小説掲示板東京心中24時50分のスレッド詳細|夜遊びweb関西版

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東京心中24時50分

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  • 1:

    NN

    毎晩毎晩、その一瞬一瞬に新しいホストが生まれ、そして消えていく。彼らに行く末は何処にもないのかもしれない。それとも永遠にこの世界で生きていけるという道があるのかもしれない。
    どちらにせよ、消費されていくんだ、体も心も。そして新しいものが生まれていく。消耗品であることは間違いないみたいだ。いつ自分は消えていくのかな。

    2005-10-21 02:30:00
  • 81:

    NN

    「ありがとう。気つけて。家帰ったらメールしてな。気をつけてな」俺はタクシーに乗り込んだシュナを笑顔で見送る。
    「うん、ありがと彩人」タクシーの中から手を振るシュナに答えるように、手を振り返す彩人。

    2005-11-02 00:45:00
  • 82:

    NN

    まるで恋人同士の別れのワンシーン。ただ決定的に違うことがあるのだけれど。
    タクシーが去ると同時に俺は店へと急いで戻った。

    2005-11-02 00:46:00
  • 83:

    NN

    負けられない。そう思った瞬間、雷さんの声が俺で我に戻った。「彩人、アンジュさん来てるから早く席つけ」
    「あ」そうだ、アンジュは今日3時過ぎに来ると行っていた。とっさに携帯電話を見るとアンジュから着信が3件。今から行くから、の電話だったのだと思う。俺は急いでアンジュの席へ走る。アンジュは案の定、不機嫌だった。

    2005-11-02 00:50:00
  • 84:

    NN

    負けられない。そう思った瞬間、雷さんの声が俺を我に戻した。「彩人、アンジュさん来てるから早く席つけ」
    「あ」そうだ、アンジュは今日3時過ぎに来ると行っていた。とっさに携帯電話を見るとアンジュから着信が3件。今から行くから、の電話だったのだと思う。俺は急いでアンジュの席へ走る。アンジュは案の定、不機嫌だった。

    2005-11-02 00:53:00
  • 85:

    NN

    「電話したのにっ!!」「ごめんごめん」「キャバクラ女ばっかの席ついてさぁ〜あたしは無視なわけ?」
    キャバクラ女、とは、シュナの事だろう。なんとか機嫌を取り戻して、俺はアンジュに小さくつぶやく。

    2005-11-02 00:54:00
  • 86:

    NN

    「俺のもうひとつの夢、叶えてくれる?」昨日同様、やってきたアンジュに、彩人は「使い古した夢」をまた吹きかける。
    アンジュは「彩人のためなら!」とうなずく。また、店内に75万のシャンパンが音をたてる。彩人は結局アンジュにも、合計90万近くを支払わせた。

    2005-11-02 00:55:00
  • 87:

    NN

    今日だけの稼ぎなら、カオルさんに負けてない。いい波がやってきた。このノリで明後日まで持ち越せば、もしかするとカオルさんに勝てるかもしれない。朝8時。店がクローズし、店内ではホストがあちらこちらでつぶれかえっている。「今日、ちょっと悪ノリしすぎじゃねぇか。」
    雷さんに声をかけられる。眉間にシワがよっている。どうやら、お説教モード突入のようだ。

    2005-11-02 00:56:00
  • 88:

    NN

    「特にシュナちゃん。お前にハマって、キャバクラやめて、今はソープやってるらしい」
    シュナがソープ?特におどろきはしなかった。シュナは以前からキャバじゃお金が足らなくなってきた、と、話していたし、いつかはソープまで行くと思っていた。

    2005-11-02 00:58:00
  • 89:

    NN

    あれだけホストクラブで豪遊してブランド品も買って、じゃ、金なんかいくらあっても足りなくなる。と、言いたかったが、相手が雷さんじゃ、そんなことも言えるはずがない。
    「いーやんか、今日、おもろかったで、彩人」雷さんの肩をなだめるようにたたき、カオルさんは微笑んだ。

    2005-11-02 00:59:00
  • 90:

    NN

    俺はあんなに死ぬほど飲み続けたのに、カオルさんにはまだ笑う余裕がある。
    ―全然、まだ、追いついていない。心から、そう思わされた瞬間だった。カオルさんは微笑みながら、店を後にしていった。

    2005-11-02 01:01:00
  • 91:

    NN

    「彩人さん、やっぱりカッコイイなぁー僕もまぁ、すぐ負けてないけど」「うわっお前アリス!!客引きはどうしてたんだ!もう店はクローズだっ!!」雷さんは、突如として現れたアリスに驚きながらも声を張り上げる。

    2005-11-02 01:05:00
  • 92:

    NN

    アリスはハイハイ、と、めんどくさそうにつぶやくと、「店まで連れてくるのメンドーなんだもん。番号は聞いたから、今晩から店に呼ぶんだー」と、携帯電話をいじりながら、ソファに座る。「呼ぶんだーってお前、そんな簡単なことかよ!」「うっるさいなぁあんま叫ばないでくれる?鼓膜がやぶれるー」
    舌を出し馬鹿にしたかのようにアリスは雷さんを見る。

    2005-11-02 01:07:00
  • 93:

    NN

    ほんとに大物というのかただの無神経で失礼な奴というのか、アリスは新人としては全てが異様だ。「なんだと?俺は先輩だぞ。お前は第一先輩に対しての言葉使いが」「こーまーくがーやぁーぶぅーれぇーるぅー!!!!!!」雷さんとアリスの乱闘が始まったので、俺は逃げるようにして店内を出た。

    2005-11-02 01:08:00
  • 94:

    NN

    朝を迎えた歌舞伎町に、夜のようなパワーはなく、ひっそりとしている。すれ違ったホストは大きなあくびをしている。「東吾!」目先には東吾が歩いていた。真っ黒なスーツに耳元に光るたくさんのピアス。軟骨にまで数多く刺さっている。東吾は振り返ると、ああ、彩人、とつぶやいた。

    2005-11-02 01:09:00
  • 95:

    NN

    「お前、今から家帰ってシャワーして大学?」「ああ。眠いな」話の返事になっていないって。東吾はやっぱり、どこかズレている。
    これで超有名大学の優等生だもんな。確かに東吾の言うこともあたっている気がする。

    2005-11-02 01:11:00
  • 96:

    NN

    アリスを見た時東吾が言ったんだ。「世の中おもしろい奴勝ちだ。なぜなら世の中おかしいからな。」っていうの。俺は東吾にまた今晩な、と声をかけ、タクシーをつかまえ家に戻った。

    2005-11-02 01:12:00
  • 97:

    NN

    騙し騙され生きている 言葉の響きはかっこいいけど、実際は騙す方も騙されるほうにも、暗黙の了解があるようにさえ見えるよ。店内ならなんでもできそうな自分が恐い。
    のに、止められない。それはきっと歌舞伎町マジックだな。 

    2005-11-02 01:13:00
  • 98:

    名無しさん

    久々の更新まってました☆

    2005-11-02 04:03:00
  • 99:

    名無しさん

    おもしろい?

    2005-11-02 10:12:00
  • 100:

    NN

    116さん 117さんありがとうございます!!読んでくれてる方がいるのか..と不安やったので、すごく嬉しかったです!!

    2005-11-02 23:15:00
  • 101:

    NN

    “最近彩人の勢いスゴイよね。前店行った時、客に信じられないくらい色々あけさしてたもん。かなりNo1になりたいって感じ。カオルは焦ったりしてないのかな。”“あの顔が何か誘ってくるんだよねーあたしもきっと騙されるわ笑。彩人ってカムプリはいって一年くらいだよね?で速攻No2になってそのまま一年経ち..みたいな?”

    2005-11-02 23:16:00
  • 102:

    NN

    “彩人口座の子はみんな「彩人No1にしてあげたい!」って言ってて、前に「ディテ●ール」ってキャバで人気あったシュ●って子、彩人に貢ぎまくって金ヤバくなって、今は売れっ子のソープやってるよ。もちろんその金も全部彩人につぎ込んでるけど”“今、カオルより勢いない!?もしかしたらNo1、マジでなるかもよ。来月あたり”“ありえる!彩人って、誘うオーラ、めっちゃうまいしねぇ!”

    2005-11-02 23:17:00
  • 103:

    NN

    「こんなもん、見るもんじゃないぞ。」店内でアリスが広げていたノートパソコンの画面は、ホストの情報や裏話、デマなどが大量にあふれ出している掲示板が映し出されていた。雷は不機嫌そうにアリスをにらむ。

    2005-11-02 23:18:00
  • 104:

    NN

    「すごいねーデカムの意見掲示板、ほとんど彩人さんのことばっかだ!カオルさんの話題、少ないよ。」アリスは画面に釘付け状態で、雷の顔を見ようともしない。金色に光るジッポをポケットから取り出し、雷はタバコに火をつける。「すごいもんか、最近の彩人はどうかしてる。あいつはNo2というよりスキャンダルNo1だな。」

    2005-11-02 23:19:00
  • 105:

    NN

    「ホストなんだから、何にでも二番より、どっか一番がある方がいいと思うけど!」マウスを慣れない手つきでカチカチと動かし、アリスは大きなあくびをした。「またお前は知ったかぶって..。ああいうやり方、俺は好きじゃないんだよ。シュナちゃんをソープにまでいかして..。」フっと息から煙を吐き出すと、アリスは臭いー!と叫んだ。

    2005-11-02 23:21:00
  • 106:

    NN

    店内にはまだ、夜の熱気が残ったままで、体が少しほてる。「ホストに貢ぐ限度を知らないシュナさんって人がバカなんじゃない?ホストなんか騙して客は騙されてなんぼ、なんてわかってるでしょ?あーインターネット飽きちゃった。電源きっといてー」そういうとアリスはノートパソコンを乱暴に雷の方へと寄せる。

    2005-11-02 23:22:00
  • 107:

    NN

    「最近、この店の風紀が乱れてる気がする。デカムはさ、純粋にお客さんがホストと酒を飲みながら話をしに来て、笑顔で帰って行ける店だったんだよ。なのに、カオルNo1、彩人No2、っていうのができてから、変わった。お客さんもホストも競いすぎてそれが表面にでてくる。これじゃあオラオラ、お前いくら俺に金使えるんだよ、って、のっけから脅してるみたいじゃねぇか。」と、雷がつぶやく。

    2005-11-02 23:23:00
  • 108:

    NN

    「風紀もクソもないでしょ?最近のホストクラブってのはそもそもそうなんじゃん。雷ってホスト向いてないんじゃない?とっとと居酒屋経営か何かにでも転職すれば?」本当にクソムカつくガキだ。雷は腹のそこからそう思った。しかし、アリスの言う言葉は全て正論だと、わかっている自分もいる俺は理想論ばっかり言ってる気がする。「だけど、彩人はフェアじゃないっていってるんだよ。第一シュナちゃんもなぁ。」そう雷がつぶやくと、アリスはフフん、と鼻で笑った。

    2005-11-02 23:24:00
  • 109:

    NN

    同時にアリスのポケットから、携帯の着信音がドでかい音を出し店内に響く。あ、じゃあ僕もう帰るね、とつぶやくと、アリスは雷に背を向けた。そして、一度振り返り、またフフんと鼻で笑った。「なーんか雷さんってすんごい正義感溢れるキャラだね。でもさぁ、そういうキャラって損だよ!いい人で終わるからねっ!」

    2005-11-02 23:25:00
  • 110:

    NN

    「なっ・・何だお前!何だよ損で終わるって!!」動揺する雷を横目にアリスは笑顔で手を振った。「シュナちゃん♪」
    「お前、なっなにを勘違いして、おっおれはそっそんなべっべつに好きとかじゃ」

    2005-11-02 23:26:00
  • 111:

    NN

    無我夢中に生きていた 明日のことはよくわからなかったけれど ただ夢だけはいつもそこにあった No1になること たったひとつの夢
    今は何も見えなくなってしまったけれど あの日 カオルさんに勝ち逃げされたまんまで 俺はこの店を去ることになるんだ

    2005-11-02 23:28:00
  • 112:

    NN

    ホストにプライベートはない。と、思う。家に帰って起きるのが夕方。たまった客からの着信とメールに目を通して返事。「今日これる?」と、確実な指名数を得るため客を呼び出す。23時半、俺はいつものように制服であるスーツに身をまとった。
    そろそろ仕事の時間だ。店に行かないと。

    2005-11-02 23:29:00
  • 113:

    NN

    携帯を開くと新着メールが一件。さっき全部目を通したはずなんだけどな..受信ボックスを開くと知らないアドレスだった。店のHPにも自分が紹介された雑誌にも、ホストの携帯番号とメールアドレスは記載される。だから知らないメールアドレスや番号から来たとしても、客になる可能性があるので、一応目を通すし電話にも出るのだ。

    2005-11-02 23:30:00
  • 114:

    NN

    *タイトル・無題*あんたが貢がせてるシュナ。キャバからソープで、今はAVもやってるよ。AVのタイトルは「真夜中のコール24回」っての。AVの内容はシュナちゃんが看護婦さんで 夜勤のときナースコールがなるんだよね。で、24人の奴とヤっちゃうって わけ。
    AV出演料に300万もらったってさ。これ、新人AVアイドルにしたら破格の値段だよ。+ヘルスで、今月の月給は400万越え。あんたのために飲まず食わずで、ソープ→AV→ソープ、の生活続けてるからねあんたすごいわ。さすがホスト。さすがデカムのNo2だね笑
    女にAVまでやらせて金欲しいってか笑笑馬鹿なホストにAVやってまで貢ぐ女も馬鹿馬鹿で、まぁ、いいんぢゃねぇ?笑

    2005-11-02 23:31:00
  • 115:

    NN

    「シュナがAV..?」メールを見て呆然とする。確か昨日雷さんがヘルスを始めた、とは言っていたけど、まさかAVにまで。一瞬、心臓の音が早くなったのが自分でもわかった。

    2005-11-02 23:33:00
  • 116:

    NN

    気がつけば「AV新作リリースNo1」をかかげて誇らしげに営業する、ドでかいAVレンタル屋の前に立っていた。店は異様な雰囲気を漂わせていて、入るのに少しためらった。
    彩人のためらう体を押せ押せといわんばかりに、ひとりの男性がビデオ屋にためらいもなく、入っていく。

    2005-11-02 23:34:00
  • 117:

    NN

    それについて行くかのように、彩人もビデオ屋に入る。ドアを開けると、そこには無愛想な中年の男性がレジにひとりいるだけで、店内はガラガラだった。彩人はすぐにレジに向かう。確認しなくちゃいけない こんなメールはデマかもしれない
    そう頭の中で何度も何度も繰り返しながら、レジに座る中年男性に「すみません」と声をかける。

    2005-11-02 23:35:00
  • 118:

    NN

    「はい」店員は無愛想な顔で短い返事をする。彩人は小さな声でつぶやく「AVについて聞きたいんですけど。『真夜中のコール24回』・・・っていうAV、おかれてますか」レジの横にあるパソコンで店員がビデオの検索でもしてくれるだろう、と、彩人は考えていたが、予想を裏切るかのように、店員はニッコリ微笑んだ。

    2005-11-02 23:36:00
  • 119:

    NN

    「ああ、そのAV。今日だけで電話問い合わせ、5回あった超人気新作AV。悪いけど、全部貸し出しちゃってるよ。」「そのAV..主演女優の名前ってわかりますか」「ああ、わかるよ。シュナだろ、有沢シュナ。」
     ―有沢シュナ 「真夜中の24回コール」 Avは実存してる。「そうですか」と、つぶやくのが精一杯だった。

    2005-11-02 23:37:00
  • 120:

    NN

    店員は彩人の顔をのぞきこみ、話を続けた。
    「お兄さんも、シュナちゃんのファンなの?あのAVの完成度はすごいねぇ。AV初出演作には思えないよ、シュナ、多分、AV界のアイドルくらいになると思うよ。お兄さん知ってる?有沢シュナって、元キャバ嬢で今はAVしつつソープ..何ていったかな、ああ、『光』って店でソープまでしてるんだろ。」

    2005-11-02 23:38:00
  • 121:

    NN

    「そのソープ、僕も一回、お世話になりにいこうと思ってるんだけどね。土台がキャバ嬢だけあって顔もめちゃ可愛いしさぁ、AVにまで出ててソープまでって、もう、たまんないね。」「そうですか」「あ、ビデオ予約入れる?今なら多分、二週間待ちくらいだよ。」いいえ結構です、そう言うと俺は逃げるようにして店内から出た。

    2005-11-02 23:40:00
  • 122:

    NN

    シュナがAV女優になった、というメールは、俺以外にも雷さん、カオルさんのところにまで同じ内容で送られていた、と、すぐ気がついた。雷さんからのメール。「今日、ちょっと早く店に来い。」それが、シュナのAVのことを知っている、と雷さんが物語っているようだった。

    2005-11-02 23:41:00
  • 123:

    NN

    雷さんは何気なく、俺の側に歩みよってくる。真っ黒なスーツの中に赤いネクタイ。何だか目がチカチカする。俺の胸にはアンジュにもらったsilverのネックレス。いつも暗い店内の、小さなスポットの光でキラキラ輝くこのネックレス。

    2005-11-02 23:42:00
  • 124:

    NN

    今日はこのネックレスが重く感じる。アンジュもAVに手を出したりし始めるのだろうか。ネックレスはますます重くなっていく感じがした。

    2005-11-02 23:43:00
  • 125:

    NN

    「彩人、今日からお前、無理にシュナちゃんにボトルをあけさせるのをやめろ。お前がカオルを抜いてNo1になりたいっていう気持ちはわかる。だけど、シュナちゃんがAVにまで出るようになったのは、お前のNo1になりたいってエゴに、シュナちゃんがつき合わされた結果だ」

    2005-11-02 23:44:00
  • 126:

    NN

    No1になりたくて。ただNo1になりたくて。雷さんの話を聞いている時の俺自身が怖かった。これは、シュナへの罪悪感じゃない。AV女優になったもんは、もうしょうがない。シュナに開けさせないとNo1になれない。そう思い続けている自分が恐かった。これは歌舞伎町マジックなんかじゃない。
    もう、自分は歌舞伎町という舞台から引くことができないのだ。

    2005-11-02 23:45:00
  • 127:

    NN

    「雷ちゃん雷ちゃん、エゴに付き合わされた結果っー言い方はおかしいで」「カオル!」腕を組み、壁に持たれながら、カオルさんは片手に火の付いたタバコを持ち眠そうな顔をして、つぶやいた。

    2005-11-02 23:46:00
  • 128:

    NN

    「No1にしたげたいって思ってシュナちゃんが勝手に働き始めたんも悪いやろ。別に彩人が女優なれ!て強制したわけちゃうねんから。シュナちゃんに限らずこういうことはよくあったやろ。過去にも。とまらへんくなってしまった一般のお客さんがソープなったりとか。ホストクラブにはつきもんみたいなもんや」お前なぁ・・・、と、雷さんはため息をついた。

    2005-11-02 23:47:00
  • 129:

    NN

    そしてカオルさんは俺の方を見ると「そうやんな」と同意を求める。「はい」と答えてしまう自分が悲しい。こんな時にでもNo1とNo2の差は一目瞭然だ。「雷ちゃん、妙に最近シュナちゃん関係の話で、彩人につっかかるやんなぁ」

    2005-11-02 23:48:00
  • 130:

    NN

    雷さんはあせると早口になる。と、店の誰かが言っていたけど、まさにその通りだと思った。早口になったら雷さんをまぁまぁそうカッカせんと、と、カオルさんは幼い子供をなだめるかのように、耳元でボソッとつぶやくようにささやく。「まぁ頑張りやー」「だっだから違うっていってるだろ!!!!」カオルさんと雷さんのやりとりを前に俺は店内をボーっと見渡していた。

    2005-11-02 23:49:00
  • 131:

    NN

    俺にそのボトルの価値があったのか。そんなことを考えだしたらキリがない。だけど譲れないものがあった。 誰を傷つけてもいいから。たとえ自分のためにソープになろうがAV女優になろうが、それは俺にとっての「毎度あり」だ。

    2005-11-02 23:52:00
  • 132:

    NN

    金さえかけてくれれば何だって綺麗に出来上がるさ。「本物」じゃなくても、金さえかけてくれれば、本物のそぶりくらいできるさ。あけてくれるなら、愛だって囁く、愛だって注ぐよ。
    俺がそうさ。本物のフリをした偽物。

    2005-11-02 23:54:00
  • 133:

    NN

    そんな偽物を手に取り 本物だと疑わない客。
    悪いのはどっちなんだろう?

    2005-11-02 23:54:00
  • 134:

    名無しさん

    ぉもろ?

    2005-11-03 00:06:00
  • 135:

    アユカ

    めちゃおもろぃです!!頑張ってくださぃ☆☆

    2005-11-03 00:15:00
  • 136:

    NN

    アユカさん 155さん 読んでくれてありがとございます!!めっちゃ嬉しいです。更新は続けるのでよかったらまた読んでください!!

    2005-11-03 00:52:00
  • 137:

    NN

    ホストという仕事は 世間一般でいうと 女を騙して金を巻き上げて 最低な仕事だっていう。
    だけどホストほど 勝ち負けがはっきりする仕事は そうそうないんじゃないか ここで勝ち上がるということは ここで勝ち続けるということは すごいことなんだ。ホストは戦ってるんだよ。自分と、そして残された体力と。

    2005-11-03 00:55:00
  • 138:

    NN

    シュナは今日来るだろうか..そう思った瞬間携帯が音を立てる。着信だ。画面を見るとシュナの文字。俺は雷さんから隠れるようにしてバックヤードに走り電話を取る。「もしもし?」平常心。心の中でそう繰り返していた。「もしもし彩人?今から行くねっ今タクシー乗ったところだから!」シュナはいつものように元気な声だった。

    2005-11-03 00:57:00
  • 139:

    NN

    「ああ、待ってる。近くまで来たら電話して。迎えに行くよ」俺はそう答えて電話を切った。切った瞬間、やるせない気持ちと、これでいいんだと言い聞かせている自分と、2人の自分が存在した。俺はホストだ。これは仕事だ。そう何度も何度も思った。「お客さんが自分のためにソープ行ってAVでる。そんなことよくある話だ、気にすることなんかないんだよ。」そう言ってオーナーは俺の肩を叩いた。

    2005-11-03 00:59:00
  • 140:

    NN

    そうだ、カオルさんだってそう言っていたじゃないか。俺は間違ってない。No1になるんだ、なるんだ。「彩人はまだ人間なんやな。」振り向けばカオルさんが立っていた。「どういう意味ですか?」俺は携帯を片手に握り締めカオルさんを見る。「俺なんてもうホストサイボーグやねん。もう、客がどうだこうだっていうよりも、自分のことしか考えてへん。彩人、客に罪悪感覚えてたらいつまでたってもNo1にはなれんで。」

    2005-11-03 01:02:00
  • 141:

    NN

    心臓を突き刺された気がした。カオルさんは今まで見たことのないぐらい、冷酷な顔をしてそうつぶやいた。「ホストに客への感情移入はいらんで。ナンバー入るようなホストならそんぐらいわかるやろ。」「すいません」俺は小さな声でカオルさんに謝り、頭を下げる。

    2005-11-03 01:05:00
  • 142:

    NN

    「彩人見てるとまぶしいわ。一生懸命すぎるからお前は。」「そんなことないですよ。カオルさんの..言うとおりだし、全部」素直にそう思った。シュナのことを心配してるなんて口ばっかりだ俺、心の中では金ズルがでかくなったと喜んでいる気がする。
    落ち込んだ顔で俺が床に座りこむと、カオルさんは悲しそうな顔をしてつぶやいた。

    2005-11-03 01:07:00
  • 143:

    NN

    「俺は、いつからこんなホストになってしまったんやろ。」

    2005-11-03 01:08:00
  • 144:

    NN

    カオルさんが 俺から勝ち逃げしたあの日 やっと その意味が 少し わかったんだ

    2005-11-03 01:12:00
  • 145:

    116

    頑張って完結して下さいね。最後までよませてもらうんで…。

    2005-11-03 01:45:00
  • 146:

    タィトル通り

    ァャトが客と心中?

    2005-11-03 01:54:00
  • 147:

    名無しさん

    2005-11-03 03:13:00
  • 148:

    なきほ

    ずっと読んでます。頑張ってくださぃ!絶対完結してくださぃね!

    2005-11-04 15:08:00
  • 149:

    NN

    読んでくれてありがとうございます!!絶対完結させます。

    2005-11-04 23:33:00
  • 150:

    NN

    シュナはその日、1時過ぎに店に現れた。いつもと変わらない笑顔で「彩人っ!」と手を振っていた。最近シュナは少しやせた気がする。今、そんなことに気がついたんだけど。
    「もう彩人ぉ会いたかったぁ」そういっていつものように俺に抱きつこうとした瞬間、雷さんがシュナの腕をつかんだ。

    2005-11-04 23:35:00
  • 151:

    NN

    「シュナちゃん、ちょっといいかな。」「え?」そういうと、あっけにとられたまま、シュナは雷さんにひっぱられ、店から消えた。
    何かのドラマのワンシーンを見ているようだった。

    2005-11-04 23:36:00
  • 152:

    NN

    「王子様がお姫様を、悪魔から救いにきたんやね」カオルさんは微笑んだ。「俺、悪魔ですか。」俺が渋い顔でつぶやくと、カオルさんはケケケと笑う。「あんな、正義のヒーローよか悪役の濃ゆいキャラのが、以外にファンがつくもんやねんで。」

    2005-11-04 23:37:00
  • 153:

    NN

    じゃあ仮に雷さんが正義のヒーローで悪役の濃いキャラが俺だとしたら。カオルさんは一体何だろう。どのポジションだ。どんな魔法も使える魔法使い。そんなところだろうな。魔法使いの言葉はいつも妙に説得力がある。

    2005-11-04 23:38:00
  • 154:

    NN

    さすが、魔法使い。悔しい。まだ、全然、この人には歯がたたない。 

    2005-11-04 23:39:00
  • 155:

    NN

    彼女の腕をつかんで、俺は店の裏までやってきた。賑やかな表向きとはちがい、裏は静かだ。たまに人がパラパラと歩いてくるだけ。まるで別世界だ。「何ですか、雷さん。」
    彼女は驚いた表情のまま、顔をかしげながら俺にたずねる。

    2005-11-04 23:40:00
  • 156:

    NN

    ドクン、と心臓が音をたてる。腕をつかんでやってきただけで、実は何も考えていなかった。「..これ以上、お金、使わないでほしいんだ。」「え?」
    自分でも何を言っているかわからなかった。だけど、そう伝えるしかなかった。右手をグッとこぶしにすると、汗が出ているのがわかった。

    2005-11-04 23:41:00
  • 157:

    NN

    「もしかして、心配してくれてるんですか。あたしが..AVに出てるの。」「えっ」「さっきね、デカムに入ろうとしたら、綾人口座の子に言われたの。あんたAVまでやって彩人に貢いでるんでしょって。デカムのホストの中でも噂になってるよ、って。」 噂になってる..
    と、まではいかないが、俺と彩人とカオルはシュナちゃんがAVに出ていることを知っている。

    2005-11-04 23:42:00
  • 158:

    NN

    だけどシュナちゃんが、まだこれからもAVを続けていくと話題は拡大するだろう。「でね、その子に言われたの。彩人は誰もスキじゃないよ、ただ愛を囁いてくれるのはあたし達が金を使うからだよ、彩人に踊らされてAVに出る、あんたの度胸は尊敬するけどねって。」「誰がそんなこと」雷の言葉をさえぎるように、シュナは続ける。「ねぇ雷さん。彩人、あたしの事スキになってくれないのかな?AVに出てお金、いっぱいもらったの。このお金で、彩人、あたしのこと、本気で好きになってくれないのかな?」
    何で君はそんな悲しそうな顔をするんだ。AV女優になったって噂が充満していることより、シュナちゃんは彩人に愛されないでいる方が悲しいみたいだ。そんなのおかしいじゃないか。

    2005-11-04 23:43:00
  • 159:

    NN

    「もう..シュナちゃんやめよう?もう、お金、稼がなくったっていいから..一度、彩人から、うちの店から、離れた方がいい。」「どうしてそんなことを言うの?絶対いやよ、彩人と会えなくなるなんて、絶対に嫌、耐えられない。あたしは彩人がいなくなったら何もかもなくなる気がするの。彩人はいつか絶対、あたしのこと、好きになってくれる。雷さんだって店のホストじゃない、店に来るななんて、そんなこと客に言うのはおかしいわ。」

    2005-11-04 23:44:00
  • 160:

    NN

    わかってる。俺だって店のホストだよ。だけど、その前に男なんだ。プロ失格。自分の勝手な想いだけで、こんな行動をとってる。プロ失格。だけど、誰だって譲れないものがある。それが、これなんだよ。今、そう気がついたんだよ。夜風がなんだかすごく冷たく感じた。

    2005-11-04 23:45:00
  • 161:

    NN

    彩人がシュナさんを好きになる確率はほぼゼロだろう。彩人にとってシュナさんはNo1になる道具でしかない。AV女優になったとしてでも、何でも、自分に金を落としてくれればきっと満足だろう。彩人には才能がある。ホストとしての、才能は全て備わってる。だけど、違うだろ。ホストとしての才能より、人間としての本質があいつにはかけてる。
    だからこうして、シュナさんの人生を狂わせようとしてる。その瞬間を、俺は黙ってみてられない。正義感でも偽善でも何でもない。ただ、

    2005-11-04 23:46:00
  • 162:

    NN

    「どうして?今日の雷さんおかしいわ」ただ「好きなんだ。シュナちゃんのことが」「好き?」

    2005-11-04 23:47:00
  • 163:

    NN

    一世一代の言葉に、シュナちゃんはフっと笑った。「..そうなんだ。雷さん、あたしがAV女優だからでしょ?すぐヤらせてもらえるって思ってるんだ。ヤりたいの?」その言葉は、俺の心臓を突き刺した。そして、俺は叫んだ。大声で、叫んだ。

    2005-11-04 23:48:00
  • 164:

    NN

    「俺はヤりたいんじゃない!!抱きしめたいんだ!!」何かを言おうと君は唇を動かした。だけど君の口からもう何も聞きたくなかった。君の唇からこれ以上、「彩人」なんて聞きたくなくって、臆病な俺はキスで言葉をさえぎった。

    2005-11-04 23:49:00
  • 165:

    NN

    彼女はびっくりしていたけど、涙目になって俺を見つめるその目を見て、初めて離したくないと思った。一瞬、時間が止まったのかと思った。
    無表情にすれちがう人、車のクラクション、噂話、肌寒さ、何も感じなかった。ただ抱きしめた彼女の心臓の音が小さく聞こえた。

    2005-11-04 23:51:00
  • 166:

    NN

    一瞬驚いた彼女だったが、すぐに俺の腕を振りきって、走っていった。「嫌われたってかまわないから!俺、しつこいから!ずっと、ずっと、シュナちゃんのこと好きだから!!」何ふりかまわず俺は叫んだ。去っていく彼女がどんどん小さくなるなか、叫び続けた。「好きだ!!!!!」

    2005-11-04 23:52:00
  • 167:

    NN

    ここは歌舞伎町。性と欲望と金だけじゃなくて 愛だって この場所のどこかで 存在しているはずだ。 世界の中心で なんて大げさだ 
    この歌舞伎町の片隅で 確かに俺は君に愛を叫んだ 確かに 愛を 叫んだ

    2005-11-04 23:55:00
  • 168:

    ?

    泣ける

    2005-11-05 01:39:00
  • 169:

    名無しさん

    2005-11-05 01:57:00
  • 170:

    名無しさん

    すごい!

    2005-11-05 12:38:00
  • 171:

    なきほ

    更新されてたぁ!ありがとぅ!なんか胸がキュンってなった…頑張ってな!また待ってます

    2005-11-05 14:28:00
  • 172:

    191デス

    シュナの気持ちが地味にヮカルょッ??ゥチもホスはまってやるせん時ぁったァ…シュナの話書いてッ???雷チャン萌バクワラ?メタメタ切ナィ?

    2005-11-05 17:42:00
  • 173:

    NN

    192さんまとめてくれてありがとうございます。なきほさん、ずっと読んでくれてありがとうございます!!めっちゃ嬉しいです。195さんシュナの話はまだちょっと続くんで、読んでやってください。
    みなさんの感想めっちゃ嬉しかったです!!ありがとうございます!!

    2005-11-05 18:05:00
  • 174:

    NN

    店内に戻ると店はいつも通り、にぎやかだった。テクノサウンドが頭の中を刺激する。暗い照明の店内で、カオルは俺を待ち構えていたかのように、「ほんまに根っからのヒーロー体質やね、雷は」と、つぶやいて微笑んだ。「お前、見てたのかよ」
    「企業秘密ってことにしとくわ」カオルは、全く食えない奴だ。

    2005-11-05 18:08:00
  • 175:

    NN

    彩人は、いつもの顔で客を接客している。今日はなんだか彩人の笑顔が無性に目に付いた。わかってる。彩人への嫉妬だと。
    わかってるのに止められない。

    2005-11-05 18:09:00
  • 176:

    NN

    「人を好きになるってのは一種のドラック現象。止まらない、止まらない、気がついた頃には骨までボロボロ..なんてならんようにね。」 カオルの”忠告”がやたらに胸に響いた。
    俺、最低だな。後輩に嫉妬してイライラするなんて。シュナちゃんに会いたいけど きっと会ってはくれないだろう。だけど彼女は彩人に会いたくなるから またこの店に来るだろう

    2005-11-05 18:09:00
  • 177:

    NN

    「彩人さぁ何か今日、疲れてる?顔がなんかそんな感じ。」客に言われてハッとした。まさか顔にまで出ているなんて。「いや、何もないよ」笑顔でそう言うと、客は「ならいいけど」と微笑んだ。 -雷さんに余計なことをされた。
    正直、そう思っている自分がいた。

    2005-11-05 18:10:00
  • 178:

    NN

    雷さんがシュナをつついたせいで、シュナは今日、店にやってこない。シュナがいないと、NO1とNO2の差は開いていく。新しいエース客を見つけないと。頭の中でグルグル回る言葉はひたすら、それだけだった。

    2005-11-05 18:11:00
  • 179:

    NN

    まるで客を消耗品扱いしてる。いつからこんな人間になったんだろう。
    この仕事をしているゆえかな。それともそれはただのいいわけであって、俺はずっとこんな人間だったのかな。

    2005-11-05 18:12:00
  • 180:

    NN

    とてもじゃないけど、世界の中心で愛なんて叫べたもんじゃない。たった一人を純粋に愛せるわけもない。
    人間としては失格だ。ホストとしても、こんなやり方は失格かもしれない。
    だけど止まらない。もう、止まれない。

    2005-11-05 18:13:00
  • 181:

    NN

    だけど夢を手に入れることがこんなに窮屈なことだとは思わなかった。
    こんなにも他人を犠牲にするんだな。人ひとりとして傷つけず 夢を叶えるなんて無理だ
    俺はNo1になりたい その夢がある限りずっと 人を傷つける

    2005-11-05 18:15:00
  • 182:

    NN

    従業員トイレに足を踏み込むと、東吾がタバコを吸っていた。セブンスターの匂いが狭い空間の中で充満している。
    俺が入ってくるのを見ると、東吾は「ゲロ?」と訪ねる。「ちげぇよ。」短い返事をすると、「そうか」と、もっと短い返事が返ってくる。

    2005-11-05 18:16:00
  • 183:

    NN

    スーツの内ポケットから、俺もタバコを取り出す。そしてその手で火をつける。 無表情でタバコの煙をフっと、口から東吾が吐き出す。 そしてトイレの水の中に、セブンスターの吸殻を落とした。ポチャン、と音を立てる。
    セブンスターの香りが妙に鼻につく。その香りが、俺の香水と微妙に混じって、身動きが取れなくなるみたいに。

    2005-11-05 18:18:00
  • 184:

    NN

    譲れないもの。No1になること。それだけあれば十分。その気力だけで俺は生きてるってわけだ。何もなかった俺に生きる気力を与えてくれたのがこの仕事。
    誰にも譲れないんだ。譲れない。だから..。

    2005-11-05 18:19:00
  • 185:

    NN

    だとしたら、必要ない。この体、ブっつぶれるまでやってやる。それで死ねるなら本能だ。これ以上幸福な死はない。
     夢のためなら 死ぬことさえ 恐れない それがあの頃の俺の最大の強みだった。

    2005-11-05 18:21:00
  • 186:

    ???

    頑張って?

    2005-11-06 01:17:00
  • 187:

    ?

    この話の元になってるホス君トカいるんですか??

    2005-11-06 01:28:00
  • 188:

    ?

    ァャト??コレゎ元ゎァ○ァなんで素かッ??

    2005-11-08 05:17:00
  • 189:

    名無しさん

    2005-11-08 07:17:00
  • 190:

    ????????????????????????

    2005-11-08 14:49:00
  • 191:

    NN

    読んでくれてありがとうございます。モデルは特にいませんし元ネタもないですよ〜

    2005-11-08 22:35:00
  • 192:

    NN

    シュナの事件から1週間がたった。ナンバーは相変わらず、カオルさん、俺、雷さんという順番だった。

    2005-11-08 22:37:00
  • 193:

    NN

    シュナは雷さんとの事件以来全く姿を現さなくなってしまった。
    一度こっちから連絡してみたものの、電話に出ることはなく、メールを送ってみるとエラーで返ってきた。
    どうやら店からも姿をくらませているらしく、「伝説のAV女優」としてその名前が1人歩きしているだけだ。シュナのあけた穴をどう埋めるか。俺の頭の中はそれだけだった。

    2005-11-08 22:40:00
  • 194:

    NN

    3日前の出来事だ。「女1人つぶしといてあんたは何様なの。シュナは本気であんたが好きだったんだよ!!」
    シュナが以前勤めていたキャバクラの女に言われた。どうやら女はシュナの親友らしかった。店内まで乗り込んできた女は俺を散々罵倒した。
    俺は何も言わなかった。ここで吠えたって意味がないことはよくわかってる。黙っていた。

    2005-11-08 22:41:00
  • 195:

    NN

    最後は痛烈にビンタを一発食らったけれど、これくらいで済んだらまだマシだなと思った。
    そして俺はこれまで以上に新規客、つまりまだ指名が決まっていない客の接客には神経質になった。短い時間でどうやって自分をアピールするか。どうやってデカイ客を捕まえるか。頭の中はただただそれだけだった。

    2005-11-08 22:42:00
  • 196:

    コレ

    スゴイリァルだ

    2005-11-10 04:28:00
  • 197:

    なきほ

    あげとく☆頑張って

    2005-11-10 09:12:00
  • 198:

    名無しさん

    221さん、ありがとうございます。なきほさん、毎回読んでくれてありがとうございます!!すごく嬉しいです。

    2005-11-10 23:42:00
  • 199:

    NN

    「これ見てな。これ。昨日、金ためて買ってもった!」朝7時。クローズした店内で、カオルさんは手のひらサイズのデジカメを満足げに手にとり、店内をパシャパシャ撮影していた。カオルさんの給料じゃデジカメなんて金ためて買うまでもないだろ、と、俺は思ったけど、そうですか、と返事をしておいた。
    雷さんとはあれから口を聞いていない。店内の真ん中で、パソコンを無表情で触っている。何だか東吾みたいな顔をしている。その東吾はソファで夢の中。

    2005-11-10 23:44:00
  • 200:

    NN

    「カオルさん。」「何や。」俺の声に返事をしながらも、パチ、パチ、というカオルさんのデジカメ撮影は止まらない。そして俺にカメラを向けて、パチっと一枚撮った。
    「おお、男前に撮れたでー」そう言って微笑んだ。微笑む口元からは八重歯がチラっと見える。

    2005-11-10 23:45:00
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