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赤い糸と青い糸
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1:
彩音◆S1rZjgcLUE
もし あの時に戻れたら…
貴方の隣にいれたかな。。
それとも やっぱり
私は赤い糸を切ってしまうのかな…2006-11-01 07:27:00 -
2:
彩音◆S1rZjgcLUE
『うん。来てるって!!』
鞄から鏡を取り出しグロスを付け髪の毛を軽く整えながら答えた。期待もしてないコンパだけれど 久しぶりのせいか私達はワクワクしていた。
『お邪魔しますっ!!』
勢いよく開けたカラオケの部屋のドア…
全員の目が私達2人に集中する2006-11-01 07:45:00 -
3:
彩音◆S1rZjgcLUE
━━━━━・・・
一瞬部屋の中の音が止まった。『遅いゎ!!ほらっ!』
やりにくい空気を解くように声を放ったのはこのコンパの幹事の悠介。申し分ない容姿にお笑い芸人並みの喋り。出会い方が違っていれば私はきっと悠介に恋していたと思う。でも今じゃ数少ない信頼出来る人間。
『まぢで??いきなり?』
差し出されたビールを手で拒否りながから悠介の顔をのぞき込んだ。にっこり笑いながら大きく縦に首を振る悠介。2006-11-01 21:51:00 -
4:
彩音◆S1rZjgcLUE
『まぢかょ…ありえん。』
一つずつジョッキを受け取り私達は顔を見合わせた。ビールが大嫌いな私。遥に上目使いでお願いの合図…。遥はにっこり笑い取り合えず乾杯をして私達はそれぞれのグラスを口にした。どんどん減る遥のグラスに対して私のグラスは一向に減らない。無理して喉に通そうとしても身体が拒否して中々飲み込めない。
『彩音、貸してみ?』
男らしい遥の一言に私は躊躇もせず半分ほど入ったグラスを遥かに差し出した。水を飲むようにどんどん飲む遥。2006-11-01 22:17:00 -
5:
彩音◆S1rZjgcLUE
『以上です!!ぢゃ次レディ達の番な!んぢゃ彩音から』
悠介が私を指差す。女の子は私を入れて4人。私の親友の遥、おっとりしていて私とは真逆のタイプ。私の中学からの同級生の圭、どちらかと言えば賑やかな方であまり人見知りをしない子。その友達の典チャン、大人しそうなイメージとは反して結構毒舌でサバサバした子。
『よし!!ぢゃ名前が分かった所で取り合えずゲームやな』
全て悠介が仕切り みんなかなり酒が入り既に初対面とは思えない程 打ち解けていた。2006-11-01 22:50:00 -
6:
彩音◆S1rZjgcLUE
その後ボーリングにダーツにまたまたカラオケに…
『お疲れ様!!』
手を振りみんなそれぞれが違う方向へと車を走らせた。
『晃君とヨッシー、アド教えて??』
帰る方向が同じだった私と遥をヨッシーが送ってくれた為 社交辞令のつもりで私が聞いた。『またメールしてね。ありがとう!お疲れぇ』2006-11-01 22:59:00 -
7:
彩音◆S1rZjgcLUE
もしも…
この時私がアドを聞いてなかったら・・・
私達に『今』は無かったのかな
そんな事ないよね。
だって私達は赤い糸で結ばれてたんだから……2006-11-02 02:08:00 -
8:
名無しさん
がんばれ
2006-11-02 03:22:00 -
9:
彩音◆S1rZjgcLUE
10さん☆
読んでくれて有難うございますm(__)m更新遅いですが良かったらまた読んで下さい!2006-11-02 04:45:00 -
10:
彩音◆S1rZjgcLUE
━2005年7月3日━
♪♪♪〜
眠い目を擦りながら五月蝿く鳴り響く携帯に手を伸ばした。。昨日飲みすぎたせいか喉はカラカラで頭はズキズキする。
『はぃ…』
愛想のかけらもない寝起き満開の声で私は階段を駆け下りながら電話にでた。2006-11-02 04:51:00 -
11:
彩音◆S1rZjgcLUE
『お前何やねんその対応!!』二日酔いの頭に悠介の大きな声が響く。
『んー?頭痛いって…まぢ。気分悪い、やばぃ・・・』
ペットボトルからコップに入れた水を一気に飲み干して、更にもぅ一杯 注ぎタバコに火をつけた。
『彩音は ほんまにショボいなっ!!取り合えず出て来いや。迎えに行くから用意しといて!』『はぁ?今かッ??』
プープーッ━・・2006-11-02 05:04:00 -
12:
彩音◆S1rZjgcLUE
どうやら私の意見はないらしい。既に電話は切断されていた。『ありえん…』
独り言を言いながら取り合えず 未読のメールを開いた。圭からに典チャンから…それに見たことないアドレスからと遥から。取り合えず目を通すと圭と典チャンからのメールは同じ様な内容だった。お決まりのパターン。誰がお気に入りって内容…残りの2つのメールは晃とヨッシーから。本当にメールが来るとは思っていなかった為 登録すらしていなかった。ヨッシーからの内容は他の女の子全員のアドを教えて欲しいという内容。晃からは今日夜暇ならご飯に行こうという内容。2006-11-02 05:16:00 -
13:
彩音◆S1rZjgcLUE
取り合えず圭と遥と典チャンに返信して私は水を一気に飲み干し 身支度をした。
『んまっ…悠介はいつも勝手やな…』
悠介の車に乗り込み いつも行くカフェに向かった。私と悠介には共通の夢があった。
【カフェバーの経営】
これが私達2人の夢。いつもこのカフェに来ては2人で夢を語る。2006-11-02 05:26:00 -
14:
彩音◆S1rZjgcLUE
『だからっ取り合えず4月までにっ…』
♪♪♪〜【メール受信完了】
テーブルの上に置いてた携帯がピカピカ光ながら結構な大きさで鳴る。背面の画面に出る見覚えのあるアドレス。晃だ。。
『メール返せや。』
タバコに火をつけ顎で合図を送ってくる悠介。2006-11-02 09:21:00 -
15:
彩音◆S1rZjgcLUE
『んっ?ええゎ…後で。』
私も同じようにタバコに火をつけフーとため息まじりの煙を吐いた。
『何でやねん!!珍しッ!誰や?男か?あっ!昨日のん誰がタイプやった?お前やったらゆっくんか晃やろ?!』
自信満々の悠介の顔。
『ん〜誰やろな。ちなみに遥も典チャンもヨッシーで圭が晃君やってヨ…』2006-11-02 09:30:00 -
16:
彩音◆S1rZjgcLUE
『へぇ〜ヨッシーが人気なん意外やな。まぁ可愛いもんなっ。でも圭チャンが晃か…晃落とすのは中々難しいと思うぞ。』
『ふーん…そうなんゃ。』
特に興味もなさそうな口振りで答えた。興味がない訳じゃない。悠介の言う通り確かにタイプなのは晃だった。でも 遊び人ぽく見えたし最初から苦労しそうな恋愛はもうしない。そう決めてた。
『何やねん。興味ないん?まぁ彩音には晃は無理やろなっ!!』2006-11-02 09:40:00 -
17:
彩音◆S1rZjgcLUE
『無理って何やねん。分からんよぉ??』
にやにや笑いながら悠介の顔をのぞき込んだ。白い煙を口から吐き出しながら笑う悠介。
『ハハッ!!無理やから!だって晃は外見重視やし。彩音には絶対無理。お前等がもし付き合ったら俺何でもしたるわっ!』
私は携帯を開き悠介の目の前に突きつけにっこり笑って見せた。
『晃君に今日誘われてますから!今言った事忘れないでね?』2006-11-02 11:02:00 -
18:
彩音◆S1rZjgcLUE
大きな目をパチパチさせて
画面に釘付けになる悠介の姿を見て 私はもう一度笑って見せた。
【ごめん。メール今気付いた。今からでいいなら大丈夫だけど、どうする?】
晃にメールを送信して すぐの事だった。知らない番号からの着信。。相手はすぐに予想出来た。
『うん。分かった!』
時間と場所を指定された私は それだけ言うとすぐに電話を切った。前に座る悠介の何とも納得のいかなそうな顔に上機嫌になりながらテーブルの端にあった伝票を手にして席を立った。2006-11-04 09:43:00 -
19:
彩音◆S1rZjgcLUE
『ごめん。待った?』
待ち合わせ時間5分前。余裕を持って行ったつもりが既に待ち合わせ場所には晃の姿があった。軽く駆け寄り申し訳なさそうに聞くと晃はにっこり笑い首を横に振った。
『何か緊張するわ…』
創作料理屋に入り ぼちぼち酒も入った頃 晃がぼそっと口にした。
『ん?何で??』2006-11-05 22:44:00 -
20:
彩音◆S1rZjgcLUE
『ん?女の子と二人でご飯とかめっちゃ久しぶりやし…』
恥ずかしそうに顔を隠しながら話す晃。
かわいい…。。2006-11-05 22:47:00 -
21:
彩音◆S1rZjgcLUE
心の底から そう思った。遊んでそうな見た目とは違って 純粋そうな中身。話をする度 伝わってくる優しさ…。私はどんどん晃に興味を持っていった。『そろそろ帰ろっか。。』
気付けば時計は12時を少し回っていた。二人して席を立ち伝票をレジの店員に差し出すと晃が私の財布を取り出す手を阻止しながら出口の方を指差した。
『いいの?』
会計を済ませて出てきた晃に問いかける。2006-11-05 23:03:00