小説掲示板もう一度、好きだと言って。のスレッド詳細|夜遊びweb関西版

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もう一度、好きだと言って。

スレッド内検索:
  • 1:

    名無しさん

    赤色。
    この世界で一番綺麗なのは純愛なんかじゃない。

    2006-08-16 09:48:00
  • 2:

    名無しさん

    『なぁなぁ、今、何してるん?!』

    出会いは、どこにでもあるナンパ。だけど、人生どこで何があるかなんて誰にもわからない。あの一言に振り返らなければ、あたしはあんな痛みを知ならくてもすんだのに…。

    2006-08-16 09:51:00
  • 3:

    名無しさん

    いつもの学校の通り道。毎日通る地元駅のロータリー。見たことある顔だった。『かっこいい』『一番目立ってる』『彼女おるんかな?』そんな会話は、当たり前のように誰かに毎日聞いていた、そんな人。
    −玉井ショウゴ

    2006-08-16 09:56:00
  • 4:

    名無しさん

    毎日毎日、学校とバイトと家の往復、つまんない毎日は、あたしを彼に夢中にさせるのに十分な理由だった。彼と知り合えた優越感、女の子達からの羨望の視線。
    あたしは、当時付き合ってきた彼と別れた。

    2006-08-16 09:59:00
  • 5:

    訂正

    ×付き合ってきた
    ○付き合っていた

    2006-08-16 10:01:00
  • 6:

    名無しさん

    自分を悪者にしない振り方なんていくらでもある。
    『他に気になる人が出来たかもしれない。こんな簡単な気持ちでゆう君とは付き合えないよ…』
    これで一発、失敗しても、あたしには帰る場所が出来た。

    2006-08-16 10:04:00
  • 7:

    名無しさん

    恋愛なんて、所詮自己満足に過ぎない。
    こんなに簡単に別れたゆう君は、言ってみれば略奪愛。友達が、何年も片思いしていた人だった。
    『ごめんね…。応援してるうちに、ゆう君の事好きになってしまって…』
    確かにそうだった。だけど、手に入れた瞬間、あたしの気持ちは冷めた。いつもそうだった。

    2006-08-16 10:08:00
  • 8:

    名無しさん

    初めて、本気で好きになれた人だったよ、君は。

    ほら、また赤。
    一滴、二滴。
    世界で一番綺麗なもの

    2006-08-16 10:11:00
  • 9:

    名無しさん

    『あのさ…あ、電話で言うことじゃねーな。明日、学校終わったら連絡して。』
    最近習慣となっていた彼とあたしの深夜の電話。
    ゆう君と別れた直後、あたしはショウゴと付き合った。
    次の日、いつも通り何人もの女の子に振り替えられながら、私の元に来た彼は、あたしを好きだと言った。あの時の気持ちは…
    ただの優越感。

    2006-08-16 10:18:00
  • 10:

    名無しさん

    罰があたっただとか、あんたが悪いだとか。そんなのはもうどうでもよくて。

    今、目の前にあるもので、あたしの世界はいっぱいいっぱいだ。

    赤、赤、赤、血の色。

    2006-08-16 10:22:00
  • 11:

    名無しさん

    彼と付き合って一週間後…あるサイトで、あたしは叩かれ始めた。
    『釣り合わない』『不細工』『○○私立の制服がかわいかっただけ』『細すぎ』『男好き』『ヤリ○ンさせ子』
    女の嫉みや嫉妬は、恐いくらいみすぼらしい。

    2006-08-16 10:49:00
  • 12:

    名無しさん

    あたしは、日頃の努力を怠ったりしない。寝起きのストレッチから始まり、毎朝のスキンケアには、20分はかける。どんなに時間がなくても朝食を抜いたりしないし、行きも帰りも、エスカレーターなんて使ったことがなく、必ず階段を使った。朝、昼の食事を多めにとって、夕ご飯は少なめ。夕方八時以降は食べない。半身浴で、毎日お風呂に二時間は入る。無意味な夜更かしなんてしない。

    2006-08-16 10:59:00
  • 13:

    名無しさん

    新品のシャドウやライナー、マスカラも、あっという間になくなったのは、化粧が濃かったからじゃない。毎日毎日、何度も何度も、いかに自分を、少しでもきれいに飾れるか、たくさん練習したからだ。部活に入っていないあたしは、適度な運動代わりに忙しい居酒屋で目一杯働いた。バイト代は全て、服や化粧品や装飾品に注ぎ込んだ。

    2006-08-17 14:28:00
  • 14:

    名無しさん

    あたしを、馬鹿な女だと思う人もいるだろう。だけど人の価値観なんてそれぞれだ。あたしはそれが馬鹿なことだなんて思わない。
    努力があってこそ、今の自分が存在する。

    2006-08-17 14:31:00
  • 15:

    名無しさん

    『ひがみにしか聞こえない』『美人じゃん』『お似合い』『理想のカップル』
    かばってくれたのは、たくさんの男友達と、ほんの少しの親友達。それから、黒服軍団と、ショウゴ本人だった。

    2006-08-17 14:34:00
  • 16:

    名無しさん


    351:しょうご
    俺があいつを好きなんやから、ほっといてくれん?
    ウザイ。

    2006-08-17 14:37:00
  • 17:

    名無しさん

    本人が出てきたあとは、お祭騒ぎ。もっと煽る子もいれば、謝る子さえいた。

    今でも、あの一言はあたしの携帯に残ってる。
    何度も画面メモを開いては、あたしは今でも、あの時の幸せを思い出す。

    2006-08-17 14:41:00
  • 18:

    いよな

    絶対ぉもっしろそぅ毎日見に来ます。ばぃ位楽しみ

    2006-08-17 17:39:00
  • 19:

    名無しさん

    ありがとうございます。うれしいです??

    2006-08-17 19:29:00
  • 20:

    名無しさん

    『あの子だよ、あの子。』ショウゴと付き合いだしてから、やたらと知らない女の子に指を刺されるようになった。初めは、気にも止めなかった。
    だけど相変わらず、あのサイトではあたしとショウゴの話で持ちきりで
    知り合いの男の子と少しでも立ち話をしただけで、『浮気してた』と叩かれた。すれ違いざまに『ブス』だとか、『調子にのんな』だとか、聞こえるように言ってくる子もいた。

    2006-08-17 19:40:00
  • 21:

    名無しさん

    それを支えてくれたのは、他でもない、ショウゴだった。

    『好きやでぇ〜ッ』
    サィトを見ているのかいないのか、小さな嫌がらせを知っているのかいないのか。
    ふざけながら、毎日あたしにそういってくる彼に、あたしはきっと、すごく助けられていた。

    2006-08-17 19:48:00
  • 22:

    名無しさん

    プライド。君のためならそんなもの、あたしはもう、全部捨てれた。
    見えないものなんていらない。君がいればいい。

    あの子達の、『やっぱりね』って、笑う声が聞こえる気がして、あたしはただひたすら逃げた。
    赤、赤、赤。手首。

    2006-08-17 19:52:00
  • 23:

    名無しさん

    付き合って、あっという間に二週間がたった。出会った頃から、ぁたし達はほとんど毎日、ある場所で待ち合わせをしていた。バイト帰りに、少しだけ遠回りして駅に向かう。あたしがショウゴにナンパされた、あの駅のロータリー。
    冬の、乾燥して冷えた空の下、冷たい石のベンチに座って、二人手をつないで、たくさん話をした。

    2006-08-17 22:33:00
  • 24:

    名無しさん

    PPP...
    他愛もない話をしている途中に、ショウゴの電話が鳴った。彼は携帯を開いて、かかってきた相手を確認した瞬間に、電話を切った。普通にあやしくて、あたしは当たり前のように機嫌悪く『誰?』と尋ねた。


    『…元カノ。』そう答えた彼は、とても気まずそうだった。

    2006-08-17 23:29:00
  • 25:

    いよな

    主ちゃん♪なんか好きかも(^_-)いよなこの小説完結したら繰り返し二回は読み直す★

    2006-08-17 23:35:00
  • 26:

    名無しさん

    通称、『さっちゃん』
    ショウゴの元カノは、ショウゴと同じくらい〔かわいくて〕有名だった。
    いくら強がって《平気》って振りをしたところで、所詮は自分達の話で、気にならないわけがない。なんだかんだあたしは、例の掲示板をしっかりブックマークして、逐一 チェックしていた。そのスレッドに出てくる固有名詞たったの四人。もちろんあたしとショウゴ、彼の親友タカシ。
    それから、元カノのさっちゃん。

    2006-08-17 23:36:00
  • 27:

    名無しさん

    >>ショウゴ君の元カノはかわいかったよな〜
    >>さっちゃんやろ!あれはここら辺で一番やろ!
    >>今カノなんかよりよっぽどかわいいし、比べものにもならない!
    >>そんな本間のコト、言ったんなや〜ワラ
    >>確かにあの子は、可愛くて、性格も良かったよな!

    2006-08-17 23:43:00
  • 28:

    名無しさん

    >>あのカップルは、すごい理想のカップルやったよな〜っ!そういえば、なんで別れたん?
    >>あれは多分省吾が振られたんやで!
    >>まじで?!なんで?!
    >>知らな〜い!
    >>…でも、さっちゃんと今カノって、なんとなく雰囲気とか似てるよね?

    2006-08-17 23:50:00
  • 29:

    名無しさん

    >>あ〜…わかるカモ…。
    >>それ、ウチ等の間でも言ってた!!

    >>…ってことはさ、今カノって、さっちゃんの変わり?!まじかわいそ〜ワラ

    2006-08-17 23:53:00
  • 30:

    名無しさん

    自然に、涙がこぼれた。
    『え、どうしたん?何で泣くん?何で?』
    途端にオロオロしだすショウゴは、普段の男らしさは跡形もなく消えて、すごくかっこ悪かった。だけど、そんなとこも、今は素直にうれしくて、いつもよりすごくかっこよく思えた。

    2006-08-18 00:05:00
  • 31:

    名無しさん

    彼はいつも、あたしが泣いたら、すぐに誤った。
    あたしが泣いたら、ギュッと抱き締めてくれた。
    あたしが泣いたら、やさしい声で『もう泣くな』って言ってくれた。

    あたしが泣いたら…

    2006-08-18 00:08:00
  • 32:

    名無しさん

    『元カノって、さっちゃん…?』

    この時くらいから、あたしは、彼の前でだけでは、本当の自分になれた。

    本当は、あたしは。誰よりもすごく嫉妬深くて、我慢してただけだった。と言ってもそれは、彼と付き合いだしてから初めてわかったことだったけれど。

    2006-08-18 00:16:00
  • 33:

    名無しさん

    あたしのその一言で彼は、あたしが泣いている理由の全てを、一気に理解したようだった。
    後から考えてみると、きっと彼も、あの書き込みを見ていたんだろうなと思う。
    彼は何も言わずに《さっちゃん》に電話をかけた。

    2006-08-18 00:23:00
  • 34:

    名無しさん

    『もしもし?あんな、もうたかしに聞いてると思うけど、俺新しい女できたから。これからは一切連絡とれんわ。悪ぃな。じゃ』

    突然のことに驚いたまま、その場から動けず固まったあたしに、彼は一言
    『心配せんでええから。』そう言って頭をポンポンと叩いた。

    2006-08-18 00:35:00
  • 35:

    名無しさん

    彼がここまでモテる本当の理由に、初めて気付けた気がした夜だった。



    帰り道、いつも通りあたしを家の近くまで送ってくれた彼は、さりげなく、あたし以外の女のメモリを、全て削除してくれた。

    2006-08-18 00:44:00
  • 36:

    名無しさん

    そしてその日、初めて彼とキスをした。

    別れ際、『忘れ物してない?』ニヤリと笑って小さく言った。『何を?』そう聞き返したあたしに−…。

    唇と唇が、軽く触れ合っただけのキス。だけど、やけにドキドキして、その日の夜は眠れなかった。

    2006-08-18 00:49:00
  • 37:

    名無しさん

    彼はたまに、こっちが照れるくらいくさいことを言った。
    彼は、あたしをドキドキさせたり、ビックリさせるのが好きだった。
    彼は、口をとがらせて、子供みたいにわがままを言った。

    彼は、あたしが大好きで、あたしも、彼が大好きだった。

    2006-08-18 00:53:00
  • 38:

    名無しさん

    写るのは、絵に書いたように幸せな二人。肩に腕を回され、あたしは彼の頬にキスをしている。


    写真の中の自分に、嫉妬すら覚える。
    あたしは、まだ、こんなにも君を想う。

    2006-08-18 23:13:00
  • 39:

    名無しさん

    彼と初めて一つになれたのは、付き合って丁度一ヵ月目の記念日。

    この時には、あたしはもう、彼にどっぷりはまっていた。例えば、春に桜が咲くように、夏の海が人であふれるように、秋に紅葉で木の葉が染まるように、冬に雪が染まるように。それはすごく自然で、当たり前のような事に思えた。

    2006-08-18 23:20:00
  • 40:

    名無しさん

    腕枕、純愛映画、豆電球、彼の匂いがする布団、タバコの吸い殻、転がった漫画、小さくかかる洋楽。


    あたしと彼の全て。

    2006-08-18 23:23:00
  • 41:

    名無しさん

    あたしの弱点と知って、彼はあたしの耳元で息を吹き掛けるように囁く。



    …しよ?

    2006-08-18 23:25:00
  • 42:

    名無しさん

    たくさんキスをした。数えきれないくらいたくさんのキスを。
    彼の肩ごしに、終わった純愛映画のテロップが流れる。小さく聞こえる洋楽が、あたしの背中を押してくれた。


    …電気消して?

    2006-08-18 23:28:00
  • 43:

    名無しさん

    好きだよと、何回言ってもらっただろう。
    愛してると、照れくさそうに言う彼を、最後に見たのはいつだっただろう。


    …気持ちいい?

    2006-08-18 23:32:00
  • 44:

    名無しさん

    それは、お互いが想い合っているのを確認するための行為なんだと、17の冬、初めて知った。

    2006-08-18 23:35:00
  • 45:

    名無しさん

    終わった後、当たり前のように裸でタバコを吸う彼に、あたしは急いで背を向けて服を着た。『今更?』そう言ってニヤニヤ笑う彼に、あたしはクッションを投げ付けた。『ショウゴは早く服着てよ〜!』

    そう言った直後。彼はタバコを灰皿でもみ消した後、突然またあたしをベットに押し倒した。

    …気持ち良かったよ?

    2006-08-18 23:43:00
  • 46:

    名無しさん

    『ヤッてる時のお前、色っぽすぎでエロくてかわいい。もう一回!』


    嫌でも何でもないくせに、照れて嫌がる振りをするあたしを、彼は笑いながら強く押さえ付けた。それから、さっき着直したばかりの服を、もう一度脱がし始める。

    2006-08-18 23:47:00
  • 47:

    名無しさん

    んっ…ぃゃ、ゃめて?
    そう言うあたしの体は、赤く火照って熱い。
    やめていいん?
    また、ニヤリとわらって、彼がささやく。
    あたしはあの顔を見ると、−蛇ににらまれた蛙のように−何も言えなくなってしまう。

    2006-08-18 23:52:00
  • 48:

    名無しさん

    彼の指先はまるで麻薬のように、あたしの全身に溶けこんで、あたしを熱く虜にした。


    …入れるで?

    2006-08-18 23:54:00
  • 49:

    名無しさん

    目を瞑って小さくうなずいた。好きな人と一つになる瞬間。少しの緊張と、たくさんの幸せと、宙に浮くような、そんな感覚。

    『気持ちいい?』

    《最中》にそう聞くのは、あたしの悪い《癖》。特に意識なんてしてない。だけどなんとなく、自分の存在を確認するためのような、うん、そんな感じ。

    2006-08-18 23:59:00
  • 50:

    名無しさん

    彼は、《それ》に少しだけ微笑むと、やさしくて深いキスで返事をしてくれた。


    不安なんて一気に吹き飛ぶ。彼と一緒にいることが、何よりも確かな、自分の存在している理由だった。

    2006-08-19 00:03:00
  • 51:

    名無しさん

    『お前ってさぁ、常に真っすぐ前見てて、早歩きで。
    いつも、なんでそんなに急いでるんかなって、すごい気になってた。』


    二回目が終わって、二人で布団にくるまってタバコを吸っている時の、突然の彼の言葉だった。

    2006-08-19 00:08:00
  • 52:

    名無しさん

    『えっ?何の話?』
    状況がつかめなくて、思わずあたしは聞き返した。
    『女ってさ、一人じゃ何もできないじゃん。《さっちゃん》。…知ってる?』

    あたし達を照らすのは、小さな豆電球だけで、彼が今、どんな表情で《さっちゃん》の名前を出したのか、あたしは気になって仕方なかった。

    2006-08-19 00:20:00
  • 53:

    名無しさん

    『…あいつはさ、それの典型的な女でさ〜!』
    彼の話に、あたしはゥン、ゥンと、相づちをすることしか出来なかった。
    『本当に、何にも出来ね〜のな、道には迷うし、勉強も出来なければ、ポテチの袋も開けれなくて、「開けて?」って、すげ〜可愛く頼むんだよ。守ってやりたくて仕方なかったよ。』

    2006-08-19 00:26:00
  • 54:

    名無しさん

    『けど、あいつを守ってやりたいって思ってたのは、俺だけじゃなくて、それから、守ってやってたのも、俺だけじゃなかった。』

    ショウゴの遠回しな表現を、意外にもあたしはすぐに理解できた。

    2006-08-19 00:29:00
  • 55:

    名無しさん

    読んでるょ?
    頑張って下さいね?

    2006-08-19 18:22:00
  • 56:

    名無しさん

    『浮気、されてたってこと…?』
    それを確信に持っていきたくて、あたしは恐る恐る口を挟んだ。
    『ぃや、俺が浮気相手だったってこと。』

    2006-08-21 00:54:00
  • 57:

    名無しさん

    彼は、地元じゃ一番目立ってて
    彼は、女の子達みんなの憧れの的で

    2006-08-21 00:57:00
  • 58:

    名無しさん

    『俺、基本的に女信じてね〜から。』


    今、ここで、それを。
    あたしに言うの?

    2006-08-21 00:58:00
  • 59:

    楽しみにしてます??頑張れ?

    2006-08-21 18:43:00
  • 60:

    名無しさん

    みなさん、ありがとうございます(;_;)更新、読みやすさを一番に考えているので、一つ一つにお礼は言えませんが、見るたびに『がんばろう』って思えます。本当にありがとうございます!

    2006-08-21 23:56:00
  • 61:

    名無しさん

    更新してぇぇ??

    2006-08-27 11:14:00
  • 62:

    名無しさん

    めちゃあ気になる??

    2006-08-29 21:25:00
  • 63:

    名無しさん

    あの一言をそっくりそのまま君に返すよ。

    あたしは一度死んだ。
    あなたのせいじゃない。
    あなたのせいじゃない。

    2006-09-02 12:36:00
  • 64:

    名無しさん

    黙りこくるあたしを見て、彼はあわてて付け加えた。
    『ぃや、でも、お前は別やから。』
    今思えばとってつけたようなその一言も、あの時はうれしくて仕方なかった。

    2006-09-02 12:39:00
  • 65:

    名無しさん

    それからの毎日はまったく一緒だった。学校が終わってから、あのベンチで待ち合わせ。ビデオ屋でDVDを借りて、コンビニでお菓子とタバコを買って、彼の家に行く。
    気付けばあたしはバイトを辞めていた。

    2006-09-02 12:43:00
  • 66:

    名無しさん

    毎日毎日、飽きるほどSEXをした。
    サイトの新しい書き込みはしだいに少なくなり、最後は消えてなくなった。

    2006-09-02 12:45:00
  • 67:

    名無しさん

    いいことばかりではなかった。お互いがお互いに慣れてくるにしたがって、わがままも増える。そのくせ、嫉妬心は強くなるばかりで、彼はあたしに男友達を全て切らせて、そしてあたしは彼の姉の友達にまでヤキモチを焼いた。

    どれだけ怒っても、怒られても。最終的に帰る場所はお互いでしかなくて。

    あの時の、たった二人だけの小さな世界から、あたしは今でも抜け出せないでいる。

    2006-09-02 12:58:00
  • 68:

    名無しさん

    付き合って二ヵ月
    毎日一緒にいる変わりに
    毎日のようにケンカした。

    2006-09-02 12:59:00
  • 69:

    名無しさん

    『別れよ』何度この言葉を彼に投げ付けたかわからない。ケンカの原因は、全部しょうもないことだった。約束の時間に遅れただとか、友達の男の子と挨拶していたのを見られただとか。
    その度にケンカをしては、別れて、だけどすぐにどちらからともなく、ヨリを戻した。

    2006-09-10 15:21:00
  • 70:

    みさ?

    結構気にして見てます。更新待ってます?あげ??

    2006-09-14 23:41:00
  • 71:

    名無しさん

    しんどい
    苦しい
    切ない
    会いたい
    愛おしい

    2006-09-27 20:00:00
  • 72:

    名無しさん

    なんでいなくなったの? 私のどこがあかんかった?言ってくれたら治すから なんだってするから

    嘘でもいい

    もう一度、好きだと言って

    2006-09-27 20:02:00
  • 73:

    名無しさん

    左手に光るペアリングは二人で過ごしたあの頃の証。安物で、傷つきやすくて、買った当時の面影はもうない。それでも捨てられない。だって今でもあたしの目にはキラキラ眩しくて、付けたりはめたり。


    血がにじんで錆びた今でも
    その行為は辞められない。

    2006-09-27 21:11:00
  • 74:

    名無しさん

    彼の長い指が、あたしの髪の毛に触れるそれと同じように、やさしくあたしの左手に触れて
    薬指にリングが通る。
    そしてあたしも同じように、彼の左手にリングを通す。
    それは去年のクリスマス。

    2006-09-27 21:14:00
  • 75:

    名無しさん

    教会のベルも、赤いバージンロードも、祝ってくれる参列者も、何もない。あたしと彼の結婚式。
    だけど誓いは同じ

    −病める時も、
    健やかなると時も

    2006-09-27 21:17:00
  • 76:

    名無しさん

    一生、
    愛しぬくことを
    誓いますか?

    2006-09-27 21:18:00
  • 77:

    名無しさん

    それは
    『ずっと一緒にいようね』

    と言った愛の誓い−

    2006-09-27 21:19:00
  • 78:

    名無しさん



    誓います。

    2006-09-27 21:19:00
  • 79:

    名無しさん

    指輪のはまった左手を照明にかざす。見上げながらニコニコするあたしに、彼は微笑み、キスをしてくれた。幸せだった。

    2006-09-27 21:21:00
  • 80:

    名無しさん

    季節はめぐる
    ケンカの数だけあたしは泣いて、ケンカの数だけ仲直りをした。
    そして、ケンカの数の何倍も、−キスをした。

    ずっとずっと、一緒にいれると思ってた

    2006-09-27 21:24:00
  • 81:

    名無しさん

    着物を着て初詣。美容院で気付けして、セットして。彼はさりげなく、あたしを写メにとっていた。そんな姿がかわいくて、だけどあたしはそれを消去した。恥ずかしかったから。駄々をこねる彼をなだめて、二人で写って取り直す。なかなかかわいく撮れなくて、何度も取り直そうとするあたしに、彼は呆れながらも付き合ってくれた。

    ものすごい人だかりの中、彼はあたしの手を離さなかった。

    2006-09-27 21:30:00
  • 82:

    名無しさん

    りんご飴が地面に落ちて、半泣きになるあたし
    ショウゴがわたがしをわけてくれて、一気に機嫌良く笑った。

    2006-09-27 21:35:00
  • 83:

    名無しさん

    ハート型のチョコレートケーキと、色とりどりのお弁当。
    バレンタインは二人とも学校をさぼって、季節はずれの海へ向かった。

    潮風が寒くて、髪もぼさぼさ。彼のポケットに手を入れて歩いていたせいで、お弁当は片寄るし、ケーキも少し崩れていた。
    だけど元から崩れていたことは、あたしだけの秘密…

    2006-09-27 21:40:00
  • 84:

    名無しさん

    ベタに指を切ってたあたし
    卵焼きを甘く作ったあたし
    手際が悪くて焦げたハンバーグ

    2006-09-27 21:41:00
  • 85:

    名無しさん

    料理が初めてだったこと
    ショウゴは甘い卵焼きが嫌いだったこと
    タコさんウインナーが大好きだったこと

    彼はどれにも触れず、全部食べてくれた。

    2006-09-27 21:44:00
  • 86:

    名無しさん

    何も考えずに作った大きなチョコレートケーキ
    へたくそな文字で書かれた『大好き』の気持ち。

    二人で吐きそうになりながら食べ切った。だけどずっと笑ってた。

    2006-09-27 21:47:00
  • 87:

    名無しさん

    あまりにも思い出が多すぎて、全てを忘れられそうにない。
    好きです、ショウゴ。
    愛しています、あなたを、

    だからあたしは今日も見る。この世界で一番綺麗な赤色を−…

    2006-09-27 21:49:00
  • 88:

    名無しさん

    気になる…

    2006-09-28 23:52:00
  • 89:

    名無しさん

    始めは《モテてたから》
    彼を好きな理由

    2006-09-29 00:39:00
  • 90:

    名無しさん

    二人過ごしたあの頃は
    《彼が私の全てだから》 彼を好きな理由
    巡り行くあたしの毎日のどこかには、彼が必ずいた。

    会える時は必ず会った。会えない時は常にメールや電話でつながっていた。

    2006-09-29 00:44:00
  • 91:

    名無しさん

    彼のいない今
    《彼しかいないから》
    彼を愛している理由

    2006-09-29 00:45:00
  • 92:

    名無しさん

    『依存』…他のものに頼って成立する〔生きる〕事。

    あたしは、まさしくそれで、彼に依存して、彼しかいなくて、彼以外いらなくて。
    一人じゃ、生きていけなかった。

    2006-09-29 00:47:00
  • 93:

    名無しさん

    そう、君がいなきゃ、あたしは何も出来ないの
    ご飯を食べることも、まともに立って歩くことも、息をすることですら

    だから切るんだよ?
    血が流れる今、あたしはまだ生きている−…

    2006-09-29 00:50:00
  • 94:

    名無しさん

    あたしの腰からおしりにかけては、キレイなタトゥーが入っている

    二匹の登り龍は
    あたしとあなた
    誰もいない天まで上って、一つになるの−…

    2006-09-29 00:54:00
  • 95:

    名無しさん

    痛くはない
    痛くはない

    君がいない痛みに比べたら 
    痛くはない

    2006-09-29 00:56:00
  • 96:

    名無しさん

    バキッ…

    こんなものがあるから

    意外と鈍い音を出して、携帯はみごとに二つに割れた

    2006-09-29 00:58:00
  • 97:

    名無しさん

    どこで切れたのか、手のひらから血が流れた
    しょうごは何か怒鳴りながら、自分の携帯ばかりを気にして、あたしの怪我には気付いていない。

    止まらない血を見つめながら、初めて
    この赤を、綺麗だと思った

    2006-09-29 01:01:00
  • 98:

    名無しさん

    割った理由は二つ
    一つ目は、記念日のメールを送ってこなかったから。

    二つ目は、あたし以外の女とメールをしていたから。

    2006-09-29 01:03:00
  • 99:

    名無しさん

    ずっと前に予約して、誰よりも早くに手に入れた新機種。音が良いだとか、画質が良いだとか、よく自慢された。今はもう、跡形もない…

    大激怒やった。

    2006-09-29 01:21:00
  • 100:

    名無しさん

    泣きそう?

    2006-09-29 01:49:00
  • 101:

    名無しさん

    読んでるよ??頑張ッて?

    2006-10-05 22:34:00
  • 102:

    名無しさん

    負けずに彼を罵った。泣きながら何度も問い詰めた。

    『だから言ってるやろ!先輩の女で、相談のってただけやって!彼女が怒るとかそんな理由でメール無視したりなんかしたらお前がやばいねん!知ってるやろ?お前だって、あの先輩らがどんだけややこいか!』

    そんなこと知らない。関係ない。理由にならない。

    2006-10-06 18:42:00
  • 103:

    名無しさん

    あたし以外の女の名前を口にしないでいい。
    あたし以外の女の声なんて聞かないでいい。
    あたし以外の女の顔なんて見なくていい。

    君は、あたしだけ見ていて。あたしだけのものでいて。

    2006-10-06 18:46:00
  • 104:

    名無しさん

    異常な束縛
    壊れた独占欲
    なくなった理性

    ねぇ、君が好きだったからだよ。

    2006-10-06 18:47:00
  • 105:

    名無しさん

    泣き喚くあたしに、怒鳴り散らすショウゴ。
    最終的に折れたのは、やっぱりショウゴで
    『ごめん、俺が悪かった』そう言って、あたしを後ろから抱き締めてくれた。だけどその腕や手のひらは軽く震えていて…
    仲直りできた、最後のケンカだった。

    2006-10-06 18:51:00
  • 106:

    名無しさん

    あたしは、いつも甘えてばかりだった。
    根拠のない自信は、一緒にいるうちにどんどん大きくなるばかりで

    あたしは、どんどん我儘になった。
    その我儘を聞いてもらえている分だけ、彼が私を好きなんだと思った。

    2006-10-06 18:54:00
  • 107:

    名無しさん

    この世界には、『純愛』なんてない。あったとしても、決して綺麗なものなんかじゃないんだろう。
    だって、『永遠』なんて言葉はちっぽけで、陳腐で。吐き気がする。
    嘘ばっかりだ、
    この世界は。

    2006-10-06 18:58:00
  • 108:

    名無しさん

    あたしと付き合っている期間に比例して、彼のタバコの量は、異常に増えていた。
    今、あたしは彼と同じ煙草を吸っている。
    彼と同じ香水を部屋中に振り掛けて

    彼の幻を見る。

    2006-10-06 19:05:00
  • 109:

    名無しさん



    少し前に、ショウゴが煙草を辞めたと聞いた。

    2006-10-06 19:07:00
  • 110:

    名無しさん

    あのケンカの後、しばらくは、なんてことない普通の毎日が続いた。
    相変わらずあたしの毎日には彼だけで埋まって、それが当たり前で、

    幸せだった

    2006-10-06 19:10:00
  • 111:

    名無しさん

    三月三日、ひな祭り
    あたしの、誕生日

    2006-10-06 19:12:00
  • 112:

    名無しさん

    別に、欲しいものなんて特にはなかった。ショウゴと一緒にいれるだけで、あたしがこの世界に生まれたその日に、ショウゴに、祝ってもらえるだけで充分だった。

    これは、本当に、正直な気持ちだった。

    2006-10-06 19:15:00
  • 113:

    名無しさん

    こうしておけばよかった、ああしておけばよかった。

    後悔は尽きなくて、
    伝えておけばよかった言葉と、それを伝える手段を
    やり直せるなら。

    2006-10-06 19:18:00
  • 114:

    名無しさん

    ブランドもののネックレス
    限定販売のピアス
    一番大きいプーさんのぬいぐるみ

    無茶を言って、彼を困らせた。どれもそれほど、欲しいものじゃなかったのにね。

    2006-10-06 19:22:00
  • 115:

    名無しさん

    彼に無理を言って
    それを聞いてもらえた分
    愛情のでかさだと−…

    幼いあたしはバカだった。

    2006-10-06 19:30:00
  • 116:

    名無しさん

    結局、プレゼントが何なのか、あたしは知らなかった。

    想像は膨らみ、期待ばかりがつのる。

    明日が、楽しみで仕方なかった。

    2006-10-06 19:35:00
  • 117:

    名無しさん

    めっちゃ共感できる?頑張ってくださぃ?

    2006-10-07 23:50:00
  • 118:

    名無しさん


    誕生日おめでとう、紅音。大好きやで

    2006-10-08 00:54:00
  • 119:

    名無しさん

    2005年3月3日
    午前0時ジャスト

    あたしは、18歳になった。最愛の人からのメール受信と同時に−…

    2006-10-08 01:00:00
  • 120:

    名無しさん

    あの時の気持ち。うれしさ半分、期待はずれ半分。
    あたしは、欲張りだ。
    『大好き』この言葉があれば、充分じゃないか。

    “もっと他にも色々いってくれてもいいのに”−しょうもない不満。

    2006-10-08 01:04:00
  • 121:

    名無しさん

    タイムマシンがもしもあるなら、あたしはきっと。

    ショウゴには、会いに行かない。その代わり、あの頃の馬鹿なあたしに会いに行って…
    間違いなく、殴ると思う。

    2006-10-08 01:06:00
  • 122:

    名無しさん

    今ならわかるのに。    
    日付が変わるその瞬間を、今か今かと待っていた彼の姿。
    照れ屋で口下手な彼の、精一杯の愛情表現。

    愛されていた、あたし。

    2006-10-08 01:09:00
  • 123:

    名無しさん

    『くれないの紅に、おんがくの音。んで、紅音。』

    初めてショウゴと出会った日、あたしは自分の名前をそう言って説明した。
    『ちょっと待って、くれないって、どんな字やったっけ?』間抜けな顔をして、尋ねる彼に、あたしは笑いながら携帯で文字を打って見せた。

    2006-10-08 01:13:00
  • 124:

    名無しさん

    『あぁ!《紅の豚》の!』『うるさいしな(笑)』
    あたしは怒った振りして、笑いながら彼の顔を見た。

    『めっちゃ綺麗な名前やな。紅音。今まで聞いた名前の中で、一番綺麗。』

    2006-10-08 01:17:00
  • 125:

    名無しさん

    少しだけ間を開けて、彼はまっすぐあたしの目を見てそう言った。


    ねぇショウゴ
    今でも、君はそう思ってくれている?

    2006-10-08 01:18:00
  • 126:

    名無しさん

    起きていたけど、メールは返さなかった。朝になり、いつも通りの『おはよう』メールは送ったけど、そこに『ありがとう』とは一言も入れなかった。


    皮肉にも、今一番に君に思うのは、感謝の気持ち

    2006-10-08 01:29:00
  • 127:

    名無しさん

    初めて本気で人を好きになれた。愛を知れた。幸せをもらった。居場所になってくれた。


    この世界で、一番綺麗なものを教えてもらった。

    2006-10-08 01:31:00
  • 128:

    名無しさん

    鮮やかな赤。赤。紅。


    君が綺麗だと言ったから。ねぇ、ほら。綺麗だ。

    2006-10-08 01:33:00
  • 129:

    名無しさん

    彼の背中は、暖かくて。大きくて。憧れすら覚えた。

    大好きだった。

    2006-10-08 01:47:00
  • 130:

    名無しさん

    “しょうご…”

    豆電球の小さな明かりが、セブンスターの濃い煙を照らす。

    無意識につぶやいた、彼の名前は、小さくかかる洋楽に重なって、小さく浮かんで消えてった。

    2006-10-08 01:55:00
  • 131:

    名無しさん

    煙草を持った右手には、汚らしい傷跡でいっぱい。

    綺麗なものを生み出すその材料は、日に日に汚くなっていく。

    決して死にたいわけじゃない。だってホラ、目を閉じれば君がいる。

    2006-10-08 01:58:00
  • 132:

    名無しさん

    『ちょっと待ってて』
    彼の自宅に着いた途端、ショウゴはあたしをさっさと自分の部屋に入れると、その言葉だけを残して自分は部屋から出ていった。

    いよいよだ…
    あたしの誕生日。

    2006-10-08 02:02:00
  • 133:

    名無しさん

    −バンッ!
    数分後…大きな音を立ててショウゴがドアを押し開け部屋に入ってきた。期待どおりのバースデーソングを少しはずして歌いながら。

    『ほらよっ!お前の好きなやつ!』そう言って、彼はうれしそうにそれを机の上に置いた。乱暴に、だけど壊れないようにそっと…  
    《HAPPY BIRTHDAY 紅音》そう書かれた板チョコが乗った真っ白なショートケーキは想像していたよりもずっと小さかった。だけど、二人で食べるには丁度いいサイズだ。

    2006-10-08 02:25:00
  • 134:

    名無しさん

    自然と自分の顔に笑みが浮かぶのがわかった。
    彼を見上げて、その次の瞬間を待った。

    プレゼントはなんだろう?

    2006-10-08 02:29:00
  • 135:

    名無しさん

    ……。
    だけど、なかなかその“次の瞬間”は来なかった。無意識に彼を見つめる。

    『ん?早く食べさせろって?(笑)』彼はそれだけ言って、ろうそくに火を付けだした。…そうじゃない。

    2006-10-08 02:33:00
  • 136:

    名無しさん

    少しだけ、嫌な予感がよぎって、だけどすぐにそれをかき消した。そんなわけない。きっとショウゴなりのタイミングもあるんだろう。

    18本のろうそくに火を点け終え、部屋の電気を消して、彼はもう一度ハッピーバースディの歌を歌ってくれた。そして歌い終えると同時に、ロウソクの火を吹き消した。

    だけど、なぜかなかなか綺麗に消えてくれなくて、あたしは何度も息を吹いて。やっと消える頃には、あたしは酸欠になりかけていた。そんなあたしをショウゴは笑いながら見ていた。

    2006-10-08 02:41:00
  • 137:

    名無しさん

    変な例え、今だからこそ思う。あのロウソクは、まるであたしのようだった。

    ねばってねばって、消えないように−…
    最終的には、どうしようもないのにね。

    2006-10-08 02:44:00
  • 138:

    名無しさん

    ケーキは、バレンタインの時とは違い、あっという間になくなった。少し食べ足りない気がした頃には、あたしはもう不機嫌になっていた。

    自分の好きな人の気持ちも理解せずに、自分の理想ばかりを押しつけて
    最低だったと、今なら痛いほどわかるのに。

    2006-10-08 03:37:00
  • 139:

    名無しさん

    めっちゃ紅音の気持ちわかる!

    2006-10-08 04:21:00
  • 140:

    名無しさん

    あげ

    2006-10-09 01:42:00
  • 141:

    名無しさん

    ねぇ。この声君に届くかな 
    もう、伝えるすべすらわからなくて、震える指で精一杯打ったメールは、エラーとしてしか返ってこないけど。《現在おかけになった電話番号は…》何度君に電話したって、聞こえてくるのは単調な機械音だけだけど。

    好きだよ、大好きだよ
    何回言ったって、もう返ってこないけど。

    2006-10-09 02:39:00
  • 142:

    名無しさん

    あの笑顔で。その声で。
    毎日夢見るその姿で。
    お願い。

    もう一度、好きだと言って

    2006-10-09 02:42:00
  • 143:

    名無しさん

    嫌な予感は的中した。
    今か今かと、待っても待っても−…
    プレゼントは、用意されていなかった。

    2006-10-09 02:46:00
  • 144:

    名無しさん

    今思えば、あれは小さな彼のサインだったのかもしれない。

    2006-10-09 02:47:00
  • 145:

    名無しさん

    この小説メッチャ好きです? せつなぃですねぇ??

    2006-10-09 05:01:00
  • 146:

    名無しさん

    書いてくださぃ?

    2006-10-10 16:26:00
  • 147:

    名無しさん

    この小説メッチャすき??

    2006-10-10 23:06:00
  • 148:

    名無しさん

    めっちゃいい?

    2006-10-11 06:03:00
  • 149:

    名無しさん

    《…プレゼントは?》
    返り際、あたしは自分でも驚く程に、冷たく冷めた声を彼に投げ掛けた。

    ケーキを食べ終え、借りてきたDVDを観て、終わったと同時にSEXをした。少し話をした後『送るわ』のたった一言。昨日との違いが見つからない。ケーキを食べただけだ、あたし達は。ひたすら、期待して待っていた分、自分がみすぼらしくて、みじめで。それを必死で隠すように、彼をにらみつけた。

    2006-10-11 15:24:00
  • 150:

    名無しさん

    耳を疑った。

    『…は?さっき食ったじゃん、ケーキ。』

    彼は不機嫌そうにたった一言、そう言った。

    2006-10-11 15:27:00
  • 151:

    名無しさん

    あの時、あたしはどんな顔をしていただろうか。想像できるようで、考えたくもなかった。

    『怒り』こんな一言じゃ表せない。
    『哀しみ』こんな一言じゃ表せない。

    2006-10-11 15:31:00
  • 152:

    名無しさん

    あげ

    2006-10-12 15:42:00
  • 153:

    名無しさん

    共感出来る箇所が多い!

    2006-10-12 17:33:00
  • 154:

    名無しさん

    わかる!ぁたしもこんなんゃぁ?めちゃ共感??

    2006-10-12 18:15:00
  • 155:

    名無しさん

    ありがとうございます?
    上がっててびっくりしました?いつも温かい感想にお礼も言わず申し訳ないです。ですが、レス一つ一つが私にとってのすごい励みになっています。読みにくい等の意見も遠慮なく言ってください?出来るかぎり直せるよう努力します。
    続き書きます??

    2006-10-12 18:36:00
  • 156:

    名無しさん

    「信じられへん、プレゼントがないなんて!」

    「なんなんお前?!毎日一緒にいるのに、金なんかある訳ないやろが?!そんなんお前が一番知ってるんちゃうんけ?」

    「けど、誕生日やで?! 1年に1回しかない記念日やのに、どんだけしょぼいねん!」

    2006-10-12 18:38:00
  • 157:

    名無しさん

    ずっと一緒にいたかった。ずっと一緒にいれると思っていた。
    だからこそ、初めてのあたしの誕生日は特別なものに思えて
    譲れなかった。どうしても。

    声を荒げたままの言い争いは1時間近く続いた。

    2006-10-12 18:39:00
  • 158:

    名無しさん

    「だから俺祝ってるやん!昨日メールも送った。今こうして一緒におる。それでもあかんの?気に入らん?
    …プレゼントがないから?」


    二人共が、やっと冷静になり始めた、そんな時の彼の言葉やった。

    2006-10-12 18:42:00
  • 159:

    名無しさん

    違う。そうじゃない。
    そうじゃなくて。
    プレゼントがないからじゃなくて
    〔プレゼントがない状態〕を〔どうにかしなかった〕
    〔しょうご〕が気に入らなかった。

    2006-10-12 18:51:00
  • 160:

    名無しさん

    だって、好きだったら。 めちゃくちゃ好きだったら。
    相手が欲しいものをどうにかしてでもあげたくなるでしょ?そうじゃない?
    あたしなら―・・・あたしなら。
    例え、この世界の「罪」になったとしても
    君の願いを叶える。

    2006-10-12 18:53:00
  • 161:

    名無しさん

    君がそう望むなら
    あたしの中で

    それは「罪」じゃない−。

    2006-10-12 18:54:00
  • 162:

    名無しさん

    それを、上手く伝えられなくて、突然黙りこくったあたしをショウゴはこう捉えた。

    「それって結局物目当てやん?しょうもない女。」

    2006-10-12 18:55:00
  • 163:

    名無しさん

    何かが、あたしの中ではじけた。

    あたしは、
    否定しなかった?
    違う、《出来なかった》。

    2006-10-12 18:59:00
  • 164:

    名無しさん

    そして、あたしの口から出た一言は

    全てを終わらせた。

    −「…もういい。』−

    2006-10-12 19:01:00
  • 165:

    名無しさん

    ねぇ。何度言ったら伝わる?
    そういう意味じゃないの。こういう意味じゃなかったの。

    あたしは、君と一緒にいたかったから。
    ずっとずっと、君と笑って―…

    2006-10-12 19:03:00
  • 166:

    名無しさん

    「送る。」
    彼はそれだけ言って、自転車の鍵だけを持って立ち上がった。

    「一人で帰れる・・・。」
    泣きそうになるのを必死にこらえて、そう返事をして彼を押しのけ部屋を出た。

    2006-10-13 02:52:00
  • 167:

    名無しさん

    皮肉にも、帰り道、空は綺麗で。
    小学校の頃、初めて名前を知ったオリオン座を見上げて
    あたしは声を押し殺して泣いた。
    涙は、冬空の下冷たく頬を伝って
    余計にあたしを切なくさせた。

    2006-10-13 02:53:00
  • 168:

    名無しさん

    何度も、何度も何度も振り返ったけど

    彼は、追いかけてこなかった。

    2006-10-13 02:54:00
  • 169:

    名無しさん

    胸が苦しくて
    息が出来ない程に−…
    彼はあたしを切なくさせる癖に。

    その切なさを忘れる方法を、彼は教えてはくれなかった。

    2006-10-13 02:56:00
  • 170:

    名無しさん

    好きで好きで好きで。
    行き場のない気持ちは  片時もあたしの中から消えなくて

    手首、赤、紅。
    これより綺麗なものを、あたしは知らない。

    2006-10-13 02:58:00
  • 171:

    名無しさん

    家に帰って、携帯を開く。
    着信もメールもなかった。
    問い合わせをしてみたけれど、それは結局余計にあたしをつらくさせるだけだった。

    2006-10-13 02:58:00
  • 172:

    名無しさん

    電源を切って、泣いたまま眠りについた。

    現状から逃げ出した反面、明日になれば彼から仲直りのメールがくるだろうと軽く考えてもいた。

    胸のざわめきを気のせいだと気付かない振りをして。

    2006-10-13 03:04:00
  • 173:

    名無しさん

    夢を見た。
    暗闇の中、微かにセッタの匂いがして、あたしは振り返り彼の姿を探したけれど

    それがまるで当たり前かのように、彼はどこにもいなかった。
    あの日見たオリオン座が、あたしを見下ろしていた。

    2006-10-13 03:10:00
  • 174:

    名無しさん

    泣きながら寝たせいで、瞼がなまりのように重たい。鏡には案の定、ひどい顔したあたしがあたしを見つめていた。

    あたしは変わった。
    悪いふうに。

    2006-10-13 03:13:00
  • 175:

    名無しさん

    彼と少しでも長い時間一緒にいたくて。

    彼の家から自分の家に帰る頃にはいつも日付が変わっていた。疲れがたまっている日は、化粧も落とさず眠りについた。寝る前のストレッチメニューなんてとっくに忘れた。睡眠時間が減ったせいで朝起きれず、遅刻も極端に増えた。朝食は、取らないのが当たり前になった。学校へ行く迄の道程がやけにしんどくて、どれだけ混んでいてもエスカレーターを使った。化粧品がなくなっても、買うお金がなかった。そのせいで、研究し尽くして自分に合ったものを使っていたはずのそれは、どんどん安物に変わっていった。不規則な生活に荒れた肌は、余計に荒れた。晩ご飯はいつも彼の部屋でのジャンクフード。『食べても太らない体質なんだ』あの嘘は、今すぐにでもばれそうだった。

    2006-10-13 03:27:00
  • 176:

    名無しさん

    あたしがそんな自分に危機感を覚えなかったのは、彼のせいでもあった。

    −恋をすると女はキレイになる−

    《しょうごと付き合ってからなんか紅音かわいくなった気しぃひん?》《てか、なんか前にも増して女の子らしくなった!》《やんなぁ?!》

    2006-10-13 03:36:00
  • 177:

    名無しさん

    理屈じゃないんだろう
    そういうのは、きっと。

    そして、何よりも−…
    〔あたしがどんな姿になろうと、ショウゴはあたしを好きでいてくれる−。〕

    2006-10-13 03:38:00
  • 178:

    名無しさん

    今あの時の自分を思い出すと、恥ずかしくて笑えてきたりする。

    あたし達二人の前にあったのは…
    安物の指輪と誓い
    守れなかった約束。

    2006-10-13 03:42:00
  • 179:

    名無しさん

    ねぇ、[無知だった]。
    そんな一言で、片付けないでね。確かにあたし達はバカだった。だけどただ純粋で、ひたすら輝いてたよ。 
    例えば、未来は自分の思い通りになるものだと
    例えば、《ずっと一緒にいようね》と、簡単に誓った、結婚の約束はもちろん叶うものだと−…。

    2006-10-13 03:48:00
  • 180:

    名無しさん

    この小説が一番スキです? 頑張って完結してください?

    2006-10-14 08:19:00
  • 181:

    名無しさん

    一生、君を忘れることはないだろう。

    例えば季節が巡る度
    君と過ごしたあの瞬間を。

    2006-10-16 23:50:00
  • 182:

    名無しさん

    主さん?書いてくださぃ?

    2006-10-16 23:50:00
  • 183:

    名無しさん

    サンタクロースを見る度。年を越す度。街がチョコレートの匂いで溢れる度。

    君を。君だけを。
    何度でも−

    2006-10-16 23:52:00
  • 184:

    名無しさん

    これめっちゃ良い?

    2006-10-17 12:18:00
  • 185:

    名無しさん

    かいてください?

    2006-10-17 19:05:00
  • 186:

    久美

    今一気に読みました?
    何か涙が止まりません。。
    無理のなぃよぅに完結して下さい?応援してます??

    2006-10-17 20:19:00
  • 187:

    名無しさん

    ありがとうございます??本間に頑張ろうって思えます。これから更新させてもらいます?

    2006-10-17 23:24:00
  • 188:

    名無しさん

    一日中強く手に握って、携帯が鳴るのを今か今かと待っていた。携帯はあの日2回鳴った。だけど、開かなくても彼じゃないのはすぐにわかった。切ないほどに−…。

    待っても待っても、
    彼から連絡は来なかった。

    2006-10-17 23:25:00
  • 189:

    名無しさん

    そう言えば、あたし達は音楽の趣味だけはおもしろいほど正反対だった。
    それなのに、初めてお互いに『いい歌だね』って言い合えたあの歌。

    ねぇ、それはよく聞けば、ただのありきたりな失恋歌だったこと、君はあの頃から知ってたの…?

    2006-10-17 23:26:00
  • 190:

    名無しさん

    初めて聞いた時からずっと

    あの歌は君へ捧げる歌。
    −君指定の着信音。

    2006-10-17 23:27:00
  • 191:

    名無しさん

    あの歌が、あたしの携帯から流れてくることはもう二度とない。
    そんなこと痛いほどわかりきってるのに。

    今でも指定解除出来ないのは、ただのあたしの未練。あたしの意地。地を這うほど低いあたしのプライド。

    2006-10-17 23:29:00
  • 192:

    名無しさん

    それでも、ねぇ。
    あの歌を聞くと涙が出てくるのは、悲しいからじゃないよ。
    もしかしたら、もしかしたら。
    君も、あたしのことを少しは思い出してくれるんじゃないかって。あの歌が流れる度、あたしのことを考えてくれてるんじゃないかって。
    それだけで、うれしくて涙が出るんだよ。

    2006-10-17 23:30:00
  • 193:

    名無しさん

    なかなか飲み込めない夕ご飯を、お茶で無理矢理流し終えた後。
    痺れを切らしてあたしは自分から彼に電話をかけた。震える指でボタンを押す。[彼氏]−ショウゴ

    ププププ…プルルル プルルル… 
    コール音は、もちろんいつもと変わらないはずなのに、それはなぜかあたしの緊張を強く増した。まるで、全てを知っているかのように。

    2006-10-17 23:32:00
  • 194:

    名無しさん

    無意識に数えていたコールの回数が10になった時、あたしは電話を切った。

    −お風呂にでも入ってるんだろう

    胸騒ぎはおさまらない。本当はきっと、わかっていたけど、自分自身に嘘をついて−。そうしなきゃ、押し潰されそうになる不安を消せなかったから。

    2006-10-18 02:19:00
  • 195:

    名無しさん

    その日の夜は、眠れなかった。彼からの折り返しの電話は、いつまでたってもかかってこなかった。

    彼の笑顔を思い浮かべながら、部屋の窓から空を見上げたけれど、雲が月と星を隠して、そのまま雨を呼んだ。素直に、空が泣いているみたいだなんて、そんなことを考えていた。

    2006-10-18 02:19:00
  • 196:

    名無しさん

    オチの作り方が難しいと思うので、あなたの力量楽しみにしています!??

    2006-10-18 19:42:00
  • 197:

    名無しさん

    あの日から、あたしの世界は鳴らない携帯を中心に回った。
    あの日から、いつも君からの連絡を待っていた。  あの日から、あの着信音以外は聞こえなくなった。

    あの日から…
    今でも、ずっと。

    2006-10-18 20:05:00
  • 198:

    名無しさん

    きっと涙は音もなく
    流れるけれど 赤裸々に
    こんなにも張り裂けそうでツライ
    息さえ出来なくてCry
    壊れるくらい
    抱きしめて欲しかったけど
    思い出に恋しすぎて
    もう苦しくて
    あなたが愛しくて

    一瞬も一秒も忘れたことなんてない
    あなたはこの想い知らない
    こんなにこの私強く動かしてく熱い情熱−…

    加藤ミリヤー《ジョウネツ》

    2006-10-18 20:09:00
  • 199:

    名無しさん

    真っ赤に燃える情熱は、君がくれた、君への気持ち。

    例え、どれだけ汚いものだとしても…

    2006-10-18 20:11:00
  • 200:

    名無しさん

    雨はなかなか止まず、それはまるで我慢できず止められない涙のようで、あたしと一緒だった。

    そのまま日付は変わり、彼と出会って以来初めて、彼のあのやさしい声を聞けなかった日になった。

    2006-10-18 20:17:00
  • 201:

    名無しさん

    頑張ってな!

    2006-10-18 22:57:00
  • 202:

    名無しさん

    二人で撮ったプリクラを、一枚一枚見ていた。記念日やイベントの日に必ず撮っていたそれは、どんどん溜まっていて。
    「大好き」「らぶらぶ」「浮気禁止!」あたしの少し癖のある字は、二人過ごした思い出の、一つ一つを思い出させた。
    照れたような顔で笑って。仲良く並んで。たまにキスをして。

    2006-10-19 14:25:00
  • 203:

    名無しさん

    ふと、1枚のプリクラで、あたしの手は止まる。丁度3ヶ月目の記念日の日。
    落書きは、いつもあたしばかりがしていたのに、その日ショウゴは珍しくペンを取った。
    汚い字で書かれた、たった一言のその言葉は、
    −「ずっと一緒にいような」−
    慣れていない手つきは、その一言を書くだけに制限時間全てを使った。

    2006-10-19 14:26:00
  • 204:

    名無しさん

    そんな彼に笑いながらあたしは言った。
    −「当たり前やん!」−

    それは、何度も交わしたいつもの約束。
    あたし達の、合言葉のようにすら思えた。

    2006-10-19 14:31:00
  • 205:

    名無しさん

    …−気付けば、あたしは彼に電話を掛けていた。
    彼は出なかった。それでも掛けた。何度も、何度も−…彼が電話を取るまで。

    どれくらいたっただろうか。たった数秒にも感じれたし、1時間たったかのようでもあった。

    2006-10-19 14:33:00
  • 206:

    名無しさん

    「…はい」
    やっと電話に出た彼の声は、怒っているようにも、疲れているようにも感じとれた。
    少し胸が熱くなった。たかが二日ぶりに声を聞いた、それだけなのに。

    2006-10-19 14:33:00
  • 207:

    名無しさん

    「もしもし?!」何も話さないあたしに、彼は続けていった。
    確信出来た、不機嫌そうなその声に、一瞬で、あたしも不機嫌になった。

    2006-10-19 14:35:00
  • 208:

    名無しさん

    「何で連絡してこぉへんの?!」
    開口一番、そう言った。自分で自分を追い詰めていることに、あたしはまだ、気付いていない。
    「は?」「は?じゃないしな。何で連絡してきてないんって聞いてんねん。」
    頭に血が上っていた。だけどそれは、?仕方ない?の一言では片付けれなくて、何故なら、それは彼もそうだったからで。
    「いい加減にしてくれへん?お前、何考えてるん?頭おかしんちゃう?!」あたしに負けず劣らず声を荒げて、彼はそう言った。  意味がわからなかった。

    2006-10-19 14:35:00
  • 209:

    名無しさん

    めちゃ気になるぅ??

    2006-10-20 05:06:00
  • 210:

    まい

    この小説大好き?頑張ってください?

    2006-10-20 10:46:00
  • 211:

    名無しさん

    頑張れ?

    2006-10-20 22:04:00
  • 212:

    名無しさん

    ー《着信135件》ー
    あたしのせいで買い直した、少し古い機種の彼の携帯は、ディスプレイにその文字を並べた。発信者は…もちろんあたし。最初のあたしからの着信を無視して、携帯を三時間放置していた結果だった。

    ー気持ち悪い。

    2006-10-23 01:52:00
  • 213:

    名無しさん

    そう言った彼の声は、恐ろしい程冷たかった。

    2006-10-23 01:55:00
  • 214:

    名無しさん

    今でも思うねん。
    どこから君に気持ちがなかったのか、いつから想いが消えていったのか。

    ねぇ、だけどきっと
    それをわかっていても止められなかった。正真正銘のアホやって、笑ってしまうやんな。

    2006-10-23 02:01:00
  • 215:

    名無しさん

    自分でも驚き、何も話せないあたしの変わりに、彼はひたすらあたしを罵っていた。右から左へ…流れていくだけの最愛の人の声を、あたしはぼーっと聞いていた。気付けば電話は切れていた。
    そして、頭に残っていた彼の言葉は…

    『俺の前から消えて?』

    2006-10-23 02:11:00
  • 216:

    名無しさん

    腹は立たなかった。特に悲しい訳でもなかった。

    だけど、その日の夜にあたしは初めてそれをした。

    2006-10-23 02:13:00
  • 217:

    名無しさん

    痛くなかった。
    恐くなかった。

    ただ、夢中になって見ていた。綺麗だと思った。

    2006-10-23 02:15:00
  • 218:

    名無しさん

    白い肌に赤い血が滲んで
    とても印象的だった。

    それからあたしはまた泣いた。声を出さない変わりに、顔をしわくちゃにして泣いた。
    赤、紅、涙。

    2006-10-23 02:19:00
  • 219:

    名無しさん

    続き書いて下さい??

    2006-10-23 23:08:00
  • 220:

    名無しさん

    完。

    2006-10-23 23:14:00
  • 221:

    名無しさん

    ↑えっ?

    2006-10-23 23:38:00
  • 222:

    名無しさん

    どしたんかなぁ??頑張ってください?

    2006-10-24 11:26:00
  • 223:

    名無しさん

    この小説一番好きデス?書いて下さい?

    2006-10-25 16:59:00
  • 224:

    名無しさん

    ありがとうございます??更新遅くなってしまいごめんなさい??完結まではもう少しかかりそうです??これから更新します?

    2006-10-26 23:20:00
  • 225:

    名無しさん

    【守れない約束なら初めからしなければいいのに。】

    一番綺麗な赤を見ながら、ただひたすらそう思った。

    2006-10-26 23:21:00
  • 226:

    名無しさん

    お風呂から上がり、体を拭く。〔それ〕は、白いバスタオルを小さく赤く染めた。
    それを少し見つめてから、その〔赤〕が見えないように丸くたたんで急いで洗濯機に放り込んだ。

    2006-10-26 23:22:00
  • 227:

    名無しさん

    春休み−。学校はない。偶然彼に会うことはない。 鳴らない携帯を握り締めて、かすかな奇跡を信じて眠りについた。
    何故か久しぶりにぐっすり眠れて、朝になると血は止まっていた。

    彼と出会って5ヶ月―…。 
    始まりかけていた冬は、もうすぐ終わりを迎える。

    2006-10-26 23:23:00
  • 228:

    名無しさん

    着信0件、
    メール問い合わせ0件。

    見慣れた文字は、それごと習慣になりつつある。

    2006-10-26 23:24:00
  • 229:

    名無しさん

    「ご飯出来たよ〜」母のその声に、あたしは重たい体を無理やり持ち上げた。
    ありきたりな言葉でいうと、【どんなことがあっても、朝はくる】
    そのありきたりで当たり前な言葉は、今のあたしにとって、苦痛でしかない。

    2006-10-26 23:26:00
  • 230:

    名無しさん

    「またそんなに目腫らして!ここ最近ひどないか?何回ケンカしたら気がすむねん?!いい加減別れたら?!」 
    詳しい事情なんて話してない。だけどショウゴと付き合い始めてから、泣き腫らしたあたしの顔を毎日のように見ている母は、
    ショウゴのことをあまりよく思っていないみたいだった。…当たり前やけど。
    「うるさいねん!」あたしはそう一言返しただけで、後は何も言わなかった。
    どれだけ聞かれても、それをごまかすようにひたすら箸を動かしていた。

    2006-10-26 23:27:00
  • 231:

    名無しさん

    ふと、寝巻きのスウェットから見え隠れする傷口に目が行った。急いで母の視線を追う。
    〔大丈夫、気付いてない−…〕意識して隠しながら、食卓からさっさと切り上げた。
    食欲なんて無いに等しかったけど、母にこれ以上の干渉をされたくなくて、無理やり詰め込んだ。

    2006-10-26 23:28:00
  • 232:

    名無しさん

    もう一度部屋に戻り、勢い良くベットに仰向けに寝転がった。
    灰皿に入ったセッタの吸殻、UFOキャッチャーでとってもらったぬいぐるみ、借りてたMD、ショウゴが置いていったジャージ。
    部屋中に、ショウゴの片鱗がある。忘れられるわけ無い。離れられるわけ無い。
    ショウゴがいないと、生きていけない。ショウゴがいれば、何もいらない。

    2006-10-26 23:29:00
  • 233:

    名無しさん

    しょうもない意地や、何の役にも立たないプライドは、この日から捨てた。

    あたしはまた、震える指でショウゴに電話を掛けた。
    コールが鳴っている間中、彼に何て言って誤ろうか必死で考えては見たものの、なんてことはない、彼は電話に出なかった。

    2006-10-26 23:30:00
  • 234:

    名無しさん

    あれだけ毎日一緒にいたのに。それが当たり前だったのに。

    ねぇ、君がいなくてさみしいです。

    2006-10-27 00:32:00
  • 235:

    名無しさん

    切ない…あげ

    2006-10-30 12:40:00
  • 236:

    とも

    楽しみに待ってます?

    2006-10-30 18:00:00
  • 237:

    名無しさん

    『ごめん、別れるとか言わんとって。紅音は、あんたがおらんと生きていかれへん。お願いやから、もう一回チャンスちょうだい?』

    たったこれだけのメールを、何時間もかけて打った。何十分もかけて、送信ボタンを押した。

    2006-10-30 21:31:00
  • 238:

    名無しさん

    ついこの間まで、彼の横にはあたしがいた。確かに、彼の笑顔はあたしを見つめていた。あたしだけが、彼のやわらかな猫毛に触れられた。細いくせにしっかりとした腕で、苦しいほどに抱き締めてもらった。愛を感じられるキスをされた。二人を繋ぐSEXがあった。

    まだ間に合う?まだ間に合うやんな?だって、ついこの間までそうやったんやから。いつも通り、また仲直りをして、あたしはあんたのモノで、あんたはあたしのモノだって、なぁ、証明してよ。

    2006-10-30 21:39:00
  • 239:

    名無しさん

    メールを送ってから、意外にもすぐに、携帯はあの歌を鳴らした。−ジョウネツ。

    期待と恐怖がまじって、なかなか受信ボックスを開けなかった。

    2006-10-30 21:50:00
  • 240:

    とも

    気になるアゲ

    2006-10-30 22:46:00
  • 241:

    名無しさん

    だけど、希望を含めて、もちろん期待のほうが大きかった。『仲直りしよう』って、言ってほしかった。もう一度、あたしを好きだと、言って欲しかった。

    震える指で、ボタンを押した。たった一瞬のことなのに、画面に並べられたその文字は、あたしの時間を止めた。

    2006-10-30 23:35:00
  • 242:

    名無しさん

    ?

    2006-10-31 00:49:00
  • 243:

    名無しさん

    気になるアゲ?受信メール開けん時の気持ちすごぃ分かる?

    2006-10-31 03:36:00
  • 244:

    名無しさん

    世界が崩れた瞬間だった。信じていた、信じ切っていた、あたしと彼の《純愛》が−…。

    ねぇ、あたしは我儘だったね。君を試すようなことばかりをして、あたしはちゃんと君を大切に出来なかった。一番後悔しているのは、あたしについた醜い傷跡なんかじゃない。別れてしまったことじゃない。君を手放してしまったことじゃない。
    たった一つ、君を、大切に出来なかったことだよ。

    2006-10-31 04:36:00
  • 245:

    名無しさん


    『無理。もう俺はお前を好きじゃない。ごめん。』

    2006-10-31 04:38:00
  • 246:

    名無しさん

    −ごめん?
    頭の中をぐるぐる回るその言葉は、悔しいほど残酷なやさしさだった。

    もう好きじゃなくて《ごめん》?より戻せなくて《ごめん》?
    そんなの、いらないよ−…

    2006-10-31 04:44:00
  • 247:

    名無しさん

    なんで?
    約束したやん。ずっと一緒にいると、何度も−…。
    好きだって、あたしの目を見て言ってくれた。
    永遠を誓ったこの指輪は? 
    なんでなんでって、たくさん問い掛けた。頭の中では笑顔でやさしく抱き締めてくれる君に。

    2006-10-31 04:49:00
  • 248:

    名無しさん

    泣ける?

    2006-10-31 07:47:00
  • 249:

    名無しさん

    あの日と同じオリオン座が夜空を飾って、あたしを見下ろす。それは、来てほしくない[明日]を呼んでしまう。そんなのいらない。君と過ごしたあの日々が、君が、遠くなってしまうばかりじゃないか。ねぇ、あたしは−…、


    見えない何かに襲われる。暗やみが恐くてそれに逃げた。
    漆黒に浮かぶ真っ白な月。眩しく光るオリオン座。 赤く滲んだあたしの手首。

    2006-11-01 01:49:00
  • 250:

    名無しさん

    逃げても逃げても、逃げれないことなんてわかってる 
    むしろその紅は、逆に彼を思い出させて。
    初めて彼に、あたしの名前を教えた夜−…
    『綺麗だ』と、言ってくれた君を、思い出させて。
    ねぇ、あの一瞬で、あたしは自分の名前を誇りに思った。自分が自分でよかったと思った。

    2006-11-01 01:56:00
  • 251:

    名無しさん

    会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。

    会って、抱き締めて。もう一度、好きだといって。

    2006-11-01 01:59:00
  • 252:

    名無しさん

    あたしは泣いた。枯れない涙を、それでも絞りだすかのように泣いた。

    自分で、自分が壊れたんだと思った。

    2006-11-01 02:01:00
  • 253:

    名無しさん

    真っ暗な部屋の中、心はぽっかりと穴が開いて、目の前は真っ白で、綺麗な紅があたしを悩ませて虜にする。なんだって出来る気がした。君との『これから』を手に入れられるなら…−

    2006-11-02 00:28:00
  • 254:

    名無しさん

    『わかった!でも、最後に会おう?借りてたモノ返したいし♪明日暇?』

    必死で平然を装って、無理矢理明るいメールを送った。あんな形のまま、終わるなんて嫌だった。何よりもまだ、《会えばなんとかなるかもしれない−…》そんな自信もあった。

    2006-11-02 00:37:00
  • 255:

    名無しさん

    メールが返ってきたのは、その次の日。つまり、『明日』になってからだった。

    『わかった。俺ん家おいでや。俺もお前に返したいもんあるし。』
    用意はすでに出来ていた。久々に、自分が出来るかぎりのお洒落をして、捨てきれない期待をつのらせたまま−…家を飛び出して、電車に乗って、彼の地元の駅へ急いだ。電車に揺られながら、何度も何度も−…入念に化粧と巻いた髪の毛のチェックをしていた。

    2006-11-02 00:44:00
  • 256:

    名無しさん

    彼からのそのメールからたった1時間後、『もうすぐショウゴの地元駅に着くよ〜』付き合っていた頃と何も変わらない、いつものメールを送った。
    数分後、彼からの返事は来ないまま目的の駅を降りた。

    季節はもう春なのに、風はまだまだ冷たくて、足元から震える。だけど本当に、寒さで震えているのか、それとも…−?
    自分でも、よくわからなかった。

    2006-11-02 00:50:00
  • 257:

    名無しさん

    いつもの時計台の下まで早歩きで向かったけど、そこには彼の姿はなかった。

    あたし達の愛車だったあの赤い自転車を、そう言えば君は『恥ずかしいから嫌や』と言ってたね。だけど、必ずこの時計台の下で、あたしを待っていてくれた。寒さで指先を真っ赤にしながら、『おせーよ!』って、笑って怒りながら、いつもあたしより先に待っていてくれてた。

    2006-11-02 00:56:00
  • 258:

    名無しさん

    だけど今ここにあのショウゴはいない。『久ぶりやな!』って、笑ってあたしを迎えにきてくれる君はいない。

    ため息を一つだけついて、あたしはタバコに火を付けて少しの間彼を待つことにした。

    2006-11-02 01:01:00
  • 259:

    名無しさん

    主さん?書いてください?俺この小説がいっちゃん好きです??

    2006-11-03 04:33:00
  • 260:

    名無しさん

    時計台から少しだけ歩いて移動してみた。そこから見える、真っすぐ長く伸びる細い道に、ショウゴが現われる兆しはない。三本目のタバコをもみ消した頃、あたしは彼の携帯にかけたくなかった電話をかけた。
    なかなか出なくて、諦めようかと切ろうとした瞬間、だるそうな声でショウゴが電話をとった。

    2006-11-05 21:38:00
  • 261:

    名無しさん


    −『何?』

    2006-11-05 21:39:00
  • 262:

    名無しさん

    あたし達はもう、《恋人同士》なんかじゃない。紛れもないその事実を、突き付けられたかのような、そんな冷たい言い方だった。

    一瞬、なんて返事をすればいいのかわからなくなって焦る。それから慌てて、『もう着いたよ』とだけ言った。

    2006-11-05 21:40:00
  • 263:

    名無しさん

    何をされても好きだった。
    あたしの全てで君を愛した。

    ねぇ。見返りを求めてるわけじゃない。
    だけど一つだけ、言って欲しい言葉があるの。

    2006-11-05 21:40:00
  • 264:

    名無しさん



    −『は?』

    さっきよりもだるそうな声色に、思い浮かぶのはあの日見た冷たい表情。

    2006-11-05 21:42:00
  • 265:

    名無しさん

    『あ、ごめん。寝てた?んなあたし歩いて行こか?』 
    嫌われたくない。その一心で、受話器の向こうにいる[最愛の人]のご機嫌をとるため、これ以上ない程にやわらかくそう言った。

    2006-11-05 21:43:00
  • 266:

    名無しさん

    −『そうして。んな。』
    プツッ…ツーツー…

    別に、期待してたわけじゃない。というか、期待する必要もなく、彼が迎えに来てくれると信じて、疑ってなかった。チャリだと10分。歩くと…30分。

    2006-11-05 21:44:00
  • 267:

    名無しさん

    −『歩いては無理な距離やから不便やんな〜?』
    −『別に毎回俺が迎えに行ったるからいいやん。』
    −『じゃなくて、ほら、ドラマみたいに、サプライズで家に行ったら浮気相手に遭遇!…みたいなやつ。出来ひんやん!笑』
    −『何それ。ありえへんから。お前以外の女、部屋に入れるつもりないし。』
    −『ふ〜ん?笑』

    2006-11-05 21:45:00
  • 268:

    名無しさん

    次第に痛くなる足を、それでも一度も止めず早く動かしたのは、少しでもはやく彼に会いたかったから。

    突き放されても突き放されても、彼を追い掛けてしまう惨めな自分を、
    『惨めだ』と思う余裕もなく、ただこれが《純愛》なんだと−…
    微塵も疑わず、ただひたすら信じていたのを、今でも覚えている。

    2006-11-05 21:47:00
  • 269:

    名無しさん

    いくらまだ寒いと言ったところで、もう『春』だと呼ばれる三月で、太陽は真上にある。
    そんな中30分も急ぎ足で歩き続ければ、汗もかくし、汗をかけばメイクだって崩れる。こんな日に限って強く吹く風は、一生懸命くるくる巻いた巻髪を中途半端にまっすぐさせた。

    2006-11-05 21:48:00
  • 270:

    名無しさん

    早起きして、自分の出来る限りの全てで、あたしはたくさんお洒落した。彼に少しでも《良い女》だと思わせたくて。
    出会った頃から時間が経つにつれ、《良い女》であることに手を抜いていたあたしにも非はあったと。また《良い女》になるから、もう一度一緒にいて欲しいという証明に。
    だけど、その証明になるはずだった、家を出た時のあたしは、残念ながらもうそんな面影もない程、色んな意味でボロボロだった。

    2006-11-05 21:49:00
  • 271:

    名無しさん

    [情けない。]
    また泣いてしまいそうになって、あたしは慌てて涙をこらえた。
    《大丈夫、大丈夫。まだ、間に合う−…》
    そう自分に言い聞かせた時、やっと彼の家が見えた。家の前にある小さな駐車場にしゃがみこんで、最後の悪あがき変わりにあたしは急いで化粧を直した。

    2006-11-05 21:49:00
  • 272:

    名無しさん

    泣きそうになったせいで目は赤くなっていて、治るのを待とうか悩みながらも、これじゃ急いで来た意味ないなって、少し笑えた。

    2006-11-05 21:50:00
  • 273:

    名無しさん

    インターホンを押そうか一瞬悩んだけど、それは止めて彼に電話をかけることにした。
    まだ機嫌は悪いままだろうか。そんな不安が足をひっぱってなかなか通話ボタンを押せなかった。だけど何よりも、《もうすぐ彼に会える…》その緊張のほうが大きくて、[しょうご]と並べられた文字から検索されたその番号を、じっと見つめていた。

    2006-11-06 02:36:00
  • 274:

    名無しさん

    どれくらいそうしていたのか、ふと、腕時計を覗き込んだ時、今日の日付が目に入った。

    [7]。
    まだ、3月7日−…。

    2006-11-06 02:36:00
  • 275:

    名無しさん

    もう何ヵ月もたった気がするのに、あの誕生日から彼に会っていないのはたったの3日間だけだということに、あたしはこの時初めて気付いた。
    驚きというよりは
    −…《衝撃》。

    彼がいないと、時間がたつのがこんなに遅い−…

    2006-11-06 02:38:00
  • 276:

    名無しさん

    耳鳴りがする。毎日こうして血を抜いてるのに、なんで生きているのか不思議に思えた。別に死にたいわけじゃないけど。

    赤、紅、紅。
    血が服に滲むように、その色はゆっくりとあたしを染めて浸食して行く。

    2006-11-06 02:39:00
  • 277:

    名無しさん

    『あ〜…、入って。』
    不安も心配も緊張も、感じていたのはあたし一人だけで、悩みに悩んで恐る恐る電話をかけたあたしに彼はごく普通にそう言った。ショウゴの親は共働きで、いつも通り、家には彼しかいないようだった。

    『お邪魔しま〜す…』
    ヒールを揃えて、通い慣れたショウゴの部屋への階段を登る。彼の匂いがした。

    2006-11-06 23:44:00
  • 278:

    名無しさん

    緊張で手が震えた。引きつった笑顔で言った、『久しぶり』は、あまりにもかすれていて、自分でも何て言ったのかわからなくなる程だった。
    気まずい雰囲気にならないように、彼を不機嫌にさせないように、これ以上嫌われないように−…

    そんなことばかりを考えていたせいか、あたしは逆に何も話せなくなっていた。

    2006-11-06 23:55:00
  • 279:

    名無しさん

    続きかいてぇ??

    2006-11-09 14:00:00
  • 280:

    名無しさん

    気になってなんも出来ね??

    2006-11-09 19:24:00
  • 281:

    名無しさん

    あげ?

    2006-11-10 20:40:00
  • 282:

    名無しさん

    早く続き読みたい?この小説大好きです?頑張って下さい?

    2006-11-14 21:05:00
  • 283:

    名無しさん

    ありがとうございます?
    更新遅れてしまい申し訳ないです?
    これから更新します?

    2006-11-15 00:23:00
  • 284:

    名無しさん

    重たい沈黙を、先に破ったのはしょうごだった。彼の好きなハイブランドのショップ袋に、入り切らないほどに詰められた思い出。

    『はい。』そう手渡された瞬間に、触れた指先が熱くなる。彼が特別な存在なんだと、改めて思い知らされるかのように。思わず下を向いた時、ショップ袋からチラッと見えたのはおそろいだった灰色のスウェット。

    2006-11-15 00:23:00
  • 285:

    名無しさん

    −『洗うと毛玉出るから、わざと裏返して洗うねん。これ裏技!』

    場違いにも、いつか得意げにそう言って笑った、しょうごの姿が思い浮かんだ。

    2006-11-15 00:24:00
  • 286:

    名無しさん

    −『ありがとう』。
    冷静に、にっこり笑ってそう言ってみた。それから、さりげなくカバンを近くに寄せて、同じようにあたしも彼に彼の忘れ物を渡す。お互いのモノを返しただけなのに、それは現実を見るようで淋しくもあり、プレゼント交換みたいで不思議な気持ちにもなった。

    2006-11-15 00:25:00
  • 287:

    名無しさん

    再び続く沈黙。
    好きで好きで堪らない人がここにいる。手を伸ばせば触れられる。話し掛ければ声を聞ける。

    だけど何も出来なくて、臆病な自分にまた泣きそうになった。涙腺や、涙の理由なんて、とっくに壊れている。

    2006-11-15 00:25:00
  • 288:

    名無しさん

    ねぇ。好きでした。
    それだけが、あたしの全てで…

    忘れたことなんてないよ。今この瞬間も、貴方でいっぱいで。
    ねぇ、幸せなのか切ないのか、それすらわかんなくなるよ…

    2006-11-15 00:27:00
  • 289:

    名無しさん

    やさしい瞳のまま、あたしを見つめて、彼ははっきり言った。
    『今までありがとな。』

    堪えきれなかった涙が静かに頬を伝った。声が出ず、息が出来ないのに、取り乱したりはしなかった。
    だって多分、わかってたんだろう。たったそれだけ、その一言は、全てを物語っていた。

    2006-11-15 00:28:00
  • 290:

    名無しさん

    だって、こうしてあたしは泣いているのに、彼は困ったような顔をしただけで。抱き締めてくれない。『もう泣くな』って、いつもみたいに言ってくれない。


    『うん、うん。』
    って、必死にうなずいて、喉の奥から声を出した。

    2006-11-15 00:29:00
  • 291:

    名無しさん

    だけど、どうしても。
    手放したくなくて、引き離されたくなくて。
    彼に気持ちがなくたって。

    どんなに、みじめだってかまわなかった。どう思われたってよかった。いっそ。嫌われたって、平気やったんだろう。

    2006-11-15 00:30:00
  • 292:

    名無しさん



    彼の隣にいたかった。

    2006-11-15 00:31:00
  • 293:

    名無しさん

    溢れた涙を手の甲でぬぐって、心を落ち着かせて、笑って彼をまっすぐ見つめた。

    『しょうご…?

    2006-11-15 00:31:00
  • 294:

    名無しさん





        …Hしようよ。』

    2006-11-15 00:33:00
  • 295:

    名無しさん





    2006-11-15 00:36:00
  • 296:

    名無しさん

    ンッ、ショウゴ?
    ダメ。ンッ、ア…モット…


    モット。

    2006-11-15 00:38:00
  • 297:

    名無しさん

    AVみたいな声は、自分の口から聞こえてくる。というより、脳に直接伝わる。
    自分がこんなにも乱れたヤラしい女になるなんて、思ってもみなかった。

    まさかの、あんな言葉。何ともとれない表情で固まった彼に、あたしは無理矢理キスをして…
    唇は、そのまま下に。

    2006-11-15 00:44:00
  • 298:

    名無しさん

    繋がった体。激しくで濃厚で、長いSEX。

    その変わり、繋がってない心。冷たくて、短いだけのキス。

    幸せなんかじゃない。幸せなんかじゃないSEX。

    2006-11-15 00:47:00
  • 299:

    名無しさん


    だけど、充分に思えた。

    それでも、幸せだと思った。

    2006-11-15 00:48:00
  • 300:

    名無しさん

    あたしはおかしい。
    だってあの頃、一人になる度壊れたオモチャみたいに泣いた。
    だけど、彼といる時だけは、壊れたオモチャみたいに無理して笑った。

    ダイジョウブ大丈夫。まだいける。もっと頑張れる。

    2006-11-15 00:52:00
  • 301:

    名無しさん

    あたしはそれでよかった。ニコニコ笑って、
    必要な時はいつだって飛んでいくよ。
    “重たく”なんてしない。
    君が欲しいときだけ。
    君が欲しいときだけ。

    2006-11-15 00:59:00
  • 302:

    名無しさん

    気になる?

    2006-11-15 15:18:00
  • 303:

    名無しさん

    気持ちゎかるな。。。
    あたしも体だけでも必要としてくれるならぃぃって思ってた時期あったカラ??

    2006-11-15 22:41:00
  • 304:

    名無しさん

    あげ

    2006-11-18 21:25:00
  • 305:

    名無しさん

    めっちゃ共感できる?
    あたしも彼氏に意地ばっかはってまうもん?
    頑張ってね完結させてね?

    2006-11-19 14:09:00
  • 306:

    名無しさん

    主さ〜ん?
    続き待ってます?

    2006-11-24 02:13:00
  • 307:

    名無しさん

    書いてくださーぃ?

    2006-11-25 06:20:00
  • 308:

    名無しさん

    主さん??続き読みたいデス??俺気になって??今まだ引きずってるんですかぁ??

    2006-11-29 00:05:00
  • 309:

    名無しさん

    気になるぅ?

    2006-11-29 10:23:00
  • 310:

    名無しさん

    これから更新します。たくさんの応援や暖かい言葉、本当に感謝しています。ありがとうございます。必ず完結させます!



    2006-12-01 00:08:00
  • 311:

    名無しさん





    2006-12-01 00:08:00
  • 312:

    名無しさん

    ‘SEX friend’

    二人が、そう呼ばれる関係になるまで、そう日にちはかからなかった。

    2006-12-01 00:10:00
  • 313:

    名無しさん

    別に、体の相性がよかったわけじゃない。単純に、あたしががんばったから。
    余計なことを考えない代わりに、必死に手を、口を、体を動かした。


    彼が、したい時だけ、呼ばれた時だけ、あたしは会いに行った。綺麗に着飾って、電車に乗って、駅からは−…歩いて。

    2006-12-01 00:11:00
  • 314:

    名無しさん

    あたし達のこの関係は、意外と長く続き、新学期が始まった頃には、まるで約束しているかのように、決まって週に二回、同じ曜日に、体を重ねるようになっていた。

    裸になる。気付かないわけない、あたしの右手首の傷跡に。だけど彼は何も言わなかったし、あたしも何も言わなかった。
    深い意味なんてない。
    もう‘その程度’の関係。

    2006-12-01 00:12:00
  • 315:

    名無しさん

    自分が、〔都合のいい女〕に成り下がったことに対して、不満はもうなかった。しいていえば、会う回数が少なくなった事に、少し淋しさを覚えただけだ。

    結局、あたしはまだ幸せだった。だって、まだ彼に触れられるから。

    2006-12-01 00:13:00
  • 316:

    名無しさん

    ねぇ、あの頃。
    あたしを冷たく抱きながら君が何を思ってたのか。
    そんなのはもう、関係なくて。           
    ただ、ただ。
    終わった後に、君が一番に手を伸ばしたセッタの香りが、あたしの体から消えない。

    2006-12-01 00:16:00
  • 317:

    名無しさん

    だから、
    君を忘れられない。
    毎日のように同じ煙草を吸う癖に、矛盾してるかな。

    2006-12-01 00:17:00
  • 318:

    名無しさん

    その日は、慣れてきた新しいバイトへ行く途中。少し時間が余ったから、休憩中に手を伸ばすお菓子を買おうと、いつもは寄らない駅下のコンビニに向かった。 
    淋しさを紛らわすため。
    彼に会える水曜日と日曜日以外は、なるべく毎日いれてもらった。年を一つ誤魔化して、あたしが選んだバイト先は駅近くのパチンコ店。
    制服がかわいいって、いつかショウゴが誉めてたからここにした。
    何よりも、長袖シャツの制服は、右腕の傷跡を隠してくれた。

    2006-12-01 00:20:00
  • 319:

    名無しさん

    切りすぎたせいで、もう手首だけじゃ足りなくて、少しずつ見にくい線は上へと登る。ここ数週間の間に、肘まで到達した無数の傷跡は、醜く、自分ですら嫌悪感を抱いた。

    五月。もうすぐ夏が来る。肌が暑さを感じ始めたあの日、あたしはとにかくあっさりしたものがいいななんて考えながら、コンビニのお菓子のコーナーに足を向けた。

    2006-12-01 00:21:00
  • 320:

    名無しさん

    『105円になりま…
    『あっ!』』
    静まり返った店内で、無愛想な店員の声と女の声が重なった。隣に気配を感じ、あたしは思わず顔を向けた。

    …財布から、小銭を取り出す手が止まった。と同時に、気が付くとあたしは商品も受け取らず、早歩きで自動扉の方へと向かっていた。センサーがあたしの体重を察知する、ほんの少しの間ですら、あたしを焦らせ、ガラス扉が肩幅まで開いたその瞬間に、走ってコンビニを出ていった。店員が何事かと呼び止める声を背中で聞きながら、あたしはとにかく走って逃げた。

    2006-12-01 00:24:00
  • 321:

    名無しさん

    ドクン。ドクン−…
    耳まで届く心臓の音は、鮮明についさっき見た光景をフラッシュバックさせる。

    さっき見たあの女とその隣にいた−…ショウゴを。

    2006-12-01 00:24:00
  • 322:

    名無しさん

    >>なんで付き合ったん?どっちから?
    >>お互いに一目惚れみたいやで〜?
    >>てか元カノとはいつ別れたの?なんで?どっちから?
    >>ショウゴ君からちゃう?

    2006-12-01 00:27:00
  • 323:

    名無しさん

    暗闇の中、あたしは狂ったかのように携帯のボタンを押す。いつかみたいに、例の掲示板はショウゴと、ショウゴの今カノ、〔レイカちゃん〕の話題で一杯だった。

    2006-12-01 00:28:00
  • 324:

    名無しさん


    ナンデ?ナンデ!
    イツカラ?
    アタシヲ抱イテイタ時モ? 

    2006-12-01 00:29:00
  • 325:

    名無しさん

    息苦しく、痙攣しだした体。不安。絶望。
    何度も何度も打ち間違えながら、あたしはその掲示板に初めて書き込みをした。 

    >>今カノとは、いつから付き合ってるん?

    2006-12-01 00:30:00
  • 326:

    名無しさん

    一秒ごとに〔再読み込み〕ボタンを押した。数分後。 

    >>二週間前くらいからちゃう?詳しくは知らんけど。 

    2006-12-01 00:31:00
  • 327:

    名無しさん

    携帯を壁に投げ付けた。涙は出なかった。だけど…

    風呂場に駆け込み、剃刀で何度も傷口をなぞった。

    2006-12-01 00:31:00
  • 328:

    名無しさん

    もう、かさぶたをえぐったくらいじゃあまり血は出なくて−…
    それでもあたしは切った。切り続けた。

    ポタ…ッ
    白いタイルに、一滴だけ血が滴れる。赤。赤。紅。

    2006-12-01 00:32:00
  • 329:

    名無しさん

    見ると落ち着く。
    《綺麗やなぁ》って思う。 
    綺麗。紅色。
    あたしの名前。
    生きてる証拠。

    2006-12-01 00:33:00
  • 330:

    名無しさん

    あたしは、まだ彼の隣にいれる。
    だけど、前とは違った。
    確かに、前とは違くて、少しだけ、ほんの少しだけ。しんどかった。
    一緒にいれて幸せなはずなのに、何かが違って、しんどかった。

    2006-12-01 00:34:00
  • 331:

    名無しさん

    普通に、ごく普通に。
    あたしは彼を好きで、だけど、彼はそうじゃなくて、だけど傍にいたくて、切なくて、虚しくて仕方なくて胸が苦しくて。
    抱き合うたびに、何かが崩れていった。だけど淋しさは埋まる。

    それはまだ、あたしは彼のモノだから。彼があたしのモノじゃなくたって。

    2006-12-01 00:35:00
  • 332:

    名無しさん

    ねぇ、今でも思うよ。
    もう見返りなんて求めない。何もいらない。だから、あたしを飼ってよ。あと一度でいいから、甘い甘い飴を与えて。それだけで、あたしはどんなムチにだって耐えられる。

    あたしは、貴方のモノだよ−…。

    2006-12-01 00:36:00
  • 333:

    名無しさん

    せつない?

    2006-12-01 00:42:00
  • 334:

    名無しさん

    (´・ω・`)ショボーン

    2006-12-02 12:12:00
  • 335:

    名無しさん

    なんかめちゃ気持ちわかるよ?

    2006-12-02 19:49:00
  • 336:

    名無しさん

    最近更新なかったから、期待せずに開けたら、たくさん更新してたε=((ノ^∀^*)ノ

    すごーく切ない(>_

    2006-12-03 01:57:00
  • 337:

    名無しさん

    自分が悪いんやん。振られて当たり前の事したんやから。ショウゴ君可哀相

    2006-12-04 03:56:00
  • 338:

    名無しさん

    フィクションなんやから。そんなムキにならんでも…ワラ

    2006-12-04 06:52:00
  • 339:

    名無しさん

    (´・ω・`)ショボーン

    2006-12-04 11:30:00
  • 340:

    名無しさん

    フィクションなんゃ?実話やと思ってた?

    2006-12-04 13:01:00
  • 341:

    名無しさん

    えっ?違ぅン?こなぃだ「設定の甘さに」どぅとかって書ぃてぁったから、あぁフィクションなんやって思ってんけど??

    2006-12-04 13:35:00
  • 342:

    名無しさん

    めっちゃ共感する(>_

    2006-12-04 14:59:00
  • 343:

    名無しさん

    ご意見、御感想たくさんありがとうございます。物語についてですが…実話に基づいたフィクションてところです。
    どこまでが本当にあった出来事なのかは伏せますが、好きなのに、意地を張って大切な人を失ってしまうことって、誰にしもあることじゃないですか?経験された方、これから経験する方。そんな方達に少しでも共感してもらえればと、この物語りを書き始めました。批判や不満等もあるとは思いますが、完結まで見届けて頂けたらうれしいです。
    今日の夜更新します。遅くなってしまい申し訳ないです。

    2006-12-04 15:31:00
  • 344:

    名無しさん

    楽しみに言ったらおかしいけど待ってるね??

    2006-12-04 18:34:00
  • 345:

    名無しさん

    俺も楽しみにしてます??

    2006-12-04 18:38:00
  • 346:

    名無しさん

    あの日、あたしは。
    あの、たった一滴の紅色を目に焼き付けながら
    壊れるまでがんばるって、そう誓った。
    例えば、すでに壊れてたとしても。
    動けなくなるまで。

    2006-12-05 00:30:00
  • 347:

    名無しさん

    >>今カノあんまり、かわいくないね

    二回目の書き込みは、ささやかな抵抗。だけど、それはあんなに嫌いだった、醜い嫉妬。やっぱりあたしも、あの時の女達と一緒だったってことだ。
    だって、ショウゴの新しい彼女は、可愛かった。

    2006-12-05 00:30:00
  • 348:

    名無しさん

    くるくるの明るい巻き髪、黒目がちの大きな目、可愛いアヒル口。短いスカートから覗く足は綺麗に焼けていて、若々しいルーズソックスがまぶしかった。制服の上から見た全身は、細い訳ではないけど適度な肉付きの、女らしい綺麗な曲線だった。

    2006-12-05 00:31:00
  • 349:

    名無しさん

    −…たった一瞬しか見てないくせに、今だにはっきりと思い出せる。

    だって

    2006-12-05 00:32:00
  • 350:

    名無しさん

    彼女とあたしの違いを見つけなきゃ
    差を埋めなきゃ

    もう一度、好きだと言ってもらえない。

    2006-12-05 00:33:00
  • 351:

    名無しさん

    あの日を境に、あたしはリストカットを辞めた。これ以上醜い傷が増えないように。

    パチンコ屋のバイトを辞めて水商売を始めた。手術して跡を消すために。

    2006-12-05 00:34:00
  • 352:

    名無しさん

    ダイエットを初めて、以前と同じ体重に戻した。

    自慢だったストレートロングの髪を切った。自分自身への決意表明に。

    2006-12-05 00:34:00
  • 353:

    名無しさん

    とにかく可愛く、
    いい女に。
    誰にも負けないくらいに綺麗になったら、
    きっとまた、彼は−…

    2006-12-05 00:35:00
  • 354:

    名無しさん

    ねぇ、自慢じゃないけど  
    あの頃、死ぬ気で努力して、自分を磨いた。
    皆、可愛いくなったねって、言ってくれた。

    「好き」って言葉をたくさん男の子達からもらった。

    2006-12-05 00:37:00
  • 355:

    名無しさん

    だけどあたしは
    君だけのために−…。   
    だから、意味無い。
    そんな言葉いらない。
    君以外、見えない。

    2006-12-05 00:38:00
  • 356:

    名無しさん





    2006-12-05 00:39:00
  • 357:

    名無しさん

    改めて、人気者なんだなと思い知らされた。
    最愛の人、ショウゴ。

    掲示板の書き込みは未だ増える一方だった。
    内容はあたしの時と一緒。今カノや、あたしを含めた、元カノ達の話。何も知らない癖に、中傷の嵐。

    2006-12-05 00:39:00
  • 358:

    名無しさん

    >>てか、ショウゴ君だんだん女のレベル下がってない?
    >>そうか〜?俺は今の女が一番可愛い思うけど。
    >>てかあかねちゃんめっちゃ未練あるらしいなぁ!
    >>昨日駅でショウゴとレイカ二人並んでるとこ見た!
    >>あ、うちも!お似合いやったね〜

    2006-12-05 00:40:00
  • 359:

    名無しさん

    >>そうか?レイカってなんか汚い。
    >>え?てかあかね未練あるって本間なん?なんで?
    >>こないだ声かけたけど素無視されたし!調子のんな
    >>レイカちゃんは汚いって言うか、めっちゃギャル!
    >>でも正味なんで振ったんやろな〜。普通に綺麗と思うけど。

    2006-12-05 00:41:00
  • 360:

    名無しさん

    >>性格の問題ちゃう?しかも綺麗くないし。
    >>レイカがあかねちゃんにバリにらまれたって言ってた
    >>↑恐ッ
    >>バリ必死やんワラ
    >>てかお前等何なん?知った振りすんなって

    2006-12-05 00:42:00
  • 361:

    名無しさん

    >>さっさとレイカとも別れたらいいのに
    >>↑あかね?(笑)


    そこであたしはその掲示板を閉じた。

    2006-12-05 00:42:00
  • 362:

    名無しさん

    もう、プライドも何もないあたしは、前のように腹も立たず。ただ、言いようの無い、不安みたいなものがあたしを襲う。

    少しずつ、思い出が汚されて行く感じ。
    過去が変わらない事なんて痛い程、わかってるのに。 
    良くも、悪くも。

    2006-12-05 00:44:00
  • 363:

    名無しさん

    夏。
    すでに充分暑い、六月。
    友達は皆、自慢の夏服、他校に人気のセーラー服を着て、生き生きと笑う。だけどあたしは、今だに冬服を脱げないでいた。原因は、もちろん腕の傷。

    最後にあの紅を見た日から、丁度一ヵ月経とうとしていた。

    2006-12-05 00:47:00
  • 364:

    名無しさん

    一つはベットの上、もう一つは机の前。
    二本の、セッタの煙が天井近くでやっと絡まる。いつものこと。SEXを終えた後の、二人の光景。

    腕枕されたまま抱き合って眠るなんて、今のあたし達には到底ありえない行為だった。むしろ、昔それが当たり前だったことですら、《忘れた》というより、
    《知らない》ような。

    2006-12-05 00:50:00
  • 365:

    名無しさん

    そう、一ヵ月後。
    あの、最低な“鉢合わせ”から。


    そしてあたしはまだここにいた。

    2006-12-05 00:53:00
  • 366:

    名無しさん

    一服し終えてから服を着ると、あたしは『帰るね』とだけ言って立ち上がった。『おう。』その言葉をちゃんと聞いてから、笑顔を作って部屋をでていった。


    これもいつも通り。だけど、ちゃんと笑えてるんだろうか。最近はそれが疑問。

    2006-12-05 00:53:00
  • 367:

    名無しさん

    あたしは何も聞かなかった。何も触れなかった。
    まるで、コンビニから逃げ出したあの時の女は、あたしじゃないとでも言っているかのように。


    恒例の曜日、恒例の時間。あの日から3日後の日曜日、あたしは普通に、彼の部屋に向かった。

    2006-12-05 00:54:00
  • 368:

    名無しさん

    『入るよ〜』ドアをノックして、そのまま開けた。
    彼はすぐに振り返りあたしを見たけど、
    『来たんや…』と一言言っただけで、視線はすぐにテレビゲームへと戻した。
    だけど冷静な言葉と態度とは裏腹に、その顔は驚きを隠せていない。

    2006-12-05 00:56:00
  • 369:

    名無しさん

    その証拠に…ほら負けた。
    『チッ』コントローラーを軽く投げ付けるように床に起くと、彼はそのままベットに腰掛けてたあたしを押し倒した。
    荒い手つきで服を脱がして、乱暴に胸を揉みながら
    『もうちょっとやったのに、ラスボス。』そんなことをつぶやいていた。

    2006-12-05 00:57:00
  • 370:

    名無しさん

    http://bbs.yoasobiweb.com/read_i.php?id=3770&tcnt=387&desc=&sw=2&tb=chat_shosetu&pagesize=250

    2006-12-05 01:26:00
  • 371:

    名無しさん

    めっちゃ気持ち分かる??

    2006-12-05 20:06:00
  • 372:

    名無しさん

    続きはょ読みたい?

    2006-12-06 17:56:00
  • 373:

    ひい?

    一気によんだ?
    セフレとか経験あるし気持ちがわかる??続きよみたい?

    2006-12-07 11:24:00
  • 374:

    名無しさん

    決まった速度で、単調なリズムに揺れる電車の中。

    休み明けのテストは案の定の散々な結果で、特にひどかった数学の補習を受け、遅くなった帰り道。
    あたしはいつの間にか救いようが無い程に馬鹿になってしまったみたいで、早く終わった人から帰れるからと先生に渡されたプリントは、結局最後まで解き終わらなかった。
    明日も居残りみたいだ。

    2006-12-09 01:10:00
  • 375:

    名無しさん

    ふと目をやると、手に持った携帯のデジタル時計はもう19:02を表示している。

    車窓から見上げる空は、
    丁度暗くなりだしたくらいで、思いの外遅い時間帯に少しだけ驚いた。

    2006-12-09 01:11:00
  • 376:

    名無しさん

    −プシュー…

    笛の音と共に電車の扉が開いた。学校最寄り駅から一つ隣にある、もう見慣れたこの駅。いつもと違うこの時間は、乗ってくる顔触れもやはり違う。

    で、見つけた。あたしは思わずパッと背を向けた。

    2006-12-09 01:12:00
  • 377:

    名無しさん


    “レイカちゃん”だ。

    2006-12-09 01:27:00
  • 378:

    名無しさん

    焼けた肌に明るい髪。短いスカートにルーズソックス。四人とも似たような格好で、だからこそ余計に目立っていた。

    キンキン耳に響く、四人分の笑い声が重なる。

    2006-12-09 01:28:00
  • 379:

    名無しさん

    怪訝な顔でサラリーマンのおじさんが彼女達の方へ目をやった。迷惑にも彼女達の話し声はいちいち大きく、大げさで。

    だけどあたしには好都合だった。聞き耳を立てて、みっともなく[ショウゴ]の話題を探した。

    2006-12-09 01:29:00
  • 380:

    名無しさん

    だけど、そんなにタイミング良く会話が始まる訳もなく。彼女達はひたすら先生だろうと思われる人物の愚痴を吐いていた。

    …なんだ。
    少しガッカリしてため息をついた。それから視線を落とした、その瞬間。

    2006-12-09 01:43:00
  • 381:

    名無しさん

    携帯が鳴った。−ジョウネツ。

    今度はあたしを怪訝な顔で見つめるさっきのおじさんを尻目に、あたしは慌ててメールを開いた。
    『今週の水曜は用事あるから無理やから。』

    2006-12-09 01:45:00
  • 382:

    名無しさん

    ため息を、もう一つ。…別に、こんなことは初めてじゃない。絵文字も何もない、そっけないメールにももう慣れた。
    ただその一つ一つに、相変わらずあたしが勝手に一喜一憂するだけだ。


    『…カネちゃんやん』『あれ?あの人?』

    2006-12-09 01:46:00
  • 383:

    名無しさん

    …思わず声がしたほうを見た。目が合って、さっと逸らされる。バレた、やっぱり彼女達だった。さっきの着うたは、思いの他車内に響いたみたいだ。

    ひそひそ声で会話を続けているのがわかる。だけど何をいっているのか、さっきとは打って変わって聞き取れない。だけど節々にクスクスと笑う声は聞こえた。

    2006-12-09 01:47:00
  • 384:

    名無しさん

    …居心地の悪い空間が続く。あたしはひたすら下を向いて聞こえないふりをした。

    《四人》と《一人》。
    《今カノ》と《元カノ》。
    勝負は明白で、どうしようもない。…別に、何をするわけでもないけど。

    2006-12-09 01:48:00
  • 385:

    名無しさん

    『レイカ、ショウゴ君とラブラブらしいなぁ〜』『んまそれ!うらやましぃ〜!』



    それは突然。最初の笑い声よりも大きな声で、彼女達はそれを始めた。

    2006-12-09 01:48:00
  • 386:

    名無しさん

    がんばって?

    2006-12-09 22:14:00
  • 387:

    名無しさん

    待ってます?

    2006-12-10 02:46:00
  • 388:

    名無しさん

    今の声。レイカちゃんだ。



    《−…だからか。》いつもの水曜日。キャンセルの理由。

    2006-12-10 21:56:00
  • 389:

    名無しさん

    なぁ、やっぱり幸せ?あの人と付き合えた君は。
    みんなが憧れるあの人は、もう君のモノ。あたしのモノじゃないねん。
    幸せやんな。側にいれる。意外と幼いあの声も、眩しいあの笑顔や、あの猫毛だって。全部全部君のモノ。 
    なぁ、一杯持ってるやん。だから、盗らんとって。あたしの唯一の幸せを、
    短い短い‘恋人ごっこ’を。

    2006-12-10 21:59:00
  • 390:

    名無しさん

    なぁ。けど、あたしだってショウゴの‘モノ’やで。  
    ほら、《同じ》。

    あんたの大好きなショウゴが抱くのは、
    あんただけじゃない−…

    2006-12-10 22:01:00
  • 391:

    名無しさん

    …なんて、一生口に出せないだろう言葉を、心の中でつぶやいてみたりした。
    ささやかな反撃。
    醜い嫉妬のかたまり。自分勝手な言い訳。きっとこれが、‘負け犬の遠吠え’ってやつなんだろう。
    だけど、わかってても
    そう思わずにはいられなかった。

    2006-12-10 22:03:00
  • 392:

    名無しさん





    2006-12-10 22:04:00
  • 393:

    名無しさん

    あたしは、大切なものは一つしかない。
    欲しいものも、必要なのも、愛しいのも、手放したくなかったのも、全部。

    君は違くても、
    あたしには一つしかなかったよ。

    2006-12-10 22:06:00
  • 394:

    名無しさん





    欲しかった言葉も。

    2006-12-10 22:06:00
  • 395:

    名無しさん

    大声で、彼女達が話す《ショウゴ》の会話を聞く機会はそれ以降たくさんあった。

    どこかで見たことあった気がした‘レイカちゃん’

    帰り道、一週間に一度は同じ電車に乗っていた女の子。

    2006-12-10 22:24:00
  • 396:

    名無しさん

    君のただ一言
    それだけを待っていた…
    僕はいつの日もその言葉だけ 君に捧げ続けていた
    やがて君が口にした時には遅すぎて…
    あなたは色褪せていく
    あの日々に戻れるのなら‥

    2006-12-10 22:37:00
  • 397:

    名無しさん

    417は主が書いた文章ではないです?間違えたのかな??

    もう少しで完結です。たくさんの応援レス、とってもうれしかったです。ありがとう??

    2006-12-11 04:54:00
  • 398:

    名無しさん

    「そろそろじゃね?」と、彼がつぶやいた。

    いつも通りのSEXを終え、二人揃ってタバコをくゆらす、薄暗い部屋の中。
    それは突然の、終わりを告げる言葉だった。

    2006-12-11 05:07:00
  • 399:

    名無しさん

    そう、いつも通り。

    豆電球。彼の匂いがする布団。セブンスターの吸い殻。転がった漫画。

    2006-12-11 05:08:00
  • 400:

    名無しさん

    少しの間続いた沈黙を、あたしが破る。「何が?」
    そう聞き返したあたしに、深いため息を一つついて、彼はゆっくりこう言った。


    「女にバレそうやねん。」

    2006-12-11 05:09:00
  • 401:

    名無しさん


    …別に、意味がわからなくてそう聞いたわけじゃない。ただ、他に言葉が見つからなかった。

    2006-12-11 05:10:00
  • 402:

    名無しさん

    《今、何してるん?!》

    初めてショウゴに出会ったあの日の夜、言葉とは裏腹に、彼は真っすぐあたしを見つめてそう言った。その真剣で綺麗な眼差しを、少し恐く思ったのを何故か今初めて思い出した。

    2006-12-11 05:11:00
  • 403:

    名無しさん

    《あのさ…あ、電話で言うことじゃねーな。明日、学校終わったら連絡して。》

    彼からのあの意味深な電話を受けた次の日。冷たい石のベンチに座ってショウゴを待つあたしに、彼は真っすぐ一直線に向かって来た。そしてそのまま…−
    『好きになったんやけど』そう言った。
    一瞬の間を置いてから、照れたように笑った、彼のその笑顔に一目惚れしたことだって、何故か今初めて思い出した。

    2006-12-11 05:12:00
  • 404:

    名無しさん

    何故か、自分の顔に笑みが浮かんだことがわかった。何故か。

    2006-12-11 05:13:00
  • 405:

    名無しさん

    なぁショウゴ?

    あの時と同じ顔で同じ声で冷たい顔で冷たい声で

    なぁ、何でそんなこと言うん?なんで−…

    2006-12-11 05:14:00
  • 406:

    名無しさん





    2006-12-11 05:15:00
  • 407:

    名無しさん

    別れてから、「好き」だなんて言葉を、彼に口にしたことはなかった。好きで好きで仕方なかったのに、言わなかった。

    言った瞬間に、なにもかもが終わる気がして、どうしても言えなかった。

    2006-12-11 05:16:00
  • 408:

    名無しさん


    ううん、もしかしたら辛うじて残ってた、あたしの、小さな小さなプライドだったのかもしれない。

    2006-12-11 05:18:00
  • 409:

    名無しさん

    冷たくされても、突き放されても、いつか。

    ‘やっぱりお前だ’って ‘好き’だって

    言ってもらえる日が来るとそれだけを信じてた。

    2006-12-11 05:19:00
  • 410:

    名無しさん

    君のためなら、迷わず死ねると思ってた。本当に、何だって出来る気がした。

    いっぱい笑って泣いて、愛しくて切なくて

    あたしを、あれだけ突き動かす衝動は、後にも先にも−…

    2006-12-11 05:21:00
  • 411:

    名無しさん


    君だけだった。

    2006-12-11 05:21:00
  • 412:

    名無しさん

    ねぇ、愛してたよ。

    こんなにも、
    好きだったよ。

    2006-12-11 05:22:00
  • 413:

    名無しさん

    涙を、堪えて堪えて、  だけど堪え切れなくて

    零れた涙は

    冷たかった。

    2006-12-11 05:23:00
  • 414:

    名無しさん

    それから、あたしの目に映る涙は、もう透明なんかじゃなかった。
    赤、赤、紅。紅色。


    2006-12-11 05:24:00
  • 415:

    名無しさん

    今までとは比べものにならない量の赤い血が零れ、流れる。
    足りない、足リナイ。
    もう一度。もっと深く。  

    もう一度。もっともっと深く。

    2006-12-11 05:25:00
  • 416:

    名無しさん

    風呂場の白いタイルが赤色に染まる。蛇口をひねってお湯を出した。次第に溜まるのは、紅い水。

    赤、赤、紅。
    もっと、もっと。

    2006-12-11 05:26:00
  • 417:

    名無しさん

    あたしは、少し薄くなりかけていた傷跡に、新しい傷を付けた。

    切るんじゃない。
    もう、《えぐる》に近かった。

    2006-12-11 05:26:00
  • 418:

    名無しさん

    あの後のことは、あんまり覚えてない。彼の部屋を飛び出して、ひたすら走って、逃げたんだと思う。

    夜空に浮かんだオリオン座が、追い掛けてくるみたいで恐かった。

    2006-12-11 05:27:00
  • 419:

    名無しさん

    そう、多分。逃げた。
    あたしは、あたしと彼の全てから、


    …−逃げた。

    2006-12-11 05:29:00
  • 420:

    名無しさん

    《めっちゃ綺麗な名前やな。紅音。今まで聞いた名前の中で、一番綺麗。》


    遠くで、ショウゴのあの言葉が、確かに聞こえた気がした−…。

    2006-12-11 05:30:00
  • 421:

    名無しさん

    ねぇショウゴ

    うれしかったよ。

    あれは、死ぬほどうれしい言葉だった。

    2006-12-11 05:31:00
  • 422:

    名無しさん





    2006-12-11 05:31:00
  • 423:

    名無しさん

    ???

    2006-12-11 09:45:00
  • 424:

    名無しさん

    がんばって

    2006-12-11 14:43:00
  • 425:

    名無しさん

    深い深い暗闇の中で、いつか見た夢を見た。

    また、微かにセッタの匂いがして、あたしは振り返り彼の姿を探したけれど

    それがまるで当たり前かのように、彼はどこにもいなかった。

    2006-12-11 17:00:00
  • 426:

    名無しさん

    オリオン座。夏の星座の象徴は、いつもいつも、惨めなあたしを見下ろすだけだ。

    ふと気付くと、それに手が届きそうなほどに、あたしの体は宙に浮いていた。
    眩しいほどたくさんの星達が、あたしを照らす。

    2006-12-11 17:00:00
  • 427:

    名無しさん

    …あぁ、あたしはきっと、このまま星になるんだ。

    目を閉じて、子供みたいに星を数えた。
    いーち、にーい、さーん… 

    2006-12-11 17:01:00
  • 428:

    名無しさん

    どうせなら、一等星になりたい。
    赤く紅く輝いて、たった一人、君を照らす、そんな星になりたい。

    なんて、柄にもなく、ロマンチック過ぎたかな。
    少しだけ笑って目を瞑った。

    2006-12-11 17:02:00
  • 429:

    名無しさん





    2006-12-11 17:02:00
  • 430:

    名無しさん



    『…紅音!』

    2006-12-11 17:03:00
  • 431:

    名無しさん




    −…愛しい人の、声が聞こえる。あたしを呼んでる、声が聞こえる。

    2006-12-11 17:04:00
  • 432:

    名無しさん




    『紅音?紅音!』
    違う、これは…?

    2006-12-11 17:05:00
  • 433:

    名無しさん

    目が覚めると白い天井。さっきまでの星とは違う、冷たくて無機質な蛍光灯が、すごくまぶしかった。

    ふと横目にやると、涙でいっぱいの母の顔。
    ナースコールを何度も押す父の姿。

    2006-12-11 17:06:00
  • 434:

    名無しさん

    すぐに医者がやってきて、今度はあたしにペンライトを向けた。射す光は痛いほどに眩しくて、開かれた目蓋ごと無理矢理顔をそむけた。
    テレビ越しによく見る、心搏数を数える機械が、決まったリズムで鳴いていた。

    2006-12-11 17:07:00
  • 435:

    名無しさん

    『紅音…。あんたって子は…』母が、あたしの手を握ってそんな感じの言葉を発した。
    父は病室の隅っこに座って、膝の上で手を組み、そのままうつむいていた。

    自分自身のことなのに、やけに実感が湧かず、他人のことのように思えた。
    例えるなら、今あたしはあたしのベットの横に着っ立っていて、あたし自身と、この風景を見つめている…そんな感じ。

    2006-12-11 17:08:00
  • 436:

    名無しさん

    ドラマなんかでよく使われるワンシーン。だけどあたしは、悲劇のヒロインなんかじゃない。だって、死のうなんてこれっぽっちも思わなかった。ただ、星になって、君の側にいたいと思った。

    2006-12-11 17:09:00
  • 437:

    名無しさん

    …君?
    我に返る。違う、あたしはあたしだ。


    『ショウ…ゴ?ショウゴは?』

    2006-12-11 17:10:00
  • 438:

    名無しさん

    声が出ない。のどの奥が、焼けるように熱い。

    だけど、そんなことは関係ない。

    彼がいない。

    2006-12-11 20:31:00
  • 439:

    名無しさん

    ショウゴ?どこ?さっき、あたしの名前を呼んだやろ? 

    ショウゴ?ショウゴ?どこ?
    おるやろ、ここに…−
    あたしの、側に…−

    2006-12-11 20:32:00
  • 440:

    名無しさん

    声は出てない。その代わり涙がにじんだ。
    母の目を見て、必死で訴えた。どうかわかって。

    ねぇママ、ショウゴ。
    ショウゴは…?

    2006-12-11 20:32:00
  • 441:

    名無しさん

    母は少し、悲しそうな顔をした。それからあたしにこう聞いた。
    『そんなに、あの子がいいん?こんなになってでもあの子に会いたいん?』
    …って。

    2006-12-11 20:33:00
  • 442:

    名無しさん

    伝わった…?
    そしてあたしはコクコク頷いた。

    母は父に何かを言って、それから二人共席を外した。医者も看護婦も、みんな病室から出ていった。みんな、少し悲しそうに見えた。それが何故だかは、わからなかったけど。

    2006-12-11 20:34:00
  • 443:

    名無しさん

    皆が出ていった後も、あたしはひたすら彼の名前を呼んでいた。

    −数分後。
    君が、やっとあたしの元へ来た。

    2006-12-11 20:34:00
  • 444:

    名無しさん

    あの、おそろいだった灰色のスウェットを着ている。 
    そんなことが、やけにうれしくて、あたしは思わずニコッと笑った。

    その瞬間。
    彼の目から、涙が零れた。なんで?なんで泣くの…?

    2006-12-11 20:36:00
  • 445:

    名無しさん

    あたしは彼の前でたくさん泣いた。だけど、彼の涙を見たのは、これが初めてだった。

    2006-12-11 20:36:00
  • 446:

    名無しさん

    彼はゆっくりあたしに歩み寄り、そのままそっと、さっきまで母が座っていたパイプ椅子に腰を降ろした。 
    ショウゴだ。好きで好きで仕方なかった。愛しくて愛しくて堪らなかった。

    だけど、
    大好きな彼が泣いている。

    2006-12-11 20:37:00
  • 447:

    名無しさん

    あたしは動かない体を無理矢理動かして、体を彼の方へ向けようとした。たったそれだけの行為なのに、何分もかかるあたしに、彼は擦れた声で『無理すんな』って言った。


    2006-12-11 20:38:00
  • 448:

    名無しさん

    《手、繋いで…》

    相変わらず声は出ない。ほとんど口パク状態で、あたしは彼にそう言った。
    彼が繋いでくれたあたしの[左手]は、点滴で、針だらけだった。

    2006-12-11 20:40:00
  • 449:

    名無しさん


    ベットに、ポタポタと涙の雫が垂れた。あたしのかなって思ったけど、彼もまだ泣いてたから、どっちのだかわかんなかった。

    2006-12-11 20:41:00
  • 450:

    名無しさん

    《泣かないで…》

    彼を真っすぐ見つめて、もう一度声を出そうとしたけど、やっぱりそれは出なかった。ちゃんとわかってるのかな。
    彼の濡れた頬に、そっと手を伸ばして涙を拭った。
    その[右手]は包帯でぐるぐる巻きにされいて、いつかの白いバスタオルみたいに、小さく赤く滲んでいた。

    2006-12-11 20:42:00
  • 451:

    名無しさん

    彼はそんなあたしを見てか、ますます泣いた。『ごめん、ごめん』って何度も何度もあたしに誤まった。


    貴方のせいじゃないよ?
    貴方が悪いんじゃないよ。

    2006-12-11 20:42:00
  • 452:

    名無しさん

    がんばれ?

    2006-12-11 21:41:00
  • 453:

    名無しさん

    やばぃめっちゃ共感する

    2006-12-11 21:59:00
  • 454:

    名無しさん

    続き気になる〜(>_

    2006-12-11 22:15:00
  • 455:

    名無しさん

    めっちゃ泣ける?

    2006-12-12 05:39:00
  • 456:

    名無しさん

    早く続き読みたぃ?

    2006-12-12 07:25:00
  • 457:

    名無しさん

    [黒服軍団]学ランに、歩くたびカツカツ音が鳴るローファー。みんなそれぞれに制服を崩して着こなしていて、いつものロータリーで一服。かと思えば、ガキみたいに追い駆けっこしてたりしてた。
    とにかく目立ってたのは、いつもつるんでる5〜6人全員が、それなりにかっこよかったから。


    だけど別に、意識したことなんてなかった。彼らを見る度、キャーキャー騒ぐ友達を尻目に、あたしはいつも携帯をいじっていた。

    2006-12-12 22:07:00
  • 458:

    名無しさん

    今、あたしの手を握りながら、なんとも言えない表情で、静かに涙を流す省吾。
    この人が、あのグループの先頭を歩く人だった。

    2006-12-12 22:08:00
  • 459:

    名無しさん

    冗談半分に彼に化粧をしてみたら、予想外にめちゃくちゃ綺麗になって、何故か腹が立ったことがある。

    お金がないあたし達は、お互いの髪の毛を市販のカラーで染めあいっこした。二人おそろいの、アッシュブラウン。

    それから、少し痛んでる彼の猫毛を、あたしがセットしてあげたりしたっけ。

    2006-12-12 22:09:00
  • 460:

    名無しさん

    あたしが何かで怒るたび、彼は眉間にしわを寄せて、だけどギュッとあたしを抱き締めて誤った。
    そんな風にされる度、怒りなんてすぐにおさまった。

    なんとなく二人で公園へ散歩に行った秋の日。そこで遊んでた子供たちと、彼はあっという間に仲良くなって、一緒に騒いではしゃいでた。その光景を笑って見つめながら、結婚して子供が生まれたらこんな感じかななんて、うれしくなった。

    2006-12-12 22:10:00
  • 461:

    名無しさん

    見た目によらず、家族想いの彼は、年の離れた妹と、昔やんちゃして心配させた両親を大切にしていた。

    あたしが手料理を振る舞った時は、必ず残さず食べて、『ごちそうさまでした』って、手を二回たたいて満足そうに笑った。どんなに作りすぎてたって、慣れない料理に失敗したって、それは変わらなかった。

    どんなに寒い日も、必ずあたしを、あの赤い自転車に乗せて送ってくれた。

    2006-12-12 22:11:00
  • 462:

    名無しさん

    ちょっと他の男の子と話してただけで、大人気なくフテた。

    休みの前の日に彼の家に行けば、携帯や財布を隠して、あたしを彼の部屋から帰らせないようにいたずらした。嫌がる振りしながら、結局あたしは帰らなかったやんな。

    カラオケが嫌いなのは、少し音痴だから。その癖、鼻歌は大きく、よく歌う。

    2006-12-12 22:12:00
  • 463:

    名無しさん

    洋楽が好きなくせに、英語は全くダメだった。意外と数学はよく出来てて、テスト前は教えてもらった。何度も間違えるから、『ば〜か』って、いっぱい言われた。

    喧嘩した後に、めずらしくあたしから謝った時は、頭をポンポンって叩いて、『素直じゃないなぁ』って笑って許してくれた。

    2006-12-12 22:14:00
  • 464:

    名無しさん

    記念日がくる度、『ずっと一緒にいような』って、いつも言ってくれた。

    『気持ちいい?』って、毎回聞くあたしに、笑ってうなずいて、やさしいキスをして答えてくれた。愛のあるSEXは、気持ち良かった。

    2006-12-12 22:15:00
  • 465:

    名無しさん

    なんでもない思い出が、
    特別な思い出に変わる。
    当たり前だった日常が、
    恋い焦がれる日常に変わる。

    2006-12-12 22:17:00
  • 466:

    名無しさん



    いい思い出ばかりじゃないのに、今思い浮かぶのは…君の笑顔。やさしい声。抱き締められた感触。『好き』って言葉。

    2006-12-12 22:20:00
  • 467:

    名無しさん

    初めて、本気で好きになれた人だったよ、君は。

    甘い甘い飴みたいに幸せだった毎日は、君がくれた。あたしはそれの虜になって…−

    なのに、あたしのわがままで全てを壊した。それから、甘かった飴は鈍く痛むムチに変わった。

    2006-12-12 22:21:00
  • 468:

    名無しさん



    痛くて、痛くて。それはじわじわと体を蝕む。だけど、そんなことより何より心が痛かった。何も考えられない程に、心が痛かった。
    それでも、にじみ出る血は赤色で、綺麗だとも思えた。その赤にも、あたしは夢中に、虜になった。

    2006-12-12 22:23:00
  • 469:

    名無しさん





    2006-12-12 22:24:00
  • 470:

    名無しさん

    人間、誰しも自分が一番だと思ってた。
    あたし自身がそうだったから。
    自分を可愛く、綺麗に着飾って、誉められることだけを求めて、自分のプライドに変えた。
    『好き』って言われたら付き合ってた。例えばその人が、友達の好きな人だったとしても。
    飽きたら捨てた。結局、いくら好きと言われた所で、あたしが人を好きになることはなかった。

    2006-12-12 22:25:00
  • 471:

    名無しさん

    なのに。

    なんで、君をこれだけ好きになれたんやろう。
    他の人とどこが違うんやろう。
    なんで、他の人じゃだめなんやろう。

    2006-12-12 22:26:00
  • 472:

    名無しさん

    あの頃。ずっとずっと、紅い紅い血を見ながら、そんな疑問の堂堂巡り−…

    だけど、今わかった。
    答えは握り締めたこの手の先にある。

    2006-12-12 22:26:00
  • 473:

    名無しさん

    あんなにかっこよく輝いてたこの人が
    あれだけみんなに憧れられてたこの人が
    あたしの前でみっともなく泣いている。
    あたしの前で、綺麗な涙を流している。

    2006-12-12 22:27:00
  • 474:

    名無しさん

    彼の目から零れた涙が、繋いだあたしの手の甲に落ちて


    ゆっくりゆっくり、冷えきっていたあたしの手を、体を、心を、温めてくれた。

    2006-12-12 22:28:00
  • 475:

    名無しさん



    人を好きになるのに理屈なんてない…ってよく言う。
    だけど、そんなことない。

    2006-12-12 22:29:00
  • 476:

    名無しさん


    だってあたしは、この人だから、好きになった。
    この人じゃなきゃダメで、この人がいるから、幸せになれる。

    2006-12-12 22:29:00
  • 477:

    名無しさん

    それが、立派な《人を好きになる》理屈。
    あたしの、彼を好きになった理由。

    2006-12-12 22:30:00
  • 478:

    名無しさん




    《彼だから…−》。

    2006-12-12 22:30:00
  • 479:

    名無しさん

    がんばって?

    2006-12-12 23:04:00
  • 480:

    名無しさん

    実話ですよね?

    2006-12-13 01:06:00
  • 481:

    名無しさん

    応援、感想ありがとうございます。本当に励まされます?

    503さん
    実話を元にしたフィクションになります??

    2006-12-13 03:45:00
  • 482:

    名無しさん





    2006-12-13 03:45:00
  • 483:

    名無しさん




    何だか、すごく眠たい。

    彼が隣にいる事実と、あったかくなった心のせいか。

    2006-12-13 03:48:00
  • 484:

    名無しさん

    (略)
    彼が隣にいる事実と、あったかくなった心のせいか。

    2006-12-13 03:49:00
  • 485:

    名無しさん

    白く眩しい蛍光灯。真っ白な天井、真っ白な壁紙。白いパイプベット。白いシーツ。

    真っ白なその部屋は、彼と出会った季節を思い出させて、まるであの頃に戻ったかのようだった。
    雪降る冬。君と過ごした幸せな季節。

    2006-12-13 03:52:00
  • 486:

    名無しさん

    だけど、右手からのぞくたった少しの‘紅’が、やけに鮮明で、目立った。

    彼が泣き止んだのをちゃんと確認してから、あたしは右手をそっと布団の中に隠した。

    その行為に気付いてか、彼はまた目に涙を溜めた。

    2006-12-13 03:53:00
  • 487:

    名無しさん

    沈黙が続く。

    言いたいことや、伝えたいこと。たくさんあるのに、声が出ない。胸の奥に何かがつまって、言葉にならなかった。

    2006-12-13 03:53:00
  • 488:

    名無しさん

    潤んだ瞳の彼と目が合う。

    すぐ側にいるのに、手は繋がっているのに、思い出は数えきれないほどあるのに、こんなに好きなのに。

    2006-12-13 03:54:00
  • 489:

    名無しさん

    心が、想いが
    離れてる。

    すぐ目の前にいるこの最愛の人が

    2006-12-13 03:54:00
  • 490:

    名無しさん

    知らない人みたいだった。どこか、遠い人みたいだった。


    2006-12-13 03:55:00
  • 491:

    名無しさん



    やっと、やっと出た言葉。 
    ずっと想ってた願い。
    求めて止まなかった想い。

    2006-12-13 03:56:00
  • 492:

    名無しさん





    2006-12-13 03:57:00
  • 493:

    名無しさん

    『なぁ、省吾。好きって言って?あと一度、



    もう一度、好きだと言って−…?』

    2006-12-13 03:58:00
  • 494:

    名無しさん

    ふるえる声は、これ以上ない程に擦れていて
    その上泣きそうで

    すごく、聞きづらかっただろうと思う。

    2006-12-13 04:00:00
  • 495:

    名無しさん





    2006-12-13 04:01:00
  • 496:

    名無しさん

    めっちゃ気になる?

    2006-12-13 13:52:00
  • 497:

    名無しさん

    かいてー??

    2006-12-13 14:37:00
  • 498:

    名無しさん

    共感しまくりで涙腺壊れた…(ToT) 完結まで頑張って!

    2006-12-13 18:06:00
  • 499:

    名無しさん

    あれから、暑い熱い夏が過ぎ、秋が来て…−あっという間にもう、冬が来る。
    初めてショウゴに出会った季節を、今あたしは一人で迎えた。

    冷たい風が吹くと、右手首が鈍く痛んだ。
    だけどあの醜い傷跡は、一週間前にした手術のお陰で、もうすぐなくなる。

    2006-12-15 02:43:00
  • 500:

    名無しさん

    あれから半年。あの紅を、あたしはきっと忘れることなんて出来なくて、今だ何かの発作みたいに、気付けば剃刀を握ることがある。 

    だけど必ず踏みとどまれたのは…−。

    2006-12-15 02:44:00
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