美の親は父親だけで、母親はいない。
2006-11-13 04:03:00 -
38:
主
父親からの虐待で、やかんのお湯をかけられた時に出来た傷だった。幼少の久美は泣きながら警察に行っても、父親は事故だと言い放っていたらしい。
2006-11-13 04:06:00 -
39:
主
その事実を知ったのは、久美を初めて抱いた時に分かった。しかし傷で戸惑えば、1番傷つくのは久美だろうと思い、俺はただ久美を抱きしめた。
2006-11-13 04:10:00 -
40:
主
その時に久美はこう言った。
「隼ちゃん…何で何も言わへんの…?」
それでも俺は
「あいうえおー☆ほらっ!何か言ったでー!笑」2006-11-13 04:13:00 -
41:
主
その時に久美は、
「ありがとうぅ…」
と泣きながら答えたのを今でも覚えている。
だからこうして海を眺めている今、久美に泣いてる理由を勢いよく聞けるはずが無いと思った。2006-11-13 04:16:00 -
42:
主
すると久美から口を開いた。
「消えたい…」2006-11-13 04:18:00 -
43:
主
久美から聞いた初めての言葉だった…。
ケンカをしても、弱音を吐いた時でも、久美からは聞いた事の無い言葉だった…2006-11-13 04:20:00 -
44:
主
「父親と何かあったんか?
学校で何かあったんか?」すぐに聞きたい気持ちでいっぱいだった。だがすぐにかける言葉が出なかった。すると久美は…2006-11-13 04:22:00 -
45:
主
「って嘘ーーっ!!☆
隼ちゃんめちゃ顔困ってるし、困らせてごめん!学校で単位取れるか不安やったんよなぁ〜!
でも久美頑張るわぁ!☆」2006-11-13 04:25:00 -
46:
主
……。
久美は笑っていた。
「ほらっ!行き詰まる時って人間誰でもあるやろ〜?でも隼ちゃんが隣に居てくれたら頑張れる気持ちになるし、海連れてきてくれてありがとう☆」2006-11-13 04:29:00 -
47:
主
本当に久美らしい答えだった。ここで俺が引き返して訪ねても、久美は絶対に答えてはくれない。それで今まで何回もケンカをした。それでも久美は答えてくれなかった。
2006-11-13 04:33:00 -
48:
主
「なぁ隼ちゃん!体の傷、海の水で消えへんかな〜?消える訳無いか!笑」
久美は笑いながら言った。笑う意味は気持ちの裏返しだと思った。2006-11-13 04:36:00