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−冷たい夜に−
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1:
◆Bh3tKJ2ohM
私の心を埋めるのは…
誰かと過ごすこの一瞬。
それで良いと思ってた…。
2006-09-14 20:01:00 -
2:
◆Bh3tKJ2ohM
すると…『美咲−!!』友里だ。友里は美咲と同い年でハッキリとした目鼻立ちで華やかな雰囲気を持っている。サッパリとした性格で美咲とよく気が合った。『ご飯食べに行こう。』美咲と友里はよく行く居酒屋に行くことにした。
2006-09-14 20:05:00 -
3:
◆Bh3tKJ2ohM
友里はドンドン食べ物を注文していく。それを見る美咲。いつも注文役は友里に任している。注文し終えると友里は彼氏の話をし出した。『あいつ顔は男前やけど全く中身ないねん。おもんないわ』美咲はクスクスと笑った。
2006-09-14 20:06:00 -
4:
◆Bh3tKJ2ohM
美咲と友里が出会ったのは半年前。美咲と友里は同じ店で働いていた。最初はお互い喋ることもなく、ただの職場仲間として挨拶する程度だった。友里は愛想も良く要領が良いので店の子やボーイと仲が良かった。一方、美咲は愛想は悪くないが店の子やボーイとは何となく仲良くなる気にはなれなかった。
2006-09-14 20:07:00 -
5:
◆Bh3tKJ2ohM
ある日、待機をしていると友里が喋りかけてきた。
『何才?』『彼氏おる?』『昼なにしてるん?』質問攻め…全てに答えると。友里がこう言った『あんな。友里、前から美咲ちゃんと喋りたかってん!友達なろや!アドレス教えて〜』こうして美咲は友里と毎日一緒にいるようになった。2006-09-14 20:08:00 -
6:
◆Bh3tKJ2ohM
友里『美咲?聞いてる?』美咲「ああ!聞いてるで。てか友里、彼氏多いから誰が誰だかわからんしな!」友里『美咲も大概やんか』美咲『あたしは彼氏いませんから。』いつもの2人の会話…美咲も友里も恋愛には真剣になれないタイプだった。
2006-09-14 20:11:00 -
7:
◆Bh3tKJ2ohM
ただ一人でいるのが寂しくて常に男が何人かいなくちゃ満足できない。美咲も友里もそんな感じだった。
−だから友里とは話しが合うのかもしれない−美咲はいつもそう思っていた。2006-09-14 20:16:00 -
8:
◆Bh3tKJ2ohM
友里は手当たり次第に付き合っていらなくなったらポイッと捨てる。そんな女。
美咲は付き合うのはめんどくさいから付き合わず飽きたら連絡すら一切受け付けない。そんな女。2006-09-14 20:19:00 -
9:
◆Bh3tKJ2ohM
そんな美咲と友里にピッタリだったのはホスト達だった。ホスト達は初回に行けば、派手な外見の二人を見てお金が持っていると勘違いして必ずと言っていい程色ってくる。美咲も友里も寂しさを紛らわす為に彼らの色にのる。ただ一人のホストにハマったりすることはない。一回限りの関係で良かった。
2006-09-14 21:28:00 -
10:
◆Bh3tKJ2ohM
友里はビールを一杯飲み干し『お腹いっぱい。よし!ホスト行こ!』と満面の笑みを浮かべている。美咲はフッと笑い時計を見る。まだ十一時過ぎ…ホストに行くにはまだ早い。少し外で時間を潰してから行くことにした。
2006-09-14 21:35:00 -
11:
◆Bh3tKJ2ohM
二人は少し崩れたメイクを直し、居酒屋を出てミナミの街を歩く。美咲は歩くのは嫌いぢゃない、田舎育ちの美咲にとってミナミは歩いているだけでも面白い。美咲はすれ違う人々を観察している。隣で友里は忙しそうにメールを打つ。いつもの光景だ。
2006-09-14 23:53:00 -
12:
◆Bh3tKJ2ohM
前からホストの集団が歩いてきた。『おお!美咲久しぶりやん』聞き覚えのある声。軽快な喋り方。集団の中には光がいた。−うわ…会ってもた−少し焦ったが美咲は『久しぶりやん。頑張りや』と言い、友里の腕を引っ張ってそこから立ち去ろうとした。
2006-09-14 23:54:00 -
13:
◆Bh3tKJ2ohM
すると光が『お前らまたホスト行くん?それやったら俺の店来いよ。美咲、俺の店来たことないやん。』友里はのん気に『そうなん?なら行こうや?初回なんぼ?』と光と勝手に話を進め結局行くことになってしまった…。
2006-09-14 23:55:00 -
14:
◆Bh3tKJ2ohM
光の店まで行く途中。友里は『光くんと美咲はどうやって知り合ったん?』と聞いてきた。答えようとすると光は遮るように『キャッチやで』と言った。友里は『そうなんだ。友里、光気に入ったし光口座にしていいよね?』美咲は頷くしか出来なかった。
2006-09-15 18:59:00 -
15:
◆Bh3tKJ2ohM
−光と美咲の出会い。それは2年前の春−
2006-09-15 18:59:00 -
16:
◆Bh3tKJ2ohM
『ごめん。遅れたぁ』スーツを着た舞が走ってやってきた。黒のスカートがよく似合ってる。美咲はニコッと微笑む。『美咲。スーツ来てると18才には見えないよね。似合ってる。』確かに美咲は18才には見えなかった少し明るい髪をアップし長身で手足の長い美咲はパンツスーツを着こなしていた。
2006-09-15 19:38:00 -
17:
◆Bh3tKJ2ohM
『老けてるってか?』そうやって冗談を言いながら美咲と舞は式の行なわれる会場に歩いて向かった。会場につき舞と並んで座り開会されるのを待っていると舞が美咲に耳打ちをした。
2006-09-15 21:26:00 -
18:
◆Bh3tKJ2ohM
『見て。見て。あの子かっこよくない?』舞の目線の先にはキレイな顔をした男がいた。周りの男とは違って落ち着いた雰囲気を持っていた。なぜか目をひく…それが光だった。
2006-09-15 21:28:00 -
19:
◆Bh3tKJ2ohM
退屈な式が終わり舞と二人で外に出ると美咲の前に光が歩いていた。舞は『あっ!さっきの子』と嬉しそうにしていた。そのまま舞は買い物に行くと言い、舞と別れ家に帰る途中。美咲は光を思い出した。少し同じ匂いのする光のことがなぜか気になった。
2006-09-15 21:35:00 -
20:
◆Bh3tKJ2ohM
『着いたで?』光の声で現実の世界に引き戻される。今、目の前にいるのはあの時の光ぢゃなくホスト光だった。髪も明るくなりチャラチャラした喋り方。何だか切なくなった。
2006-09-15 21:42:00 -
21:
◆Bh3tKJ2ohM
店に入ると『いらっしゃいませ!』とホスト達の声が広い店内に響く。少し暗い店内には黒と白で統一されトランスが大音量で流されていた。美咲は気乗りしないまま光に案内された席に座った。
2006-09-15 21:51:00 -
22:
◆Bh3tKJ2ohM
すると光は美咲におしぼりを渡し自然に美咲の隣に座ってきた。友里は光のことを気に入っていたみたいだったから少し不機嫌になっていた。すると一人のホストがやってきた…。『失礼します。永遠です。』永遠は名刺を渡しヘルプ椅子に座った。
2006-09-15 22:02:00 -
23:
◆Bh3tKJ2ohM
永遠は端正な顔立ちでいわゆるホスト顔。白のスーツがよく似合っていて笑顔が可愛らしかった。『永遠ちゃん何才?』友里はすぐに永遠を気に入ったようだ。永遠も20才で友里とすぐ意気投合していた。
2006-09-15 22:08:00 -
24:
◆Bh3tKJ2ohM
友里の機嫌が直って美咲がホッとしていると光が喋りかけてきた。『美咲、彼氏は?』美咲は『彼氏は作らん主義やねん』と冷たく答えた。光は『ごめん…俺のせいやな』と言い少し悲しげな目をした。
2006-09-15 22:15:00 -
25:
◆Bh3tKJ2ohM
−美咲と光は二年前、付き合っていた−
2006-09-15 22:17:00 -
26:
◆Bh3tKJ2ohM
学校にも慣れ始めていたある日、美咲は友達とミナミのカラオケでオールをしていた。美咲は大人数でいることに少し息苦しくなり煙草を吸いに少し外に出ることにした。しゃがみ込んで煙草を吸っていると、誰かが喋りかけてきた…
2006-09-15 22:24:00 -
27:
◆Bh3tKJ2ohM
『なぁ。』ふと顔を上げるとそこにいたのは入学式で見た男…光が立っていた。美咲は驚いて煙草を落としてしまった。光は『あ〜もったいな』と光は笑った。不覚にも美咲はその笑顔に見とれてしまった。
2006-09-15 22:28:00 -
28:
◆Bh3tKJ2ohM
『俺、光って言うねん。はい名刺。』光は名刺を渡してきた。
−club BRIGHT− 夜月 光
2006-09-15 22:30:00 -
29:
◆Bh3tKJ2ohM
名刺には堅苦しそうにそう書かれていた…。美咲は我慢できなくてこう言った。『なぁ。あんた…井上 光やろ?』光は学校でもなぜか目立つ存在で名前をよく耳にしていた為、美咲は光の本名を知っていた。
2006-09-15 22:36:00 -
30:
◆Bh3tKJ2ohM
『なんで知ってんの?』光はびっくりしたように美咲を見た。『あたし、君と同じ学校やねん。』そう言うと美咲は立ち上がり店に戻ろうとした。すると光がフッと笑い、美咲の腕を掴んでグイッと自分の方に引き寄せ美咲に強引にキスをした。
2006-09-15 22:41:00 -
31:
◆Bh3tKJ2ohM
−は?−
美咲には一瞬何が起こったかわからなかったが、すぐに状況を理解し光の腕を振りほどき走ってみんなのいる所に戻っていった。2006-09-15 22:44:00 -
32:
◆Bh3tKJ2ohM
走っていく美咲の後ろ姿を見ながら光は不適な笑みを浮かべた。光は煙草を買い店の方向へ歩き出した。いつもはキャッチなんてしない光がたまたま通りかかり美咲をキャッチした。これはやはり運命だったのだろう。
2006-09-16 18:26:00 -
33:
◆Bh3tKJ2ohM
2006-09-18 00:30:00