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〜Noni〜

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  • 1:

    知香

    あなたが好きで…

    あたしはどんどん変わっていった。

    あたしだけを見てほしくて…

    2006-10-24 15:11:00
  • 2:

    知香

    誰にも渡したくなくて…
    気付けば嫌な女になっていた。


    こんなはずじゃ…なかったのに。

    2006-10-24 15:12:00
  • 3:

    知香

    「でな、今日も結局終電で帰ってきてん…ほんま疲れた」

    受話器から聞こえてくる声を目を閉じながら聞いていた。少しかすれた声。疲れているんだろう。声を聞いてすぐに分かる。

    「ふーん…じゃあ早く寝て…」

    2006-10-24 15:15:00
  • 4:

    知香

    「なんやねんそれ…ちょっとでも声聞きたかったからかけたのに」

    「眠たいねん…おやすみ」

    あたしは一方的に電話を切った。

    2006-10-24 15:16:00
  • 5:

    知香

    いつも思う。どうしてこんなふうに可愛いげのない女なんだろう。
    声が聞きたくて…携帯が鳴るのを待っていたのに。電話待ってたよって…素直に言いたかった。

    ブーブーブー…
    震える携帯に手を伸ばし、あたしは携帯を開いた。

    2006-10-24 15:17:00
  • 6:

    知香

    受信メール1件

    あたしはゆっくりボタンを押し、メールフォルダを見た。

    (眠いのに電話かけてごめんな。また明日。ゆっくり寝ろよ。好きやで。おやすみ)

    2006-10-24 15:20:00
  • 7:

    知香

    メールの相手は…広瀬 大地。今あたしが電話を切った相手。彼はあたしの…上司。
    そして…付き合って半年になる彼氏だった。


    (大地こそ疲れてんねんからゆっくり寝えや。おやすみ)

    2006-10-24 15:23:00
  • 8:

    知香

    メールの送信ボタンを押すとあたしはそのまま携帯をソファーに投げた。
    何やってんねやろ…。謝らなければならないのはあたしのほうなのに。疲れている大地に優しい言葉もかけてあげることができなかった。

    こんな自分が…嫌。
    強がって冷たくあしらうことしかできない。

    2006-10-24 15:24:00
  • 9:

    知香

    全ては嫉妬…いわゆるヤキモチからくるイライラだった。

    大地とあたしは同じ会社で働いていた。

    でも周りはあたし達が付き合っていることを知らない。きっと気付かれることもない。

    2006-10-24 15:26:00
  • 10:

    知香

    いわゆる職場恋愛ってやつなわけだが、あたしも大地も会社では周りと同じようにお互い接し、付き合っていることがばれないように隠し続けていた。


    隠していた理由は3つ。まず一つ目は、別の上司にあたしが凄く気にいられてたから。

    2006-10-24 15:28:00
  • 11:

    知香

    2つ目は、社内恋愛禁止とまではいかなかいが社内が恋愛関係でドロドロしたことがあったらしく、なんとなく言い出せない雰囲気があったから。

    3つ目は…周りに付き合ってることがばれると面倒だと思ったから。
    喧嘩したりだとか仮に別れることになった時、誰にも知られてなければ気を使われることもないし、首を突っ込んでこられることもない。

    2006-10-24 15:30:00
  • 12:

    知香

    だから内緒にしているほうが楽といえば楽なのだ。
    でも…
    大地はハッキリ言って社内で人気者だった。

    あたしも一目惚れというべきなのか、初めて会った時から大地に惹かれていたのかもしれない。

    2006-10-24 15:31:00
  • 13:

    知香

    特別タイプなわけでもなかったけど、気付けばすぐに大地を好きになっていた。

    ただ、大地には当時彼女がいた。

    あたしはそれを聞いてからは半ば諦めていた。でも、だめだとわかっていながら自分からモーションをかけ続けた。

    2006-10-24 15:33:00
  • 14:

    知香

    「この仕事の件で分からないところがあって教えてもらいたいんですけど家に帰らないと書類がないんでケータイの番号教えてもらえないですか?帰ってから電話したいんで」

    大地の携帯番号を知りたいがために、仕事という口実を使ってあたしは番号をゲットした。

    もちろん初めて電話をかけた時は本当に仕事のことを教えてもらった。特別なアピールもしなかった。

    2006-10-24 15:36:00
  • 15:

    知香

    でも番号を入手した以上、動くなら今だと思いながら、あたしは時々大地に電話をかけた。

    楽しく話せて長電話になる時もあったが、大地は彼女といる時は正直に彼女といるからと言ってすぐに電話を切る。

    寂しい反面、彼女を大切にしている大地がますますよく思えた。

    2006-10-24 15:43:00
  • 16:

    知香

    でも大地にとって、あたしはただの職場の女の子だったのだろう。

    あたしはよく電話をかけたが、大地から電話がかかってくることは一度もなかった。

    それが…逆にあたしに火をつけた。なんで相手にされていないのかが不思議でたまらなくなる。

    2006-10-24 15:47:00
  • 17:

    知香

    はっきり言って、男に不自由なんてしていなかった。

    あたしは四年近く付き合っていた彼氏と別れてからは、彼氏と呼ぶ相手をあえて作らなかったけど、それなりに便利な男達はいた。

    2006-10-24 15:50:00
  • 18:

    知香

    顔がタイプの剛と信二。この2人は食事用の男だった。ぶさいくな顔の男と食事するよりも、整ったイケメンと食事するほうが料理もおいしい。

    あきらと浩介は足。移動手段に困った時用のいわゆるアッシー。それ以外使い道のない男。

    そして…四年付き合っていた元彼の悠斗。悠斗は別れてからも一応キープしていた状態だった。

    2006-10-24 15:57:00
  • 19:

    知香

    その他諸々…
    遊んでいる男友達はたくさんいた。でも一線は越えない。付き合ってくれと言われても、はっきりとは断わらず、うまく繋ぎながら切らずにキープ。

    そうやってうまく男を操っていたあたしなのに、大地だけには本当に手こずっていた。

    2006-10-24 16:03:00
  • 20:

    知香

    そして…

    「今おらんけど彼女といてる時に工藤さんから電話かかってきたら彼女やきもちやくかもしれんからゴメンやけど俺からかけるようにするわ」


    あたしが電話をかけるようになって三週間後、電話越しに大地にそう言われた。

    2006-10-24 16:09:00
  • 21:

    知香

    工藤沙織23歳…

    いい歳こいて軽くフラれた気分になった。

    結構珍しく押しモードで頑張ったのに…結果玉砕なんてカッコ悪い。くだらない小さいプライドが傷ついていた。

    2006-10-24 16:14:00
  • 22:

    知香

    それでも少しは期待していた。

    電話がかかってくるのを待っていた。

    でも、俺からかけるようにすると言ったくせに、その電話以来、大地から電話がかかってくることはなかった。

    2006-10-24 16:18:00
  • 23:

    知香

    なに…本気で脈ナシってこと?

    鳴らない携帯を見つめながら、ため息をつく日々だった。

    そして、あたしの熱くなっていた気持ちもため息の数と共に少しずつ冷めていった。

    2006-10-24 16:21:00
  • 24:

    知香

    待ってたのに…

    かけるって言ったのに…

    ちょっとは期待してたのに…

    2006-10-24 16:22:00
  • 25:

    知香

    えっ…ってゆうか…あたし何こんなに必死になってるんだろう。

    考えてみれば初めから女がいることぐらいわかっていた話。

    自分自身、そこまで若くもなくなってきてるのに…くだらない石ころみたいな恋につまづいてる場合じゃない。

    2006-10-24 16:26:00
  • 26:

    知香

    「今日コンパ頼みたいねんけど女の子集めて来てくれる?」

    仕事が終わったあたしの携帯に一本の電話が入った。相手はドルフィンというバーを経営している佐伯さんという人だった。

    佐伯さんは正直謎な人だった。知り合ったのは三年程前で普通にドルフィンに飲みに行ったのがきっかけ。

    2006-10-24 16:51:00
  • 27:

    知香

    佐伯さんは様々なジャンルの業界人と仲がよく、ドルフィンには芸能人やスポーツ選手が日夜訪れるような感じだった。

    そしてその日は…そんな業界人とのコンパのお誘いの電話だったわけ。

    「うーん…どうしよっかな…」

    2006-10-24 16:56:00
  • 28:

    知香

    悩んでいたあたしの視線の先には、あの広瀬大地の姿が見えた。

    携帯片手にメールを打っているようだった。

    女にメールでもしてるんかな?あたしには電話もかけてこないくせに…

    2006-10-24 17:00:00
  • 29:

    知香

    「沙織ムリか?」

    電話の向こうでは佐伯さんがそう言っている。コンパか…コンパ…。正直気は進まない。でも今のカッコ悪い自分がすごく嫌なのは確かだ。

    「行く!!可愛い子揃えて盛り上げるわ♪」

    2006-10-24 17:03:00
  • 30:

    育?

    おもしろい♪がんばって(g>ω

    2006-10-24 17:06:00
  • 31:

    知香

    「おっ、じゃあ待ってるで。しかも今日はすごいメンバーやから期待しといて」

    佐伯さんにそう言われ、一応テンションを上げたフリをしながら電話を切った。

    「はぁ…」よく分からないため息をつきながら、あたしは周りにいた数人に声をかけた。

    2006-10-24 17:08:00
  • 32:

    知香

    「コンパあるけど行く人ぉー」

    あたしがそう言った瞬間、そこにいた女達の視線があたしに当てられる…。

    なんだかんだいってみんな結構敏感なのだ。

    2006-10-24 17:12:00
  • 33:

    知香

    「行くー!割り勘以外なら!」

    そう言って条件つきで駆け寄ってきたのは同僚の竹内朋子。

    女も23にもなると少しばかりの焦りみたいなものがあるのだろうか。いや…彼女の場合は割り勘以外、つまりおごりならOKで要するにタダ飯タダ酒を期待してるだけだった。

    2006-10-24 17:20:00
  • 34:

    知香

    どうしてかって?

    そりゃあ…この手の理乃タイプはオイシイとこ独り占めするのが目に見えて分かるから。

    ただでさえ若くて可愛くて女の子らしさアピールしまくりで…大概の馬鹿な男はすぐに引っかかってしまう。はっきり言って面白くない。

    2006-10-24 17:31:00
  • 35:

    知香

    「工藤さん連れていって下さいよぉぉ♪」

    甘ったるい理乃の話し方で軽く頭痛が走った。仕方ない…断る理由もないのだから。

    「いいよ。で…他は?行かんの?」

    2006-10-24 17:34:00
  • 36:

    知香

    まだ社内には朋子と理乃以外、六人近く女は残っている。

    「あ、椿さん行きませんか?」

    あたしはその中の山口椿に声をかけた。椿さんはあたしの4歳年上でただいま27歳のシングルウーマン。

    2006-10-24 17:39:00
  • 37:

    知香

    コンパの誘いも少なくなったと嘆いていたことを思い出して、思い切って誘ってみた。

    「ごめーん今日カ・レ・シとデートやねーん♪」

    椿さんは満面の笑みであたしにそう言った。嘘やん…椿さん彼氏できたん…?なんとなく負けた気になった。

    2006-10-24 17:43:00
  • 38:

    知香

    「じゃあお疲れ様っ♪」

    椿さんはルンルンで帰っていく。どうしよう…メンバー朋子と理乃だけだとあたしの神経的にキツい。

    そう思って周りを見ていると、あたしは思い出したかのように彼女を見つけた。

    2006-10-24 17:46:00
  • 39:

    知香

    「由衣!」

    あたしが名前を呼ぶと、彼女は即座にこう言った。

    「絶ーっ対行かへん」

    2006-10-24 17:49:00
  • 40:

    知香

    彼女は小橋由衣、22歳。あたしが社内で一番仲の良い女の子。

    「ムリ!由衣ほんまお願い!一生のお願い!」

    「沙織んの一生のお願い聞き飽きたって…ほんまに今日は帰って爆睡しようと…」

    2006-10-24 17:53:00
  • 41:

    知香

    「あたしに朋子と理乃と三人で行けって言うん…そうやんな…あんたはそういう子やもんな…帰って寝るねんな…」

    あたしは喋っている由衣の耳もとで、小さくそうつぶやいた。

    「もぉ…分かった。行けばいいんやろ」由衣は呆れた顔であたしを見た。由衣にした一生のお願いは何度目なのか分からない。でもなんだかんだ言いながらこうして聞いてくれる由衣があたしにはとても可愛く感じられる。

    2006-10-24 17:59:00
  • 42:

    知香

    「ところでコンパとか行ってていいわけ?もういいん?例の人は」

    由衣があたしにそっとつぶやいた。

    例の人とはあの広瀬大地のこと。由衣とは仕事以外のプライベートな部分も話せるような仲だった。大地の軽い相談も、由衣にだけは話していた。

    2006-10-24 18:04:00
  • 43:

    知香

    「ん?いいもなにも…もういいねん。今日は久々に飲むで♪明日は休みやねんから」

    そう言ってあたしは由衣の背中をぽんとたたいた。

    もう…いい。こんなことになるのは始めからわかっていたことだ。大地には…彼女がいる。ただそれだけのこと。

    2006-10-24 18:10:00
  • 44:

    知香

    「こんばんはー」

    浮かない気持ちのままあたし達四人は仕事帰りにそのままドルフィンへ向かった。お店に入るとすぐに佐伯さんに店の奥へと案内される。

    さぁ、今日のメンツはどの業界!?そう思って先に来て待ってくれていた人達を見たあたしは、珍しく空気に圧倒された。

    2006-10-24 18:16:00
  • 45:

    知香

    た…た…田中翔や…

    「ちょっと!沙織ん!」

    呆然とするあたしを見てたまらず由衣があたしを揺さぶった。もちろん由衣自身も驚きながら。朋子は口が開いたままだった。平常だったのはあの理乃だけ。おそるべし若さ…

    2006-10-24 18:20:00
  • 46:

    知香

    「おい沙織(笑)とりあえず座れ」

    佐伯さんがあたしにそう言って笑った。あたし達は言われるままにとりあえずソファーに腰をおろした。

    こんなことなら、帰ってもっとお洒落をしてくるべきだった。なんでよりによって会社帰りのこんな日に…

    2006-10-24 18:23:00
  • 47:

    知香

    完全…ハズした…

    あたし達のコンパ相手は、サッカー選手だった。チームはバラバラだったが、どの人も超がつくほどの人気選手ばかり。

    そしてそして、そこにいる田中翔は…あたしの大大大スキなタイプ。田中翔のファンだったあたしは、本当に放心状態だった。

    2006-10-24 18:28:00
  • 48:

    知香

    でも…残念ながら田中翔は当然一番人気で、さらにさらに両隣にはあの松川理乃と朋子がずっとへばりついていた。

    あたしはまぁ仕方ないと思いながら、田中翔の向かい側に座り、由衣と一緒にみんなを楽しく盛り上げた。

    2006-10-24 18:38:00
  • 49:

    知香

    「ちょっとトイレ行ってくるわぁ」

    飲み始めて二時間ほど過ぎた頃、あたしはようやく席を立った。田中翔の大ファンなあたしは、トイレに行く時間ももったいなく感じ、軽く我慢…してた。

    やっと用をたし、御手洗いの洗面所で手を洗いながら、少し酔いがまわって赤くなっている顔を見てふと思った。ばっかみたい…なにやってんねやろ…

    2006-10-24 18:44:00
  • 50:

    知香

    一人になると気持ちが落ちる。さ、早く戻ってまた盛り上がろう。

    そう思ってトイレを出ると、そこにはあの田中翔が立っていた。

    「嫌じゃなかったら…番号教えてください」

    2006-10-24 18:48:00
  • 51:

    知香

    「…あ…なん…の番号ですか?」

    田中翔の突然の言葉に、あたしは訳が分からずぱにくっていた。

    「沙織ちゃんの番号。あ…やっぱり無理か…って俺めっちゃ軽いとか思われてるんちゃうん…あの…」

    2006-10-24 18:51:00
  • 52:

    知香

    焦っていたのはあたしだけではなかった。田中翔もなぜか焦っている。

    なんだかおかしくて笑ってしまった。

    「いいですよ、番号…交換しましょっか」あたしは田中翔にそう言った。って…あたしが上から目線でこんなこと言っていいの?

    2006-10-24 18:54:00
  • 53:

    知香

    「マジ!?やったー♪」

    田中翔はそう言いながらテレビでは見たことのない可愛い笑顔でにこっと笑っていた。

    番号…交換しちゃった…。みんなの席に戻ると、くすぐったいようなドキドキを感じた。これって夢じゃないん…

    2006-10-24 18:59:00
  • 54:

    知香

    (♪〜♪)

    そんな時、あたしの携帯が鳴った。着信音は…m-floのlet go…

    これは…あの広瀬大地からの電話。指定着信音に設定していたけど、一度も鳴ったことのなかったメロディー。つまり初めて電話がかかってきたということ…。でもなんで?

    2006-10-24 19:04:00
  • 55:

    知香

    「沙織ん!携帯鳴ってる」

    動揺していたあたしに、由衣がそう言った。確かに鳴ってるけど…。そう思って焦っているうちなメロディーは止まった。

    「ごめんちょっと電話してくる」あたしはとりあえずそう言って携帯を持ってドルフィンから出た。

    2006-10-24 19:10:00
  • 56:

    知香

    ふぅーっ…。深く深呼吸して携帯を開いた。

    ━不在着信1件━

    静かにボタンをクリックすると、着信履歴に広瀬大地の名前が表示されていた。大地からの着信は初めて。一体…なんなんだろう…

    2006-10-24 19:14:00
  • 57:

    名無しさん

    ?

    2006-10-24 21:20:00
  • 58:

    知香

    それからしばらくどうすることもできず、ただじっと携帯のディスプレイに映る着信履歴の大地の名前を見つめていた。

    たった一度のコールでこんなにドキドキしてる。酔ってるんかな…あたし。

    戸惑うあたしにさらに携帯が音を鳴らす…二度目の大地からの着信だった。

    2006-10-24 23:54:00
  • 59:

    知香

    間違い電話じゃない。はっきりした二度目の電話だ。

    焦る気持ちを抑えながらあたしは静かに電話にでた。

    「もしもし…」

    2006-10-24 23:56:00
  • 60:

    知香

    「工藤さん?…広瀬ですけど今大丈夫?」

    電話の向こうから聞こえる声。あたしは信じられないまま大丈夫だと答えた。

    「今何してんの?遊んでるん?」

    2006-10-24 23:59:00
  • 61:

    知香

    コンパです…なんて死んでも言えない。

    「ご飯食べてました。もうすぐおひらきと思いますけど」

    どこがおひらきだ?思いっきり盛り上がってますけど…

    2006-10-25 00:07:00
  • 62:

    知香

    「そうなん?俺まだ会社やねんけどそれ終わってからでいいから飲みにでもいかん?」

    突然の誘いだった。不意打ちでくらったハッピーな爆弾。断る理由なんてない。

    「分かりました。じゃあもうお店出ますよ?どうします?」

    2006-10-25 00:12:00
  • 63:

    知香

    「場所どのへん?そこまで迎えに行くわ」

    あたしはドルフィンから少し離れた場所を指定して電話を切ると、みんなのところに戻った。

    「もう沙織ん遅ぉーい!」少しふくれた由衣があたしに酔ってからむ。自分で無理やり誘っておきながら、由衣には悪いことをした。

    2006-10-25 00:15:00
  • 64:

    知香

    「ちょっと由衣?」

    あたしは由衣を隣にくるように手招きし、小さい声で話した。

    「あたし帰るけどどうする?まだ盛り上がってるし残るなら残ってくれていいけど」

    2006-10-25 00:18:00
  • 65:

    知香

    「なんで帰るん?」
    「ちょっと飲み過ぎて疲れた」
    「絶対うそー。なんかあったんやろ?あ、さっきの電話?誰やったん」

    ヒソヒソと小さな声であたし達は話していた。由衣の勘はたまにビクっとするくらい鋭い。ピンポイントでズバッとくるから。

    2006-10-25 00:21:00
  • 66:

    知香

    「広瀬大地…」
    「は?広瀬さん?そっか…ならしゃあないな。行っておいで。今盛り上がってるし由衣もう少しうまくここ盛り上げとくから。疲れたら適当に帰るし」

    由衣がそう言って笑ってくれた。
    コイツ…ほんま可愛い!絶対焼き肉ゴチするから!あたしは心の中で由衣に感謝しつつ、帰ることをみんなに言った。

    2006-10-25 00:26:00
  • 67:

    知香

    「帰るんやったら俺送るわ」

    でも、そんなあたしのウキウキをある人が少し薄れさせた。

    田中翔だ…。盛り上がっているみんなをよそにあたしと一緒に席を立ち、帰る体勢になっている。

    2006-10-25 00:30:00
  • 68:

    知香

    「危ないやん酒飲んでるし。タク乗ったらすぐやろ?俺も明日早いからそろそろ帰ろうかと思ってたし」

    嘘…信じられへん。でも…嬉しい気持ちもある。田中翔があたしを送ってくれんの?

    夢のような展開にあたしは自分がシンデレラにでもなったかのような気分になった。

    2006-10-25 00:35:00
  • 69:

    知香

    って…あかんあかん。今から広瀬さんと…会うんだから。

    あたしは浮かれていた気持ちをしっかりと抑えた。

    でも…田中翔と会えるのは、きっと今日が最後になる。大ファンだった人が今はこんなに近くにいるんだ。どうするあたし!自分の中のライフカードが何枚か浮かんだ。

    2006-10-25 00:39:00
  • 70:

    知香

    でも…あたしは何故か目の前にいる憧れの田中翔よりも、彼女がいる広瀬大地に会いたかった…

    「ごめんなさい、友達が迎えに来てくれてるんで。じゃあ、ごちそうさまでした。由衣またメールするわぁ」

    あたしはそう言ってドルフィンを急いで出た。なにやってんねやろ…

    2006-10-25 00:44:00
  • 71:

    知香

    一人になると自分が分からなくなる。

    どうしてあたしは広瀬大地と会うことを選んだのだろう。相手にもされていない、まして彼女のいる男なのに…。

    そう思いながら歩いていると反対側の道路から、車のクラクションが聞こえた。

    2006-10-25 00:51:00
  • 72:

    知香

    そしてその車を見ると、開いている窓から手を振る広瀬大地の顔が見えた。

    ばっかみたい。

    そう思いながらも、大地を見つけた時、あたしはすごく嬉しいような…あったかい気持ちになっていた。

    2006-10-25 00:54:00
  • 73:

    知香

    「工藤さん顔赤くない?大丈夫?」

    車に乗り込んだあたしに広瀬大地はまずそう言った。

    酔っていたのかは分からない。でも大地に会って顔が熱くなったのは確かだった。

    2006-10-25 00:56:00
  • 74:

    知香

    あたしはバカなんだろうか。こうしてドキドキしていることはおかしいことなのかな…

    大地といると自分のペースを乱されるような感覚になる。

    扱いやすい男達とは違う何かが大地には感じられた。

    2006-10-25 01:01:00
  • 75:

    知香

    手に入らないから欲しくなる…

    子供がおもちゃを欲しがるような感覚に似ているのかもしれない。

    運転している横顔を見ながら、この人が…"欲しい"と心から思った。

    2006-10-25 01:04:00
  • 76:

    知香

    車は15分程走ると、とあるカラオケボックスに着いた。

    夜の一時。まぁカラオケが妥当だ。

    二人で距離をとりながら部屋へと入り、軽く乾杯すると少し静かな空気になった。

    2006-10-25 01:08:00
  • 77:

    知香

    この人はなんで今日あたしを誘ったんだろう。何のために、何の目的であたしに電話をかけてきたんだろう。

    静かな空気の中、あたしの頭の中はそんなことでいっぱいになっていた。

    あたしのこと…どう思ってるんだろう。

    2006-10-25 01:13:00
  • 78:

    知香

    「ごめんな…急に誘ったりして」

    そんなあたしの気持ちも知らずに広瀬大地は真面目な顔で謝ってきた。

    「いいですよ全然、暇やったんで。」あたしはばかみたいに嘘をついた。本当は少し眠い。できることなら別の日のほうがありがたかった。

    2006-10-25 01:19:00
  • 79:

    知香

    「工藤さんって何型?」
    「広瀬さん何人兄弟ですか?」
    「あのテレビはほんまウケるよなぁ」

    気付けばどうでもいいような話をずっとしていた。カラオケに来ていたのに一曲も歌わないままただずっと…話し続けた。

    2006-10-25 01:22:00
  • 80:

    名無しさん

    前にRAIN書いてた人ですか?

    2006-10-25 01:24:00
  • 81:

    知香

    はい☆そうですよ

    2006-10-25 01:28:00
  • 82:

    知香

    今日は書き始めから100目指してたけど、ちょっと疲れたので引き上げます。
    また見て下さい(^-^)

    2006-10-25 01:29:00
  • 83:

    83です

    某作品の作者ですが、今まで何読んでも、対した感想を持たなかったのですが、RAINだけは、本当に好きでした。応援してますネ?頑張って下さぃ?

    2006-10-25 01:32:00
  • 84:

    名無しさん

    ぁ〜面白い(*o´∀`pq☆*゜

    2006-10-25 02:50:00
  • 85:

    名無しさん

    誰か優しい方、RAIN貼り付けてくれませんか?探しきれなくて・・

    2006-10-25 18:52:00
  • 86:

    名無しさん

    Rain?は見れると思うけど、Rain?は倉庫いきになったからパソコンでしか見れないよ。それでもよければどーぞ。

    2006-10-25 19:21:00
  • 87:

    名無しさん

    http://bbs.yoasobiweb.com/test/mread.cgi/yomimono/1136967385/988

    2006-10-25 19:23:00
  • 88:

    名無しさん

    こっちかも
    http://bbs.yoasobiweb.com/log/view.php?d_id=chat_shosetu&l_id=16251&p_strat=1&p_end=1001&pagesize=0

    2006-10-25 19:26:00
  • 89:

    88

    早速ありとうございます!!
    パソコンから見てるのですが、見れません・・なぜでしょうか??

    2006-10-25 19:27:00
  • 90:

    88

    今 見れました!!どうもありといございます!!

    2006-10-25 19:31:00
  • 91:

    名無しさん

    Rainの次に書いてたやつ完結したん?

    2006-10-25 19:32:00
  • 92:

    名無しさん

    スレおちたんちゃうの?

    2006-10-26 00:16:00
  • 93:

    知香

    中途半端してすいません…また一から書きたくなってしまって。

    Noniというタイトルは、よく人が口にする言葉から生まれたものです。

    この小説を見て、その言葉の裏側にあるたくさんの思いを感じてもらえればいいなと思っています。

    2006-10-26 21:10:00
  • 94:

    知香

    (Pullll…)

    楽しく話していた時間は、あっという間だった。時間前のコールが部屋に鳴り響く。

    入室する時に決めた時間は二時間。もう…そんなに時間が過ぎてしまってたのか。

    2006-10-26 21:15:00
  • 95:

    知香

    もっと一緒にいたい…こうして近くにいられるだけでいい。

    でも、あたし自身彼を好きなのかは分からなかった。正直悪戦苦闘していた相手。

    たいして相手にもされず、カッコ悪くて悔しい思いもした。

    2006-10-26 21:21:00
  • 96:

    知香

    だからこそ、自分の気持ちを抑えた。広瀬大地に、あたしの気持ちを悟られるのが怖かったからだ。

    だから平常心を装って、いつも以上に笑った。会社以外では広瀬大地と会うことなんてなかったから…

    2006-10-26 21:35:00
  • 97:

    名無しさん

    ひゃぁくぅ??

    2006-10-27 04:10:00
  • 98:

    名無しさん

    ???

    2006-10-28 16:00:00
  • 99:

    知香

    「どうする?延長する?でる?」

    静かなカラオケの部屋で広瀬さんはあたしにそう聞いた。考えてみればカラオケに来たのにあたし達は一曲も歌わないまま二時間も話し続けてたんだ…

    「き、決めてくれていいですよ広瀬さんが」

    2006-10-30 14:30:00
  • 100:

    知香

    「えーっ…どうしよ…」

    広瀬さんは受話器を片手に考えていた。

    あたしは…もう少し一緒にいたい。本当はそう言いたかった。

    2006-10-30 14:33:00
  • 101:

    知香

    「あ、もう出ます。はい、はい。はい」

    でも少し考えたあと、広瀬大地はそう言って受話器を戻した。

    一緒にいたかったのはあたしだけだったんだ。広瀬さんは別にあたしのことなんてなんとも思ってないもんね。

    2006-10-30 14:37:00
  • 102:

    知香

    何でだろう?胸の締めつけられる感じがした。結構キツイ…。

    苦しいってゆうか…切ないってゆうのかな?悲しいとはまた違う感じ…。広瀬大地といると、そんな感じになる。

    なんで今日あたしのこと誘ったんだろう…なんであたしなんだろう…なんで…

    2006-10-30 14:45:00
  • 103:

    知香

    "彼女"という大きな壁。その存在が、あたしの中ではとても大きくて凄く邪魔なものだった。

    あたしがどんなに頑張っても、彼女がいる限りこの人はあたしのことなんて見てくれない。

    行き場のない気持ちが心を埋め尽くしていく。惹かれていく気持ちを抑えながら、彼女の存在というものに嫉妬していた。

    2006-10-30 15:53:00
  • 104:

    知香

    ブーブーブー…

    あたし達が車のすぐ前についた時、カバンの中で携帯が震えた。あたしは車に乗る前に携帯を取り出し、そっと開いた。

    ━着信━田中 翔

    2006-10-30 16:03:00
  • 105:

    知香

    田中…翔…?
    あたしは一瞬携帯を持つ手が震えた。でもすぐ側には広瀬大地がいる…。あたしは黙ったまま携帯を閉じると車に乗り込んだ。

    「大丈夫?電話」
    「え?あ…大丈夫ですよ」

    2006-10-30 16:14:00
  • 106:

    知香

    大丈夫です…か。自分でもむかつく位あたしはあたしではなく、広瀬さんといるとどこか無理してるところがあった。

    一緒にいて楽だと思われたかったからかもしれない。彼女よりいい女だと思われたかった。

    少しでもこっちを向いてほしいがために、聞きたいことも聞かず、言いたいことも言わなかった。

    2006-10-30 16:21:00
  • 107:

    知香

    「送ろっか?家どのへん?」

    走り出した車の中で、隣にいる広瀬大地があたしを見てそう言った。

    楽しい時間はどうしてあっという間に過ぎてしまうんだろう…。ふと時計に目をやると、時刻はもう深夜の3時過ぎだった。

    2006-10-30 16:30:00
  • 108:

    知香

    車はそのまま走りつづけ、気付けばもうあたしのマンションの近くまできていた。

    「もうこのへんでいいですよ。近いから」

    あたしがそう言うと、広瀬大地はゆっくりとブレーキをふみ、車を停車した。

    2006-10-30 16:48:00
  • 109:

    知香

    「今日は…楽しかったです。ありがとうございました」

    あたしはそう言ってドアに手をかけた。でも広瀬大地は何も言ってくれないまま黙っていた。

    「か…えりますね」あたしは戸惑いながらドアを開けようとした。

    2006-10-30 16:55:00
  • 110:

    知香

    「もう…帰んの?」

    ドキッとした。ドアを開けるあたしの手を止めたのは、寂しそうな大地の声だった。

    どういう意味なのか分からない。でも、自分が大地のことを好きになっているような気がした。帰んの?…そう言われた時、あたしは帰りたくない、まだ一緒にいたいと思ったから。

    2006-10-30 17:04:00
  • 111:

    知香

    「えっ?」

    「もう帰んの…?もうちょっとだけ時間ない?まだ…一緒におりたいねん」

    なにこの展開…。嬉しいのと驚きで心臓がバクバクした。広瀬さんは少し照れながらこっちを見ると、あたしと目が合った瞬間そっと肩に手をまわした。

    2006-10-30 17:20:00
  • 112:

    知香

    自分の心臓の音が聞こえるくらいドキドキする。肩を抱き寄せられながら、信じられない展開にあたしは軽く放心状態だった。

    (いやいやいやそうじゃないやろ。なんで広瀬さんこんなん…彼女おるやん)

    「あ…の…広瀬さん彼女…いますよね?こんなことしててい…んですか」

    2006-10-30 17:25:00
  • 113:

    知香

    「ごめん…」

    広瀬大地はそう言いながらも、肩を抱く腕を離すことはしなかった。

    ごめんって何?いま何を思ってこんなことしてるん…?あたしには理解できない。

    2006-10-30 17:30:00
  • 114:

    知香

    でも、あたしも抱き寄せられる腕をほどくことはできなかった。

    切ないってこういうことをゆうんだろうな…

    だめだと分かっているのにどうにもならない気持ちって切ない。広瀬大地の気持ちも分からないままあたしは彼を本当に好きになってしまった。

    2006-10-30 18:00:00
  • 115:

    知香

    ずるい…ちゃんと彼女がいるくせに…

    最低な男だと思った。

    でも、そんな最低な男を好きになった。だったらあたしは…最低な馬鹿女だ。

    2006-10-30 18:02:00
  • 116:

    知香

    「彼女と…うまくいってないんですか?」

    あたしは聞きたくない彼女とのことを聞いた。

    「え?あぁ…」それから広瀬大地は彼女とのことを静かに話し始めた。

    2006-10-30 18:07:00
  • 117:

    知香

    彼女は広瀬さんと地元が近く、同じ年齢で一年半ほど付き合っていた。

    広瀬さんが言うには気が強くて独占的の強いスーパーウルトラヤキモチ焼きで、ありえないくらい束縛が激しいらしい。

    それが嫌で、距離を置きたいと思っているとあたしに言った。

    2006-10-30 18:14:00
  • 118:

    知香

    「だってな、俺が幼なじみみたいな男友達とか職場の同僚と遊びに行くってゆうのも嫌がんねんで?男にまでヤキモチ妬くとかありえへんやろ」

    そう言ってあたしにグチをこぼす。

    ありえへんのはあんたも同じやん。なんであたしがそんなグチ…聞かないとあかんのよ。あたしは心の中でそう思っていた。

    2006-10-30 18:19:00
  • 119:

    知香

    「しんどいねんほんま」

    だったら別れろよと突っ込んでやりたかった。

    「でも好きなんやったら仕方ないんじゃないんですか。結局なんだかんだで一年半それで続いてるんでしょ?」

    2006-10-30 18:23:00
  • 120:

    知香

    「そうやけど…しんどいわ」

    「そっかぁ…」

    それ以上何も言えなかった。こんなことを言っていても、広瀬さんは彼女とは別れないような気がしたから。

    2006-10-30 18:25:00
  • 121:

    知香

    「あたし結構広瀬さん狙ってたのになぁ…彼女おらんかったら絶対おとしにかかってた(笑)」

    あたしはちょっと明るく残念そうにそう言った。何やろう…重く思われたくなかった。

    だからそれがあたしなりの精一杯のアピールだった。

    2006-10-30 18:31:00
  • 122:

    知香

    「うまいなぁ工藤さん。けど俺も工藤さんいいなぁと思っててんで。だから電話くれた時はマジでびっくりしたし。でも彼女といる時に電話あったら彼女ブチギレるからこれからも俺から連絡するようにするわ」

    なにそれ…

    嬉しい言葉の後に落ちる言葉を続けて言われた。結局彼女に気使ってるんやん。ばっかみたい。

    2006-10-30 18:38:00
  • 123:

    知香

    「あたしから電話しちゃだめなんですか?」

    困らせるつもりだった。どう言ってくるものなのかを楽しんでいた。

    「だって嫌やろ?彼女といる時に話されへんやん。だから一緒にいてない時に俺からかけたほうがよくない?ゆっくり話せるし」

    2006-10-30 18:41:00
  • 124:

    知香

    「そう…ですね」

    って全然そうじゃないから!!!!なんであたしがあんたとその女に気使わなあかんのよ!!!!そう思いながらもあたしは黙っていた。

    彼女とは違う物分かりのいいイエスマン女をとりあえず頑張って演じてた…。

    2006-10-30 18:48:00
  • 125:

    知香

    よく分からないまま気付けばそのまま車内で朝を迎え、時計を見るともう六時過ぎになっていた。

    「とりあえず仕事行く準備しないと…」

    2006-10-30 18:51:00
  • 126:

    知香

    あたしがそう言うと、広瀬大地はその言葉をふさぐかのようにあたしにキスをした。

    不意打ちでくらった初めてのキス。こんな簡単にされてしまうなんて…しかも一体あたしは何?

    そう思っていても、何故か凄く嬉しかった。

    2006-10-30 18:57:00
  • 127:

    知香

    「じゃあまた後でな」

    少し照れ笑いを浮かべながら広瀬さんはあたしの頭をポンとたたいた。

    あたしは車からおりると、走り去る車が見えなくなるまで見送った。

    2006-10-30 19:00:00
  • 128:

    知香

    また後で…か。

    …ってちゃうやん!!!!
    あたし気付いたら一睡もしてないし…超眠いんですけど!!しかもこんなことなってどんな顔して会えばいいん今日…

    朝から一人で軽く祭り状態だった。

    2006-10-30 19:07:00
  • 129:

    知香

    「おはよー」
    「あ、おはよーございまーす」

    会社に着くといつもと同じ朝の状態に何故か一人でほっとした。
    変わらない日常の変わらない景色。でも、確かに何かが変わっていた。それはあたしにしか分からないもので、そこにいる周りの人間には気付かれることもない。

    2006-10-30 19:14:00
  • 130:

    知香

    「フーッ…」

    ため息をついた後、眠い目を頑張って見開きながら、とりあえずコーヒーを飲んでいると次々にみんなが出勤してきた。

    「ちょっと沙織ぃー昨日めっちゃ盛り上がったのにぃ」

    2006-10-30 19:18:00
  • 131:

    知香

    そう言って近付いてきたのは朋子だった。

    昨日…あ、あれってもう昨日の話になるんだ。寝てないあたしからすればよく分からない感覚。

    「そっかぁ盛り上がったなら良かったやん♪成功やったやろ」

    2006-10-30 19:23:00
  • 132:

    知香

    「理乃も楽しかったですぅ♪また誘って下さいねぇ♪」

    朋子と話している最中、あのブリッコ女が朝からキツイ甘えた声で会話に入ってきた。

    正直本気でうざいキャラ。可愛いとは思うけど、あたし的には受け付けない。

    2006-10-30 19:39:00
  • 133:

    知香

    「あ、OKOK。またなんかあったら呼ぶわ」

    あたしは適当に理乃に返事をしながら、出勤してきた由衣を見つけるとすぐに由衣のところへ行った。

    「「顔色ワルっ!!!!」」あたしが由衣を見てそう言った時、何故か声が重なった。由衣もあたしを見て同じことを言っていたのだ。

    2006-10-30 19:44:00
  • 134:

    知香

    「なんで言うことカブんねーん(笑)」

    「それこっちのセリフやから(笑)」

    あたしと由衣は朝から馬鹿みたいに大笑いした。顔色が悪いのも同じで、口にした言葉も同じ。由衣のテンションというか性格は、自分と似ているところが多いせいか一緒にいて居心地がいい。

    2006-10-30 19:48:00
  • 135:

    知香

    「で、昨日はどうやったんすか姉さん」

    由衣がふざけてからんでくる。

    「どうって別に…」話したいような…まだ話したくないような…変な感じだった。

    2006-10-30 19:54:00
  • 136:

    知香

    「そんなんゆって何かあったんやろー」

    「ないない!!!!」

    「はいはい!!!!」由衣の似たような返しが面白くて、思わず笑ってしまった。

    2006-10-30 20:02:00
  • 137:

    知香

    「とりあえず仕事終わったら聞かせてもらうわぁ。きっちり全部はいてもらうからね」

    「あんたは一体誰やねん(笑)」

    由衣のあほなテンションで、気付けばかなり眠気もマシになっていた。

    2006-10-30 20:08:00
  • 138:

    知香

    「おはよう」
    「おはよーございますーってどしたんっすか広瀬さん」
    「めちゃめちゃ眠そうっすよ」

    男性陣が広瀬大地の出勤とともに広瀬さんの周りに群がっていた。

    2006-10-30 20:12:00
  • 139:

    知香

    広瀬さんは同性にも人気があった。変な意味ではなく、単純にみんなから好かれていた。

    広瀬さんの周りにはいつも人が集まるし、上司には可愛がられ、部下には慕われる。

    不思議な感じもするけど、広瀬大地という人間のフレンドリーなキャラが知らないうちにみんなの人気者になっていた。

    2006-10-30 20:19:00
  • 140:

    知香

    なんか緊張する…。つい2〜3時間前まで一緒にいたことを思い出すと、あたしはみんなに囲まれている広瀬さんのほうを見ることができなかった。

    「何してたんすか朝までーやらしいわぁ」
    「何がやねんお前ら」
    「どうせ彼女と遊んでたんでしょー」

    2006-10-30 23:30:00
  • 141:

    知香

    部下である男性陣に囲まれた広瀬さんは、四方八方から彼女ネタでからかわれていた。

    「あほかさっさと仕事始めんぞ」

    広瀬大地は肯定も否定もせずに自分のデスクに座った。"彼女"か…。朝まで一緒だったのはあたしやのに。

    2006-10-30 23:35:00
  • 142:

    知香

    なんだか少しテンションが下がった気がした。広瀬さんはいつもと同じ広瀬さんで、何も変わった様子なんてない。

    あたしだけが一人で浮かれてるような気持ちになる。

    やっぱりあたし…カッコ悪い馬鹿女やん。

    2006-10-30 23:38:00
  • 143:

    知香

    「沙織んどうしたんテンション低いやん?眠いん?」

    昼休みの休憩中、食事をするあたしに向かって由衣がそう言った。

    「うん眠い」あたしは短い返事で由衣に答えると、そのまま箸を置いてため息をついた。

    2006-10-30 23:41:00
  • 144:

    知香

    「もう食べへんの?めっちゃ残ってるやん」

    由衣は不思議そうにあたしを見ていた。あたしも自分が不思議でたまらない。

    食事がのどを通らないって感じ?ああいう感覚は初めてだった。

    2006-10-30 23:44:00
  • 145:

    知香

    「元気ないやん。なんかあったん?」

    「ん?ないない」

    あたしは何故か由衣に話すことができなかった。あたしってなんなんやろう…そう思うと、はっきりしていない現状ではどう説明していいのかも分からなかったから。

    2006-10-30 23:48:00
  • 146:

    知香

    「沙織ん!先行くねぇ」

    由衣の言葉に反応してふと顔を上げると、広瀬さんが近付いてきてあたしのすぐ隣に座った。由衣は何を思ったのか席を立ち、先に行ってしまった。

    「ちょっ…由衣!?」

    2006-10-31 01:12:00
  • 147:

    知香

    「なに焦ってんねん(笑)置いてかれたんか?」

    焦っていたあたしに広瀬さんは笑いながらそう言った。

    「あ、そういえば眠くない?大丈夫か?」

    2006-10-31 01:16:00
  • 148:

    知香

    「あ…大丈夫…です」

    それ言うだけでもういっぱいいっぱい…うまく話すことができない。

    「嘘やん!?俺ばりばり眠たいねんけど」広瀬さんはそう言うと大きなあくびをした。

    2006-10-31 01:18:00
  • 149:

    知香

    あたしおかしいんかな…なんでこんなにドキドキしてるんやろ?

    昨日のことを思い出すと顔が熱くなっていくような気がしてその場から逃げるように立ち去った…。

    「お先です」それだけ言って広瀬さんの顔を見ないようにしながら。

    2006-10-31 01:22:00
  • 150:

    知香

    なにやってんねやろ…気付けばため息ばかりついていた。当然仕事にも身が入らない。しっかりしろ沙織!!!!何度も自分にそう言い聞かせた。

    「お疲れ様でーす」
    「おつかれぇ」
    社内にこんな挨拶が飛び交う時間になった頃、あたしの服を引っ張ったのは由衣だった。

    2006-10-31 01:27:00
  • 151:

    名無しさん

    ?

    2006-10-31 21:56:00
  • 152:

    知香

    「何よー」
    「何よちゃうし。とりあえずご飯行こ!じっくり話聞かせてもらおうか沙織さーん」

    由衣はニヤッと笑ってあたしにそう言った。
    誰だよコイツは…そう思いながらもあたしは由衣と一緒に会社を出た。

    2006-11-01 21:46:00
  • 153:

    知香

    「で?どうなんよ」

    年下のくせに小生意気な喋り口調で由衣はあたしにそう聞いた。仕事帰りによく寄る居酒屋で、あたし達は何故かひそひそと話し始めた。

    「一言でまとめるならぁ…三歩進んで二歩下がったみたいな!」

    2006-11-01 21:50:00
  • 154:

    知香

    「ふーん…て分かりやすいってゆうか逆に意味わからんねんけど」

    由衣はそう言って笑ってた。意味がわからないのはこっちも同じだった。昨日の出来事は一体なんだったんだろう。

    あたし…うまくのせられて軽く遊ばれちゃってる?

    2006-11-02 20:05:00
  • 155:

    知香

    「てゆうか早い話さぁ…広瀬大地女いてるやんかぁ。あたしってやっぱりうまく手のひらで転がされてんのかな…」

    不意打ちでくらったキスを思い出していると、「俺から連絡する」というずるい言葉も同時に思い出してしまう。

    カッコ悪いな…ほんま。

    2006-11-02 20:11:00
  • 156:

    知香

    「うまくいってないんちゃうの?沙織んに連絡してきたってことは」

    あたしの暗いテンションを気にしてか、由衣はそう言ってくれた。

    でも、あたしには広瀬大地の気持ちが分からない。本当にずっとそうだった。

    2006-11-03 12:45:00
  • 157:

    名無しさん

    ?????

    2006-11-04 02:49:00
  • 158:

    名無しさん

    ?

    2006-11-04 16:34:00
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