小説掲示板?君のいる未来?のスレッド詳細|夜遊びweb関西版

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?君のいる未来?

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  • 1:

    さき

    “いつか結婚しよう”
    ただの口約束
    それでもサキは涙が出るほど嬉しかったんだ
    初めて未来を見たいと思った…

    2006-09-23 04:28:00
  • 2:

    さき

    アンタと出会ったのは1月の寒い寒い夜やった。
    年が明けて初出勤の日。
    あの頃サキは風俗嬢でダラダラと毎日を過ごしてた。
    未来になんか興味もなくてただミナミの真っ黒な空を見上げてた

    2006-09-23 04:43:00
  • 3:

    さき

    「サキ!飯行こや!」
    マコからの急な誘い。とゆうかコイツはいつも急やった。マコはサキに店を紹介してくれたスカウト。マコの口癖は「ごちです☆」。つまり人におごらせる事しか考えてない貧乏男。それでもサキはマコが好きやった。

    2006-09-23 05:06:00
  • 4:

    さき

    マコは色スカウト。サキも何回かマコとエッチした。マコが欲しいのはお金だけ。なんて虚しいんやろ…それでもマコに恋してたサキは相当頭の痛い女やった。

    2006-09-23 05:08:00
  • 5:

    さき

    『え〜…まぁいいけど。どこ食べ行くん?』
    しぶしぶOKした。
    「かに道楽♪」
    満面の笑みで言うマコに少し殺意を覚えた。

    2006-09-23 05:09:00
  • 6:

    さき

    『しばいていい?』
    「じゃあビクドンでいいわ♪」
    『遠慮って言葉を知れ。サキ仕事やし早く行こ』
    「あ!ちょお待って!もう一人来るから」
    『…?誰?』
    「お前の知らんやつ!あ、来た!」
    知らんやつを勝手に呼ぶなよ…

    2006-09-23 05:10:00
  • 7:

    さき

    「マコト!」
    現われた男は黒かった。
    初めてギャル男という人種を間近で見た瞬間やった。
    “冬やのになんで黒いんやろ…”
    意味のない疑問を抱きながら“ユウ”と呼ばれる彼をサキは思わずガン見してた。

    2006-09-23 05:28:00
  • 8:

    さき

    マコは軽くお互いを紹介してさっさとビクドンに向かって行った。「おはよう」とユウが言ってきたからサキはニッコリ笑った。頭の中は“なんで黒いんやろ…”って事でいっぱいやった。

    2006-09-23 05:30:00
  • 9:

    さき

    ご飯中マコはサキとしゃべったりユウとしゃべったり一人楽しそうやったけどサキとユウに会話は無かった。
    “フテこいんかな…?”
    ユウにそんな印象を持ったけど会計の時マコはいつものように「ごちです☆」と言って先に出たけどユウは「出そか?」と財布を出してきた。

    2006-09-23 06:04:00
  • 10:

    さき

    サキがかなりフテこい顔してたからやと思うけどマコに欠けてる“遠慮心”を見て感激した。
    「いいよ」とニッコリ笑うと「ごめん、今度おごるわ」とユウは申し訳なさそうにした。

    2006-09-23 06:08:00
  • 11:

    さき

    マコといるうちに当たり前の事が特別に感じるようになった。
    いつからか普通の事が普通じゃなくなって感覚は鈍るばっかり。
    だからかな?ユウのさりげない優しさはサキを笑顔にしてくれる。

    2006-09-23 06:11:00
  • 12:

    さき

    “ヤバイ、予約入ってるのに遅刻する!”
    あの日から3日ぐらいたった。サキは久しぶりに寝坊してかなり焦って道頓堀を歩いた。キャッチにつかまってる暇はないしウォークマンの音を上げてひたすら歩いた。ツタヤを通り過ぎた所ぐらいで微かに声が聞こえた。

    2006-09-23 06:18:00
  • 13:

    さき

    「…き…サキ!」
    腕を掴まれてビックリしながら横を見るとユウがいた。
    「ずっと呼んでんのにスルーやし焦ったわ(笑)」
    『ゴメン、全然聞こえてなかった(>_

    2006-09-23 06:22:00
  • 14:

    さき

    「仕事?」
    『うん、遅刻しそうやねん!今日は一人なん?』
    サキが歩き始めるとユウも着いてきた。
    「マコトまだ来てないんちゃう?」

    2006-09-23 06:27:00
  • 15:

    さき

    『ふーん。』
    てかなんで着いてくるんやろ?こっちに行く用事あるんかな…
    「てかサキとマコトってヤッた事あるやろ?」
    思わず足が止まった。ユウはニヤっとしてこっちを見る。

    2006-09-23 06:30:00
  • 16:

    さき

    一瞬固まってからまた歩き出した。
    『さぁ〜…なんで?』
    顔がひきつる。
    「なんとなく♪で、どうなん?」
    『マコトに聞いたいいやん(@_@;)』

    2006-09-23 06:34:00
  • 17:

    さき

    「ヤッたんや〜?ふーん♪」
    楽しそうに笑うユウになんか負けた気がした。
    『知らん!』て言ったけど無駄な抵抗やったやろう。
    なんやかんや言ってるうちに堺筋に出た。

    2006-09-23 06:37:00
  • 18:

    さき

    「じゃあ仕事頑張って☆」
    ユウは来た道を戻ろうとした。
    『え?こっちに用事あるんちゃうかったん?』
    「ないで?」

    2006-09-23 06:40:00
  • 19:

    さき

    もしかして…
    『送ってくれただけ?』
    ユウはニッコリ笑って「なんとなく来ただけ」と言うと行ってしまった。
    『送ってくれたんやん…』
    サキは思わず笑った。

    2006-09-23 06:43:00
  • 20:

    さき

    初めて会った日は口聞かんかったくせに急に慣れなれしくなったユウに不快感どころか安心感を覚えた。
    ユウの持ってる空気はいつでもサキを笑顔に変える。

    2006-09-23 06:47:00
  • 21:

    さき

    サキはよくマコとケンカした。自己中すぎるマコに時々爆発する。
    「おー!サキ何してんの?」
    ケンカしてても調子よく話かけてくるマコを全力で睨んだ。マコは不快そうに首をかしげながらユウの所へ行った。

    2006-09-23 06:55:00
  • 22:

    さき

    マコとユウはサキの方をチラチラ見ながら何か話てた。
    “うっとうしいな…”
    そう思ってるとユウがこっちに来た。サキはユウに弱い。ユウの笑顔を見るとつられて笑ってしまう。思わず下を向いて防御した。

    2006-09-23 06:59:00
  • 23:

    さき

    「すいませーん、スカウトなんですけどちょっとお時間よろしいですかー?」
    ユウはサキの横に座ると一人で話始めた。サキは笑いそうになるのをこらえて無視した。
    「今何かお仕事とかされてるんですか?」

    2006-09-23 07:02:00
  • 24:

    さき

    “無理や…”
    おもしろくなってもて答えてしまった。
    『…してます』
    ユウは勝ち誇ったようにニッコリ笑って「そうなんですかー?どこで働いてるんですかー?」とコントを続けた。

    2006-09-23 07:07:00
  • 25:

    さき

    『ぷっ…もー!やめてよユウ君!サキ今怒ってんねんから(>_

    2006-09-23 07:12:00
  • 26:

    さき

    ユウと話てると怒りとかどっかいってもて穏やかな気持ちになる。楽しそうに話てるサキとユウを見てマコがまた寄ってきた。サキはマコを見た瞬間また不機嫌になったけどユウがそばにいるからかマコは強きやった。
    「まぁそんなキレんなよ♪」
    とマコはサキの肩に腕をまわしてきた。

    2006-09-26 12:00:00
  • 27:

    さき

    サキがそれを払いのけるとマコはサキのほっぺを引っ張ってきた。イラっとしてサキもマコのほっぺを思いっきり掴んだ。無言で二人で戦ってるとユウがニコニコしながら「お前らバカみたいやぞ」と言い放ったので『誰がバカやねん!』と二人でつっこんだ。

    2006-09-26 12:04:00
  • 28:

    さき

    サキはマコとユウが大好きやった。
    ミナミにはたくさんのスカウトがいるけどマコとユウだけが特別でこんな時間がずっと続くと思ってた。
    もうここに来ても二人には会えないのに今でも探してまう。マコのバカ笑いとユウの優しい笑顔を…

    2006-09-26 12:10:00
  • 29:

    さき

    「俺もうちょいした帰るわ」
    マコが時間を見て思い出したように言った。
    『なんでなん?』
    時間は8時をまわったぐらいやった。スカウトが帰るにはちょっと早い。

    2006-09-26 12:18:00
  • 30:

    さき

    「ツレが死んだから葬式」
    マコはさらっと言った。
    『嘘やん…仲良かった子?』
    「小学校から一緒の子」
    サキは言葉が出なくなってユウの方を見た。

    2006-09-26 12:21:00
  • 31:

    さき

    ユウはチラっとこっちを見るとマコの横から移動してサキの前にしゃがんだ。
    「まぁ、人間いつかは死ぬししょうがない」
    マコが当たり前のように言う。サキはなんか腹立った。マコの言い方が嫌やった。

    2006-09-26 12:25:00
  • 32:

    さき

    『なんでそんなん言うん?友達やったんやろ?悲しくないん?』
    「アホか、悲しいに決まってるやん。でも俺が今死んだとしても後悔ないからな。十分遊んだしいつ死んでもいいわ。」
    恐くなった。大好きな世界から大好きな人が消えてしまう。想像するだけでゾクっとした。

    2006-09-26 12:30:00
  • 33:

    さき

    「ユウは死ぬの怖い?」
    マコがユウに聞く。
    「俺も十分遊んだし別にいいかな」
    「やんなー?」
    ユウとマコが楽しそうに死について語る。さっきまで近くにいた二人が急に遠くなった気がした。

    2006-09-26 12:36:00
  • 34:

    さき

    サキのオカンは小さい時に亡くなった。突然やった。さっきまで笑ってたのにさっきまで頭をなでて抱き締めてくれてたのに。突然倒れてそのまま帰ってくる事はなかった。実家を出るまでずっと「ただいま」ってひょっこり帰って来そうな気がしてはそんな事あるわけないと自分に言い聞かせてた。大事な人を失う恐怖。マコもユウも突然消えてしまうの?怖くて怖くて思わず涙が溢れた。

    2006-09-26 12:44:00
  • 35:

    さき

    うつむいて手で顔を覆ってたらマコが気付いた。
    「お前何泣いてるん?」
    バカにしたように笑うマコ。
    『二人共おかしいわ…サキは嫌や。マコもユウもおらんくなったら嫌や。いつ死んでもいいなんか言わんとって…そんなん聞きたくない…』
    二人は黙ってしまった。“もしも”の話でも嫌やった。おいていかんとって。もう一人は嫌や…

    2006-09-26 12:50:00
  • 36:

    さき

    「冗談やーん!泣くなって!」
    マコが笑いながらサキの肩に手をおいた。
    『冗談ちゃうわ…ヒック。泣いてもたやんけ…』
    泣きじゃくるサキをユウはじっと見て頭をなでた。

    2006-09-26 12:53:00
  • 37:

    さき

    「笑ってる方が可愛いで」
    ユウがニッコリ笑ったからつられて泣きながら笑った。手についた涙をマコの服で拭こうとしたら「汚い!やめろ!」と手をはらわれたので無理矢理ふくと「うーわ…最悪や」と潔癖症のマコは本気で凹んだ。

    2006-09-26 13:04:00
  • 38:

    さき

    一人で騒ぐマコを見てユウと二人で笑った。
    『ヤバイ〜、化粧ボロボロや(*_*)』
    泣きやんでからグラサンを取ろうとしたらマコが叫んだ。
    「アカン!取るな!」

    2006-09-26 13:09:00
  • 39:

    さき

    『そんなにヤバイ?!』
    「その辺は黙秘させてもらうけど取るな!お前のためや…」
    『黙秘ってなんやねん…きゃー!』
    鏡で見ると目が真っ黒になってた↓ティッシュでラインを拭きながらマコ言い合いしてるのを見てユウは爆笑してた。

    2006-09-26 13:14:00
  • 40:

    さき

    なぁマコ…?この時話した事は本心やった…?
    “いつ死んでもいい”
    ホンマにそうやった?

    2006-09-26 13:20:00
  • 41:

    さき

    サキにとっていつのまにかマコとユウはセットになってた。
    マコの横にはいつもユウがいてマコがサキをからかってユウがそれを笑いながら静かに眺める。言い合いになるとユウを味方につけようと二人で必死になったけど必ずユウはマコと一緒になってサキをからかった。

    2006-09-26 13:28:00
  • 42:

    さき

    マコがいたから騒げた。
    ユウがいたから笑えた。
    二人がいたからミナミが大好きになった…

    2006-09-26 13:31:00
  • 43:

    さき

    “〜♪”
    携帯が鳴った。マコの着うた。
    『‥もしも〜し…』
    寝起きの声で電話に出る。
    「…サキ?」

    2006-09-26 13:35:00
  • 44:

    さき

    マコじゃない…ふと時計を見ると夕方6時。
    『…だれ?』
    「…ユウ。マコの携帯からかけてる」
    『なんやユウ君か(^-^)誰か思った。仕事来てんの?』
    「…」

    2006-09-26 13:39:00
  • 45:

    さき

    『?ユウ君?どしたん?てかマコは?』
    「今から出てこれる?」
    『今すぐ?ミナミ行ったいいの?』
    「いや…○○病院に来て」
    病院…?なんで…?

    2006-09-26 13:45:00
  • 46:

    さき

    『なんで病院…?マコは…?』
    「マコもいる…とりあえず来て。一人で来てな?上の人とかおるし女はサキしか呼んでないから」
    そう言うとユウは電話を切った。嫌な予感でいっぱいになる。少し手が震えた。

    2006-09-26 13:50:00
  • 47:

    さき

    顔を洗って着替えて化粧もせずに帽子とグラサンだけして家を出た。タクシーに乗って病院へ向かう。それほど遠くない病院やったけどやたら長く感じた。
    マコになんかあったんや…

    2006-09-26 13:54:00
  • 48:

    さき

    「サキ!」
    マコの声が聞こえた気がした。携帯を握り締めオデコにあてた。
    『マコ…大丈夫やんな…?』

    2006-09-26 14:13:00
  • 49:

    さき

    病院の前でタクシーを降りるとユウがいた。
    『ユウ君!』
    「サキ…」
    『マコは…?マコになんかあったんやろ?』
    「うん…」
    ユウはサキの目を見たけどいつものような笑顔はなかった。

    2006-09-26 14:19:00
  • 50:

    さき

    ユウはサキの頭に手をのせると軽く自分の方に引き寄せた。
    でも気付いてもた…
    ユウの手‥少し震えてた…
    「ユウヤ!」

    2006-09-26 14:35:00
  • 51:

    さき

    入り口で誰かがユウを呼んだ。慌てた様子に何かあったと気付きユウと急いで中に入った。
    処置室の前にはいつも見る顔触れが並んでた。
    にぎやかな街中で見る時とは違いみんな静かやった…

    2006-09-26 14:46:00
  • 52:

    さき

    そこにマコの姿はなかった…

    2006-09-26 14:48:00
  • 53:

    さき

    「マコトは…?」
    ユウが口を開いた。スーツを着た大柄の人がこっちを見る。
    「アカンかったわ…」
    なんて表現したらいいんやろう?足が震えて体がドロっと溶けるような…全身の力が抜けて真っ黒な穴に落ちるような感覚に襲われた。

    2006-09-26 14:56:00
  • 54:

    さき

    「おばちゃんとかは?」
    「用事で横浜行ってたみたいやけど連絡したらすぐ行くって言うてたから今向かってるんちゃうか…」
    みんなが話始めた。ゆっくり処置室へ行こうとするとユウが腕を引っ張って心配そうな顔をした。

    2006-09-26 15:04:00
  • 55:

    さき

    『嘘やろ…?』
    溢れそうな涙こらえてユウの目を見た。ユウは目をそらさず黙ってた。
    『なんでなん?!何があったん?意味わからんねん!』
    思わず叫んだ。

    2006-09-26 15:08:00
  • 56:

    さき

    ユウが静かに口を開いた。
    「マコト事故ってん。信号赤になる直前やって焦って運転してたオッサンがちょうど渡ろうとしてたマコトはねてん。」
    『は…?オッサンは?どこおるん?まさか逃げてないやんな?』
    「捕まって今ポリやわ。大通りやったし人多いから逃げれんかったやろ」

    2006-09-26 15:18:00
  • 57:

    さき

    『…で?マコは?』
    「サキ…」
    『嘘やろ…?嫌や…嘘や…』
    その場に座りこんで泣いた。ユウがしゃがんでサキの頭に手をおく。みんな黙りこんでた。

    2006-09-26 15:26:00
  • 58:

    さき

    『マコ…嘘やん…』
    小さくつぶやいた時サキの手に涙が落ちた。
    サキの涙じゃない…ユウの涙やった…
    思わずユウにしがみついた。泣いても泣いても涙が止まらんかった。

    2006-09-26 15:30:00
  • 59:

    さき

    マコと出会ったのは9月。夏から秋に変わる頃で微妙な気温のせいで風邪をひいてた。友達が忘れ物を取りに戻ってる間ひっかけ橋で一服してたら大きいクシャミが出た。

    2006-09-26 15:34:00
  • 60:

    さき

    「ははっ」
    隣に座ってた人に笑われた。それがマコやった。
    その時番号を交換したけど実際連絡とって仲良くなったのは10月になってからやった。
    マコは初めすごくしっかりしてそうやった。優しくて面倒見がよくてサキは毎日マコと電話するようになった。

    2006-09-26 15:40:00
  • 61:

    さき

    10月のマコの誕生日、マコが家に来て二人でお祝いした。初めてマコと結ばれた。
    付き合う事はなかったけどマコは仕事の話や家の話をなぜかサキにはやたらと話してくれた。

    2006-09-26 15:45:00
  • 62:

    さき

    おばちゃんが大好きやった
    友達が大好きやった
    おっちゃんが恨んでた
    トマトが大嫌いやった

    2006-09-26 15:47:00
  • 63:

    さき

    いつも意味のわからん嘘ばっかりついてた
    サキをからかうのが趣味やった
    楽しい事が大好きやった
    潔癖症やった

    2006-09-26 15:50:00
  • 64:

    さき

    甘い物が好きでいつもクレープをサキにねだってた
    いつも笑ってた…

    2006-09-26 15:52:00
  • 65:

    さき

    マコが…死んだ…

    2006-09-26 15:53:00
  • 66:

    さき

    ユウにお通夜一緒に行こうと言われたけどサキは行かなかった。行ったら全てを認めなアカンから。怖かった。もう笑う事もないもう憎まれ口を言う事もないマコを見るのが怖かった。
    お通夜が終わってからユウが家にきた。

    2006-09-26 15:57:00
  • 67:

    さき

    「お前ちゃんと食ってるん?」
    少し痩せたサキをユウは心配そうに見た。
    『…』
    「…明日の葬式ぐらいは来いよ?迎えにくるから」

    2006-09-26 16:03:00
  • 68:

    さき

    『いかへん…』
    「行ったれよ。マコトと一番一緒におった女ってお前やねんで?」
    『女なんか他にもおるやろ』
    「…でもマコトが一番気許してたんはサキやで。仕事中でも関係なくそばおったんも会社の事とか家の事話してたんもサキだけやった。マコトからチョッカイかけよったんはサキだけやった。俺はずっと一緒やったから知ってるねん」

    2006-09-26 16:10:00
  • 69:

    さき

    『…』
    「明日10時に迎えにくるから用意しとけよ」
    ユウはそう言ってサキの頭をクシャっとして帰って行った。

    2006-09-26 16:14:00
  • 70:

    さき

    一睡もできずに朝がきた。ユウから9時過ぎに電話がきて「今から行くからちゃんと用意しとけよ?してなくても連れて行くからな」と言われた。
    仕方なく用意をしてユウを待った。壁に貼ってあるマコとユウと3人でいた時の写真を見ると胸が締め付けられた。

    2006-09-26 16:20:00
  • 71:

    さき

    ユウと二人で電車に乗ってマコの地元まで行く。ユウはサキの手をずっと握ってくれてた。
    受け付けを済ませ順番に手を合わせていく。サキとユウの番になった。ユウが手を合わせている横でサキは棺桶の中のマコを見下ろした。

    2006-09-26 16:26:00
  • 72:

    さき

    『マコ…?前に“いつ死んでもいい”って言ってたやん?今もそう思う?死ぬってこういう事やねんで…』
    「サキ…」
    『なんとか言いや!いつもみたいに“アホちゃう”って…“泣いたら不細工”って…カニ食べに連れてったるから!クレープ毎日買ったるから!』

    2006-09-26 16:32:00
  • 73:

    さき

    「サキ!」
    『起きや!サキより年下のくせに死ぬな!マコ!』
    「サキやめろ!」
    泣きながら怒鳴るサキをユウが無理矢理外に連れ出した。

    2006-09-26 16:36:00
  • 74:

    さき

    「サキ?みんな同じ気持ちやから。お前がそんなんでどうすんねん。」
    ユウが真剣な顔で言う。
    『ユウ…サキな、あの前日マコと寝る前電話しててん。来月、4月のサキの誕生日パーティーしよって。ケチで金無いマコが…プレゼントくれるって。もらってないねん…まだもらってない…』

    2006-09-26 16:44:00
  • 75:

    さき

    ユウがサキを抱き締めると何かが切れたように涙が出た。外は雨が降ってた…
    『帰ろう…』
    そう言うとユウは黙ってうなづいた。

    2006-09-26 16:48:00
  • 76:

    さき

    「さきちゃん…?」
    帰ろうと靴を履いてると女の人に呼び止められた。
    『はい…』
    マコのお母さんやった。
    「良かった…ちょっと渡したい物あるんよ。」

    2006-09-26 16:54:00
  • 77:

    さき

    『なんですか…?』
    「明日ウチのマンションきてくれへんかな…?良かったらユウ君も一緒に」
    ユウと顔を見合わせて『はい』と答えた。

    2006-09-26 16:59:00
  • 78:

    さき

    次の日、ユウと駅で待ち合わせてマコの家に行った。初めてマコの家に行くのにマコがおらんなんか変な感じやった。
    「いらっしゃい」
    チャイムを鳴らすとお母さんが出てきてリビングへ案内された。

    2006-09-26 17:02:00
  • 79:

    さき

    「ごめんね、昨日は私喪主やったからどうしても抜けれんで…」
    『大丈夫です…渡したい物ってなんですか?』
    「うん、ちょっとこっち来てくれる?」
    お母さんについてある部屋に入った。

    2006-09-26 17:07:00
  • 80:

    さき

    壁にかかったコルクボードにたくさんの写真があった。その中にサキとユウも写っててボードの端にはカードが3枚。サキがマコにあげたメッセージカード。誕生日、クリスマス、バレンタイン…全部あった。
    『マコの部屋…?』

    2006-09-26 17:13:00
  • 81:

    さき

    「マコトの部屋整理してたらね、これが出てきたんよ。」
    お母さんから袋を受け取ると中には綺麗に包装された箱と紙が入ってた。
    「何かわからんで紙見てもたんやけどさきちゃん宛てみたいやからもらってあげて?」

    2006-09-26 17:18:00
  • 82:

    さき

    『サキに?』
    紙は手紙やった。
    「あの子かなりヤンチャやったんやけどね、ちょっと前から悪い事全くしなくなったんよ。一回聞いた事あってその時に“俺がなんかしたら泣いて怒るアホ女がおるからなんもできひんねん”って言うてたんよ。誰か教えてくれんかったけどそれ見てさきちゃんやったんかなって…」

    2006-09-26 17:26:00
  • 83:

    さき

    手紙を読んでると勝手に涙が出た。
    『アホやん…汚い字…』
    泣きながら笑った。
    それからしばらく3人で話して、夕方マコの家を出た。

    2006-09-26 17:30:00
  • 84:

    さき

    最後にお母さんは「マコトと仲良くしてくれてありがとう。良かったらまたマコトに会いに来てね」と笑った。
    帰りの電車を待ちながらマコがくれた箱の中身を見た。中にはシルバーのネックレスが入っていた。
    「ユウ君…」

    2006-09-26 17:38:00
  • 85:

    さき

    「ん?」
    『お願いがあるねん』
    「何?」
    『ミナミ…行きたい』
    「…ええで」

    2006-09-26 17:40:00
  • 86:

    さき

    難波に着くと御堂筋から道頓堀へ。時間は7時前。
    マコが出勤してくる時間… いつもマコといた場所…
    ひっかけ橋の所にユウと座り上を見た。マコが初めてくれたプレゼントと手紙を握り締めて…

    2006-09-26 17:45:00
  • 87:

    さき

    “サキ。
    誕生日おめでと☆まぁハタチの誕生日やからな!しゃーなしプレゼントやるわ!言うの嫌やから紙に書くけど2度と言わんから一生大事にこの紙持っとけよ!

    2006-09-26 18:27:00
  • 88:

    さき

    俺はたぶんサキにおってほしい
    たぶんサキやから気許せる
    たぶんサキと死ぬまでおりたい
    たぶんサキが好きや

    2006-09-26 18:28:00
  • 89:

    さき

    すぐ泣く女は苦手やけど俺のために泣いたサキは嬉しかった。
    怒らせてばっかでごめんな。ありがとう。
    これからも横におれよ♪”

    2006-09-26 18:33:00
  • 90:

    さき

    マコの手紙はやっぱり自己中やった。
    でもマコの気持ちを初めてちゃんと知った…
    マコ?サキはマコにとって必要やったんやね…照れ屋のマコと意地っ張りのサキやから大事な事伝えるのに遠回りしすぎてもたな…

    2006-09-26 18:38:00
  • 91:

    さき

    『サキも“たぶん”マコが好きやったで…』
    星の見えない空やけど…それでもどこかに星はあるんやろう。
    見上げた空には月だけが輝いてた。

    2006-09-26 18:42:00
  • 92:

    さき

    サキがマコを好きになった日。マコはサキに小さい頃の話をした。別にサキが聞いたわけじゃない。思い出したように話始めた。
    マコは小さい頃父親に虐待されていた。毎日毎日殴られて血だらけで学校に行く事もあった。中学に入る頃から反抗するようになり、父親と殴りあう事が増えた。

    2006-09-26 18:56:00
  • 93:

    さき

    悪い事するしか発散できなかった。
    中学を卒業してからお母さんを連れて大阪に逃げてきたらしい。
    マコは淡々と話したけどサキには“辛かった”って言ってるように聞こえて涙が出た。

    2006-09-26 19:08:00
  • 94:

    さき

    初めて男の子を守りたいと思った。
    マコを愛しいと思った…

    2006-09-26 19:10:00
  • 95:

    さき

    「サキ、誕生日あけといてな?俺が祝うから」
    ユウがニッコリ笑った。なんでかすごい懐かしく感じた…その瞬間…
    “ありがたく思えよ♪笑”
    『マコ…』

    2006-09-26 19:41:00
  • 96:

    さき

    マコはユウの隣でニカッと笑うとすぐ消えた。
    軽く深呼吸をしてユウの目を真っすぐ見る。
    『ありがとう』
    久しぶりに心から笑った。

    2006-09-26 19:45:00
  • 97:

    さき

    4月1日。ハタチの誕生日。
    「サキ!」
    ミナミでユウと待ち合わせ。
    『ユウおはよう(*^_^*)』
    「おはよう♪よし、時間無いし行こ!」

    2006-09-26 20:24:00
  • 98:

    さき

    『は?どこ行くん?』
    「事務所!ちょっと寄っていい?」
    『え?ああ、はい(・・;)』
    ユウに引っ張られて事務所まで行く。あれ以来サキはユウといる事が多くなった。

    2006-09-26 20:37:00
  • 99:

    さき

    マコがいなくなった事を受け入れなきゃって気持ちに心が着いてこなくてご飯が食べれなくなったり夜になると過去吸を起こす事があった。
    閉じこもらないようにユウと一日一回顔を見せる約束をしたけどサキが外に出れない日はユウが来て二人で散歩をした。
    ユウがなんでここまでしてくれるのかわからんかったけどサキはユウがいなかったらたぶん今も笑えなかった。

    2006-09-26 20:47:00
  • 100:

    名無しさん

    がむばって下さい??

    2006-09-26 20:50:00
  • 101:

    さき

    ありがとうございます?
    マコの事もう少し書きたかったんですがまだ少し苦しいので後々混ぜれたら話に加えていきます?

    2006-09-26 21:40:00
  • 102:

    さき

    事務所の下まで来るとユウは少し離れて電話をしだした。サキは階段に座って一服して待ってた。
    「ごめん、今事務所面接で使ってるみたいやからちょっと待ってもらっていい?」
    申し訳なさそうにするユウに笑顔で『いいよ』と答えた。

    2006-09-26 21:45:00
  • 103:

    さき

    『今日は結構あったかいな♪』
    「せやな、サキの誕生日日和で良かったな」
    『うん、意味わからんけどな。笑』
    なんやかんや話ているとユウの携帯がなった。

    2006-09-26 21:50:00
  • 104:

    さき

    「もう入っていいって。行こ」
    『サキも入って大丈夫なん?』
    「今更何言うてるん?笑」
    ユウに手をひかれて事務所へ。ドアの前でユウが立ち止まった。

    2006-09-26 21:57:00
  • 105:

    さき

    『ユウ?』
    ユウはこっちを見てニッコリ笑うとドアを開けた。
    事務所の中は真っ暗。
    『ユウ電気はー?』
    そう言った瞬間電気がついた。

    2006-09-26 22:08:00
  • 106:

    さき

    “ぱんっ!ぱん!ぱん!”
    「サキ!誕生日おめでとー!」
    『へ…っ?』
    そこにはクラッカーを持ったスカウトの子らとサキの友達がいた。

    2006-09-26 22:16:00
  • 107:

    さき

    ニコニコ笑うみんなの顔を見てそれがサキのために用意されたモノだとわかって涙が溢れた。
    隣を見るとユウがいつものように優しく笑ってた。
    マコにもらったネックレスを握り締めた。

    2006-09-26 22:49:00
  • 108:

    さき

    「はいはい!泣くな☆今日はお祝いやから!」
    サキと一番仲良しのミィがサキの腕をひいた。
    「とりあえず乾杯しよや!俺腹減ったし!」
    「お前のための飯じゃないから!笑」

    2006-09-26 23:03:00
  • 109:

    さき

    みんなの笑顔につられて泣きながら笑った。
    乾杯をして写真を撮ってプレゼントをもらって…こんな誕生日初めてやった。
    みんな酔いがまわってコントや一発芸を始めて騒いだ。

    2006-09-26 23:09:00
  • 110:

    さき

    「サキ、俺からもプレゼントあるねん」
    ユウがそう言った瞬間みんなの動きが止まった。急に静かになってキョトンとするサキにユウがプレゼントを渡してきた。
    『ありがとう…開けていいん?』

    2006-09-27 05:17:00
  • 111:

    さき

    「ええで」
    リボンをほどいて箱をあける。
    『え…?指輪…?』
    中には大きさの違うシルバーの指輪が三つ入ってた。不思議そうにユウの顔を見るとユウは少し淋しそうに笑った。

    2006-09-27 05:22:00
  • 112:

    さき

    「それは俺とマコトから。サキにネックレスと指輪あげたいけど指輪は3人お揃いがいいって。マコにとって俺とサキは同じぐらい大事やからって…だから割勘で買った」
    指輪をじっと見つめたまま動けなかった。あんなにケンカしてあんなに笑ったのに肝心な気持ちはいなくなってから知るばっかりや。

    2006-09-27 05:30:00
  • 113:

    さき

    「それからもう一つ言いたい事あるねん」
    『…?』
    見上げるとユウは少しうつむいてからサキを見た。
    「俺サキが好きやから」
    ユウがあんまり真っすぐサキの目を見るからそらす事ができなかった。

    2006-09-27 05:34:00
  • 114:

    さき

    「同情じゃなくてサキのそばにおりたい。マコを忘れられんサキも含めて、サキを好きやから…。サキ前に“未来なんかいらん”って言ったん覚えてへん?」
    覚えてる…苦しくて苦しくて気が狂いそうやった。そばにいたユウに“未来なんかいらん…どんな未来にもマコはおらん”って八つ当りした。ユウはサキをただ抱き締めてくれてた…

    2006-09-27 05:42:00
  • 115:

    さき

    「俺も将来とか未来とかようわからんけどな、想像したら絶対サキがおるねん。だからサキが落ち着いたら‥いつか結婚しよ?結婚するならお前がいいから」
    そう言って少し顔を赤くしたユウが笑った…

    2006-09-27 13:02:00
  • 116:

    さき

    思い返すと…悲しい時も辛い時も楽しい時も。そばにいてくれたんはユウやった…。当たり前すぎてわからんかった…サキはいつでもユウに守られてたんや‥。

    2006-09-27 13:09:00
  • 117:

    さき

    マコ…?初めて誰かを守りたい、愛しいと感じたのはマコやった…
    サキはマコが好きで…ユウに対しての気持ちが何なんかわからへん…
    でも…ユウが必要やと思う。ユウがおるから今も笑える‥サキの想像する未来にはいつもマコがおった…でも絶対その隣にはユウがおったんよ…

    2006-09-27 13:16:00
  • 118:

    さき

    でも…
    『ユウ…あんな‥?』
    「サキ!」
    サキの言葉をユウがさえぎった。
    「わかってるから。だから今は何も言わんでいいよ。俺が言いたかっただけやから。」

    2006-09-27 13:30:00
  • 119:

    さき

    『うん…』
    飲み込んだ言葉はきっとユウを傷つける言葉やった。サキにはできひん…ユウのところに行くのはマコとユウ、二人共裏切るような気がした。

    2006-09-27 13:36:00
  • 120:

    さき

    指輪はつけずに箱にしまった。
    その後みんなは飲みつぶれて、サキは寝付けなかった。
    マコ…どうしたらいい?マコを好きなんと同じぐらいユウを失うのが怖い…

    2006-09-27 13:42:00
  • 121:

    ??

    昨日名無∪で?∪た者です??この小説好き??半分ウルウル・ドキドキ∪ながら見てます??がむばって(*´艸`)

    2006-09-27 13:43:00
  • 122:

    さき

    次の日からサキはユウに会うのをやめた。
    ユウに会うのが辛かった。
    なんか…マコに会いたくなった…

    2006-09-27 13:45:00
  • 123:

    さき

    ??さんありがとうございます?
    ヘタクソですが頑張ります?

    2006-09-27 13:48:00
  • 124:

    さき

    誕生日から一週間ほどたった日曜日。サキはマコの家に行く事にした。
    「さきちゃんいらっしゃい!」
    『急にすいません』
    「ううん、嬉しくて電話もらってからケーキ買いに行ってもたわ!入って?」

    2006-09-27 13:53:00
  • 125:

    さき

    マコに線香をあげてからお母さんの出してくれたケーキを食べながら近況報告をしあった。リビングにはマコの写真が飾られててどれもマコの笑い声が聞こえてきそうやった。
    「なんかあったん?」

    2006-09-27 13:58:00
  • 126:

    さき

    『え…』
    突然の質問に戸惑ってるとお母さんは笑いだした。
    「この前ユウ君も来たんよ。ユウ君も元気なかったから‥なんかあったんやろ?」
    ユウも来たんや…

    2006-09-27 14:08:00
  • 127:

    名無しさん

    ?

    2006-09-27 14:17:00
  • 128:

    さき

    『お母さん…どうしたらいいんかわからん…』
    張り詰めてた糸が切れたように涙が出た。事情を話すとお母さんは穏やかな笑顔を浮かべた。
    「サキちゃん、ありがとう。マコトの事ホンマに大事に思ってくれてたんやね…。でもな、マコトに縛られるのは違うで?サキちゃんには将来がある。マコトは笑ってるサキちゃんにそばにおってほしかったんやと思うで?それにな、相手がユウ君ならマコトは嬉しいん違うかな…マコトとユウ君は別やねん。同じ好きって言葉でも同じ形なんかないと思うで?」

    2006-09-27 14:31:00
  • 129:

    さき

    『お母さん…サキはマコが大好きです…でも‥ユウを失いたくない…ユウとおりたい…』
    「うん…サキちゃん、幸せになって‥」
    お母さんはそう言うとサキの頭をなでた。お母さんも泣いてた…

    2006-09-27 15:06:00
  • 130:

    さき

    「サキちゃん、笑っててな…いっぱい笑って幸せになってな…」
    マコ…アンタがサキの中から消える事は一生無い‥それでも笑うから…
    マコ…サキは未来を見る…

    2006-09-27 15:14:00
  • 131:

    さき

    6時…ユウはもう仕事行ってるやんな…
    難波に着くとユウを探した。
    ユウ…ユウ…会いたいよ‥会って言いたい…サキはユウが…

    2006-09-27 15:19:00
  • 132:

    さき

    “…電波の届かないところに…”
    何回かけてもつながらなかった。でもどうしても会いたくて探す。
    「サキちゃん?」
    『ショウ君!』

    2006-09-27 15:23:00
  • 133:

    さき

    ユウと同じ会社のショウ君やった。
    『ユウは?今日来てないん?』
    「ユウ?アイツ今休憩やからもう戻ってくる思うで。俺らと交替やしここおったら来るわ」

    2006-09-27 15:28:00
  • 134:

    さき

    それから10分ぐらいするとユウ達が戻ってきた。すぐに駆け寄ろうとしたけどためらった。
    こうして離れてユウ達を見てると…マコがいるような気がした。
    『マコ…』

    2006-09-27 15:33:00
  • 135:

    さき

    “笑って”
    “サキが好きやから”
    マコ…マコ…
    たくさんの人達に出会わせてくれてありがとう…

    2006-09-27 15:35:00
  • 136:

    さき

    『ユウ!』
    人込みの中でユウがこっちを見る。少し驚いた様子でサキの方に来るユウを見て抱きつきたくなった。
    「サキ…お前何してるん?一人?」
    『会いたかってん…だから会いにきた』

    2006-09-27 15:41:00
  • 137:

    さき

    「え?俺?」
    キョトンとした顔をしてサキを見る。
    『サキも見たくなった!』
    「…?」
    『サキもユウのおる未来が見たい!』

    2006-09-27 15:45:00
  • 138:

    さき

    ユウはかなり困惑しだした。
    「どう…ゆう意味‥?」
    『ユウと一緒におりたい。ユウが必要やねん。…そばにおってほしい‥』

    2006-09-27 15:51:00
  • 139:

    さき

    「え〜っと…それって…?」
    混乱してるユウを見てなんか笑えてきた。鞄から指輪の入った箱を取り出してユウに渡した。
    『今はまだ“好き”って言うのに抵抗あるけど…サキも結婚するならユウがいいから』

    2006-09-27 20:21:00
  • 140:

    さき

    「マジで言ってるん…?」
    『うん…はい!手出して!』
    ユウの左手を掴んで薬指に指輪をはめる。今度はユウにはめてと手を出すとユウは何も言わずにサキの指に指輪を通した。

    2006-09-27 20:28:00
  • 141:

    さき

    『キラーン☆』
    顔の横に左手を出してユウに指輪を見せた。ユウは少し笑った後マジメな顔になった。
    「いつか結婚しよ…な?」
    自然と笑顔がこぼれる

    2006-09-27 20:33:00
  • 142:

    さき

    “幸せになってね…”
    お母さんの言葉が浮かんだ。胸がキュウってなって涙がこぼれた
    『うん…』

    2006-09-27 20:38:00
  • 143:

    さき

    ユウがいるから笑える
    ユウがいるから未来を見たいと思った
    でもこの時サキはユウのことなんも知らんかったんよな…
    ユウ‥それでも、少しでも、ユウも幸せやと思ってくれてた…?

    2006-09-27 20:45:00
  • 144:

    さき

    春が過ぎて夏が来る。季節が変わって少しずつ大人になって…それでも変わらないものもあると思ってた。
    ユウはいつもサキの話を聞くだけであんまり自分の事話してくれんかったね…
    だからかな?サキはユウの変化に気付けなかった

    2006-09-27 20:50:00
  • 145:

    さき

    6月。サキはずっと休んでた店にちゃんとやめると伝え、ミナミのお好み焼き屋で働きだした。
    ユウもスカウトをやめて現場と居酒屋を掛け持ちするようになった。
    なんで掛け持ちするのか聞いても「お金ほしいから」って言うだけでそれ以上教えてはくれへんかった

    2006-09-27 21:00:00
  • 146:

    さき

    夜をやめてからユウの連絡は激減した。しばらくは指輪が繋いでいてくれてるようで我慢できたけどある日気付いてしまった。
    サキはユウが何の仕事をしてるか知ってるだけでそれ以外は何も知らんかった。
    急に不安になった…

    2006-09-27 21:07:00
  • 147:

    さき

    ユウの変化に初めて気付いたのは6月の終わり。久しぶりに会ったユウは前から細かったけど更に痩せてた。
    「めっちゃ食うけどそれ以上に動くからや」
    ユウはそう言ってごまかしたけどそのすぐ後、嘘やってわかった。

    2006-09-27 23:18:00
  • 148:

    さき

    “〜♪”
    夜中携帯が鳴った。ユウの着うた。こんな時間にかかってくる事はめったになかった。
    『はい?』
    「あ、もしもしサキさんですか?」

    2006-09-27 23:21:00
  • 149:

    さき

    おじさんの声。誰…?
    『はい…』
    「私谷井君と同じ職場の者なんですが…」
    ユウの仕事の人?マコの時の事を思い出してビクっとした。
    『は‥い…』

    2006-09-27 23:27:00
  • 150:

    さき

    「谷井君ケガして今病院なんやけどね、ご家族の方の連絡先がわからんから勝手やとは思ったんやけどアドレス帳見せてもらったら彼女のところにサキさんの名前があったんで電話したんですよ。ちょっと入院する事になるみたいやしどうしたもんかと思ってね…」
    ケガ…?入院…?なんで‥

    2006-09-27 23:33:00
  • 151:

    さき

    『ケガって…大丈夫なんですか?』
    心臓がドクドクして痛い。手が震える…
    「別に命とかには関わらないみたいやけどちょっと大きいケガやし頭も打ってるみたいやから検査もするみたいですよ」

    2006-09-27 23:37:00
  • 152:

    さき

    “命に関わりない”
    良かった…少しホッとした
    『どこの病院ですか?今から行きます』
    病院を聞いてタクシーで向かう。ミナミから結構離れていた。たぶんユウの地元なんやろうと思った。

    2006-09-27 23:42:00
  • 153:

    さき

    病院に着くと病室に向かった。病室にはおじさんが座っていた。
    『あ…お電話くださった方ですか?』
    「サキさん?」
    『はい』

    2006-09-27 23:49:00
  • 154:

    さき

    「あ‥今谷井君寝てるから談話室行こか」
    おじさんはニコっと笑った。自販機でジュースを買って椅子に座った。
    『ケガってなんで…?』
    「ああ…俺も詳しくわからんけど相当殴られたみたいやな。寮の玄関で倒れてて血だらけやし意識もモウロウとしてたから病院連れてきたんやけど車の中でも“大丈夫やから”って嫌がるし大変やったわ」

    2006-09-28 00:17:00
  • 155:

    さき

    殴られた?どういう事?
    「親と連絡とられんみたいやし一応未成年やからな…」
    親と連絡とられん…?サキなんも知らん…ユウの事なんも知らんかった…
    『とりあえず身の回りの事は私がします。明日もお仕事ですよね‥?ご迷惑おかけしてすいません…』

    2006-09-28 00:26:00
  • 156:

    さき

    「そうか…何かあったら連絡してくれたええから。一応番号書いとくから」
    『ありがとうございます、また着替えとか取りに寮の方伺うんでその前に連絡入れます』
    エレベーターまで“滝田さん”を送って病室に戻った。

    2006-09-28 00:33:00
  • 157:

    さき

    薄暗い病室で傷だらけのユウの顔を見つめた。
    なんで…?何があったん…?
    そんな事を考えてるうちに眠ってしまった。

    2006-09-28 00:37:00
  • 158:

    さき

    「サキ、サキ!」
    ユウの声で目が覚めた。
    「お前なんでおるん?」
    ユウは驚いた顔でサキを見てた。
    『なん‥でじゃないわ!むしろサキが聞きたいし!何してんのよ!心配するやんか!』

    2006-09-28 00:44:00
  • 159:

    さき

    動いてるユウを見て改めて安心した。生きてる…それだけで良かった。
    「ごめん…で、なんでおるん?」
    『滝田さんて人から連絡もらった。』
    「ああ〜、ええって言ったのに…」

    2006-09-28 00:48:00
  • 160:

    さき

    『ユウ…何があったん?親も連絡とられんってなんでなん?』
    「…大丈夫やから」
    『大丈夫って…大丈夫じゃないやん。ちゃんと言ってくれなわからん…』
    「ええねん!ほっとけや!」

    2006-09-28 14:02:00
  • 161:

    さき

    ユウは怒鳴るとすぐに顔をそらしてこっちを向いてくれなかった。
    『ごめん…飲み物買ってくるわ。お茶でいい‥?』
    「…」
    『行ってくるな…』

    2006-09-28 14:10:00
  • 162:

    さき

    ユウが怒ったとこ見るん初めてやった。
    ユウ…わからんよ…
    お茶を買って病室に戻ると看護婦さんの声がした。
    「谷井さん、ご飯ちゃんと食べないとダメですよ?栄養もとれてないみたいやし点滴しますね。午後からレントゲンとるんでお昼終わったら病室にいてくださいね」

    2006-09-28 14:23:00
  • 163:

    さき

    「サキ?」
    『あ…お茶‥』
    「彼女さん?彼女さんからもご飯ちゃんと食べるように言ってあげてくださいね」
    看護婦さんはそう言って行ってしまった。

    2006-09-28 14:29:00
  • 164:

    さき

    「さっきごめんな?」
    『ううん、大丈夫?』
    「うん…」
    『ユウ…サキじゃ頼りない?』
    よそよそしい空気に耐えられなかった。ユウの抱えてる物ってなに…?

    2006-09-28 14:42:00
  • 165:

    さき

    『サキはユウの力になられへんの?ちゃんと言ってや…もうマコのときみたいに後悔したくない…』
    ユウの事が知りたい…それだけやった。
    「俺な、親おらんねん」
    ユウが急に口を開いた。

    2006-09-28 14:51:00
  • 166:

    さき

    「中学の時に急におらんなって住所も連絡先もわからんなった。友達ん家とか元カノん家転々としててサキと付き合いだしてから寮付きの仕事探して今んとこ入ってん。ケガは地元の先輩らにやられた。」
    『先輩って…なんで?ケンカ?』

    2006-09-28 14:57:00
  • 167:

    さき

    「スカウトやる前やけど族入ったりいろいろ悪い事しててん。後輩がヘタうってずっと前から金要求され続けてて…俺ももう嫌やったし落ち着きたいし昨日呼び出された時に言うたらしばかれた。」
    『じゃあ金ほしいからって言ってたんもご飯食べてないのも先輩らに払ってたからなん?』
    「うん…アホみたいやけど俺らの地元はそれが普通やねん。なんでも金。逃げたら探されるし逃げられん」

    2006-09-28 15:06:00
  • 168:

    さき

    「もう…死にたいわ…働いても働いても自分に入ってこぉへん。連れ回されて寝る時間もない。」
    『嫌や…そんなん嫌や。ユウ逃げよう?サキんとこおればいいやん!』
    「無理。そんなんして見つかったらお前も巻き込むやん。」
    『じゃあ黙ってみとけって言うん?それやったら巻き込まれた方がマシやわ!』

    2006-09-28 15:20:00
  • 169:

    さき

    「お前は知らんから言えるねん。刺されたやつだっておるねん。何されてもおかしないんやで?」
    『…それでもユウが一人で苦しんでるの見るよりいい。ユウが幸せじゃないならサキも幸せじゃない』
    「…ちょっと考えさして」

    2006-09-28 15:32:00
  • 170:

    さき

    『うん…』
    マコ…?サキは間違ってたんかな…
    サキが口ださんかったらあんな事にならんかったんかな…?
    何回考えてもその答えはでぇへんけど…サキにはユウをほっとく事できひんかった…

    2006-09-28 16:23:00
  • 171:

    さき

    一通り診察が終わって骨折とかもなかったからそのままユウは退院した。
    「とりあえず寮戻るわ」
    ユウはそう言って帰っていった。心配やったけど止める事もできず見送った。

    2006-09-28 20:26:00
  • 172:

    ??

    あげ(*´艸`)

    2006-09-30 22:23:00
  • 173:

    さき

    数日後ユウからメールが来た。
    “こんな生活耐えられへん。死にたい”
    すぐに電話するとユウは泣いていた。『サキんとこおいで?もう十分やで…』そう言うとユウはやっと逃げる事を決心してくれた。

    2006-10-02 21:52:00
  • 174:

    さき

    ユウは携帯の番号も変えて地元を完全に捨てた。2こ1やった親友にさえ新しい番号を教えなかった。それが親友のためやってユウは寂しそうに笑った。

    2006-10-05 01:09:00
  • 175:

    名無しさん

    書いてほしーーい||||(・・、)  

    2006-11-04 03:37:00
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