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・∴夕桜∵・
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71:
でも現実はやってくる。
『ユナ‥ごめん…』
色褪せた街に響くのはショートケーキのような友人の啜り泣く声と、部屋では笑い会った写真に写る、恋人の謝罪。
『ヒナと付き合ってくって決めたから。ごめん。』2006-03-03 19:26:00 -
72:
数週間前の居酒屋ではキャラキャラと笑っていたヒナは泣きじゃくり俯いたまま。
『あ…うん。』
『ユナごめッッ…タケル君の事ッッ好きになっちゃ…て‥』
うん。知ってるよ。タケルの他にも彼氏がいるって事も。タケルがお金持ちだから貢がせるって私達の共通の友達に話してた事も。知ってたよ。
口はつむったまま、状況をまるで傍観者の様に黙って見ていた2006-03-03 19:32:00 -
73:
二人の出ていった喫茶店にユナは一人、
したたるグラスの水滴を眺めていた。
『まじで!!ユナよく怒らんかったなー!!俺ならぶっとばしてるわー。なんてねー』2006-03-03 19:35:00 -
74:
「はは。たぁちゃんは怒りっぽいもんねー」
帰り道、ユナの足は鉛のように重くて淋しくて。
たぁちゃんの声の聞こえる携帯電話は少し体をやわらげてくれた。
『あ!!』
「ん?たぁちゃ…」2006-03-03 19:38:00 -
75:
『桜!!桜がキレー!!』
電話ごしにたぁちゃんの嬉しそうな声が聞こえる。
「桜かー。随分みてないなー」
『なんで?』
「大阪の桜は…やっぱり地元の桜が綺麗だったし…」2006-03-03 19:40:00 -
76:
『ユナは!!』
突如大きくなった受話器からの声にびっくりする。
「え…」
『ユナはなんでそんなにひとりぼっちな考え方なの?』
「え、そんな事…」2006-03-03 19:43:00 -
77:
『ここにだって、綺麗な桜はいっぱいあるよ。お月さんだって花だって。見ようとしないで目をそらしてるのはユナでしょ?だいじな事忘れちゃって、この街に飲み込まれてんのは、ユナの方だよ。』
核心はいつだって胸に痛く突き刺さる。
たぁちゃんのゆったりとしたやは胸に突き刺さる。
「そんなッッ!!たぁちゃんなんかなんもしらんくせにわかったような事ゆわんといて!!もうィィ!!ばいばいッッ!!」2006-03-03 19:48:00 -
79:
携帯はたぁちゃんに怒鳴ったまま電源を入れていない。
持つ事すらなく、仕事だけする毎日が続いた。
『藤田さん!!!藤田さん!!』
何日かしたある日の仕事中。苦手なパートのおばさんが飛んで来た。2006-03-03 19:53:00 -
80:
「はい?」
『親御さんから電話!!なんか携帯がつながらないとか言って。早く出ておいで!!』
欝陶しそうに受話器を持ち上げ耳にあてる。
「お母さん?何、今仕事中…」2006-03-03 19:55:00