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頂上対決?風嬢VS風嬢
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1:
亜美
「またね!ありがとう!ばいばーい(*^_^*)」チュッοοο 今日もまた仕事に励んでいる。あたしの名前はリカ。職業はホテヘル嬢。年は21歳。この仕事をして二年になるーーーー。
2006-07-09 22:35:00 -
561:
亜美◆O57ekZTKi6
気付いてしまった。 思い出してしまった。 あたしは、あたしはーーーー、ホストの透が好きだった。 ファンタジーにいかなくちゃ。行って、透を止めなきゃ。
2006-09-11 19:37:00 -
562:
亜美◆O57ekZTKi6
あたしは財布とキーケースだけ、ジーンズのポケットに突っ込み、走って家を出た。タクシーを捕まえ、ファンタジーに向かった。 「いらっしゃいませー!あ!りかちゃん!久々ぁ!今満席やねんやん。今日透のラストやから。ちょっと待っといて?」ヘルプで何回かついてくれた子が言った。「わかった…。」店内は、花であふれかえっており、遠くで透が直ビンで一気をしていた。 「空いたで〜案内するわぁ。」さっきのホストが来てくれ、席まで連れていってくれた。
2006-09-11 19:45:00 -
563:
亜美◆O57ekZTKi6
透になんて言おう。ホストの透が好きだなんて言ったら、もしかしたら別れるかもしれない。 だけどーーーだけどそれでもいい。ホストである透をもっと見ていたいの。 「リカ!?」透が驚いた様子で走って来た。「……来ちゃった。」「家で待っててって言ったやん!」「ごめんなさい…。それより、本間に辞めちゃうん?」透は目を見開いた。「いまさら何?」少し、怒っている様子だった。「うん…いまさらやんな…。でもあたし気付いてしまってん。透は、ホストが似合ってると思う。」きっぱりと告げた。
2006-09-11 19:53:00 -
564:
亜美◆O57ekZTKi6
「なに…リカ。それ言いに来たん?」「うん…。あたし、透にホストでいてほしい。辞めてほしくない。」「……それが女の言うことなん?俺は、ホスト辞めて、リカと幸せになりたいのに!」透は怒鳴った。近くにいたお客さんがじろじろとあたし達を見た。「ちょ…透、声でかいって…。」「俺は、リカが普通のお嫁さんになれるように、AVの解約金も払ったし、指輪も渡した。リカと幸せになりたかったからやん…。」「うん。わかってる。ほんまありがとう。でも、別れたいって言ってるわけじゃないやん。」「言ってるようなもんやん!ホストしててほしいなんて、俺のこと好きやったらそんなん言えへんやろ!!」 透はこぶしを握り締めていた。
2006-09-11 20:01:00 -
565:
亜美◆O57ekZTKi6
そのとき、ボーイが来て、透に耳打ちした。「俺、行かなあかん…。」「わかった。あたしも帰るわ。ラスト、大盛況で良かったね。」 透は何も言わなかった。 あたしは会計を終え、外に出た。冬の透き通った空気が肺に気持ち良かった。 帰ろう。あたしと透の家に。
2006-09-11 20:06:00 -
566:
亜美◆O57ekZTKi6
家に帰り、あたしは心の準備をした。透があたしから離れていく、心の準備を。あたしはホストの透を選んだ。もう引き返せない。透は傷ついたと思う。あたしの一言で。 色々考えてるうちに朝になり、知らない間に眠っていた。気が付いたら日が落ち、夕方になっていた。 ガチャ。 「ただいまー。」「お帰り!何時まで営業してたん?」「昼過ぎまで。めっちゃ疲れた〜!」透は焼けた声でそう言い、ぎゅーっと抱き締めてきた。「どぉしたん?」あたしは笑いながら問い掛けた。「別れよう。」透は泣き声でそう言った。
2006-09-11 20:20:00 -
567:
亜美◆O57ekZTKi6
自然と、あたしの頬には涙が伝っていた。「ごめんな…!ホストの透が好きだなんて言ってごめん…!傷つけてごめん…!!!」あたしは透にしがみついた。 透はお酒と、愛用の香水のブルガリとタバコの複雑な匂いがした。あたしの大好きなホスト、透の匂い。
2006-09-11 20:24:00 -
568:
亜美◆O57ekZTKi6
「俺、歌舞伎町に行く。」透は遠い目をしてそう言った。「歌舞伎…町?」「リカが、ホストとしての俺がそんなにいいって言うから、試してみたくなってん。ホストとしての俺を。」「あたしたち、どぉなるんかな…?」「もし。俺らが本間に運命なら、また出会うと思う。この地球のどっかで。」「うん…そうやな。きっとそうやな…。」あたし達はきつく、きつく抱き合った。
2006-09-11 22:29:00 -
569:
亜美◆O57ekZTKi6
一年後ーーーー。 「こっち見て〜!はい笑ってぇ!!いいよ〜亜美ちゃん!」 あたしはリカという仮面を捨てていた。 あたしの職業はモデル。一応事務所に入ってはいるが、泣かずとばずで単発の仕事ばかりだった。 「はい。今日はこれでおしまい!」「どうもありがとうございました!!」 今は夜の世界から足を洗い、一から出なおしているところだ。
2006-09-11 22:36:00 -
570:
亜美◆O57ekZTKi6
まだあたしは一人、あの広い家に住んでいる。透とはあれから一度も会っていない。ただ透の噂話は何度も耳にしていた。 透は、今歌舞伎町で輝いている。あたしの目に狂いはなかった。透は、ホストとして成功という二文字を掴んでいた。
2006-09-11 22:43:00