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水商売の変貌

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  • 1:

    名無しさん

    1 名前:杏奈:05/09/09 06:58
    夜の世界ではでも耳にしたことがありますよね?突然の変貌や変身って言葉を。そしてその世界に入ってくる約七割が心に何らかの闇を抱えていることを。
    つかればつかる程変わっていく。これは本職ホストの彼氏の実話を元にした話。

    2006-09-07 14:29:00
  • 401:

    杏奈

    ミナミに着くといつもどおり人がたくさんいて、いつもどおり賑やかで…。
    私は結構この街が好きだった。でもその日はいつもと少し違った。光輝を変えてしまったこの場所が嫌いになりそうだった。

    「杏奈どしたん?大丈夫?めっちゃぼーっとしてるやん」

    2006-09-18 12:50:00
  • 402:

    杏奈

    「あ…ごめん。大丈夫やでなんもないよ」

    私がそう言っても真美は少し心配そうな顔をしてた。それから美容院でセットが終わると、お店が違う真美は働いているラウンジに向かって行った。

    「店終わったら電話して☆今日もウチ来るやろ?一緒に帰ろうなぁ」

    2006-09-18 12:51:00
  • 403:

    杏奈

    真美は別れぎわにそう言って手を振ってた。いい友達がいて良かったなって思った。
    私は正直ゆうと光輝が全てやった。ずっと光輝とおったしずっとそれでいいとも思ってた。
    だから自分が夜の仕事をするまでは、家にいるのが当たり前で。友達ともたまに会うぐらい。

    2006-09-18 12:52:00
  • 404:

    杏奈

    友達って大事やなぁって。それと急に電話をかけた時でも、何も言わずに話聞いてくれる子、会ってくれる子、一緒にいてくれる子がいて良かったなって。
    私にそんな子が何人いてるんやろ?そう考えた時、自分の甘さを痛感した。光輝ばかりになってて、大好きやった友達と今は距離があるなぁと。

    2006-09-18 12:54:00
  • 405:

    杏奈

    そんなことを一人で黙々と考えながら私もお店に向かってた。今日もルイと顔合わすことになるんや…だるいなぁ…。
    一発殴ってやりたいぐらいの気分やった。人の気持ち逆なでばっかしてきて一体何がしたいんやろう。

    2006-09-18 12:57:00
  • 406:

    杏奈

    「おー杏奈おはよ」

    お店に入るとボーイの千場くんにまず声をかけられた。

    「あっおはよー。代表店いてる?」

    2006-09-18 13:06:00
  • 407:

    杏奈

    「うん来てるでー。どうしたん?あ!それより杏奈今日から出勤増えるんやろ?聞いたで代表から!頑張ってナンバー1なってな」

    えぇ?何で知ってるん…。とは思いながらも改めて思い出した。そっか、私ナンバーワン目指すんやったっけな…。

    2006-09-18 14:00:00
  • 408:

    杏奈

    「あんま大っきい声でゆわんとってな…。でもまぁ、とりあえず頑張る」

    私がそう言うと千場くんはニコッと笑ってうんってうなずいてた。

    それから着替えのために更衣室に入るといつものルイの取り巻きメンバーが雑談してた。

    2006-09-18 14:01:00
  • 409:

    杏奈

    私はその後ろを素通りしてロッカーの前まで行くと、とりあえずそのまま着替えてた。

    「おはよー」
    「あーおはっ♪」
    「ルイさんおはようございますぅ」

    2006-09-18 14:07:00
  • 410:

    杏奈

    ルイ…?そう、あのルイが出勤してきたのだ。私は聞こえないフリをしながら黙って着替えてた。

    「あーこれ誰ですかぁ?彼氏?めっちゃ恰好いいですねぇ」

    お店の女の子、サキがルイの携帯を見ながらそう言っているのが聞こえてきた。携帯に写ってるのは光輝だと分かってた。

    2006-09-18 14:08:00
  • 411:

    杏奈

    ルイは多分、私がそのことを知らないと思っていたと思う。

    「そやろー♪めっちゃカッコイーやんなぁ。ルイの好きなダーリンやねん♪」

    聞いててまた頭が痛くなった。ルイの声、言葉、顔、存在…全てがうっとうしくて。

    2006-09-18 14:12:00
  • 412:

    杏奈

    我慢の極限やった。

    (バンッ!)

    私は気付いたらロッカーを蹴ってた。少しへこんだロッカーを見ながらもう一発ドンっと蹴った。

    2006-09-18 14:15:00
  • 413:

    杏奈

    「なに!?」
    「えっ!?何の音!?」

    女の子達は少しざわついてた。びっくりした顔で。

    「ハハッ、どうせ杏奈やろ?頭おかしいから」

    2006-09-18 14:19:00
  • 414:

    杏奈

    まっとう…ってゆったら変かもしれんけど、その先輩のお葬式や家に線香をあげに行った時に、先輩のお母さんに言われたことがあって。

    「お願いやからレディースとか暴走族はやめて」って。「あの子みたいになってほしくない」って。「親孝行しなあかん」って。

    でも一番引っ掛かった言葉があった。

    2006-09-18 15:14:00
  • 415:

    杏奈

    「私があの子を殺したようなもんや」って。「バイク乗るのやめさせてれば」って。
    泣きながらそう言ってた。私はそん時に思った。ヤンキーをやめようって。大好きやった先輩は、多分亡くなってからもずっと苦しんでるって思ったから。

    親や友達、後輩、それから彼氏も…。いろんな人を悲しませてるから。だから苦しんでるんじゃないかなって

    2006-09-18 15:15:00
  • 416:

    杏奈

    やっぱり言いたいことはいっぱいあったと思う。親には親孝行したかったやろうし、友達や仲間とはずっとつるんでたかったはずやし。
    好きな…付き合ってた彼氏にも好きやでって、ありがとうって言い残したこといっぱいあったと思う。
    でも、死んでしまってからじゃいくら後悔しても遅いから…。だから先輩のためにも私だけでも変わりたかった。

    2006-09-18 15:16:00
  • 417:

    杏奈

    だからそれから喧嘩なんて一回もしなかった。バイクにも手つけんかったし、人にも手あげんかった。
    悪いことからは一切遠ざかってた。
    だから私が本気で怒ったのは、その時以来…まさか相手がルイになるなんて思ってもみんかった。

    「誰が頭おかしいって?」

    2006-09-18 15:17:00
  • 418:

    杏奈

    「え?」

    「だから誰が頭おかしいかって聞いてんねん!」

    私が大声を張り上げると、ルイの周りにいた女の子達はびっくりして口があいたままだった。それからルイも…。

    2006-09-18 15:18:00
  • 419:

    杏奈

    シーンとしてた。私は黙ったままのルイのそばまでいって耳元で大声を出して聞いた。

    「なぁ?お前耳ついてんのか?ちゃんと声聞こえてるか?」

    「きっ聞こえてるわ!」

    2006-09-18 15:20:00
  • 420:

    杏奈

    ルイは慌てながらそう言ってきた。私は思った。我慢をすることは大事やけど、爆発させることも必要なんやって。

    「で?誰が頭おかしいって?はよゆえや?なぁ」

    「べ、別にあたしそんなんゆってないし」

    2006-09-18 15:20:00
  • 421:

    杏奈

    手を出すつもりは初めっからなかった。でも、ルイに我慢し続けてきていた分、あまりにもふざけた答えに私の手はルイのアゴをつかんでた。

    「はぁ?お前のこの口がさっきゆうとったんちゃうんか?」

    「ちょっ、やめてよ」

    2006-09-18 15:21:00
  • 422:

    杏奈

    「あんまいちびっとったらいってまうで?お前の家ごといったろか?人が何もゆわんかったから機嫌よー好き勝手やってきたみたいやけど人おちょくんのもええ加減にせーよ!」

    更衣室は静まり返ってた。やばっ…やってもーた…。そう思った時には時すでに遅し。

    2006-09-18 15:23:00
  • 423:

    名無しさん

    リアルタイムやぁ?まぢぃおもろぃ?続きはよ読みたい?

    2006-09-18 15:23:00
  • 424:

    杏奈

    ルイは何も言い返してこなかった。もっと面白いことになるかと思ってたのに無反応で空回りやった。

    宣戦布告。その言葉そのもの。ルイも少しはおとなしくなるやろう…。
    それから更衣室を出たら、代表が立ってた。

    2006-09-18 15:24:00
  • 425:

    杏奈

    「おはよ。アンどーしてん?びっくりした顔して」

    勇二君は私の顔を見てそう言った。びっくりした顔?あ、もしかして聞いてたんかな?

    「今ってもしかして声聞こえてた?」

    2006-09-18 15:25:00
  • 426:

    杏奈

    「えっ!?何も聞こえてないで」

    良かったぁ…。ほっとしたのもつかの間やった。

    「人おちょくんのもええ加減にせーよ!とか全然聞こえてないで(笑)」

    2006-09-18 15:27:00
  • 427:

    杏奈

    笑いながら勇二君はそう言った。げっ…ってかめっちゃ聞こえてたんやん…。

    「ちょっとスッキリしたんちゃう?頑張ろな。次はナンバーワンなってとことんやったれ」

    「うん…頑張る」

    2006-09-18 15:27:00
  • 428:

    杏奈

    「つーかアンって元ヤン?びっくりするわぁ」

    「もう!それは忘れてな。めっちゃ恥ずかしいわ…。仕事頑張ろーっと」

    そんな話をしながら仕事を開始した…。変な日の始まりやった。

    2006-09-18 15:28:00
  • 429:

    杏奈

    その日は始まりがあんなんやったせいもあって、めっちゃパワフルに頑張った。指名客もうまい具合に来てくれてたし、場内もかなり取った。
    今思えば、ほんま…何やろ?ただ必死やった。意地になってた。
    水商売の変貌…そのものやった。光輝が変わったって思ってた。でもそれだけじゃなかった。私も…変わっていってた。

    2006-09-18 15:29:00
  • 430:

    杏奈

    光輝を好きになって、いろんな感情を知った。
    楽しい気持ち、悲しい気持ち。むかついたり悩んだりもした。嬉しくて幸せだったり…やきもちやいて悔しい思いもした。

    つまらない一言や、ちょっとした行動で喧嘩になったり、たいしたことないことに跳びはねたくなるぐらい幸せを感じたり。
    人を好きになってよく分かった。感情だけはどうにも理解しがたいもんだなって。

    2006-09-18 15:30:00
  • 431:

    杏奈

    感情をコントロールできるなら苦労しないのに。喜怒哀楽が同じだけ順番に出てくればいいのに。
    私だけかもしれないけど、いいことや悪いことが続けてくる気がして。まとめてどっとくるような感じ。
    特にこのころはそう思ってた。何でこんなに嫌なことばっかり続くんやろうって。

    2006-09-18 15:31:00
  • 432:

    杏奈

    光輝は多分いつもの喧嘩や…ぐらいにしか思ってなかったと思う。まさか本気で別れようと思ってたなんて気付きもしてなかった。

    私が同棲していたマンションから飛び出してからも変わらずに鳴る光輝からの電話やメール。
    私は最初は戸惑ってた。電話に出ようかメールを返信しようかって。

    2006-09-18 15:35:00
  • 433:

    杏奈

    でも折れるわけにはいかなかった。また同じことの繰り返しになるような気がしたから。
    ルイのことが一番の理由やったけど、仕事に溺れていく光輝を見るのが嫌やった。
    仕事のためなら私の嫌いな女だって客にできるし、私の気持ちなんて二の次で。

    2006-09-18 15:36:00
  • 434:

    名無しさん

    おもろい???

    2006-09-19 04:17:00
  • 435:

    杏奈

    よくゆうやん。ホストの彼女は忍耐力がいるって。
    ふざけんなって思わん?なんで彼女が耐える必要があるんかな?なんで彼女が我慢しなあかんのかな?

    間違ってるよね。
    付き合うってことは、お互い対等なわけでしょ。どっちかが我慢してどっちかが楽して。そんなんっておかしいなってその時ようやく分かった気がしてた。

    2006-09-20 06:41:00
  • 436:

    杏奈

    それに初めて自分から何かをしたいって思えたから。それがNo.1になることやった。
    最初はルイに対するライバル心、対抗意識、報復みたいに考えてた。やっぱりルイはNo.1やったしそこからとりあえず変えたいって。

    2006-09-20 06:42:00
  • 437:

    杏奈

    だから変わっていった。私は相変わらず真美のマンションに居候しながら、新居が見つかるまで生活してた。
    仕事は毎日…でてた。人間って何かに本気で没頭した時ってびっくりするくらい力発揮できるもんやねんなぁって思ったよ。
    必死やっただけやけど、光輝と付き合ってた間一回もしたことがなかった同伴やアフターにも行くようになったし。

    2006-09-20 06:43:00
  • 438:

    杏奈

    それに評価がすぐに出るし目に見えて分かる。グラフや指名の張り出し、もちろん給料も変わった。
    嬉しかった。仕事もやることやってれば結果は必ずついてくる、それが分かったから。
    私はNo.5だった先月の順位から、その月はNo.3まで上がってた。光輝から離れて一ヶ月半くらいの頃やったかなぁ…。

    2006-09-20 06:44:00
  • 439:

    杏奈

    光輝も変わってた。相変わらずNo.1やったのは知ってたけど、すごい売り上げをあげてるってとあるサイトで見たり。
    その時は光輝からの連絡もあまりなくなってた。私が出ていって3週間くらいは毎日毎日電話もあったけど、それからは減っていってて…。

    2006-09-20 06:45:00
  • 440:

    杏奈

    人って不思議なもんで連絡ずっとしてきた人があんまりしてこなくなったらなんか変な気分になるよね。
    何してんねやろ、何で連絡減ってきたんやろって。
    結局自分勝手やねん。連絡きてもほっといたんは自分やのに。いざ光輝が変わってきたら焦ったりして。
    ほんまアホやなぁって思った。

    2006-09-20 06:46:00
  • 441:

    杏奈

    ルイのことも気になってた。まだ光輝の店行ってんのかなぁって。今どうなってんねやろって。
    毎日ルイはキャバクラで会うけど、更衣室でもめたあの時以来、私とは一言も話さないままやったし。
    それに私が仕事を頑張ってるのを見て焦ってたのかは知らんけど、ルイまで必死になってるように見えた。

    2006-09-20 06:47:00
  • 442:

    杏奈

    勇二君は相変わらず私のよき相談相手で飲み友達やった。仕事中もかなり応援してくれてたし。
    光輝と喧嘩したあの日以来、勇二君は何も言ってこないけど、光輝とは喧嘩したままやったやろうし。これからどうするんやろ…
    私がそんなことを考えてる間にも、複雑なそれぞれの想いが交錯していってた。
    私、光輝、ルイ、勇二君。四人の糸は、からまり始めていた。でも、一度もつれてしまった糸は簡単にはほどけなくなって…。

    2006-09-20 06:48:00
  • 443:

    杏奈

    そんな時、新たな出来事が起きた。
    ちょうどまだ肌寒い三月の終わりだった。私は仕事が終わると、真美に電話をかけた。
    「もう仕事終わったよー。真美は?」

    「ごめん!アフター中やねんやん。先帰っててくれるー?ごめんなぁ」

    2006-09-20 06:49:00
  • 444:

    杏奈

    「分かったぁじゃあ先に帰っとくね」

    そう言って電話を切った…その時、離れた前のほうに見覚えのある後ろ姿を見つけた。
    光…輝?光輝かな?私は何故か久しぶりにドキドキしてた。私が家を飛び出して二ヶ月目の頃だった。
    でも、唖然とさせられた。光輝の隣を歩いてたのは、ルイやったから。私は少し離れて歩きながら見てた。二人は光輝の働いている店のビルに入って行ってた。

    2006-09-20 06:50:00
  • 445:

    杏奈

    私なにやってんねやろ…こんなとこまで来て…。

    「杏奈さん?」

    えっ?と思い振り返るとそこには光輝の店のヒロがいた。

    2006-09-20 06:51:00
  • 446:

    杏奈

    「何してるんすか?つーかめっちゃお久しぶりっすよね。光輝さん待ってるんすか?」

    「あ、ちがうねん…たまたま…通っただけやから。ここで会ったこと光輝には言わんといて」

    ヒロは不思議そうに私を見ていた。

    2006-09-20 06:51:00
  • 447:

    杏奈

    「ヒロ無理せんと頑張りや。またね」

    私はとりあえずその場から急いで離れた。っていうか…ルイ…まだ来てるし。
    どういうことよ…光輝。もういいんかなぁ…ほんまに。私なんて必要ないんかな?だからまだ平気でルイのこと店呼んだりできるんや…。

    2006-09-20 06:52:00
  • 448:

    杏奈

    なんか久々にオチた。私この二ヶ月何してたんやろうって。仕事に必死になって…ルイへのライバル意識だけで。
    光輝のことよりルイへの嫉妬や仕返しでNo.1を目指したりして。
    でもそんなことで必死になってた間も何も変わってなかった。むしろ私だけが空回りしてた。

    2006-09-20 06:53:00
  • 449:

    杏奈

    なんかどうしようもない気持ちが苦しかった。ぶつけようもない気持ち、気持ちをぶつける相手もおらん…。
    涙が出そうやった。目いっぱいに涙がたまってた。あかん…涙こぼしたら…そう思って歩いてた。
    早く帰ろう。帰ってお風呂入ってスッキリしよう。それからビール飲んで寝よう。そうすれば…明日になれば…忘れられる。今日のことも。

    2006-09-21 01:33:00
  • 450:

    杏奈

    「大丈夫?」

    歩いていた私の前に立って突然話しかけてきたのはスーツに身を包んだホストだった。

    「どいて」

    2006-09-21 01:34:00
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