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女豹に落ちて。

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  • 1:

    これが欲しい。

    あれも欲しい。

    ぜんぶぜんぶ、すべて手にしたい手にしなきゃ気がすまない────…‥

    2006-10-19 23:41:00
  • 2:

    「百合のこと好きなんだ。」

    ───こいつも落ちた。もう用なしだな。

    狙ったものは絶対手にする。小さい頃からの変わらぬあたしの物欲、プライド。

    2006-10-19 23:45:00
  • 3:

    だけど、簡単に手に入ってしまったものはすぐにいらなくなる。
    ずっと手に入らないものは、きっと眩しくて眩しくて仕方なくて、手にした幸せは計れないのだろう。


    ────今まで、手に入らなかったものなんてないけどね。

    2006-10-19 23:49:00
  • 4:

    『…‥ねぇ、あたしのどこがどんな風に好きなの?』

    馬鹿な顔した馬鹿な男にあたしは、これまた馬鹿な質問を投げかける。

    すると男は、馬鹿みたいに真面目に答える。

    2006-10-19 23:54:00
  • 5:

    ───また違った。手にするまでは、欲しくて欲しくてたまらないのに、いざ自分のもにになると満たされない。

    ワードローブに並んだ洋服や肩書きだけのブランド品を眺めてみても、なにも満足しない。

    ───────もっともっと。

    2006-10-20 00:05:00
  • 6:

    ただ今の欲求をかき乱すだけ。

    愛が欲しい?
    そんな野暮ったいこと言わない。
    馬鹿な男どもがあたしを求める姿を見るだけで満足。

    2006-10-20 00:08:00
  • 7:

    百合、19歳。
    欲しいものは必ず手に入れる。
    今は働かず、働いていたクラブに体験行ったり元客からの直引きで生活している。

    愛人なんて馬鹿げたことしない。自分の体に触れさせることなく、手に入れる。それが物であろうと人であろうと。

    2006-10-20 12:55:00
  • 8:

    ただ自分に素直に生きたいだけ。

    馬鹿な友達面した女共は、「寂しくないの?」なんて聞く。

    ────寂しけりゃその場を満たすものを手にするまで。

    2006-10-20 12:58:00
  • 9:

    金木犀薫る、晴れやかな初秋。

    元同僚の愛音に誘われて、ヒマだったしお茶をしようと銀座に出てきた。

    街の雑踏も届かない、静かなこのカフェがお気に入り。

    2006-10-20 13:02:00
  • 10:

    名無しさん

    頑張って♪

    2006-10-20 13:07:00
  • 11:

    『あげるよ、これ。』


    遠慮しながらも喜ぶ愛音を横目に、少し苦味のきついコーヒーを一気に飲み干した。

    2006-10-20 13:10:00
  • 12:

    他人が同じものを手にするものなんて、いらない。
    あたしがバッグをあげたことで、愛音は満足。
    あたしよりこの女は“下”だなんて下らない優越感で、あたしも満足。

    世の中、こんなモンで回ってる。

    2006-10-20 13:13:00
  • 13:

    あれから、愛音と夜の銀座を回って酒を浴びるほど飲んだ。

    いくら飲んだところで酔えない。
    冷たいフローリングを這って、キッチンまでたどり着いたあたしは冷蔵庫の扉を開けた。

    2006-10-20 13:20:00
  • 14:

    冷蔵庫の中には、ホールのショートケーキ、ハンバーグ、肉まん、餃子、ピザ、大量のお菓子にパン…‥

    そのすべてを取り出し、ひとつひとつ口に運ぶ。
    『…足りない。足りない…‥』

    2006-10-20 13:23:00
  • 15:

    ぜんぶ食べた。
    無我夢中で何も考えず、ただ胃に詰め込んだ。

    大きくなったお腹を見て、我に返る。
    散らばった袋や、食べカス。

    2006-10-20 13:27:00
  • 16:

    あたしは震える体を起こして水を飲み、トイレへ向かう。


    『…苦しっ…‥っ』
    涙を流しながら、すべて吐く。鼻水やよだれにまみれて、それでも吐く。

    2006-10-20 13:29:00
  • 17:

    自分の胸の奥底に沈ました、何かモヤモヤしたものまでもが流れ出そうで…‥
    何も出なくなるまで吐き続ける。
    『‥はぁっ…』
    パーラメントに火をつける。
    肺の奥の奥まで吸い込む。

    2006-10-20 13:33:00
  • 18:

    過食嘔吐。
    きっかけは、もう何だったのか覚えてない。
    ただ、ほぼ毎日こんな夜が、ずっと続いてる。

    何のためなのか分からない、欲しいものはすべて手にしてるのに、何が満足いかないのか自分でも分からない───

    2006-10-20 13:38:00
  • 19:

    ─────空虚感。

    あたしは膝を抱えて丸まった。
    『…こんなの欲しくない…っ‥』
    ──カシャン。投げたキーが、音を立てて、静かな暗闇に響かせる。

    2006-10-20 13:45:00
  • 20:

    夜になると迫りくる、大きな闇。あたしの心を圧迫して、身動きできなくする。


    ────一生このままなの?何が欲しいの?何が足りないの?
    誰か教えて………‥

    2006-10-20 13:49:00
  • 21:




    ────────
    鮮やかな光が眩しくて、一度開けた瞼をまた閉じた。

    2006-10-20 13:53:00
  • 22:

    もう一度瞼を開けた時には、見慣れた暗闇に変わっていた。


    携帯を手にし、着信をチェックする。
    下らない、馬鹿な奴らばっかり…‥ある名前で、手を止めた。

    2006-10-20 13:56:00
  • 23:

    もう一度瞼を開けた時には、見慣れた暗闇に変わっていた。


    携帯を手にし、着信をチェックする。
    下らない、馬鹿な奴らばっかり…‥ある名前で、手を止めた。

    2006-10-20 14:04:00
  • 24:

    書き込みありがとぅございます??
    がんばりますッ?

    2006-10-20 14:06:00
  • 25:

    名無しさん

    これめっちゃ面白いやん!!
    キャバクラ嬢の話し飽きたし、やっぱクラブ嬢でしょ!

    2006-10-20 15:50:00
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