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1:
由香
掴もうとしても 掴めないもの 手に入れようとしても 手に入らないもの
2006-08-21 04:19:00 -
2:
由香
そんなあなたでした…
2006-08-21 04:20:00 -
3:
由香
始まりは寒い、寒い一月のこと。 当時19歳だったあたしは 大失恋をして 泣きながら夜の繁華街を歩いていた。
2006-08-21 04:22:00 -
4:
由香
この人のためなら死ねる 初めてそう思う事が出来た彼には 綺麗な奥さんと 生まれたばかりの可愛い子供が居た
2006-08-21 04:24:00 -
5:
由香
もちろんあたしはそんな事知らなかった。 今思えば…『都合のいい女』だったんだろう。 『今日は電話してくるな』と言われればちゃんと守っていたし 彼が『逢いたい』と言えばすぐに逢いに行っていた
2006-08-21 04:27:00 -
6:
由香
元々結婚願望が強かったあたしは 結婚するならこの人しか居ない そう思っていたし 彼も同じ気持ちで居てくれてるものだと信じて疑わなかった
2006-08-21 04:30:00 -
7:
由香
でも…『結末』は あたしが思い描いていたものとは 大きくかけ離れていた。 友達と別れ一人で歩いていたあたしが見た光景
2006-08-21 04:33:00 -
8:
由香
それは… 楽しそうに笑いながら ベビーカーを押している彼。隣には綺麗な女の人 誰が見ても…『幸せそうな家族』だった
2006-08-21 04:35:00 -
9:
由香
呆然と立ちすくむあたしに彼は一瞬気づいた様だったけど すぐに目をそらし 何事もなかったかの様に その場を通り過ぎて行った
2006-08-21 04:37:00 -
10:
由香
そう言えば今日は 『仕事が忙しいから電話はかけてこんといて』 そう言われていた日だった
2006-08-21 04:40:00 -
11:
由香
目の前の現実を受けとめられずに 人目も気にせず ただ泣く事しか出来なかった。 足はまるで地面に打ち付けられているかの様に動く事すら出来なかった。
2006-08-21 04:43:00 -
12:
由香
当時あたしは あるキャバクラで働いていた。運悪く その日も出勤だったので セットに行かなければいけない時間になっていた。
2006-08-21 04:46:00 -
13:
由香
休もう、そう思ったけれどその日は
毎日来てくれるビップなお客さんの誕生日だった。 前々から約束をしていたし休む訳にはいかない。 鏡を取出し少し化粧直しをすると 重い足を一歩、また一歩と引きずるように歩きだした。2006-08-21 04:51:00 -
14:
由香
どんなに気を強く持とう そう思っても 自然と涙は溢れ 道行く人の視線を痛いほど感じる
2006-08-21 04:54:00 -
15:
由香
『すみません。キャバクラの体験とか来てもらわれへんかなぁ?』 突然隣に現われた男の声にびくっとしたあたしは 思わず俯いていた顔をあげてしまった。
2006-08-21 04:57:00 -
16:
由香
金髪の少し短めの髪をしたその男は あたしを見て一瞬ことばをつまらせた。 そりゃそうだろう。 たまたま声をかけた女が大量の涙を流しているんだから。
2006-08-21 05:00:00 -
17:
由香
『どっどしたん!?』 『…何でもないです。』 『何かあったん?』 色々と質問してくるその男に正直あたしはいらいらしていた。
2006-08-21 05:04:00 -
18:
由香
『付き合ってた男に奥さんも子供もおってん。失恋してん。何か文句ある!?』そう言うとキッと男を睨みつけた。 ことばにすれば現実味をおびてきて 自分が言ったことなのに
また涙が出てきた。2006-08-21 05:08:00 -
19:
由香
『…そぉなんや。ごめんな、色々聞いてもうて。』 素直に謝ってきた男に 少し罪悪感を感じた。 『あたしこそごめん。こんなん八つ当りやんな。』
2006-08-21 05:11:00 -
20:
由香
『仕方ないよ。そんな泣く程好きやったってことやろ?いい事やん。』 そう言うと男はにこっと笑った。 改めて見ると彼は 整った顔をしていた。
2006-08-21 05:15:00 -
21:
由香
『ちょっと落ち着いた?』あたしは何も言わずにうなずいた。 『良かった。今からどこ行くん?時間大丈夫?』 はっと時計を見ると かれこれ一時間は経っていた。
2006-08-21 05:25:00 -
22:
由香
『あっごめん…時間とらしてもぅて…』 『俺はまだ営業時間前やから大丈夫やし気にせんといて。』 『ほんまごめんな。あたし今から出勤やからセット行かなあかんねん。』 『夜してるんや。セットんとこまで送ってくわ。』
2006-08-21 05:28:00 -
23:
由香
サロンにつくまで、あたし達はあまり会話をしなかった。 それと言うのも 彼の携帯がひっきりなしに鳴っていたから。 電話で話す彼の口調からも店では上の立場の人だとわかった。
2006-08-21 05:36:00 -
24:
由香
さっき隣で頭をなでてくれて居た時も
彼の胸ポケットに入っている携帯からあたしの腕に伝わる振動に
あたしは気づいて居た。 でも彼は気を使ってなのか一度もその機械に触れようとはしなかった。2006-08-21 05:42:00 -
25:
由香
『じゃあ俺仕事行くわ。元気だしや!』 『ほんまにありがとう。』彼は笑顔で手を振って 夜の街に消えて行った。
2006-08-21 05:45:00 -
26:
由香
出勤時間まで後三十分。 確実に間に合わない。 あたしは毎日どこかで飲んでいるお客さんに電話をし同伴をとりつけた。 幸い誕生日のお客さんは十一時ぐらいになると言っていたので店に電話をし、同伴なので少し遅れると説明した。
2006-08-21 05:52:00 -
27:
由香
『由香ちゃんおはよう。今日はどんな髪型にする?』『どうしよかなぁ。時間あんまないし下ろしでいいや。』 ここはいつも来ているサロン。担当の人とはかなり仲がいい。
2006-08-21 05:58:00 -
28:
由香
『由香ちゃん今日めっちゃしゃべるなぁ。何かいい事でもあった?』 いい事?…むしろ逆。 何か話をしていないと彼の事を思い出してしまうから。ただそれだけ。
2006-08-21 06:02:00 -
29:
由香
『いい事ってかむしろ失恋したし!あんま突っ込まんといて〜』 あたしはわざと明るく言い放った。 いくら仲がいいと言ってもそれは店の中だけ。 相手に気をつかわせるのも嫌だし、これ以上みじめになりたくなかった。
2006-08-21 06:12:00 -
30:
由香
崩れた化粧を直し 髪の毛もばっちり固めてもらって あたしはお客さんとの待ち合わせ場所へ急いだ。 その人は神野さんと言って週に二、三度来てくれる上客だ。
2006-08-21 08:02:00 -
31:
由香
『神野さんおまたせ〜!ごめんな、急に。』 『えぇで。俺も由香に逢いたかったしな。何時出勤や?』 『十一時までには絶対行かなあかんねんけど…』 神野さんは、遊び慣れていてこっちの事情もわかってくれる。
2006-08-21 08:09:00 -
32:
由香
『もうあんまり時間ないな。由香どうせ遅刻したんやろ?笑』 『図星です…』 『やと思ったわ笑。バタバタ飯食うんも嫌やし店で寿司でも頼んだ方が由香のバックもいいやろ。美味いとこは今度連れてったるから今日はもう店行こかぁ。』 『ほんっまありがとう!!ごめんなぁ。』
2006-08-21 08:13:00 -
33:
由香
あたしは何故か年配の人によく受ける。 だからみんな娘の様に可愛がってくれて 中には彼氏が居た事を知っている人も居た。 神野さんもその中の一人。
2006-08-21 08:18:00 -
34:
由香
店に連絡を入れ、店まで色々話をしながら歩く。 『あっ…』 そこにはさっき話を聞いてくれたあのボーイが居た。 彼はこっちに気づくと、にこっと笑って口パクで『頑張れ』と言ってくれた。
2006-08-21 08:24:00 -
35:
由香
『いらっしゃいませぇ!』店の扉を開けると、いつもの様にボーイが威勢良く挨拶をし、席に案内する。 『じゃあ着替えてくるからちょっと待っててなぁ。』控え室に入り、ドレスに着替えた。 今日は白のロングドレス。
お気に入りのドレスのはずなのに…いつもと違って見えるのは…あたしの表情のせいなんだろうか。2006-08-21 08:29:00 -
36:
由香
『神野さんお待たせぇ。』『おう。寿司何食う?』 本当はお腹なんて空いて居ない。 でもいつも元気キャラなあたしが『いらない』なんて言うと きっと神野さんも心配する。適当に頼んで、お酒を作りはじめた。
2006-08-21 08:33:00 -
37:
由香
『かんぱぁい!!いただきます。』 お酒を一口飲むと、神野さんが口を開いた。 『由香…気づかんふりしとこうかと思ってんけどな、俺もう見てられへんわ。お前さっき逢った時からずっと…泣きそうな顔してる』
2006-08-21 08:36:00 -
38:
由香
『そっそんな事ないで!!あたしはいつも元気やで』とっさにそう答えた。 お客さんに心配させるなんて、キャバ嬢失格だ。 “どんだけ辛い事があっても、笑っていろ”
それがあたしの尊敬するボーイで、パパと呼んでいる人の教えだったからあたしは今までそれを忠実に守ってきた…つもりだった。2006-08-21 08:42:00 -
39:
由香
『俺は由香の倍以上生きてんねん。そんな嘘…すぐわかるわ。彼氏の事か?いっつも俺が話聞いてもらってんねんから、今日ぐらいは俺に相談してや。言いたくなかったら別やけどな。』『実はな…』 あたしはさっきの出来事を全て話した。 話しているうちに 止まったはずの涙が溢れて来て 再び止める事は出来なかった。
2006-08-21 08:48:00 -
40:
由香
“好き”とか “愛してる”とか そんなことばで片付けられる気持ちなんかじゃない。手をのばせば いつも届く場所に居て… 一番近い存在だった彼は 一番遠い存在になってしまった。
2006-08-21 08:51:00 -
41:
由香
“ふり”でもいいから 少しぐらいは慌てて欲しかった。 メールででも何でもいいから言い訳して欲しかった。 彼にとってあたしはその程度の存在で あたしが想う彼の『価値』とはかけ離れていると嫌でも実感してしまう。
2006-08-21 08:55:00 -
42:
由香
『それで…そっから連絡したんか?』 『してない…恐くて出来ひんわぁ…』 『由香の気持ちもわからんくもないけどな、今せんと絶対後悔すんで。携帯持ってきていいから今からかけ。聞かれたくないんやったら控え室で電話してきてもえぇから。』 『ここでかけるから…横におってほしい。』
2006-08-21 09:01:00 -
43:
由香
客席で私用電話をするなんてもちろんご法度。 でも…神野さんの好意に甘えさせてもらう事にした。本当は 今すぐにでも彼の元へ行きたかったから。 偽りの優しさでも 抱き締めて欲しかったから
2006-08-21 09:07:00 -
44:
由香
震える手で 電話帳から彼のメモリを出し通話ボタンを押す。
プーップーップーッ…2006-08-21 09:09:00 -
45:
由香
それから何度かけ直しても二度と繋がる事はなかった……―――――… 『ははっ拒否られてるわぁ。あたしアホやん。こんな男…好きに…な…って……』メールを送っても エラーメールが返ってくるだけだった。
2006-08-21 09:13:00 -
46:
由香
『我慢せんでいいから泣きたいだけ泣き。今日はラストまでおるから。』 神野さんの優しさが 心にしみる。 泣きじゃくるあたしを
彼は子供をあやすように頭をなでていてくれた。2006-08-21 09:21:00 -
47:
由香
『神野さん…ほんまにありがとう。でも今日誕生日のお客さんくるし多分そこ長い時間つかなあかんからお金もったいないしラストまでおってもらうん悪いしいいよ。』 そのお客さんは豪快にお金を使う。誕生日の今日は尚更抜き物がおりると思い、他のお客さんに悪いので、今日は呼ばない様にしていた。神野さんもいつも一、二時間で帰るのでまさかラストまで居てくれるなんて思いもしなかった。
2006-08-21 09:27:00 -
48:
名無しさん
由香さん頑張れ(・д・)
2006-08-21 09:31:00 -
49:
由香
『それなら尚更おるわ。誕生日の人くんねやったら嫌でも笑っとかなあかんやろ。十分でもいいから由香がしんどいと思ったら俺の席戻っといで。んで落ち着いたらそのお客さんとこ戻り。』 『ありがとう…』
2006-08-21 09:32:00 -
50:
由香
あたしは つくづくいいお客さんに恵まれているなぁと思った。お金を使うか使わないかとかじゃなくて 人間として尊敬出来る そんな人たちばかりだから
2006-08-21 09:34:00 -
51:
由香
『いらっしゃいませぇ!』あたしが少し落ち着いた頃、誕生日のお客さんが来店した。 すぐさまボーイが呼びにくる『頑張っといでや。由香おらん間ヘルプの子と仲良く飲んでるから笑』 『も〜浮気しなや!笑』 そんな冗談を言いながら 少しすっきりしたあたしはトイレに行き頬を叩いて気合いを入れると、笑顔で席についた。
2006-08-21 09:48:00 -
52:
由香
『かっちゃんお誕生日おめでと〜!!』 『お〜由香、ありがとう。今日は下のもんも連れてきたからな。いっぱい飲んで騒ぐで!』 『初めまして由香です。いつもかっちゃんがお世話になってます笑』 『あっよろしく。』
2006-08-21 09:54:00 -
53:
由香
かっちゃんは俗に言う組長で、そこの席にはいかつい面々が揃っていた。 でもいつも優しくて あたしの一番好きなお客さん。
2006-08-21 09:57:00 -
54:
由香
『ほなら段々レベルあげてくからなぁ!!まずはドンペリからやぁ!!』 『ありがとぉ〜。』 それからはシャンパンの連続で元々お酒があまり強くないあたしは かなりフラフラになっていた。
2006-08-21 10:01:00 -
55:
由香
酔うとやっぱり思い出すのは …彼の事。 こんな結末だと知っていたら もっと一緒に居たかった。もっと抱き合いたかった。後悔ばかりがあたしを襲う
2006-08-21 10:06:00 -
56:
由香
目が潤んできた時 タイミング良くボーイが呼びにきた。 『かっちゃんちょっと行ってくるわなぁ。楽しんでてなぁ。』 『おう!いってきぃ!!』
2006-08-21 10:08:00 -
57:
由香
『神野さんお待たせ。』 『よぉ頑張ってんな。まだ泣きそうやけど。』 『うん…忙しかったらまだ考えんですむけど酔うとやっぱりなぁ…。』 『しばらくはしんどいやろな。由香は彼氏の事大好きやったもんなぁ。』
2006-08-21 10:12:00 -
58:
由香
あたしは昔から 男にかなり依存してしまう信じて 裏切られて それでもまた似たような人を好きになる。 二人で過ごした時間は偽りだとしても あたしにとっては宝物だから。
2006-08-21 10:18:00 -
59:
由香
神野さんの席についたと思ったら、またすぐにボーイが呼びにきた。 『由香さん、そろそろ12時なんで…』 神野さんに挨拶をし、控え室に用意していたプレゼントを取りに行き、かっちゃんの席につく。
2006-08-21 10:22:00 -
60:
由香
『由香はよこいよ〜!カウントダウン始めるで!』 その声と同時に、店内の照明が落とされカウントダウンが始まった。 『3.2.1おめでと〜!!』一気に電気がつきクラッカーが鳴り響く。 ボーイがケーキと花束を持ってきてまるでお祭りムードだ。
2006-08-21 10:28:00 -
61:
由香
『かっちゃんおめでとぉ!これ誕生日プレゼント!!』『お〜ブランドもんの時計やん!ありがとうな。大事に使うわ!!』 それからはみんなで飲んで騒いで 全てのお客さまを送り出した頃には あたしは潰れる寸前だった
2006-08-21 10:33:00 -
62:
由香
『…香!由香!起きや!』『ん〜?あと五分…』 『何寝呆けてんねん笑。帰るぞ!!』 いつの間にか寝ていたあたしは、パパに叩き起こされた。
2006-08-21 10:47:00 -
63:
由香
昨日の出来事が夢だったような気がして 握り締めていた携帯を開くと 一也のメモリを呼び出し 電話をかけてみた。 …やっぱり現実やったんや
2006-08-21 10:49:00 -
64:
由香
『ひッッ…ヒック………』 泣きながら携帯のバッテリーを開けると そこには幸せそうに写っているあたしと一也のプリクラが貼ってある。 一気にはがすとテーブルの上に投げ付けた。
2006-08-21 10:52:00 -
65:
由香
『お前何してんねん!喧嘩でもしたんかぁ?』 『…捨てて。今すぐ捨てて!!』 『何でやねん!何かあったんか?』 『…別れた。そんだけ。』『別れたってお前…』
2006-08-21 10:56:00 -
66:
由香
『ごめん…あたし帰るわ…今パパと一緒におったら八つ当りしてまいそうやから…』 『そっか…送るわ。』 パパは何も聞かず、自販機で買ったホットミルクティーをくれた。 帰りの車の中 暖かいミルクティーは少し心をおだやかにしてくれる。
2006-08-21 11:04:00 -
67:
由香
『ただいま…』 2LDKの一人で住むには広すぎる家に帰る。 寝室に入ると ベッドで撮った二人の写真 リビングに行くと テレビの淵に貼られた数枚のプリクラ …この家には思い出が多すぎる。
2006-08-21 11:12:00 -
68:
由香
↑何か変になってしまいました?
2006-08-21 11:14:00 -
69:
由香
二人で撮った写真も プリクラも 全て破いてごみ箱に捨てたアドレス帳から彼のアドレスを消し メールや着信履歴も全て削除した。
2006-08-21 11:17:00 -
70:
由香
これでもう 連絡をとる事も メールを読み返す事も出来ないんだ。 『一也…かずやぁ…何でなんよぉ………!!』 暗い部屋で一人泣き続けた
2006-08-21 11:20:00 -
71:
由香
…どれぐらい泣き続けたんだろう。 カーテンの隙間からは明るい日差しが差し込んでいた。 …あたしは無意識に ごみ箱の中から捨てたはずの写真のかけらを 拾い集めていた。
2006-08-21 11:24:00 -
72:
由香
なぁ一也? あたしの何があかんかったん? 悪いとこがあるんやったら全部直すから… だからお願い……… 側に…側におって………?
2006-08-21 11:26:00 -
73:
由香
今日はここまでです。 ご感想等ありましたらレスいただけたら嬉しいですm(__)m
2006-08-21 11:27:00 -
74:
由香
まだ時間があるので更新します。
2006-08-21 12:27:00 -
75:
由香
一枚一枚 写真のかけらを まるでジグソーパズルをするみたいに貼り合わせた。 一也がいたからあたしがあった。 一也がいなくちゃ あたしが存在する意味も 価値もない。
2006-08-21 12:30:00 -
76:
由香
プルルル… 携帯がけたたましく鳴る。同じ店で働く親友、彩花だ。 『…もしもし?』 『由香?今日彩花も由香も仕事休みやんかぁ。今から家行っていい?』
2006-08-21 12:34:00 -
77:
由香
近くに住もう、と言って一人暮らしの家を探していたあたしたち。 彩花は隣のマンションに住む事になった。 ものの五分もしないうちに家のインターホンが鳴った。 『お邪魔します〜』
2006-08-21 12:42:00 -
78:
由香
『何飲む?』 『お茶!!ってかさぁ…何かあったん?』 『えっ?』 そんなにあたしはわかりやすいんだろうか。 『何かあったん?』そう聞かれるのは今日で何度目だろう。
2006-08-21 12:44:00 -
79:
由香
『いやなぁ…パパから由香をよろしくってメール来たしあんた今日元気なかったやんかぁ。それに…この写真…』 そこにはさっき貼り合わせたばかりの一也との写真があった。 『一也くんが原因やろ?』『うん…』
2006-08-21 12:48:00 -
80:
由香
全てを話すと 彩花は顔を真っ赤にして怒りだした。 『何なんあの男!!最悪やん!奥さんに全部暴露したったらえぇねん。』 『そんなんはしたくない…奥さんは何も悪くないんやし。』 別にいい子ぶる訳じゃない。それは本心から言ったことばだった。
2006-08-21 12:52:00 -
81:
由香
『それにな…多分あたし一也から結婚してるって聞いたとしてもそれでもいいから一緒におってってゆってしまうと思うねん。誰も傷つけんうちに早く気づいて逆に良かったかもしれんわ。』
『誰もってあんた傷ついてるやん!あんたの気持ちはどうなるんよ?彩花なんか…悔しいわ…』 いつの間にか彩花も泣いていた。いつも自分の事の様に考えてくれる。2006-08-21 12:58:00 -
82:
由香
『彩花ありがとう。早く忘れれるようにするわ。』 『うん…よっしゃ!彩花がいい男見付けたるわ。今日の夜飲み会しよ!』 『飲み会!?いいって!』『まぁまぁ。気晴らしにはなるやん。決まりな。』 少し強引なところがある彩花。早速携帯を取り出し誰かと連絡をとっていた。
2006-08-21 13:02:00 -
83:
由香
タクシーに乗り、待ち合わせ場所についた。 かなり余裕を持って家を出たので、まだかなり時間がある。 『ブラブラしとこかぁ。』 あたし達は買い物がてら、しばらく歩く事にした。
2006-08-21 13:10:00 -
84:
由香
歩いていても 一也の姿を捜してしまう。一也に似た声が聞こえると振り返ってしまう。 一也からの指定着信音が鳴るはずのないプライベート用の携帯を握り締め 何度も問い合わせをしながら
あたしは歩いていた。2006-08-21 13:15:00 -
85:
名無しさん
期待アゲ?
2006-08-22 00:30:00 -
86:
名無しさん
読んでます?頑張ってくださぃ
2006-08-26 06:56:00