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・∴夕桜∵・
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61:
----目があった。
レジを打つ手が一瞬戸惑いを窺わせる。
『ユナ?まじ?ユナや!!』
『たぁちゃん!!』
そこには懐かしい笑顔。優しい優しいあの頃の笑顔が立っていた。2006-03-02 13:47:00 -
62:
たぁちゃんは地元の先輩。
よく桜並木の道を一緒に通学した、
──初恋の人──
ユナは久しぶりに笑顔を取り戻し、たぁちゃんと毎日毎日会ったり喋ったり。2006-03-02 13:50:00 -
64:
──そんなある日。
とある居酒屋でヒナと久しぶりに酒を飲んで笑っていた。
『ヒナねぇ。』
『ん?どしたの』
『好きな人が居るの』2006-03-03 19:00:00 -
65:
『…うん。そっか☆』
詳しく耳を澄ます事はなく、ヒナのピンク色のカクテルを持つシャンデリアのような指先を見つめ黙るユナ。
『なぁんで突っ込んで聞いてくんないのぉ!?ブー!!』
ハハッと笑って交わしてみるものの、ユナは向かいの硝子に写る自分を見る。2006-03-03 19:06:00 -
66:
ショップ店員のヒナと違い、規則に正しいコンビニ店員のユナの身なり…。
輝く事なんて知らないかのような深爪。
つけたはィィが、巻く暇のない色褪せたエクステ。
春だってのに黒い恰好。
目をキュッとつむり、ユナはヒナに目を戻した。2006-03-03 19:10:00 -
67:
甘いショートケーキの様に、真っ白なシフォンのワンピに身を包み、
ほのかに明るい腰にかかるふわふわの巻き髪。
ピンク色のカクテルも嬉しそうに傾く。
自分の手には焼酎ロック。2006-03-03 19:13:00 -
68:
──タケルが惚れるのもわかっていた。
そう、ヒナの付き合ってる人はユナの彼氏。タケル。
普通なら…わかってる。でもユナにはタケルを責める勇気も、ヒナにビンタくらわす苛立ちもなかった。2006-03-03 19:15:00 -
69:
ただ静かに…
静かに『その恋』が終わるまで笑って待つ事しか、
ユナには出来なかった。
─・・・・あの桜並木は、今年ももう咲き揃ってるのかな・・・2006-03-03 19:18:00 -
70:
目をつむれば、
蘇る懐かしい香り。
春風は桜を雪の様に振り撒いて綺麗な青空に映える。
たぁちゃんや、友達と当たり前に見ていた景色。
『色』のない街では、桜はもう何年もみていない。だからユナは今日も眠る。あの『色』のありふれた街へ、ユナは今日も眠りの列車で帰る。2006-03-03 19:22:00