小説掲示板大阪心中24時50分のスレッド詳細|夜遊びweb関西版

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大阪心中24時50分

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  • 1:

    NN

    携帯電話ってものが存在してるのに 人と人の距離は全く埋まりそうにない それどころか日々遠のいているような感覚にさえなる どうしてだろう どうして携帯電話ひとつでここまでひどく憂鬱な気持ちになるのだろう 寂しい夜は 電話で声が聞きたいんじゃない 抱きしめたいんだと 強く思った

    2005-12-16 15:49:00
  • 47:

    NN

    あたしは仕事を終えると、店長から日給をもらう。「今日も人気者やったねジュリ!」店長が微笑む。あたしもつられて笑う。笑った、つもりだったけど、鏡にうつった自分が苦笑いになってたことに気がつかなかった。ボケっとしたまま、ロッカールームへ戻る。何となく気が重かった。壁に貼られている女の子のパネルを横目で見る。この中の女の子のどれだけが、このパネルの中で本当の笑顔を見せてるんだろう?あたしはこれからも人に嘘をつき続けるのだろうか?風俗を辞める日が来たとき、「過去」を「空白」にすりかえて…。

    2005-12-19 00:57:00
  • 48:

    NN

    近頃あたしは作り笑いだけがうまくなってしまった気がする。あたしは風俗で働いていたのは寂しいからじゃない。理由なんてなかった。なんとなく足を踏み入れた世界に溺れ、抜け出す勇気さえなかった。いつから「あきらめた」が口癖になってしまったんだろう。死に物狂いで戦ったことなんて一度とさえなかったくせに。結局、「あきらめた」って言葉は自分へのいいわけだ。ロッカールームに入ると、携帯で大声で話してる金髪の女の子と目が合った。ユウナだ。あたしと同期で、ユウナとは店で一番よく話す。「お疲れー」ユウナが携帯片手に小声でつぶやく。「おつかれ」あたしも小声でつぶやく。

    2005-12-19 00:58:00
  • 49:

    NN

    バックから携帯を取り出す。着信2件。ん?珍しい。あたしは画面を開ける。22時01分、0時05分。同じ番号から2回。自慢じゃないけど、あたしは電話もメールも全然使わない。携帯は時計がわりに使ってる状態だ。頻繁に連絡を取り合うような仲のいい友達もいない。あ、たまにユウナから電話がくるぐらいだ。着信のほとんどが店という寂しい携帯だ。それにしても近くて見たことのある番号..あたしは携帯の画面を凝視した後、リダイヤルを押す。3コールで電話は繋がる。「もしもし?」あたしは低い声でつぶやく。「もしもし!」あ。あたしはハッとする。西野君だ!これ、西野君の番号だ。あたしってば番号もらったまま携帯にも登録してなかった..画面を見ると時間は2時。一般的に真夜中..という時間だ。

    2005-12-19 00:59:00
  • 50:

    NN

    「ごめんね!?遅くに連絡して!寝てたやんな?」あたしが必死に謝ると「ううん、ううん、ぜんっぜん大丈夫やで、起きてたから、俺こそ何度も連絡してごめん!」と、逆に謝り返された。と、いうか西野君は「ぜんっぜん」が口癖なんだと気がついた。今日も何度か言ってた。あたしは携帯を握り締める。「電話してくれたのにごめんな。あの、寝てて..」とっさにあたしの口から嘘が出る。何してたの?も聞かれてないのに、いきなりいいわけ。あたしって本当にうそつきオンナ体質だ。

    2005-12-19 01:01:00
  • 51:

    NN

    「ほんっとぜんっぜんいいから..安藤さん何してるかな思ってかけただけやし、大事な用事とかちゃうから」また出た、口癖の『ぜんっぜん』。優しい声。どれだけあたしが醜い人間かということが、嘘の中から浮き上がってくる。初めて電話で話してるのに、不思議な人だ。何かあったかくなる。さっきまで凍り付いてた体が。「今、家?」「あ、うん、そうやで」またあたしは嘘をついた。1回の電話であたしは何度嘘を重ねてるんだろう。家じゃない。だけど勤めてる風俗店のロッカールームです、なんて口が裂けてもいえるはずがない。

    2005-12-19 01:02:00
  • 52:

    NN

    「じゃあ、安藤さん、窓の外、見た?雪、すごいねん。粉雪みたいなんが」電話越しからガラッと、西野君が窓を開ける音が伝わる。「外?」あたしはかばんを取り、無言でユウナに手を振り店を急いで出る。雪だ。粉雪が降ってる。そういえばさっきタクシーの運転手が言ってた。深夜に雪が降るって。「ほんまに降ってるわ..」あたしは目の前の光景に声が詰まる。やたら派手に光り続ける蛍光色のネオン看板が立ち並ぶ、この街にも、粉雪が..こんな性欲に溢れかえった街にも、こんな白くて小さな雪が、降るなんて..妙に感傷的になる。

    2005-12-19 01:02:00
  • 53:

    NN

    もしかしたら真っ白い雪の中には、見えないようにと少しだけピンクに色づいた愛が隠れこんでたりするのかな。だとしたら雪は真っ白じゃなくってほんの少しだけ桃色が混ざり合ってるのかもしれないね。そんなことを思った。

    2005-12-19 01:05:00
  • 54:

    NN

    「あ、俺、下の名前優介っていうねん。」「知ってる。田村から聞いた」「あっそうなんやっ、やから、もう好きに呼んでいいしっ」また笑ってしまう。「優介かーじゃあ、ゆうちゃんやね。」「ゆうちゃん!?」「え、嫌?」あたしが聞き返す。「いやなわけないやん!嬉しくて」アハハ、あたしは笑ってしまった。「俺はジュリ..ちゃんって呼ぶし、まだ呼び捨てするの恥ずかしいし..。」ジュリちゃん。何だかゆうちゃんが言うとくすぐったい。「うん。そうして。」「あっジュリちゃん、ほんっま深夜電話かけてごめんな」いいよいいよ、と、あたしは電話越しに手を横に降る。「じゃあ寝よか」「あ、まって、あたし、言い忘れてたことがあるねん」「え?」今度はゆうちゃんが、聞き返す。

    2005-12-19 01:06:00
  • 55:

    NN

    言い忘れてたこと。今気がついたこと。「あたし、ゆうちゃんが、めっちゃ好きになってしまったみたいやわ」そう受話器越しに初めてつぶやいた日、その言葉にゆうちゃんが、ありがとうと照れくさそうにつぶやいてくれたあの瞬間。初雪の降った12月11日、時間は深夜02時30分。あたし達の小さな小さな、恋が、雪の中で、そっと、静かに、生まれた。雪の色は、桃色。確かに、その時、真っ白なはずの雪が、桃色に見えた。

    2005-12-19 01:07:00
  • 56:

    名無しさん

    2005-12-19 02:29:00
  • 57:

    マリナ

    ぅわぁ〜?初々しいっ?はがゅぃっ??この先のストーリーに期待大です?

    2005-12-19 05:27:00
  • 58:

    NN

    マリナさんいつも本当にありがとうございます。いつも感想いただけてすごく励みになってます(^^)

    2005-12-20 01:00:00
  • 59:

    NN

    嘘をつき続ける自分に嫌気がさしてるはずなのに、一向に嘘をやめられない自分は、結局嘘にまみれて動けなくなってるだけなのかな。5時を過ぎて学校の門近くにタクシーを止める。門の前に見覚えのあるシルエットを見つける。田村だ。あたしに気がついていないのか、門の前で茶色の派手な巻き髪の女の子とキスしてる。何だかすんごく気まずい。あたしは下を向いて足早に校門をくぐる。「ジュリちゃんおはよー」あたしに気がついた田村は満面の笑みであたしに声をかける。「あ、おはよ..」どっちが当事者かわかんない。あたしが何でこんな気まずい思いをしなくちゃいけないんだろう。あいさつをすませると、あたしは教室に急ぐ。

    2005-12-20 01:02:00
  • 60:

    NN

    授業開始を知らせるチャイムが鳴り響く。教室を見渡すとゆうちゃんはまだ来ていないようだ。「さっきはのぞき見してくれたなー」田村が笑いながらあたしの顔を覗き込む。「のぞき見じゃないわ。あんなとこでキスしてれば嫌でも見えるやん」あたしが顔を上げると、田村はそかそか、と笑う。きれいな八重歯。金髪の髪の毛にクッキリ大きい目。こりゃあ『モテ顔』だ。教室にはやる気のない顔した先生がやってくる。小さな声でボソボソと出欠を取る。「西野ちゃんまだ来てんのかーまた遅刻やなーあいつ。」「さっきの女の子彼女?」「気になるん?」何やねんほんっまコイツは..あたしは小さくため息をつく。

    2005-12-20 01:03:00
  • 61:

    NN

    「ホストみたいやね、田村くんて」「わかる?」は?配られたプリントが手から落ちる。「俺、ホストしとんねんーやっぱわかるー?」−ゲッ。ヤバイ。血の気が引く。ホストってことは風俗雑誌とか見てるのかもしれない。そこには毎週のように堂々と、あたしは顔出ししてる。「クラブヘブンって店やねんけど」コイツもしかしてあたしの正体を知ってる?心臓が音を立てる。「そうなんや」平然を装おうってことの難しさを知った。

    2005-12-20 01:05:00
  • 62:

    NN

    「よかったら来てや」そういってグッチの財布から、黒色をした名刺を出す。クラブ・へブン、田村カムイ。「本名でやってるん?」「そやで。」カムイ..そんな変な名前してたんだ。「何であたしに営業すんの?」言葉を裏返せばあたしの正体を知っているの?と言った。「何か同じ匂いがするから」そう言って田村は黒板に目を向ける。答えになってない。

    2005-12-20 01:06:00
  • 63:

    NN

    「田村っていうのよそうや。カムイでええよ。」「うん」短く返事をする。あたしは黒の名刺を裏向けにして、乱暴に財布の中に詰め込む。「名刺、大事にしてや。その名詞は天国行きの切符やで」田村は笑った。あたしには、どうしてもこの名詞が天国行きの切符には思えなかった。名刺。カムイの笑顔。全部胡散臭くってたまらなかった。

    2005-12-20 01:08:00
  • 64:

    NN

    その日、ゆうちゃんは2限に現れた。授業中の教室に隠れるようにコソっと入ってきて、あたしに小さく頭を下げる。あたしはうつむいて小さく笑う。今日は仕事が休み。一緒に帰れる。そう思った瞬間、携帯電話が振動する。あたしは画面を見る。メール受信一件。「また遅刻や」同じ教室にいるゆうちゃんからメール。不意に笑いが小さくもれる。メール受信。些細なことで幸せになれる。2限が終わると、ゆうちゃんが何気なくあたしの席に近付いてくる。「にっしのちゃーん!」その様子を見てか田村が割り込む。邪魔者..正直にそう思った。

    2005-12-20 01:09:00
  • 65:

    NN

    「お前ら付き合ってるの秘密にしときや。」「えっなんでなん?」田村のむちゃくちゃな提案にゆうちゃんが驚きの表情を浮かべる。「クラスの奴らに茶化されたりしたらめんどいやーん!な、秘密にしとけ!3人の秘密な!」どうしてあんたが入って3人なんねん..そう思った。だけど確かに学校中に知れわたったらめんどくさいこともある、っていうのには納得した。「さすがホストやんな」あたしが小さくつぶやく。「何で?」田村がニッコリ笑う。「人を丸め込むのがすごく上手い。」そういうと、それは職業病ちゃうくって俺の性格やって、と、また笑う。何だかこの笑顔が全部作り物に見える。あの頃はカイムがいい奴なんだか悪い奴なんだか全然わからなくて、たまにうっとおしく感じてた。

    2005-12-20 01:10:00
  • 66:

    NN

    ↑すみませんカムイがカイムになってます訂正です↑

    2005-12-20 01:11:00
  • 67:

    NN

    だけど今考えればカムイもきっとあたしに似た気持ちを持ってホストって仕事に染まったんだと思う。カムイがあたしにつぶやいた言葉が今も脳裏に張り付く。「感情持って生まれてきたことに後悔してばかりして生きてきた。」と。クラブ・ヘブン。英語で天国。「絶望の中で必死に息をして至福の世界を求めて辿り着いたのがあの店、ヘブン。天国って意味やろ。単純な理由やねんけど。もしかしてここなら、って思った」ってカムイはあたしにいった。あの日カムイは天国を見たん?あたしはカムイがくれた天国行き切符、今も財布の中に入ったままだよ。

    2005-12-20 01:12:00
  • 68:

    NN

    その日学校が終わった後、別々に正門を出て、門裏で待ち合わせ。気持ち悪いぐらい胸がはずんでる自分に気がついた。今年2回目の雪が窓をうつ。地面に溶け込んで消えていく。かけ足で歩いてくるゆうちゃんが目に映る。黒いトレーナーに細身のGパン。明るい髪の毛に黒い色がとてもよく映える。「ごめん待たせて」「ええよ」そう微笑んで、抱きしめてくれる。寒さなんか吹っ飛ぶ。微笑んだ瞬間、ゆうちゃんの顔が近付く。あ、キス。そう思った瞬間、ゆうちゃんがあたしにつぶやく。「髪に雪ついてる」そういってあたしの髪から雪を落とす。優しい手で。何だキスがくるんだと思った。勝手にドキドキしてからまわりした自分が恥ずかしかった。

    2005-12-20 01:13:00
  • 69:

    NN

    ぎこちない仕草で手を繋いできたゆうちゃんにあたしが微笑む。あたしはずるい。わかってる。自分の影を隠して、まるで自分の影を雪みたいに溶かしてる。明日からはまた風俗嬢に戻らなくちゃいけない。この手を離しこの手を離れこの人に嘘をつきこの人の感触を忘れあたしは風俗嬢なのだからー..「ほんまに夢みたいやわ、ジュリちゃんと一緒にいることが」その日、ファミレス2人で語り合った。美容師になる夢を語るユウちゃんの目は輝いていた。「ジュリちゃんの夢は?」って聞かれてあたしは口ごもる。「考え中」と笑った。

    2005-12-20 01:15:00
  • 70:

    NN

    時計は22時過ぎていた。23時になるとあたしはゆうちゃんと手をつなぎ、ファミレスを出た。1人暮らししてるから家寄ってく?と聞くといいと断られた。何か誘ったように見えたかな、と、自己嫌悪に浸りながら静かに雪が降る道を歩いた。好きな気持ちが溢れてきてる。こんな気持ちになったことなかった。ゆうちゃんのことが好きだ。本当に好きみたいだ。「えーいいとこやなぁ」ゆうちゃんがマンションを見上げる。「いや、外観だけやから!中身はけっこう狭いねん」真っ白な8階建てのオートロックつきのマンション。18歳の1人暮らしには分不相応。だけどこのマンションが風俗店が用意してくれた寮です、とはいえるはずがない。

    2005-12-20 01:15:00
  • 71:

    NN

    「あっジュリ!」背後から声をかけらるれる。シュナ..あたしは顔が青ざめる。うちの店のNO1の女の子だ。先月東京からやってきた子。ワケありって店長から聞いたけど、詳しいことは本当に店長も知らないようだ。家出少女っぽい感じもする。だけど見た目は完全にコテコテ「キャバ嬢」。派手な巻き髪にでかいファーのついた白いコート。「えー彼氏?彼氏?」シュナがゆうちゃんの周りをチョロチョロ動く。「あ、初めまして。シュナです!ジュリちゃんの友達です!」「あ、初めまして。優介です」2人が自己紹介をしあってる間、あたしは気が気じゃなかった。こんな言い方よくないけど、はっきりいってシュナは「場の空気」を完全によめない子だ。風俗嬢だということがバレかねない。

    2005-12-20 01:16:00
  • 72:

    NN

    「もう寒いしいいやん、ほらっシュナ、家はいろ。ゆうちゃんありがとね、バイバイ!」シュナの背中を押しあたしはユウちゃんに手を振る。これ以上シュナとゆうちゃんを喋らせたら危険だ。「あ、ジュリちゃん、バイバイ、また明日!」ゆうちゃんが手を振る。また、明日。なんかいい言葉だ。ゆうちゃんが好きで、ゆうちゃんもあたしを好き。そう、ゆうちゃんとあたしに、明日がある。それだけで嬉しかった。

    2005-12-20 01:18:00
  • 73:

    NN

    ねぇゆうちゃん。今思えばゆうちゃんを愛しく思えば思うほど、苦しくなったのは、真っ直ぐで嘘のないゆうちゃんが眩しすぎたのかもしれへん。あたしはいったやんな。あきらめたが口癖になってしまったって。死に物狂いで戦ったことなんて一度さえないのに、いいわけばかりしてたと。だけど、あたし、最後に1つだけ死に物狂いになって戦ったことがあってん。それが、あの冬の日。最後の雪が降ったあの日の夜。

    2005-12-20 01:19:00
  • 74:

    NN

    ◆「ねぇジュリちゃん、私の部屋で飲もうよー今日ムカつく客いてさっ」シュナとあたしの部屋は横で、会ったら会話をする、あいさつする程度の付き合いだ。正直あんまりシュナのキャラクターは好きじゃない。無鉄砲というか何というか。店でも女の子の中でシュナは浮いていて、店長も心配してた。ジュリ、仲良くしてやってなぁと言われたけど、あたしは特に何もしてない。シュナに引きずられるようにしてシュナの部屋に入る。予想通りの部屋だった。カーテンがピンク色、ベッドもピンク、ディズニーのプリンセスのグッツとシャネルが散乱している。薄ピンクのテーブルにはビールのあき缶が散乱してる。シュナは確か19かそこらだったと思う。この年でもうアル中..。

    2005-12-20 01:20:00
  • 75:

    NN

    「もう疲れちゃってさぁ」冷蔵庫からビールを3,4個取り出し、ドン、とテーブルに置く。その姿は19歳の女の子っていうより、オヤジに近かった。「ねぇさっきの人彼氏なの?」プシュっと缶を開けると、シュナは笑う。「うん、そうやけど。」「かっこよかったねっ!」「ありがとう」シュナと話す会話が思いつかない。しばらく沈黙になる。「シュナはなんで大阪来たん?」ビールを一口、口にする。「うーん失恋したからかなぁ」−本当かどうかわからないけど意外な答え。あたしは少し驚いた。「ホストの子が好きだったんだーカムプリって店の彩人って子。だけど、何か、気まずくなっちゃって。」それって失恋なのか?とあたしは心の中で思った。

    2005-12-20 01:20:00
  • 76:

    名無しさん

    2005-12-20 01:21:00
  • 77:

    NN

    「でも大阪のホストかっこいいね。昨日行った店の子すごいかっこよくて。またはまりそうだなぁ。関西弁って可愛いよね。」あたしはとりあえずふむふむうなずいておいた。シュナは床に落ちていた雑誌を取り出す。「この雑誌、あたしもジュリちゃんも載ってるよねっ」シュナは嬉しそうに雑誌をめくる。あたしは雑誌をのぞきこむ。ああ、確かに。あたしのページの横にシュナが載ってる。

    2005-12-20 01:22:00
  • 78:

    NN

    「この雑誌の、ほら、見て!クラブ・ヘブンのカムイ!!もーめっちゃかっこいいでしょ??」シュナが雑誌を指差す。嬉しそうに写真を指差すシュナを横目に、雑誌を見たあたしは硬直した。田村だ..。胸まではだけた白いシャツ、シルバーのダイヤが入ったクロスネックレス。金髪の髪の毛。写真で微笑むカムイは、あたしが知ってる田村カムイと同じ人間なのに、学校のカムイの笑い顔も、雑誌で笑うカムイの笑顔も、なんだかどっちの笑顔もうそ臭く見えた。あたしとカムイが同じ雑誌に載ってる。カムイはあたしが風俗をしてること、知ってるんだろう。

    2005-12-20 01:23:00
  • 79:

    NN

    「ほんっまかっこいいんだよカムイ。東京で一番人気あるカムプリって店のNo1..氷咲カオルとよく似てるんだよー。今度へブン一緒にいこーよー」あたしはシュナの話をほとんど聞いてなかった。「ねぇシュナ..今から行かない?ヘブン」「えっなになにいきなりどーしたの??」シュナが目を白黒させる。「なんかシュナの話を聞いてたら行きたくなってん。」シュナには適当に話を作り、行きたいと言うと、シュナは即座にOKし、髪の毛を巻きだした。とにかくカムイとすぐに話がしたかった。

    2005-12-20 01:24:00
  • 80:

    名無しさん

    おもろすぎ?天才やん?

    2005-12-20 05:30:00
  • 81:

    マリナ

    NNさん、こっちこそいつもゎたしの感想に返事くれてぁりがとぅ??
    ぅゎァ?東京心中も出てきてる??まじで楽しぃ??頑張って下さぃ?p(^^)q?

    2005-12-20 06:05:00
  • 82:

    名無しさん

    2005-12-20 09:38:00
  • 83:

    こちらには初しおり。
    NNさん頑張ってくださいね☆彡

    2005-12-20 10:44:00
  • 84:

    名無しさん

    続き楽しみ?

    2005-12-20 20:18:00
  • 85:

    NN

    86さんありがとうございます。すごく嬉しいです。マリナさん、ありがとうございます。東京心中を応援してくださった方へちょっとした感謝の気持ちでちょこちょこキャラを出す予定です(^^)いつも温かく見守って居てくれて本当にありがとうございます。また気軽に感想ください。りんさん、ありがとうございます!東京心中から今まで読んでもらえて嬉しいです。期待にこたえられるように頑張ります。90さん、更新頑張りますので、また見てやってください。本当にわざわざ感想をくれた方ありがとうございました。

    2005-12-20 22:33:00
  • 86:

    NN

    ホストクラブ初体験は妙な形で殻を破った。時計は深夜2時半。ホストクラブの夜は、まだまだこれから、前半戦らしい。マンションからタクシーで15分くらいの距離。驚くことに、あたしの店のすぐ裏にクラブ・ヘブンがあった。タクシーの中で、シュナが嬉しそうにカムイと電話をしていた。「今から友達と行くねー」と告げたシュナの言葉を、カムイは新規が来ると店では言っているのだろうか。ビルの3階。エレベーターを押して3階のフロアにつくと、真っ白なジュウタンが広がり爆音でヒップホップが流れる。店内にヘブンのロゴが踊る。TVで見るまんまだな、冷静にそう思う自分がいた。

    2005-12-20 22:36:00
  • 87:

    NN

    入口に貼られたパネルには、NO1からNO5まで飾られている。NO2..あカムイだ。パネルの中でクール決めるカムイは何だか知らない人に見えた。「いらっしゃいませー」ホストの声が響く。シュナは笑顔で店内を見渡す。あんまり今までシュナと絡むことなんてなかったけど、よく見るとやっぱりこの子可愛いわ、冷静にそう思った。「シュナ!おーいらっしゃい!」「きゃーカムイっきちゃったきちゃったぁ!」目の前に現れたのは..間違いなくカムイ。スーツのシャツからのぞく素肌にネックレスひとつついてない。腕も耳も、ピアスや時計ひとつついていなかった。カムイに抱きつくシュナを見てあたしは呆然とする。

    2005-12-20 22:37:00
  • 88:

    NN

    「あオトモダチさん?いらっしゃいませ」カムイがあたしの顔を見ると同時に、顔色が変わる。「はじめまして」あたしは言った。「あ、初めまして。新規やしいろいろホスト回すな」あたしはどんな顔をしてはじめましてと言ったのだろう?カムイはあたしのどんな気持ちを察して初対面を演じてくれたんだろう?「いいです。決まってるから。カムイくん指名する」あたしは強くつぶやく。「えーっジュリもカムイ気に入ったんだぁさすがカムイ!ジュリホスクラ初体験なんだよーっこのヴァージンキラー!!」シュナが意味の分からない言葉を連呼させている間、何かいいたそうな顔をしてカムイはあたしを見ていた。あたしが聞きたい。あんたの目的は何?と。

    2005-12-20 22:37:00
  • 89:

    NN

    ゆうちゃんとあたしの仲をとりつくったと思えば、名刺を出して店への勧誘、しかも同じ雑誌に載ってたからあたしが風俗嬢だということを知ってる。カムイ、あんたは何がしたいの?テーブルに着くと、シュナが嬉しそうに鼻歌を歌う。「ご機嫌やなぁ」カムイが笑いかける。「だってシュナ、大阪に来て初めてだもんっホスクラ一緒に来てくれた友達!嬉しいよーっ」はしゃぎ続けるシュナを「そっかーよかったなぁー」と、頭を撫でて微笑むカムイ。ホストって恐い。こんな行動も発言も全て『擬似恋愛』、愛は金に変えられるってか。まぁ、人のこといえない。あたしも性と体を金に変えているのだから。

    2005-12-20 22:38:00
  • 90:

    NN

    「これからもジュリちゃん仲良くしてねっ」「うん」シュナがあたしの手を握る。この子の『こういう』キャラクターは雑誌の中だけだと思ってた。だけどこの子は風俗の中の自分と、現実の自分を、全く変えてない。『自然体』っていうんだろうか。影の匂いがしない。ちょっと羨ましく思った。シュナとカムイは楽しそうに話している。「シュナはカムイがスキなん?」2人の会話を破ってあたしがつぶやく。「いっきなりやなぁー」カムイがあたしを見る。何よ。言いたいことがあるなら言えよ。あたしはそう思った。

    2005-12-20 22:39:00
  • 91:

    NN

    「シュナはスキだよーでもねっでもカムイ、ちょーオラオラで枕しまくりだし」は?あたしは一瞬目が点になる。枕しまくり?あんたこんなこと客に堂々と言われていいわけ?あたしは驚く。「そうそう。伝説の枕ホストめざしまくり」カムイが手を叩いて笑う。何だかあほらしくなってきた。あたしは深くため息をつく。もう帰ろう。一体何しにきたんだか、全く意味わかんない。携帯を見るとメール受信一件。あたしは急いで携帯を広げる。ゆうちゃんだ。「今日はありがとう。また時間があったら一緒にかえろな。明日も朝からバイトやー!ジュリちゃん寝る時メールしてな、ちょっと話したい!」..受信時間01時..今は恐る恐る時計を見ると3時。

    2005-12-20 22:40:00
  • 92:

    NN

    またやっちゃった..あたしは一気にテンションが落ちる。寝る時メールしてなって..もう3時だ。あたしは急いでメールを打つ「シュナとちょっと飲もうって話になってちょっと話してたらとろーんとしてきて寝ちゃってた..ごめんね!!」と。どうして嘘をつくメールのときは、あたしこうして打つのがすごく早いんだろう。「ごめんシュナ、あたし帰るわ」財布から1万出し、テーブルに置く。「えーっうんわかった、また一緒に付き合ってね!」シュナに手を振りあたしは店を出る。

    2005-12-20 22:41:00
  • 93:

    NN

    あたしには愛してると言ってくれる人がいる..たとえ田村カムイがあたしが風俗嬢だと知っていても、あたしがゆうちゃんを愛してる。それだけでいい。だってそれは偽りのない真実なのだから。人に愛されるということがここまで力強くなれるなんて知らなかったよ。

    2005-12-20 22:42:00
  • 94:

    NN

    あたしがエレベーターのボタンを押そうとすると背後から手が伸びる。ハッとして振り向く。「えらい冷たいねんな。」そこにはカムイが1人立っていた。「お客さんのお見送り?そんなことしなくったってええよ。はよシュナんとこ戻りいや。」あたしがうっとうしそうな顔をすると、何でそんなことゆうんよ、カムイは笑った。エレベーターはやく、来い。あたしは頭の中で何度も繰り返した。「あたしが風俗してること、知ってるんでしょ?」「うん、雑誌で見て前からずっと知ってたで。ジュリちゃんは口止めにきたんやろ?言わないでって」カムイは即答した。その答えは間違いなく正解だった。「そうやで」あたしもごまかすつもりはない。黙ってろ。そういいにきたのだから。

    2005-12-20 22:43:00
  • 95:

    NN

    その瞬間、カムイが力いっぱいあたしの腕を引っ張る。「ちょっとなにす」あたしの口を封じるようにキスでふさぐ。あたしの体を引き寄せて、強く抱きしめる。舌が強引にかたくなに押さえつけられた唇の中で踊る。カムイの肌からはかすかに甘い香水の匂いがする。さっきは誰とキスしたの、さっきは誰を抱きしめてたの、その唇でその体であたしに触らないで!!

    2005-12-20 22:45:00
  • 96:

    NN

    あたしの唇からカムイのぬくもりが離れた瞬間、放心状態になった。カムイはあたしを見て笑う。はじめてじゃないくせに、そういわれてる気がした。あたしはつまる呼吸を抑えてつぶやいた。「カムイ。天国を探すなんて死んだ人間のすることやで」エレベーターのドアが閉まる。何なんあの男、最低!!!あたしはエレベーターの中で何度も、何度も服の袖で唇を拭く。

    2005-12-20 22:46:00
  • 97:

    NN

    外は雪に似た雨が強く降っていた。涙が頬から流れる。雪に似た雨じゃなくて。雨に似た涙なんだということに、気がつかないでいた。あの頃、純粋にあたしを愛してくれてた、本当に真っ白で汚れを知らないゆうちゃんと、ただ愛されたくて自分に嘘ばかりついて他人を傷つけてまで幸せになろうとしてたあたしと、世間から見放されてただ安らかな天国を探し続けて走り続けてたカムイと。あたし達3人の夢はきっと幸せになること、だったと思う。

    2005-12-20 22:47:00
  • 98:

    NN

    人生がよかったか悪かったかなんて死ぬときにしかわからないことだよ 今が不幸だとしても 死ぬ瞬間に幸せだったと思えたら ねぇカムイ カムイはどう思った?カムイの人生は 幸せだった?今さらだけど、聞いておけばよかったよ

    2005-12-20 22:49:00
  • 99:

    名無しさん

    2005-12-20 22:58:00
  • 100:

    名無しさん

    めっちゃ楽しみ?バリおもろい?

    2005-12-20 23:11:00
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