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セブンスタ-。
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1:
トキ
−‥クルクル回るレコ−ド。モクモク煙る箱の中。心地良いリズム。朝まで終わらない宴。
ずっと隣りに居ると当たり前に思っていた愛する人や友達‥
それは幼さかった私達の‥−。2006-10-09 08:24:00 -
283:
トキ
サクはユックリと立ち上がる。そして私の方へ近付く。何も言わずに抱きしめられたその腕は、全てを物語っていた。
『ユキ‥ごめん』
微かに囁いたサクの奮えた声が、私の脳に信号を送る。そして、胸の奥から込み上げてくる何かを抑える事は出来なかった。2006-10-30 05:07:00 -
284:
トキ
『嫌やぁぁぁ!!マチィィ!嫌ぁぁ‥!』
私は泣き崩れた。神様を怨み、そして自分自身を憎んだ。何もしてあげられなかった無力な私を‥
何を怨み、憎しみを抱いたとしても、マチが還ってくる事なんて有り得ないのに。
−真っ赤に彩られた鮮やかな床は、冷たい色だった−。2006-10-30 05:12:00 -
285:
トキ
−マチに再会出来たのは、病院の霊安室だった−。
冷たいマチ。少し痩せた細い腕には、病魔のせいで出来た無数の痣と、その中でも一際目立つ線が1本。手首には一筋の太い切り傷があった。
マチは左手首を動脈が切れるくらいにスッパリ1回。自殺だった。
−出血多量死−。2006-10-30 20:38:00 -
286:
トキ
永遠の眠りに就いたマチを目の前にして、不思議と涙は出なかった。
『マチ‥あんた死ぬくらいやったら、手紙で[体調どない?]とか聞くの無しやわ。死んだら返事のしようが無いやん‥』独り言の様に話す私。
こんな事を言ったって返事をしてくれるマチは、もう此処には居ない。虚しさだけが込み上げてくる。やり場の無い何とも言えない想いを胸の奥底に無理矢理押し込み、私は霊安室を後にした。2006-10-30 20:42:00 -
287:
トキ
享年18歳。
−マチは、早過ぎる生涯を遂げた。
愛する伴侶と我が子を残し、独り旅立つ−。2006-10-30 20:45:00 -
288:
トキ
胸に穴がポカンと空く。まさに、そんな気分だった。時間が過ぎていく感覚がわからない。放心したまま病院の長椅子に座っていた。
ただ、隣りでサクと手を繋いで‥2006-10-30 20:49:00 -
289:
トキ
何時間たっただろう。ユウマが霊安室から出てきて、私達の所に来た。
何も言わず1枚の紙を差し出された。それは、私と同じく、ユウマへ宛てられたマチからの手紙だった。
『俺らが部屋着いた時に、リビングのテ-ブルに置いてあってん』サクが代弁する。
私はそれを無言で受け取ると、私へ宛てられたマチからの手紙をユウマに渡した。2006-10-30 21:08:00 -
290:
トキ
−[ユウマへ。
この手紙読む頃にはマチはもうユウマの横には居ないね‥最後にこんな姿見せてもてごめん。今までマチのワガママいっぱい聞いてくれてありがとう。ユイト産ませてくれてありがとう。マチの事好きでいてくれてありがとう。結婚してくれてありがとう。良い奥さん、良いお母さんになりたかったけど、こんなマチで本間にごめんな‥でも、ユウマに出逢えて良かった。ユイトがマチとユウマの子供で良かった。これから男手ひとつで苦労する時あるかもしれへんけど、あんたらが幸せになる事ちゃんと祈ってるよ。ユイトの事、頼んだで。今度また生まれ変わっても、マチの事お嫁さんにしてくれたら嬉しいな‥愛してるで、ユウマ。
マチより。]−2006-10-30 21:11:00 -
291:
トキ
無言の私達。
マチは一体どんな想いでこの手紙を書いたのだろうか。死を決意した人間に、どんな葛藤があったのだろうか。
未熟な私には、理解の域を越えていた。
『ちょっと外出やん?』ふとサクがそう言ったので、3人で外のベンチに出た。2006-10-30 21:14:00 -
292:
トキ
もうすっかり暗くなり夜風が気持ち良い。梅雨入りしたての雨の匂いがした。
【そ-いえば、あと4日でマチの誕生日や‥】
19歳の誕生日を目前に逝ってしまったマチ。いつも隣りに居たマチ。お酒と煙草をこよなく愛したマチ。クラブが大好きだったマチ。家族を愛したマチ。命を懸けて我が子を産んだマチ‥
−此処に居るはずだった−。2006-10-30 21:17:00