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━ForDear━
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1:
さとる
今思えば俺は君を少しも理解できてなかったのかな。夜の世界でお互い精一杯生きていたね。君が俺にくれた光はこの街のネオンより眩しくてたまらなかった。こんな薄汚れた欲望まみれの街にうもれて生きていた俺の前に現れた君は今笑顔でいてますか?アリスは俺を許してくれますか?
2006-10-19 01:25:00 -
2:
さとる
地元のツレに誘われて何となくホストの世界に入った。21歳の秋だった。とんとん拍子で3ヶ月でナンバー1になった。負けず嫌いで口べたでかっこつけな俺がナンバー1っていう現実がいまいち実感できなかったんだ。お客さんが頑張ってくれただけで俺は何もしてない。雑誌の特集に載ったりサイトで騒がれたりちやほやされたり…。自分がナンバー1なのに周りの目についていけなかった。
2006-10-19 01:34:00 -
3:
さとる
だけどこんな俺のために頑張ってくれてるお客さん達はたとえ痛い子でも可愛くてしかたなかった。彼女がいなかった俺に癒しを与えてくれてたのは俺のために毎日けなげに頑張ってくれてる彼女達の姿。せめて店の中だけでも彼女達に幸せな気持ちになってもらえたらと思える様になった。ますます売り上げが上がった。売り上げが上がるとともに悩みは増えていく一方。当然俺を良く思ってくれる従業員ばかりではなかった。少し病んでいた21歳の冬。
2006-10-19 01:41:00 -
4:
さとる
年が明けて最初の営業日。店長のエースが枝を連れてご来店。出勤してるホストが次々と枝の席に着いた。いつもはみんなだるそうにする枝まわり。なんだかその日は全員やる気満々で変だった。厨房に店長が携帯充電しに入ってきた。「なんか今日はみんなやる気満々ですね。年明けだからっすかね?」店長はため息をついて呆れた口調で理由を説明してくれた。枝の名前はアリス。有名ホストと同棲していてなおかつホストクラブ大好きな売れっ子風俗嬢。当時風俗雑誌でもひっぱりだこ状態でアリスのホスト大好きっぷりはサイトでも有名だったらしい。
2006-10-19 01:50:00 -
5:
さとる
「掴んだら太いで!愛想いい子やし口べたなさとるでも大丈夫やで!後で着いてみ?」それを言って店長はエースとアリスの席に戻った。散々ほかの従業員に潰しや嫌がらせされてた俺は絶対俺が枝掴んだると決心した。ジャケットのポケットに名刺ケースと携帯を入れ香水をふってアリスの席に向かった。
2006-10-19 01:56:00 -
6:
さとる
俺は君に出会えたこと今でも良かったって思えるよ。俺にとって良かった出会いだけど君は俺に出会ったこと後悔してるかな?もし俺があの店でホストをしてなかったら君に出会ってなかったと思う。君が俺にくれた言葉、笑顔全てが今でも鮮やかに頭に残っているよ。
2006-10-19 02:14:00 -
7:
さとる
俺一応ナンバー1やのに情けないわ。仲の良い従業員にグチりながらキャッチにでも出て新しいお客さん掴もうと思いキャッチに出る準備をしていた。店長が厨房に聞こえるくらいでかい声で叫んだ言葉に俺は耳を疑った。「さとるー!アリスからご指名やで!早く来い!」他の従業員ががっかりする中俺は状況が掴めず放心状態。俺でいいの?みたいな(笑)。かなりかっこ悪いナンバー1やな。
2006-10-19 02:40:00 -
8:
さとる
あの時アリスが俺を指名したのはただの気まぐれなん?指名の理由は最後まで教えてくれへんかったね。君にもらった指名は神様からのプレゼントかなってかなり臭いセリフやけど俺はそう信じてる。人はみんなそれぞれ違う環境で育ち個性があって色々な考え方を持っているね。違う人間と気持ちをわかり合ったり淋しさを分かち合うなんて無理なのかな?人は結局1人だと言った君らしくない言葉忘れられないよ。君は今もそう思ってる?俺は君みたいな子が少しでも減ればって願って今もホストを続けているよ。
2006-10-19 02:49:00 -
9:
さとる
その後2時間くらいアリスは店にいた。やっぱりおもろい話もできずろくに自分を出せなかった。アリスは俺なんかより断然会話上手で空気が読める子だった。緊張しまくりの俺に優しく微笑みかけてくれた。ますます自己嫌悪。携帯番号とアドレス交換してその日アリスとの時間は終わった。送り出しの時アリスは大きなサングラスをかけていた。似合ってたけど可愛い顔が隠れてもったいないなと思った。「アリスちゃん外まだ暗いで?」「アリス他の店のホストに見られたらヤバイから変装中(笑)!きしょいやろ(笑)?」猫なで声でそう言うアリスにうっとり(笑)。店長のエースにはちゃんと接客してからサングラスのこと突っ込んだら?といじられたけど。タクをつかまえてエースとアリスはタクに乗った。ドアが閉まるとアリスは窓を開けて俺に「さとるくん今日はありがとう!メールするからね!」と微笑んでタクは出発した。
2006-10-19 03:07:00 -
10:
さとる
今になるとあの微笑みさえ作り物だったのかな?淋しがり屋で強がりで臆病な君はいつも作り物の表情でまわりに接していたね。だけど作り物は壊れやすいね。あの頃の俺はそんなことにさえ気付けなかったんだ。
2006-10-19 03:14:00