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いつか、また…
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1:
七海
本当に好きな人が出来ました。
更新ペースは遅いかもしれませんが、気長に読んで下さい。2006-07-03 18:39:00 -
51:
七海◆8NBuQ4l6uQ
そのままタクシーに乗った…。言われた場所を運転手に告げる。もう、思考と体はバラバラで体が勝手に動いていた。
タクシーを降りる。待っていた刑事が駆け寄る。何か喋ってるけど耳に入らない。七海は心の中でただひたすらユキの名前を呼び続けた。そして刑事は小さな部屋の前に七海を連れていった。2006-07-06 12:04:00 -
52:
七海◆8NBuQ4l6uQ
七海は目の前のドアを開け中に入る。小さなベットで白い布をかけられた人が横たわっている。顔にかけられた布をめくると、見慣れたユキの寝顔…。触れるとひどく冷たくて、七海は静かに涙を溢した。
2006-07-06 12:18:00 -
53:
七海◆8NBuQ4l6uQ
「ユキちゃん起きて…ご飯出来たよ。家帰ろうよ…こんなとこで寝てたら風邪ひくよ…ねぇ、ユキちゃん!」七海は信じたくなくて必死にユキを揺すり起こそうとした。ユキの手がベットからダラリと落ちた…。それを見て七海の中で何かが切れた…。
「いやぁぁ!!!ユキちゃん!ユキちゃんユキちゃん!起きてよ!早くっ………ユキちゃん…うぁぁぁーんいやぁー…!!」それから声も涙も枯れ果てるまで、七海はなき叫んだ。しかし、七海がどんなに泣いてもユキが目を覚ます事はない…。ユキの手を握っても、冷たくなったその手は握り返してくれない。ユキの胸に泣き付いても、もう抱き締めてくれない…。名前を呼んでも、微笑んでくれない。ユキは死んでしまった…。2006-07-06 14:43:00 -
54:
七海◆8NBuQ4l6uQ
ユキの葬儀が終わり、部屋を片付ける。不思議と涙は出なかった。不思議と寂しくはなかった。警察の話によると、ユキは公園で亡くなっていたらしい。遺体の側にアルコールの瓶と空になった睡眠薬の入れ物があったそうだ。
部屋を片付けていると、手紙が出てきた。ユキの汚い字で七海に宛てたものだった。2006-07-06 14:50:00 -
55:
七海◆8NBuQ4l6uQ
七海へ――
一人にしてごめんな。俺、どうしても自分が許せなかった。七海があんなに酔うわけないって知ってるのに気付けなくて、あのとききづいてたらってずっと思ってた。七海は偉いよ。悔しいのも怖いのも我慢して警察に協力した。よく頑張ったな。俺さ、七海の笑顔が大好きだった。けど、あれ以来七海が笑う度に、俺のせいでって思ってた。七海、お前はあんなにツライ事を乗り越えたんだから、絶対幸せになれる。だから笑ってくれ。七海は俺の自慢の彼女だったよ。大事な宝物だったんだ。ごめんな守れなくて。七海、最後にお願いがある。2006-07-06 14:59:00 -
56:
七海◆8NBuQ4l6uQ
俺の分も生きて幸せになってくれ。
俺は弱い人間だから、こんな事になったけど、七海なら大丈夫。頑張れ七海。ツラくなったら空見てみ?俺居るし、寂しくないから。な!笑って幸せになってくれな。ユキ―――P.S 今こんな事書くのは卑怯だけど…七海、心から愛してる。2006-07-06 15:04:00 -
57:
七海◆8NBuQ4l6uQ
涙はもう出ないと思ってた。でも、ボロボロ涙がでる。七海は手紙を抱き締めてしばらく泣いた。
七海は犯人田原を憎む気持ちより、あいつら…警察を憎んだ。あいつらがあの日来なければ。あいつらがユキに会わなければ。そう思うと憎くて仕方なかった。【ユキちゃん…私警察が許せないよ。】元々殆んど無かった田原に暴行された記憶を植え付けたのも、ユキを七海から奪ったのも、全部あいつらだ。七海は思った。そして誰より警察を恨んだ。2006-07-06 15:11:00 -
58:
七海◆8NBuQ4l6uQ
ユキちゃん。
ユキちゃんの事1日だって忘れた事無いよ。私、今もユキちゃんと一緒だって思ってるよ。
今もね、田原の裁判終わってないの。私ね、まだ警察から連絡来るんだよ。その度にユキちゃんを奪ったあいつらを思い出すんだ。憎くて憎くて、悔しい。でもね、本当は警察が悪いわけじゃないって分かってるんだよ。なのに許せない。
ユキちゃん、私生きてるよ。ユキちゃんが生きろなんてゆうから、死ねなくなっちゃった。でもね、今は生きてて良かったって思ってるよ。ユキちゃんありがとう。2006-07-06 17:52:00 -
59:
ユキが亡くなって1ヶ月。暑い日差しの中、七海はユキと暮らした部屋を出た。ユキの居ない生活は七海にとって苦痛でしか無かった。1人でこの街に暮らす事はできない。ユキ以外の男性を好きになるなんて無理だ。その時はそう思っていた。そして、七海は東京から逃げるようにして田舎に帰った――
あれから数年―――" " "06/07/06 17:572006-07-06 17:57:00 -
60:
七海◆8NBuQ4l6uQ
関東のとある墓地。
墓石には【小嶋家】と書いてある…。墓の前には七海が居た。あの頃ショートだった髪は、腰まで届きそうなくらいのロングになり、元々幼い顔付きの七海だったが少し大人びた感じになった。
静かに手を合わせ、花を添え、線香を供える。そしてその中で眠るユキに向かって語りかけた。
「ユキちゃん、私大阪に行くね。誰も知らない土地で一からやり直してみる。だからユキちゃんにもしばらく会えないけど、忘れないから。ユキちゃん、見ててね…ツラくなったら七海頑張れって笑ってね。」
そう言って立ち上がり、最後に「また来るね!」と言って七海は去っていった。
刺すような冷たい風が吹く中、一瞬暖かい日差しがさした1月。
七海は大阪に発った――。2006-07-06 18:12:00