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1:
岬 ◆rYagzMs.go
久しぶりに書きます。よろしくお願い致します。
2006-05-24 02:09:00 -
31:
岬 ◆rYagzMs.go
第4章:デレデレ
「今日のオカズはなーんにしよー」などと悩んでいる余裕などなかった。いつボクの部屋から彼女が姿を消すかわからないという不安。スーパーのお惣菜コーナーで買った、とても2人では食べ切れないであろう大量な食料をもって家路へと走った。途中、飲み物がないのに気付き自動販売機で、これまた缶ジュース5本も買って、また走った。2006-05-24 03:01:00 -
32:
岬 ◆rYagzMs.go
起こさないように、静かに・・・テーブルに買ってきたおかずを並べていたら、いきなり彼女が起きてしまった。
「あ、ごめん。起こしちゃったね、うるさかった?」彼女はボクの顔など見ず、 テーブルのおかずに目をギラギラさせて、
「これ、食べていい?」と、スパゲッティーのラップを剥ぎながら、すがるような声でそう言った。
「う、うん、そのために買ってきたんだよ・・・どうぞ・・・」と言う前に彼女は既にスパゲッティーを『ゾゾゾ〜』とすすっていた。途中、何度かむせ返りながら、彼女は黙々と食べ続けた。
「慌てないで、ちゃんと噛まないと身体に悪いからね」母親が子供に言うような、やさしい口調で何度か宥めた。でも、彼女の耳には届いていない。時々「あぁ」とか「おいしい」とか小声でつぶやく以外、一心不乱に食べていた。いや、『食べた』よりも『食った』が正しいな。ボクはそう思った。
2006-05-24 03:02:00 -
33:
岬 ◆rYagzMs.go
彼女は箸を置くと、残りのオレンジジュースを一気に飲み干し、「ふぅ〜っ」と、大きなため息をついた。そしてボクを見て恥ずかしそうに笑いながら「ごちそうさまっ!」と元気よく手をあわせた。ボクが食後のタバコに火を付けると、
「あ、アタシも1本もらっていい?」と彼女もタバコをくわえた。ボクは女性がタバコを吸うのが嫌いなわけではない。しかし、彼女とタバコは似合わないなあ、と思った。23歳ならタバコも許される歳だ。でも彼女にタバコは似合わない。2006-05-24 03:03:00 -
34:
岬 ◆rYagzMs.go
化粧をしていないからかな?中学生くらいの女の子が悪ぶってタバコで遊んでいる様に見えた。
「へえ、タバコ吸うんだ。でも、なんか似合わないな・・・」
「あ、女の子がタバコ吸うのとか嫌い?」相当お腹がすいていたんだろう。食事の前とは別人のように元気だ。
「ううん、そんな事ないさ。ただ綾子とタバコは似合わない気がしたんだ」初めて彼女を「綾子」と名前で呼んでみた。2006-05-24 03:04:00 -
35:
岬 ◆rYagzMs.go
が、反応はなかった。
「そんなに幼くみえるかなあ?あ、でも23歳ってのは本当だよ」しばらく食後の雑談が続いた。しかし今度はボクが質問される回数がグッと多くなった。
2006-05-24 03:05:00 -
36:
岬 ◆rYagzMs.go
「名前はね、竹内幸司。26歳」
「幸司、コウジ・・・コウちゃんだね」彼女は照れながらクスクス笑った。でも、そういわれたボクはもっと照れた。
「コウちゃんか、いいねえ」ニヤニヤの照れ笑い。
「じゃあ、綾子はアヤちゃんか?」もう、デレデレのテレテレだ。
「アヤはアヤだよ」普通に言われた。
2006-05-24 03:07:00 -
37:
岬 ◆rYagzMs.go
「おれさ、実は、漫画家を目指していたんだよ。でも、才能ないみたいだ。田舎から独りで出てきて2年になるけど、まったくダメなんだ・・・。『絶対売れっ子の漫画家になってやる!』なんて大見得きっちゃったもんだから実家にも帰りづらくてさ・・・。あ、今はもう漫画もやめちゃったよ・・・」哀愁たっぷり、男の夢を語った。語ってやった。が、
「ふーん」『何だかよくわからない』という顔をされただけだった。
2006-05-24 03:08:00 -
38:
岬 ◆rYagzMs.go
お互い、話し疲れた。かれこれ3時間も話していた。会話もなくなってきた。やはりここは『2人のこれからについて』を話しあうべきだろう。そう思ったが、何て切り出したらいいか言葉が見つからない。沈黙に苦しんでいると、
「ねえ、コウちゃん。アヤ、もう少しここに居てもいい?」アヤは寂しそうに、申し訳なさそうに、そう言った。喜びで目眩がした。飛び上がって叫びたかった。しかし、ここは格好良く、
2006-05-24 03:10:00 -
39:
岬 ◆rYagzMs.go
顔から火、いや、炎が出た。
「お前なあ、人が真面目に・・・」と、言ったところで気が付いた。アヤの目から涙が溢れていた。
「ありがとう、ありがとう・・・」小声で何度も何度も繰り返していた。一瞬、戸惑ったが、
「まったく、涙ながすほど笑うことないだろ・・・」アヤの頭も『ポンッ』と叩いて、2006-05-24 03:13:00 -
40:
岬 ◆rYagzMs.go
「よし!そうと決まったら忙しくなるぞ!必要な物を買い揃えないとな!ええと、茶碗にコップに、ええと、ええと、あ、布団!え?布団?あちゃ!もうこんな時間だ!」とにかく楽しそうにはしゃいだ。
「アヤ、急げ!銀行が閉まっちまうぞ!」アヤは元気に立ち上がり、
「ありがとう!コウちゃん!」そう言いながらボクに抱きついた。2006-05-24 03:14:00