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◇◆ゆびわ◆◇

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  • 1:

    薬指に小さく小さく輝くダイヤモンド2つ…
    ――《ripples》――
    さざ波をイメージされたその“ゆびわ”は、深い海の中へと沈んで行った…………

    2006-10-19 05:19:00
  • 2:

    『おはよーゆりちゃん!』

    また同じ朝がきた。ん〜眠たい…。
    看護婦の松下さんが体温計をあたしの脇にはさむ。
    『血圧はかるね〜☆』

    2006-10-19 05:38:00
  • 3:

    昨日もまたなかなか寝れなかったあたしは、いつもの様に黙って右手を差し出した。
    『ほんっとにゆりちゃんは血圧低いねぇ〜昨日よく眠れたぁ?』
    『はい…』
    あたしの担当看護婦の松下さんにそんなウソをついても、バレバレ。
    『じゃあまたお昼に来るね〜☆』

    2006-10-19 05:39:00
  • 4:

    この部屋にももう慣れた。白い壁、白いカーテン、白いベッドに白い棚…。
    事故から1か月。入院生活は苦痛なものかと思ってたけどそうでもなかった。それまでの生活は毎日時間に追われて、とにかく前だけを見て走ってたから。
    今日は夕方にユウが来る。それまで寝てよ…早く会いたい…

    2006-10-19 05:49:00
  • 5:

    『ゆりたぁぁぁぁん!♪』
    『キモっ(笑)』

    ―PM5:26―
    『キモイとかゆうなっ!!』

    2006-10-19 05:54:00
  • 6:

    だってもうユウ27歳やんか…ゆりたんって(笑)
    『ゆり、アイス買ってきたぁ♪』

    『やったぁ☆食べる♪』
    ユウは仕事を終え、あたしに会いに来た。

    2006-10-19 05:59:00
  • 7:

    入院生活がそれほど苦しくないのは、こうして毎日ユウが会いに来てくれるからかな。
    でもユウはどう思ってるんやろ…自分が起こした“責任”として来てくれてるんかな…。
    甘ったるそうなキャラメルアイスを食べながら、ユウはニコニコしていた。

    2006-10-19 06:06:00
  • 8:

    『おいしいか??』
    『うん!めちゃおいしいよ☆』

    入院する前、あたしはフランス料理のレストランでバイトをしながら専門学校に通っていた。

    2006-10-19 06:15:00
  • 9:

    専門学校は夜間部に通っていたので、平日はランチタイムだけ。土日はディナータイムも、学校以外の時間は学費を稼ぐためにフルタイムで働いていた。
    忙しい毎日。目標はただひとつ。
    少しでも学費を軽減させるために学校は休まず通い、特待生でいるために成績は常に上位を維持させた。
    夢があったからツラいと思ったことはなかった。

    2006-10-19 06:25:00
  • 10:

    バイトも楽しかった。
    フランス料理を食べることもフランス語にも縁がなかったけど、バイトを初めてからフランス料理を知って少しのフランス語を覚えた。接客業が好きなあたしはホールスタッフとして働いていた。
    ある日、ユウが社員で他店から異動してあたしの店にやってきた。それがユウとの出会い。

    2006-10-19 06:38:00
  • 11:

    名無しさん

    フムフム

    2006-10-19 06:38:00
  • 12:

    ―PM9:46―
    『あ〜もう10時になるなぁ!帰らなっ』
    『えぇ〜もぉ帰るん??(;_;)嫌や!!』
    夜10時は消灯時間。その時間までユウは病室にいることを特別に許可されていた。

    2006-10-19 06:46:00
  • 13:

    『ごめんなぁ、ゆり。俺はめちゃめちゃ一緒にいたいねんで。明日また来るからな☆っ』
    『夜ひとりになるの嫌やぁ……』
    こうやって毎日ユウを困らせていた。
    『んじゃ明日もランチだけで上がりやから、朝出勤前に一回来る!ほんでまた仕事終わったら来るな☆』
    『うん、わかったぁ…』

    2006-10-19 06:54:00
  • 14:

    ユウを困らせたらあかんのはわかってた。わかってるねん。あたしは大丈夫やでって安心させてあげないと。でも、毎晩ひとりになるのは恐かった…。
    『ゆっくり寝るねんで〜ゆり☆チュッ』
    『おやすみなさい…』

    2006-10-19 06:58:00
  • 15:

    ―AM3:09―
    また夢をみた。目が覚めたあたしは体の震えが止まらなくて、布団の中で小さくまるまっていた。
    ユウ…ユウ…
    心の中でずっとユウを呼び続けた。
    静まりかえった病室。ケータイに手をのばした。

    2006-10-19 07:12:00
  • 16:

    すぐにユウの声が聞きたかったけど、ユウに心配をかけたくない…。
    白い棚の引き出しにケータイを戻した。
    大丈夫…大丈夫。

    2006-10-19 07:15:00
  • 17:

    毎日ではないけど、あの時の事故の瞬間を夢で見る日が度々あった。
    今でもときどき夢で見る。

    2006-10-19 07:20:00
  • 18:

    ―1か月前―

    『あたしな、ユウのこと好きやねん』
    『そっかぁ〜…………ってえぇぇぇぇぇ?!?!』
    『ビックリしすぎやし(笑)』

    2006-10-19 07:25:00
  • 19:

    『なになに?!』
    『だから好きやねん』
    『え?!お前彼氏おるやん??』
    『別れたよ』
    『な、な、なんで?』

    2006-10-19 07:28:00
  • 20:

    『だから!ユウが好きやからや!』
    あたしは生まれて初めて自分から告白をした。付き合ってた彼氏はいたけど、告白されてなんとなく付き合っていただけだった。

    2006-10-19 07:46:00
  • 21:

    ユウがあたしの店に異動してきてから、仲良くなるのにそれほど時間はかからなかった。
    ケータイ番号を交換してからは毎日のように電話をしていて、他愛もない話をして毎日笑っていた。
    あたしに彼氏がいたからか仕事上か、ユウは遊びに誘ったりすることはなかった。

    2006-10-19 07:48:00
  • 22:

    仕事中に話すことなんて仕事の話だけ。夜に電話で話すことも仕事の話か他愛もない話。
    けど毎日一緒に仕事をして、電話で話しているうちにどんどんユウに惹かれていった。
    忙しい毎日も楽しくて楽しくてしかたなかった。
    もぉ押さえきれない位、好きになっていた…。

    2006-10-19 07:55:00
  • 23:

    『あかんかな…?』
    『あかんことない!あかんことない!…俺も好きやってん』
    『ほんまにぃ?!』
    『うん!ありがとうなっ☆』

    2006-10-19 08:04:00
  • 24:

    ユウに告白したときのことは今でもよく覚えてる。
    電話を切ったあと、うれしくてうれしくて眠れなかった。
    次の日、朝からバイトでユウも出勤していた。
    前日までは普通に社員とバイトとして働いていたので、お互い恥ずかしくて仕事中ほとんど喋らなかった。

    2006-10-19 08:23:00
  • 25:

    その日のランチタイムは忙しくて、最後のお客様を送り出してからディナーのセットをしていたら学校の時間が迫っていた。
    『あ〜店長!セット途中なんですけど抜けていいかな?』
    『おーえぇよえぇよ!学校の時間やな!はよ行き!』
    更衣室に向かい急いで着替えてお店を出るとき、
    『ゆり!!』

    2006-10-19 08:32:00
  • 26:

    後ろからユウに呼びとめられた。
    『どしたん??』
    『車で送るで☆』
    『ほんまに?!ありがとう♪』

    2006-10-19 08:34:00
  • 27:

    ユウの真っ赤な車の助手席に座った。
    なんかドキドキする…どうしよ…。
    あたしは恥ずかしくてずっと外を見ていた。
    『今日はほんま忙しかったなぁ〜!時間ギリギリまでごめんやで』
    『大丈夫やで☆でもほんま忙しかった。久々にホール回らんくて焦ったし(笑)』

    2006-10-19 08:42:00
  • 28:

    2人きりの車の中でユウがはじめに話しかけてくれた。学校行かんともっと話したいな…。

    『あっ、ユウ今日な……』

    2006-10-19 08:45:00
  • 29:



    ドンガッシャーン!!!!!

    2006-10-19 08:51:00
  • 30:

    ……えっ?……なに?………なにこれ………痛い………痛い……

    2006-10-19 08:53:00
  • 31:

    頭がぼんやりする…。
    頭が痛い…全身痛くて動けない。
    そのときあたしはなにが起こったのか分からなかった。
    額が痛くて、手でおさえると血が溢れだしていた。
    …なにこれ?

    2006-10-19 20:51:00
  • 32:

    『ゆ…り…?』

    ユウ…??
    震えたユウの小さな声が隣から聞こえた。うっすら目をあけると、割れたフロントガラス。
    車の中か…。

    2006-10-20 03:54:00
  • 33:

    そのときようやく事態に気付いた。
    事故った……。
    ……ユウは?!!
    体が動かせないあたしは横目でユウを見た。

    2006-10-20 03:58:00
  • 34:

    ユウは言葉を無くして、震えながらあたしを見ていた。ユウには目立って外傷はないように思えた。
    『ユウ…痛いよぉ…痛いよぉ…』

    痛みが限界を越えてもう言葉がでなかった。意識が朦朧とする中、車の外から男性の声がする。

    2006-10-20 04:08:00
  • 35:

    それからすぐ救急車が到着し、あたしは病院へと運びこまれた。
    救急処置が終わり、ICUのベッドにあたしはいた。頭の中は、ユウのことでいっぱいだった。

    2006-10-20 04:09:00
  • 36:

    全く眠れずにベッドで過ごして翌朝、看護婦さんがあたしのところに来た。
    『運転をされていた男性が話をされたいそうなんですが、話せますか?』
    あたしはすぐにでもユウに会いたかった。伝えたかった。あたしは大丈夫やでって…。
    『はい、お願いします。』

    2006-10-20 04:15:00
  • 37:

    ICUには家族以外入室できないので、看護婦さんがベッドを出入口付近に近づけてドアをあけてくれた。
    そこには暗い顔をしたユウが立っていた。

    2006-10-20 04:18:00
  • 38:

    『ゆり…ごめんな』
    ユウはあたしの顔を見ずに言った。あたしは手を伸ばしてユウの手をとり、
    『ユウ怪我は?!ユウは大丈夫なん?!』
    病院に運ばれてからあたしはユウのことがずっと心配だった。
    するとユウは声を上げて泣き出した。

    2006-10-20 04:23:00
  • 39:

    『お、おれは、だいじょう…ぶや』
    よかったぁ…。あたしはめちゃくちゃほっとした。
    『ご、め、んなぁゆり…うっ』
    『なぁーに泣いてんの!(笑)泣き過ぎやって!!ゆり生きてるし(笑)ゆりは大丈夫やよ☆』
    検査の時間が近づいていたので、それだけ話すとユウは帰らされた。

    2006-10-20 04:30:00
  • 40:

    検査の結果があたしの担当医師から告げられた。
    頭蓋骨陥没骨折。
    事故のとき、フロントガラスに額が打ち付けられて頭蓋骨が陥没してしまったらしい。
    あたしはただ額が切れただけだと思っていたのでショックを受けた。幸いにも脳には異常がなかった。

    2006-10-20 04:39:00
  • 41:

    実はユウも怪我をしていた。シートベルトをしていなかったあたしはフロントガラスに額を打った後、はねかえってユウの頬にぶつかってしまったらしい。
    頬の骨に小さなヒビが入ったけど、見た目にはうっすらアザが出来ているだけでよくわからなかった。
    放っておいても大丈夫みたいだけど、口をあまり大きく開くことが出来なかった。

    2006-10-20 04:47:00
  • 42:

    名無しさん

    それからユウは仕事の合間と休みの日は必ず、毎日あたしに会ぃに来てくれていた。
    ――――――――――

    2006-10-22 01:06:00
  • 43:

    ―AM8:26―
    ユウが病室にやってきた。髪の毛ボッサボサ(笑)
    『なにその頭(笑)』

    『起きてそのまま来たから(笑)』
    ちょうどあたしは朝ゴハンを食べていた。病院食はマズイものだと思ってたけど、メニューも豊富でおいしかった。

    2006-10-22 01:16:00
  • 44:

    『それゆりのバナナやし!!』
    『お腹すいたから♪またなんか買ってくるやん☆』
    起きてからそのまま病院に来たユウはおいしそうにバナナを2口で食べてしまった。
    『最後の楽しみにしとったのにぃ〜↓↓じゃあドーナツ買ってきてなっ♪』
    『うんわかったぁ☆』

    2006-10-22 01:22:00
  • 45:

    入院してからしばらく、ユウは何もノドを通らなかったらしい。呆然としていて仕事の休憩中はタバコに火をつけ、消してはつけ、を繰り返していた。時間を見つけては病院へ向かい、夜はずっとお酒を飲んでいた。
    それを見かねたバイト仲間は皆で協力して、ユウに何か食べさせたり家に行ったりしていたそうだ。入院しているあたしにも心配をかけないようにと、その話は後々バイト仲間から聞いた。

    2006-10-22 01:34:00
  • 46:

    ユウが仕事へ行くと、あたしは病室で一人きりになりぼーっと窓の外を眺めながら考えていた。

    2006-10-22 01:37:00
  • 47:

    想いが伝わった翌日、あたし達は事故に遇った。
    交差点での出合い頭衝突。
    同じスピードで2つの車が交差点で衝突し、あたし達が乗った車はその衝撃で電柱にぶつかり車が止まった。相手の車も前の部分は潰れたが運転手は無傷だったらしい。

    2006-10-22 01:42:00
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