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・∴夕桜∵・
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2:
嫌よ。
あなたは今頃、ひとりぼっちになった私を空の上で可哀相って笑っているの?
ヒラヒラと舞う桜の下で、
あなたは一年前に
息絶えた。2006-02-28 21:35:00 -
3:
『僕の命はここで行き止まりなんだよ。だから僕が白い灰になったら、ここに小さく目立つ事なく埋めておくれ。』
あなたが笑ったあの日、
桜はまだつぼみ。
膨らみ、薄紅に染まって香る時を待っていた。
あなたは香る日を待つ事なく、いってしまった。2006-02-28 21:38:00 -
4:
焼き尽くされたあなたは、
真っ白い粉となり、
すくってもすくっても舞ってしまう粉になった。
家族の居ないあなたの《体》のカケラを小さな箱に入れて
一年前に埋めた此処は今、恥ずかしそうなピンクの破片が降り頻る。2006-02-28 21:43:00 -
5:
『ねぇ桜。あなたは彼と仲良くしてるの?』
ゴツゴツと、樹液と言う名の密が流れる幹に触れる。
『彼は寡黙な割に笑うとかわいいでしょう?』
根本のくぼみは軟らかい土の絨毯。
座り込み桜の大木に掌を滑らせる。2006-02-28 21:48:00 -
6:
『彼はね、あなたが好きだと言っていたわ。毎年毎年…あなたが愛おしくてって。笑っていたのよ』
私は笑ってみせる。
痩せこけた体は、大木の前に虚しく。春先の風に吹かれる。
『私は毎年ヤキモチを焼いたのよ?あなたにね?』
クスッと微笑む頬すら、栄養がこそげ落ちて虚しい。2006-02-28 21:54:00 -
7:
『たくましくて、軟らかで美しい。あなたが好きと、彼ったら嬉しそうだったわ。』
──まるで相対するような骨のような女は一言一言、ゆるりゆるりと口にする。
穏やかで、暖かいその笑顔は凄く緩やかに樹体に注がれる。2006-02-28 21:59:00 -
8:
『私、凄く幸せよ。あなたはこんなに美しいんですもの』
ふふふ、静か過ぎるその笑い声を桜のみぞが聞いている。
『彼も幸せね。愛する者が勢揃いで。』
女は根本の膨らんだ土の小山を撫でる。
愛する彼の眠る小さな寝室。2006-02-28 22:04:00 -
9:
『不条理な世界だった。汚い物が美しく飾り立てられて、悲しい世界だった。
彼は最後のまばたきをする時にそう言っていたの。でもね、私はそうとは想わない。
あなたに出会えたんだもの。ねぇ桜、彼にも愛されたわ?それだけで、この世界を私は美しく想うの。ふふッ』
.2006-02-28 22:09:00