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??売れっ子ホステスの恋??

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  • 1:

    沙恵

    ――ここは大阪北新地。。。――亜希はここから新しい生活をスタートさせる。。

    (コピペ)

    2005-12-08 10:24:00
  • 2:

    原田亜希。現在20歳。17歳からこの世界を知り18歳でここに来た。ミナミ、キタ、十三、神戸、奈良、そしてまたキタと、店を点々としながらたくさんの経験をして、最後に辿り着いたのは北新地だった。
    「今日はダイスケと山ちゃんと豊やな。よしっ☆」スケジュール帳を見ながらHEPに向かって歩いていた。すると急に香水の香りがし、右を向くと黒服の男が爽やかに微笑んでいた。。
    スカウトマン『やっと気付いてくれた?(笑)』亜希『はぁ?あんた誰?』スカウトマン『ははっ!ひどいなぁ(笑)さっきから声かけてたのにぃー。なぁ、新地のクラブで働く気ない?』

    2005-12-08 10:25:00
  • 3:

    「新地っ!?」亜希『いや、興味ない。今の店で十分やしなぁ。』スカウトマン『今キャバクラやろ?自分みたいに清潔感ある綺麗な子がキャバクラなんてもったいないわ。安い時給で週6で、しかも長時間働いてたら正直しんどくない?』
    「…確かに・・・。」亜希『結構です。あたし今でも普通に?1やし。時給も結構貰ってるから。』スカウトマン『けどキャバクラやろ?自分みたいな子がキャバクラ止まりやなんて残念やわぁ。もっと上目指そうと思わん?もっと金ほしくない?』

    2005-12-08 10:25:00
  • 4:

    そのスカウトマンは名前だけ聞くと『いってらっしゃい☆』と手を振り去って行った。
    東通りを歩いている間も、亜希はずっと名刺を見ていた。店に入りドレスに着替えるときも、スカウトマンの言葉と名刺が頭から抜けない。。『キャバクラ止まりやなんて残念。』『時給も結構あげれるしノルマもない。』『もっと上目指そうと思わんの?』
    「確かにこの店も飽きたしなぁ。金もそんな貰ってへんし。。新地行ってみたい。けど恐いなぁ。。今後の為にも連絡だけしとこっかな。」

    2005-12-08 10:27:00
  • 5:

    そして亜希は従業員にバレない様に名刺を隠しながらメモリーに登録した。
    『さっきナビオ前で声かけられた亜希です。少しだけ新地に興味あるんで色々教えて下さい。』
    山本さんにメールを送った。すると5分も経たないうちに返事が来た。『亜希ちゃんよろしくね。今週中にでも、ゆっくり話しよっか。』「えっ!今週中?…木曜なら予定ないし…、いっかぁー。」『分かりました。では木曜、6時に〇〇喫茶店で。』
    自分でも驚く程、物事が早く進んだ。亜希はただ「新地行きたい」という気持ちが優先し、自分の身に降り掛かる不幸など考えてもいなかった。

    2005-12-08 10:28:00
  • 6:

    ――そして木曜日。――
    ついに山本と会う日がやって来た。亜希は早く喫茶店に行くとサンドイッチを食べながら携帯をいじり、山本が来るのを待っていた。。。山本『遅くなってごめんなぁ。』亜希『いえ。あたしもたまたま早く来ただけですから。』
    素っ気ない返事をすると、山本は笑いながらウエイトレスにコーヒーを頼み、亜希の向かいの席に腰掛けた。。山本『うちで働く気になった?』亜希『まだそこまで思わないです。ただ新地がどんなんか気になっただけ。』

    2005-12-08 10:29:00
  • 7:

    亜希『あの…、お店見学さしてもらっていぃですかね?(*^_^*)』 山本『おうっ!かまへんよっ。』山本の嘘臭い言葉を信じ、すでに亜希の決心は固まってしまった。「あたし新地で働くっ!立派なホステスになって、ガッツリ儲けたんねんっ♪世の中銭やっ!銭ゼニぃ!」 山本が喫茶店の会計を済ませ、亜希達は北新地へと足を運んだ。
    山本『亜希ちゃん、どうぞっ。』『club 咲良』と書かれた白くて大きな扉が開いた。。
    亜希『うわぁーっ☆すっごい!』目の前に広がる光景に、亜希は目を輝かせた。

    2005-12-08 10:32:00
  • 8:

    天井に大きく輝くシャンデリア。西洋チックなオブジェ。白と黒で統一された店内。カラオケなどは無く、店の真ん中でお爺さんがほほ笑みながらグランドピアノを演奏している。そんな雰囲気に圧倒され、亜希は口を開けたまま言葉が出ないでいた。。山本『どう?ここ気に入った?』亜希『あのっ…えっとぉ……。』ママ『あらっ!あんたが亜希ちゃん?山本から話は聞いてるよ。ほんまに清潔感ある子やねぇ!私こうゆう子好きやわ。歳はいくつ?』

    2005-12-08 10:33:00
  • 9:

    ママ『…ププッッ!あはははっ!(笑)あんた面白い!うちおいでよ。』亜希『でも今働いてる所あるし』ママ『辞めてからでいぃからさぁ。なぁ、うちおいでよっ。ねっ?』ママがジリジリと詰め寄って来る。亜希自身ここで働く気はなかったが、直感で「この人に逆らったらあかん気がする。。」と思い、しばらく考えた後『はい。』と返事をした。。

    2005-12-08 10:34:00
  • 10:

    そうしてあっという間に書き物を済ませ、ママの一方的な意見で来月の21日から働く事になった。。。亜希『そろそろ仕事なんで…。』ママ『…?あっ!そうやんな。遅くなってごめんねぇ。山本、お店まで送ってあげなさい。亜希ちゃん、来月楽しみにしてるねっ。。』亜希『あ・・・は、はいっ。。』

    2005-12-08 10:35:00
  • 11:

    愛想笑いをして店を出ると、急に全身の力が抜けた。「疲れた…」山本『はははっ!緊張したぁ?』亜希『はい。。何か仕事行く前から精神使いすぎたかもしらん。』山本『そっかぁー。けどママ、亜希ちゃんの事めっちゃ気に入ってるで☆あんなご機嫌に面接したん初めてちゃうかなぁ?』
    亜希『まじで?』山本『うん!』亜希の中で複雑に絡んでいたモヤモヤが、少しだけ溶けた気がした。。「ママが気に入ってくれてるんなら、、行ってみてもいぃかなぁ。」

    2005-12-08 10:36:00
  • 12:

    ――それから一ヵ月後・・・――ついに初出勤の日がやって来た。亜希は山本に言われた通り指定された美容院で髪をセットしてもらい、先週買ったばかりのドレスを着て店へ向かった。。
    亜希『おはようございまぁす…』扉を開けて挨拶をしてみた。だが返事が聞こえて来ない。。「早く来過ぎたかなぁ?」
    亜希『おはようございますっ!』もう一度大きな声で言ってみた。『おはようございまぁーすっ。』山本ではない、別の男の声がした。恐る恐る中へ入ってみると、、客席にボトルを置いてる黒服が見えた。。

    2005-12-08 10:39:00
  • 13:

    まだ22歳ぐらいだろうか。一瞬『ホストか!?』と思う程綺麗な顔をしている。スタイルもいいので、スーツ姿がよく似合っていた。。
    亜希『あっ、あのぉ…。はじめましてっ。今日から入った亜希です。よろしくお願い致しますっ!』『今日から来る18歳ってお前かぁー。俺チーフの前田なぁ。前田圭司。ちょっと手伝ってやぁーっ。』「はぁ!?何であたしが手伝わなあかんのよぉ。。けどまぁ新人やし…素直に言う事聞いとこっ。」

    2005-12-08 10:40:00
  • 14:

    それを聞いて亜希は自分が持ってる限りの知識で話をしようとネタを考えていた。。。
    亜希『終わりましたよぉーっ。』圭司『ありがとぉ。これ飲み。』圭司が無表情で差し出したのは、ゲストグラスに並々と注がれたオレンジジュースだった。
    亜希『何でオレンジなんですか?』圭司『お子ちゃまはジュースでえぇねん。黙って飲んどけやぁー。』亜希『はぁーっ?子供扱いしやんといてくださいよ。』
    圭司『どっから見てもガキやん(笑)ほらっ!ストローも付けたるから早よ飲めって。他の奴出勤して来たら飲まれへんで!』

    2005-12-08 10:42:00
  • 15:

    亜希『まじで!いただきます!』亜希は飲めなくなる事に焦り、急いでストローをくわえると一生懸命吸い込んだ。。
    圭司『プッ・・・!はははっ!』 亜希のリアクションを見て、急に圭司が声を上げて笑い出した。
    亜希『…プハッ!何がそんなにおもろいんですかぁ!?』
    圭司『今言うたん嘘やでぇ(笑)』亜希『もぉーっ。ほんま冗談キツイっすわぁ(>_

    2005-12-08 10:43:00
  • 16:

    そして何より仕草がとても色っぽい。女の亜希でも惚れ惚れする程、全てが完璧だった。
    結香『結香です。亜希ちゃん、よろしくねっ☆分からん事あったら何でも気ぃ使わんと聞いてな?』亜希『はっ・・・はいぃぃ。。』ギクシャクしながらも何とか挨拶を終え圭司がいる所へ戻って行った。圭司『結香さんうちの?1やで』 亜希『やっぱりなぁー。あの色気はただ者じゃないと思ったぁ。』結香『同伴行ってきます。10分頃来るから。いつものワイン用意しといて。』
    圭司『はい!』亜希『いってらっしゃいませっ!』

    2005-12-08 10:44:00
  • 17:

    結香を見送ると、圭司がせっせとワインの用意を始めた。
    亜希『それ、どこの席に持って行くん?〇〇銀行さんのとこぉ?』圭司『VIPやで。▲▽不動産の会長。うちの一番デカイお客さん。』亜希『まじで・・・?結香さん、そんな人と同伴して来るんや!』圭司『結香さんの客やからな。』「結香さん……素敵すぎる‥!」ほんの数分しか会っていないのに、亜希の頭の中に「結香さん〓デキる女」とインプットされていた。それと同時に「結香さんみたいになりたい」と、憧れを抱いた。それ程結香に魅かれていったのだ。

    2005-12-08 10:45:00
  • 18:

    『おはようございまぁーすっ。』7時50分頃、次々にホステスさんが出勤して来た。その度に亜希は丁寧に挨拶をしていき、まだ接客もしていないのに常にニコニコ笑っていた。「ほっぺた疲れた…。。」待機席でほっぺをマッサージしていた。。桃『亜希ちゃんハムスターみたい☆』 向かいに座っていた桃が亜希の仕草に笑って指差している。
    それから桃と亜希はすぐに仲良くなり、マネージャーに呼ばれるまでずっと喋っていた。。。
    桃は21歳で、すごく可愛らしい顔をしている。口調は少しギャルっぽく、ショッキングピンクのドレスがよく似合っていた。。

    2005-12-08 10:46:00
  • 19:

    歳が近いのもあってかどんどん会話も弾み、亜希達は番号交換をした。。
    桃『うちには敬語禁止なぁ☆で、うち本名「恵」やから。そっちで登録しといてっ♪普通に「めぐ」って呼んでくれていぃし。出勤前にご飯行ったりしようやぁー。』亜希『うんっ!あたしも「亜希」でいぃよっ。よろしくねぇっ。』桃『おうっ☆よろしくなぁー!』マネージャー『桃、亜希ちゃん、◇◆化粧品さんの所着いて。桃、ちゃんとサポートしたってや。』
    桃『はぁい☆亜希っ!行こっ。』桃が笑顔で亜希の手を繋ぎ、ご機嫌に待機席を立った。

    2005-12-08 10:47:00
  • 20:

    桃『あっちのハゲが社長で、その横のデブが営業部長な。社長は化粧品誉めたら喜ぶわぁ。営業部長は肌の相談とかしたら調子乗って喋りだすから黙って『ハイ。ハイ。』言うとき?いっつも発売前の試供品いっぱいくれるから好かれたら得やで。じゃっ☆行くかぁー。』黙って頷くと桃はニッコリ笑って舌を出した。桃に手を引かれ、客席へと歩いていく。。
    桃『社長っ☆部長っ☆お久しぶりですぅ!お隣失礼させていただきます。社長、ニューフェイスの亜希ちゃんですっ。可愛らしいでしょ?』

    2005-12-08 10:48:00
  • 21:

    亜希『はっ…!はじめましてっ。亜希という者です。えっと、、どうぞよろしくお願い致します。』友里子『プッ…!ははははっっ!かぁわいぃーっ☆上がってるぅ。亜希ちゃん、歳いくつ?』
    亜希『じゅうっ……はちです。』社長『18ぃ!?わしの娘より下やんけ!わっかいなぁーっ。。。』亜希『ありがとうございます。』桃『亜希っ☆部長の隣座らしてもらい?部長っ☆亜希ちゃんっ♪』部長『俺最近欲求不満やから触るでぇ(笑)〃』
    そんな冗談に笑いながら部長の隣に座り、桃に言われた通り化粧品の話をした。

    2005-12-08 10:49:00
  • 22:

    すると2人ともすごく喜んでくれ、会話も弾み、亜希自身もだんだん楽しくなってきていた。
    マネージャー『亜希さん、お願いします。』楽しい雰囲気の中急にマネージャーに呼ばれた。チェンジの合図だ。社長『何やぁ。もう行くんか?』亜希『はいぃー。あたしも離れたくないんですけどねぇー。。。』友里子『初めてやから挨拶廻りするんよっ。亜希ちゃん早くっ。』社長『そうかぁ。また来いよ。』亜希『はいっ!失礼しまぁす!』社長と部長に乾杯し、グラスを持ったまま小走りでマネージャーの所へ行った。

    2005-12-08 10:50:00
  • 23:

    マネージャー『グラスなんか持って来んでいぃよ。前田が片付けるから。次会長の席行こか。結香さんのお客さんやから粗相のない様にね』「え"っ!即効会長の席ぃ!?」 亜希『あ、、はいっ。』
    会長の席、VIPルームは個室になっており、中にはカラオケが設置されている。マネージャーに連れられ扉の前に来ると、女の人の歌声がかすかに聞こえて来た。きっと結香さんだろう。。。
    マネージャー『失礼しますっ!ニューフェイスの亜希さんです!』
    マネージャーの大きい通る声がVIPルームに響き、全員が亜希に注目した。

    2005-12-08 10:51:00
  • 24:

    ヤクザっぽい顔をした人、そしてその隣もヤクザっぽい。その間に赤ワインを飲みながら優雅に座る結香さん。その向かいでは葵さんが山口百恵を熱唱している。まるでミ〇ミの帝王に出て来る様な光景。。。亜希はその光景に体が硬直した。結香『亜希ちゃん、どうぞっ。』結香が微笑みながら手招きする。亜希は一瞬逃げたくなったが「これも仕事の為っ!」と、ゆっくり前へ進んだ。
    結香『会長、新人の亜希ちゃん。まだ18歳やから色々教えてあげてね。お酒の味も食事の味も。。』

    2005-12-08 10:52:00
  • 25:

    葵さんが亜希にワインを差し出す。亜希はワインを飲んだ事がなく、グラスに注がれた真っ赤なワインをじっと見つめていた。「これが55万かぁ…。おいしいんかな?」
    亜希『はっ…はじめましてっ。いただきますっ。』
    震える手でグラスを持ち会長らと乾杯すると、少しだけワインを口に含んだ。。「う"っ!まずっ!!」 かなり味が濃くて苦い。しかも常温のせいか喉越しが悪く、飲むに飲めない。亜希は覚悟を決めて、薬を飲む様に目をつぶって一気に飲み込んだ。「うえっ……。。」

    2005-12-08 10:53:00
  • 26:

    結香『どう?おいしいやろぉ?』亜希『はいっ!こんなおいしいの、生まれて初めてですぅっ!!』会長『そうかぁ。お前酒飲みやのぅ。ようさん飲めよぉー。』
    亜希『はいっ!いただきます!』今度は息を止めて半分くらいまで飲み込んだ。しばらくすると頭がガンガンし、目の前が霞み始めた。「やばい…頭痛いって。けど、接客しないと。会長やしな…。。」葵『あははぁーっ。会長ぉーっ。あたしぃ、よっぱらったいまったぁー(私酔っ払いました)。』

    2005-12-08 10:54:00
  • 27:

    葵さんもかなり酔ってしまっている。水割りを作ろうとしているが、視点が定まらないのかたくさんこぼしている。。
    亜希『葵さんっ!あたしやるんで代わって下さい。』ズキズキ痛む頭を押さえながら右手を差し出す。すると葵さんは席を外し、従業員用トイレへ走って行った。そのまま葵さんが帰って来る事はなく、ワインもたっぷり残ったまま…。亜希は仕方なくワインを飲み続けた。。 『亜希さん、お願いしますっ。』マネージャーに呼ばれ、会長らに挨拶すると、壁伝いに歩いて部屋を出た。。

    2005-12-08 10:55:00
  • 28:

    マネージャー『亜希ちゃん大丈夫?』 亜希『ごめんなさい……。結構きてます・・・。う"えっっ!!』 急に吐き気が襲い、その場にうずくまって口を強く押さえた。。。マネージャー『前田っ!ちょっと亜希ちゃん頼むわ。亜希ちゃん、トイレで少し休憩しときぃ?』
    亜希は首を縦に振ると、マネージャーと圭司に支えられて従業員用トイレまで歩いた。すると圭司も一緒にトイレに入って来て、亜希の背中をずっと擦っていてくれた。。
    圭司『亜希、大丈夫か?お前初日から飛ばすなやぁ。』

    2005-12-08 10:56:00
  • 29:

    亜希『ごめっ…ごめんなさい。』圭司『もうっ。アホぉーっ。(笑)』圭司は優しく微笑んで亜希の頭を撫でた。「圭ちゃん、、結構いぃとこあるやん。」トイレに顔をうずめながら圭司の優しさに浸っていた。。
    圭司『んっ。水飲んでスッキリしろ』亜希『うん。。あいやとぉ…。』まだ意識がはっきりしないまま、震える手でグラスを受け取ろうとした。だが、グラスの位置が分からなくてグラスを受け取れない。。
    圭司『もうっ。世話やけんなぁ。飲ましたるから口開けろっ!!』亜希『あーんっ。。』

    2005-12-08 10:57:00
  • 30:

    亜希は冗談っぽく口を開けた。。グラスを口元に持って来てくれると思っていた。だが、その予想は大きくはずれた。。
    圭司『亜希、、こっち向け。。』亜希が不思議そうに圭司の方を見ると、圭司が水を口に含んだのが見え、だんだん圭司の顔が近くなってきた。。そしてゆっくりと圭司の唇が触れ、亜希の顔が上を向く状態になった。すると、少しずつ水が亜希の喉を通っていった。「…っ!?今、キスしたやんな?」圭司『うまかったかぁー?(笑)』イタズラに笑う圭司。亜希はまだ何が起こったのか分からない。

    2005-12-08 10:58:00
  • 31:

    亜希『・・・・・コクンッ……。。』亜希は酔っ払いながらも小さく頷いた。するとまた圭司の顔が近づいて来る。今度ばかりはキスしようとしているのがハッキリと分かった。亜希『ちょっ、、!あかんっ!』圭司『さっきもしたのに何であかんの?俺の事嫌いなん?』
    亜希『嫌いとか…、そんなんじゃないねん。圭ちゃんとあたし初対面やのに何でこんな事するん?』すると圭司は亜希のおでこにそっとキスして、こう答えた。。。
    圭司『好きになったから……。』

    2005-12-08 10:59:00
  • 32:

    亜希『嘘やろ!?こんなときに冗談言わんといてよ!ばぁーか!』圭司『俺は本気やねんけどなぁ』「はぁっ!?!」亜希は圭司のその言葉を聞いて一気に酔いが覚めた。「こいつ何言うてんの!?」亜希『あ…、ありえへんって!』圭司『何がなん?好きになってんからしゃあないやん。あかん?』亜希『あかんに決まってるやん!あたし圭ちゃんみたいなチャラ男一番嫌いやねんっ!出てってや!』圭司『はいはい。分かりました』圭司は大きなため息をつくと、ゆっくりと立ち上がりトイレを出て行った。。

    2005-12-08 11:00:00
  • 33:

    「圭ちゃんのアホぉ!ヤリチン圭司っ!馬鹿男!あんな奴…知らんっ。」心の中でそうぼやきながら胸をきつく押さえた。心臓の鼓動がやけに激しい。鏡に映る自分の顔を見てみると、泣いてもいないのに顔だけ真っピンクだった。そっと唇に触れると、まだ圭司の感触が残っている気がした。。
    ふと水が飲みたくなりグラスに目をやる。そこには圭司の手形と口を付けた跡がほのかに残っていた。そっとグラスを持つと、亜希は何を思ったのか圭司が口を付けた跡から水を飲んだ。。

    2005-12-08 11:01:00
  • 34:

    亜希『―ゴクッゴクッ…―プハァっ!』亜希は何を思ったのか、その水を無我夢中で飲み干した。そしてグラスをぼんやり眺めた。圭司の唇の跡に重なる様に、亜希のグロスが付いている。それを指で拭き取りながらため息をついた。。
    「あたし…何やってんねやろ。」桃『―ドンドンドンッ―(ドアを叩く音)亜希ぃ!!開けてぇーっ!!』 桃がトイレのドアを勢い良く叩いた。そっとドアを開けると、桃はかなり焦った表情でトイレへ飛び込んで来た。。
    桃『ちょっ!もう限界っ!オシッコさしてぇ!』すると桃は目の前に亜希が居るにも関わらず用を足し始めた。。

    2005-12-08 11:02:00
  • 35:

    桃『はぁーっ。極楽じゃあー☆』亜希『桃…あたし外出とくわ。』桃『えぇよえぇよっ☆全然気にせぇへんしぃ(*^_^*)てか、亜希はもう大丈夫なん?あんたの姿見ぃひんと思ったら全身真っ赤っ赤で前田とマネージャーに担がれてんねんもん。ほんまびっくりしたわ!』亜希『ははっ…(苦笑)ちと飛ばし過ぎたわぁ(;^_^Aもう平気やで』桃『そかっ!今日ママ休みで良かったなぁー。ママおってこの時間に酔ってたら怒られるからなぁー。』亜希『嘘ぉ!てかママ休みなん?』桃『うんっ。店には急用って言うてるけど、どうせまたホスト行ってんねんやろなぁー。』

    2005-12-08 11:03:00
  • 36:

    桃『けどママ毎日前田ん家来て、女の気配ないか探りに来るんやってぇ。亜希、、ママがおるときは絶対前田と会話したらあかんで!じゃないとほんまに取り返しつかん事なるから。。分かったぁっ!?』亜希『う…ん。分かったぁー。』亜希は軽いショックを受け、桃の忠告に空返事をした。。
    話が終わり桃と一緒にトイレを出ると、圭司がグランドピアノの横に立って店内を見渡していた。ときどき灰皿を替えたりミネラルを交換したりと、自分の仕事を難なくこなしていく。。そんな姿を見て亜希の頬がまた赤くなる。。。

    2005-12-08 11:04:00
  • 37:

    亜希はその赤面した顔を圭司に見られるんじゃないかと思い、少し俯き加減に歩いた。すると、入り口の所でマネージャーと山本が笑いながら話をしているのが見えた。
    山本『あっ!亜希ちゃん。初日から酔っ払ってるんやって?(笑)』亜希『おはようございます!はいぃ。緊張してるせいかすぐ酔っ払っちゃって…(;^_^A』
    山本『ははっ!そうかぁー。まぁ今日は初日やしママもおらへんから酔ってもかまわんけど、今日は挨拶廻りしなあかん事と自分をどんどん売り出していく事は頭に入れといて。もう大丈夫そうやな。。じゃあ2番の〇〇証券さん行こか。』

    2005-12-08 11:05:00
  • 38:

    山本は亜希をマネージャーに任せると、亜希に営業スマイルの様な作り笑顔を見せて店を出て行った。山本がいつも外にいるのはスカウトと客待ち、そして外を歩いている店に来た事のあるお客さんを捕まえる為。そうマネージャーが教えてくれた。。 ほどよく酔いも覚め大きく深呼吸すると、大きな目をパチリと開けてマネージャーを見ながらコクンッと頷いた。「スタンバイOK!」の合図なのだ。マネージャーはこのやる気に満ちた顔が大好きなのか、嬉しそうに微笑んで亜希の背中を軽く押した。。

    2005-12-08 11:06:00
  • 39:

    亜希『失礼しまぁす。。』
    ゆっくりと挨拶し、さっきと同じ様に笑顔で接した。するとマネージャーから「帰る時間」の合図。着替えを済ませて店を後にした。
    「はぁ……。今日は疲れたな。」電車に揺られながら大きなため息をついた。。そのとき――。。。「―ブーッ!ブーッ!―【着信☆‥☆】」知らない人からの着信。「はぁ?誰ぇ!?」キャバクラを辞めてすぐに携帯は替えた。今の番号を知っているのはキャバクラ時代の太客と友達・家族・あとは山本ぐらいだ。初日というのもあり、店の客には一切番号を教えていない。

    2005-12-08 11:11:00
  • 40:

    「どうせエロサイトか何かの迷惑電話やろ。ほっとこ……。」亜希は眉間にしわを寄せて軽く舌打ちすると、そのまま携帯を閉じてバッグの中に放り投げた。だが、その番号からの着信は亜希が家に着くまで延々と鳴り続けた。。。呆れた亜希は、一発文句を言ってやろうと意を決して電話に出てみた。。亜希『はい。もしもし。誰ぇ?』『俺や俺っ。』「はぁっ!!?」亜希『あんたなぁ、さっきから何やねん!ほんっまあんた失礼やなぁ!かけて来てんから名前ぐらい名乗れや!!』『前田圭司…。』「けっ…、けっ…、圭ちゃん?」亜希は驚きの余り電話を切った。

    2005-12-08 11:12:00
  • 41:

    「―ブーッ!ブーッ!―」
    圭司からの着信が続く。亜希は震える手で通話ボタンを押してみた。亜希『もしもし。』
    圭司『お前何で電話切んねん!』亜希『ごめん。びっくりして。』圭司『どんな言い訳やねん(笑)』亜希『だってほんまやもん。てか何であたしの番号知ってるん?』亜希『入店書見たっ☆』
    受話器の向こうから、圭司のキャラではありえない様な可愛らしい声がした。。

    2005-12-08 11:13:00
  • 42:

    亜希『人の入店書勝手に見たん!?圭ちゃん最っ低!(笑)』
    圭司『うちの店な、中の人間はいつでもホステスに連絡できる様に番号知っとかなあかんねん。店長から聞いてないん?』
    亜希『そんなん知らんしぃー!』圭司『まぁええやん♪これで俺らいつでも連絡取れるし(*^_^*)』 亜希『別に圭ちゃんと連絡取らんでいいし。あたし山本さんに入れてもらってんから山本さんにしか連絡せぇへんし!』
    圭司『お前、店長辞めんの知らんのかぁ?』

    2005-12-08 11:14:00
  • 43:

    亜希『はぁ!!?知らんでっ!いつ辞めるん?てか、山本さん辞めたら誰があたしの面倒見るん?』圭司『来月の20日やで。さぁー?たぶんマネージャーやろ。マネージャーばり自己中やし人の話ほんま聞かんでぇ!まぁせいぜい頑張れや(笑)』亜希『あんたもほんま自己中!』圭司『番号ぐらい別にええやんけ。情報提供したってんからありがたく思え!――あ。また後でかけるわ。。』

    2005-12-08 11:15:00
  • 44:

    『圭ーっ!!――プーップーッ――』亜希『えっ!?圭ちゃ……。。』「切れたし。」画面を見ながらゆっくりと切ボタンを押した。だが、亜希は最後に聞こえた女性の声を聞き逃さなかった。。少し酒焼けしたハスキーな声…。一ヵ月前に聞いたあの声。。そう、咲良ママだ‥。

    2005-12-08 11:16:00
  • 45:

    「今の…ママやんな?まだ1時半やったら営業してるはずやのに。。何でおるん!?」いくら考えても理解できない。ママはあれから店に来たのか…。それとも店が早く閉店して圭司の家に来たのか‥‥。「こんなん考えるだけ無駄か。。まぁいいや。もう寝よ・・・。」客ノートも書き終わり、ベッドに入って寝る態勢に入ったときだった。「ブーッ―【着信☆圭ちゃん☆】」

    2005-12-08 11:17:00
  • 46:

    「!!?」携帯のバイブが激しく鳴りだし、驚いて適当なボタンを押した。。「通話中…01・02・03」しばらく何も喋れないでいると、圭司のダルそうな声が聞こえた。 圭司『もーしもぉーしっ!!!』亜希『あっはいっ!もしもし!』

    2005-12-08 11:17:00
  • 47:

    圭司『お前もしかして寝てた?』亜希『う、うん。そんなとこ。』圭司『そっか。ごめんな。てか、ほんっまあのババアうざいって!』「やっぱり咲良ママかぁ……。。」亜希『ババアって、お母さん?』 亜希は桃から聞いた事を隠して、圭司を試す様に質問した。。
    「圭ちゃん、ちゃんと言うかな」圭司『ん?あぁ。そう。いきなり家来てなぁ。ほんっまウザイわ。』

    2005-12-08 11:18:00
  • 48:

    亜希『そっかぁ・・・・。。。』やはり圭司は本当の事を言わなかった。自分がママのヒモだっていう事、ママと深い関係だという事を知られたくないのだろう。。それから亜希は、複雑な気持ちで圭司の話を聞いていた。。
    圭司『うちのおかんスナックで働いててなぁ、酔っ払ったらよく俺ん家来よるねん。ビールとか勝手に持って来るし。まぁ酒には困らんけど食い物持って来いってなぁ(笑)』亜希『はは…っ。そうやねぇ。』

    2005-12-08 11:19:00
  • 49:

    圭司の口から出る言葉が全て嘘に聞こえてならない。我慢できなくなった亜希は、覚悟を決めてある質問をしてみる事にした。
    亜希『圭ちゃん、あんなぁ、今日桃に『ママがおるときは圭ちゃんと絶対喋ったらあかんっ!』って言われてんけど、何かあるんっ?』圭司『……。ごめん。もう全部言うてまうわ。。俺…ママに飼われてんねん。さっき来たんもママや。』亜希『うん。分かってたよ…。』圭司『やんなぁ…。。』

    2005-12-08 11:20:00
  • 50:

    亜希『何で嘘ついたん?』
    圭司『いろんな奴に知られたらヤバイやん。しかもお前と今日会ったばっかやし。まだ知る必要ないと思って。。桃もほんま喋りやなぁ。まぁ、知られてもうたからには何か罰を与えなあかんなぁ(笑)』亜希『そんなんされんでも黙っとくし…。』
    圭司『最近の若い子は信用できひんからなぁー。』
    亜希『はぁ?他の子と一緒にすんなや!てか、あんただって十分若いやん。あんたの方が恐いわ。』

    2005-12-08 11:21:00
  • 51:

    圭司『じゃあ、もしお前が喋ったらどうする?』
    亜希『そのときは…、、罰受けたろうやんけ!』
    圭司『その言葉覚えとけよっ?』亜希『分かった。覚えとくわ。』亜希は少しリキんでそう答えた。。亜希の悪い癖【挑発されたらすぐに乗ってしまう所】。まだ若いせいか、ヤンキーっ気が抜けていないのが原因か。今回も亜希は圭司の挑発にまんまと乗ってしまった。。これがのちに、亜希にとってひどい後悔をする事になる。。

    2005-12-08 11:22:00
  • 52:

    それから約一ヵ月後――。。。
    だいぶ仕事にも慣れ、同伴・ホステス同士のコミュニケーション・接客、自分の客も呼べる様になっていた。初日以来ママは一日たりとも休む事はなく、店内で圭司と会話をする事はなかった。唯一話をするのは仕事終了後の電話だけ。。この一ヵ月間、圭司は毎日電話をかけてくれた。最初は店内の話だけだったのが、今では朝まで世間話をする仲にまで発展していった。。

    2005-12-08 11:23:00
  • 53:

    圭司『亜希ぃ、今度の三連休何か用事あるんかぁ?』
    亜希『別に何もないけどぉー?』圭司『じゃあ買い物行かんっ?』亜希『そんなんママにバレるやん』 圭司『あいつ明日から別の店のママと旅行行くねやん。絶対バレへんって。』亜希『……ほんまぁ?』圭司『ほんまっ!俺も久しぶりに羽伸ばしたいし、たまには付き合えやぁーっ(笑)』
    亜希『…しゃあないなぁー(笑)』圭司『よっしゃ!ほんなら夕方家まで迎えに行くから、詳しい場所教えといてや。またメールしてきて。』

    2005-12-08 11:24:00
  • 54:

    ある普通の木曜日。急に圭司からのお誘いが来た。。この一ヵ月間で成長したのは仕事面だけではなく、圭司への恋心も確実に育っていたのだ。。仕事中のクールでかっこいい圭司も好きだが、プライベートでの電話でたまに出す甘い声や、嫌味のない優しさに亜希は魅かれていったのだ。。

    2005-12-08 11:25:00
  • 55:

    「めぐ(桃)誘って洋服買いに行こっかなぁ。。めぐセンスいいし。」 (ここからは『桃』→『めぐ』に変更します?ややこしくてごめんなさい?)
    亜希はすぐに携帯を開き、めぐにメールを送った。めぐは前職に某有名ブランドのSHOP店員をした経験があり、いつもオシャレな格好をしている。亜希もめぐも好きな洋服の系統が同じなので、数週間前から『一緒に買い物行こっ☆』と喋っていたのだ。。

    2005-12-08 11:26:00
  • 56:

    「♪〜♪【新着メール☆めぐ☆】」 『全然OKゃでっ★ぢゃぁ土曜の夕方ミナミ集合なぁ(*^_^*)亜希に男前紹介しちゃるっ♪(笑)でゎまた明日ねぇ☆』
    「男前とかいらんしぃー!(笑)」めぐのメールに頬笑みながらメールを返信し、土曜日の事や圭司とのデートの事を考えながら眠った。。。

    2005-12-08 11:27:00
  • 57:

    そしてついに土曜日――。。
    「♪〜♪【着信☆めぐ☆】」昼間から亜希のベッドの上で携帯の着信音が鳴り響く。亜希はその着信音に驚き、まだ意識がはっきりしない中電話に出た。。
    亜希『はい。めぐ、おはよ…。』めぐ『もしかして今起きたぁ?』亜希『うん…。今何時ぃ?』
    めぐ『5時半ですけどぉーっ。』 亜希『えっ…、、えぇーっ!?』

    2005-12-08 11:28:00
  • 58:

    驚いて部屋の時計を見ると、確かに午後5時半だった。。あたたかい季節だったので夕方とはいえまだ外は明るく、亜希はてっきり『まだ昼だ』と油断して眠りこけていたのだ。。
    亜希『ほんまごめん!今どこ?』めぐ『もうミナミやしぃーっ!!』 亜希『ですよねぇ…(汗)』 めぐ『早くこおぉぉぉいっ!!』亜希『はいぃー。すんませぇん』急いで電話を切り、家中をバタバタ駆け回りながら素早く支度を済ませた。

    2005-12-08 11:29:00
  • 59:

    猛ダッシュで自転車を漕ぎながら、片手に携帯を持ってめぐに電話をかけた。めぐはそんなに怒っていない様子で、誰かとケラケラ笑いながら電話を続けていた。
    約35分――。やっとの事でミナミに着いた。めぐはなぜかアメ村のマクドに居るらしく、亜希は汗をダラダラとかきながら早歩きで商店街を通り抜けた。。
    店員『いらっしゃいませ!こちらでお召し上がりですか?』
    マクドの店員が笑顔で接客するのを適当にあしらい、アイスレモンティーだけ注文すると、そそくさとめぐの居る2階へと足を運んだ。。

    2005-12-08 11:30:00
  • 60:

    めぐ『亜希ぃ!おはよぉーっ☆』奥の席に座っていためぐが亜希の存在に気付き、片手にポテトを持ったまま笑顔で駆け寄って来た。。亜希『めぐ、ほんまごめんなぁ』めぐ『かまへんかまへんってぇ♪めぐのお気に紹介するわぁー☆』するとめぐは亜希の腕を掴んで奥の席へと引っ張って行った。
    めぐ『紹介するわっ。亜希ぃ☆』背を向けて座っていた二人の男がめぐの声と共に振り返る。。
    亜希『あっ…、どうも。はじめまして。』愛想笑いをしながら軽く挨拶を済ませ、めぐの隣の席に座った。。

    2005-12-08 11:31:00
  • 61:

    めぐ『めぐの向かいが芳樹、亜希の向かいが達也なぁ。二人とも男前やろ?(*^_^*)達也ぁー?亜希めっちゃ可愛いやろっ?』
    まるで合コンの幹事の様にハイテンションで喋り続けるめぐを見て苦笑いしながら二人の顔を交互によく見つめてみた。。「確かに…。どっちもめっちゃ男前やん・・・。。」芳樹は色黒で体格も良くスポーツマンっぽい感じ。今で言う『もこみち』似。めぐの好きそうなタイプだ。達也は芳樹とは対照的に、どちらかというと色白で細く、丁度いい具合に絞まった体格をしている。

    2005-12-08 11:32:00
  • 62:

    顔も申し分なく、成宮君と氷川きよしを混ぜた感じのややジャニーズっぽい顔で、ジャニ顔好きの亜希はすぐに達也を気に入った。
    「達也はあたしの事何て言うんやろ?」少し緊張しながらじっと達也を見つめる。。
    達也『ばり可愛いやんっ!俺こうゆう子好きやってぇ!』
    「まっ・・・まじっすかぁっ!」めぐ『やろっ?めぐのお気に♪』芳樹『えっ?お気には俺じゃなかったん?(笑)』

    2005-12-08 11:33:00
  • 63:

    芳樹がめぐに上目遣いをしながら少し口角を上げて質問する。。。めぐ『そんなん芳樹が一番に決まってるやぁんっ(*^_^*)もうっ!芳樹のばかぁっ(^ε^)-☆Chu!!』達也『おまえらイチャつくなや!』 めぐ『ごめぇーんっ☆…あーっ!もうこんな時間や!亜希、買い物行こっ☆芳樹♪今日行くから。』めぐが芳樹の耳元で囁くといそいそと片付けを始めて席を立った。めぐ『芳樹っ☆達也っ☆またねぇー!ばいばぁい♪』

    2005-12-08 11:33:00
  • 64:

    めぐが満面の笑みと大きな声でそう叫ぶ後ろで、亜希は黙って手を振り、その場を後にした。。
    亜希『あの二人、何してる人?』めぐ『見ての通りホストやでぇ。』 亜希『そうなん?!芳樹君は何となく分かるけど、達也なんか全然ホストっぽくないやん。』
    めぐ『それが達也のいい所やん。たまにはホスト離れしたホストおる方が何か嬉しいやんっ☆何色にも染まってないってゆうか。何か達也みたいな子見てたら、自分色に染めたくなってくるねんなぁー(笑)』

    2005-12-08 11:34:00
  • 65:

    めぐ『けど、めぐには芳樹がおるからぁ☆達也は亜希に任せる!』亜希『はぁ?何であたしなん?』めぐ『だって亜希男の気配ないし、もったいないねんもん。。謙虚で素直やし一緒におって飽きひんもん。顔もめぐに似てて可愛いしっ♪(笑)』
    亜希『それって誉めてんの…?』めぐ『まぁーねっ☆』
    そう言いながらめぐは可愛らしく舌を出した。。確かにめぐと亜希は『姉妹』と間違えられるくらい似ている。真ん丸い猫っぽい目に少しふっくらしたアヒル唇。雰囲気は違うが、従業員も間違える程似ているのだ。

    2005-12-08 11:35:00
  • 66:

    店内では、めぐが『黒ギャル』亜希が『白ギャル』と呼ばれ、お客さんには『オセロ』と言われている。
    そんな会話をしながら買い物を済ませ、両手にたくさんの紙袋を持ちながら、ひっかけ橋に向かって商店街を歩いた。たくさん歩いたのもあり、小腹の空いた二人は居酒屋で軽く食事をとる事にした。

    2005-12-08 11:36:00
  • 67:

    めぐ『あいっ!おつかれぇー!』亜希『おつかれぇ!乾杯っ!!』二人で景気良く中ジョッキで乾杯。そして二人共腰に手を当て、一気に飲み干した。男より男前なめぐと亜希。。
    亜希『ぶはぁーっ!やばいっ!』めぐ・亜希『ばぁりうまいっ☆』亜希『・・?』めぐ『…プッッ!』口の周りに泡を付けたまま、二人で大爆笑。それから会話が弾み、馬鹿笑いしながら延々と世間話が続いた。。

    2005-12-08 11:37:00
  • 68:

    亜希『まじで?!いいのぉー?』めぐ『うんっ!かまへんでぇ☆』亜希『やったっ♪じゃあ行く!』亜希は嬉しさのあまりめぐに抱きついた。
    ――めぐの家到着――
    亜希『おじゃましまぁーすっ…。わぁっ!でっかい部屋ぁーっ!』部屋に入るなり亜希は歓喜の声を上げた。。部屋は色々と物が多く、結構ゴチャゴチャしているのだが、それさえも感じられない程の広い空間だ。。。
    めぐ『まぁ、ゆっくりしいや。』めぐは適当に荷物を置くと、ベッドの向かいにある一人用のソファーにあぐらをかいて腰掛けた。

    2005-12-08 11:39:00
  • 69:

    亜希がベッドにこしを下ろすと、お尻が包み込まれる様にふんわりとした。そんなベッドの感触に驚きながらタバコに火を付ける。
    めぐ『あ"ーっ!疲れたぁっと!』めぐは大きく伸びをすると、コンポのリモコンを持ってスイッチを入れた。。ノリの良いトランスが程よく流れる中、二人でファッションショーをしたり一緒にお風呂に入ったりと、楽しく過ごしていた。。
    亜希『そういえば、めぐ芳樹君に『今日行くから。』て言うてなかった?ホストやろ?どうするん?』 めぐ『うんっ!行くよぉー。。』

    2005-12-08 11:40:00
  • 70:

    亜希『もしかして…あたしも?』めぐ『・・・お願いしますっ!』めぐが申し訳なさそうに頭を下げた。。
    亜希『達也もおるんなら…行く』めぐ『まじで?!ほんまっ!?』亜希『うん・・・。いいよっ。』めぐ『じゃあ、めぐお金出すし!今日は付き合ってなぁ(*^_^*)』 亜希『はいはい…(;^_^A』
    亜希は渋々OKを出し、今日買っためぐと色違いの服を着て再びミナミへと足を運んだ。。

    2005-12-08 11:40:00
  • 71:

    もう夜中だというのにミナミの街は騒がしい。。ひっかけ橋はホストのキャッチで溢れ返り、あちこちで女の子が笑顔でホストと喋っている。。 「夜中のミナミって、こんなんやったんやぁ……。」
    ミナミで働いているときは、この時間帯はずっと店の中にいたので、今の現状を見て亜希はかなり驚いた。。
    めぐに手を引かれながらひっかけ橋の真ん中辺りまで歩く。するとめぐは橋の向こうにいるホストの群れに向かって走って行った。。。めぐ『たーつーやぁーっっ!!』

    2005-12-08 11:41:00
  • 72:

    達也『…?おおっ!めぐやん!』めぐ『亜希もおるで!亜希っ☆』亜希『達也っ☆おはよぉーっ。』達也『亜希ちゃん。おはよ。。』達也は亜希と目を合わさない様に挨拶をした。
    「あたし何か悪い事したかな?」達也の態度を不思議に思いながら、達也を連れて店へと歩いた。。

    2005-12-08 11:42:00
  • 73:

    達也とはほとんど会話を交わさず、亜希から話を振っても達也の口からは素っ気ない返事が返って来るだけ。亜希はだんだん悲しい気持ちになり、店へ行くのを少し考えてしまう程になってしまっていた。。
    達也『芳樹呼んで来るから!ちょっとここで待っててなぁー。。』真っ黒な扉の向こうから爆音でトランスが響いて来る。亜希は初めてのホストクラブに緊張しながら達也が出て来るのを待っていた。。

    2005-12-08 11:43:00
  • 74:

    芳樹『めぐ!亜希ちゃん!いらっしゃい☆今おもろいとこやねん。早よ入って!!』
    真っ黒な扉から芳樹がヒョッコリと顔を出し、亜希達に手招きをした。めぐ『亜希大丈夫?行こっか!』亜希『……う、うんっ!行こ。』めぐの手をしっかりと繋ぎ、一歩一歩店の中へと歩いて行く。。。

    2005-12-08 11:44:00
  • 75:

    『――っしゃいませぇーいっ!』まるで寿司屋の様な威勢の良い声。亜希は挙動不振になりながらもペコリと頭を下げて、案内されたボックス席へと移動した。。
    お客さんの視線が痛いくらいに突き刺さる。不安になりめぐの方を見ると、慣れているのか笑顔でヘルプの男の子に酒を注文していた。

    2005-12-08 11:45:00
  • 76:

    めぐ『芳樹来たら、いつものやつお願いねっ(*^_^*)』
    亜希『いつものやつ?何それ?』めぐ『まぁ後で分かるわぁー☆』「???」亜希の頭上にたくさんのハテナマークが浮かんだ。亜希はとりあえずめぐがキープしていた焼酎の水割りを貰い、めぐとヘルプの『司』と3人で乾杯をした。
    司『あの、これどうぞ!うちの店、初回はお客さんに口座の人決めてもらうんですよ。誰と店来たとか関係ないんで、気になる人いてたら言うてください!』

    2005-12-08 11:46:00
  • 77:

    司はそう言うと、亜希に一冊の分厚い本を手渡した。表紙を開くと、ナンバー順に従業員全員の写真と個人のプロフィールが載っていた。。 「別に誰でもいいねんけどな…」そう思いながら退屈そうにページを捲っていく。そのときだった。芳樹『おうっ!飲んでるかぁ?』微酔いになった芳樹が笑顔で席に来た。めぐはもうメロメロ状態。すぐに芳樹にくっつき甘えている。。亜希はというと、ずっと司と当たり障りのない会話を続け、少しずつ退屈してきていた。。

    2005-12-08 11:47:00
  • 78:

    めぐ『芳樹ぃ、達也呼んで来たってよぉ。亜希が喋りたいって。』芳樹に寄り添いながらめぐが大きな声で言った。
    芳樹『あぁ。司、達也呼んで。』司『はいっ!分かりましたっ。』亜希『めぐぅ!あたしそんなん言うてないやん。達也ふてこいし、普通にいらんってからぁーっ。』めぐ『あんたは達也でいいの!』めぐのその言葉を聞いて亜希は何も言い返せなくなってしまった。めぐが家で言った言葉…
    『達也は亜希に任せるわぁー。』その意味。。そしてめぐが飲み代を払ってくれる以上、めぐの意見に従わないといけないのだ。。

    2005-12-08 11:47:00
  • 79:

    達也『失礼します。。』
    そうこうしてる間に達也が現われた。どうしたらいいのか分からず黙っていると、達也が亜希の隣に座った。。
    達也『どうも…達也です。名刺どうぞ。』「はぁ!?ふてこっ!」亜希『ありがとう。亜希です。』達也『・・・うん……。』
    会話終了・・・・・。。

    2005-12-08 11:49:00
  • 80:

    達也『あの、メール…待ってる。』 亜希『・・・えっ?何てっ??』達也『俺と…メールして下さい。』 達也のその言葉と真剣な目を見て、亜希はすごく強く母性本能をくすぐられた。。
    亜希『プッ…!っあははははっ!何や、そんな事かぁ!そんなん全然いいよっ。―はいっ。これアドなぁ☆』
    達也『あ、ありがとう……。。』「かっ、かっ、可愛すぎるっ!」

    2005-12-08 11:49:00
  • 81:

    亜希の携帯を左手に持ちながら懸命にアドを登録する姿を見て、亜希の胸はまたキュンッとしていた。。芳樹『達也良かったなぁー。亜希ちゃんのアドGETやん!(*^_^*)』 達也『はい!ほんまに良かったですっ!』
    めぐ『亜希いぃなぁ。こんっな男前に番号聞かれて☆羨ましいわ』亜希『いやいや(;^_^A営業やろ』めぐ『そうかなぁーっ??(笑)』芳樹とめぐが何か企む様な笑みを見せた。

    2005-12-08 11:50:00
  • 82:

    「芳樹とめぐ、何企んでるんやろ?もしかして…ハマらそうとしてるとか!?」亜希は少し挙動不振になりながらタバコに火を付けた。。亜希『さっきあんなにふてこかったん?あたし何か悪い事でもしたん?何かしたんやったら言うて』達也『別に何もないで。俺めっちゃ人見知りやねんかぁ。』
    亜希『まじで!ホストのくせに?』 達也『・・・うん。』

    2005-12-08 11:51:00
  • 83:

    照れ笑いしながら髪を触る達也の仕草を見て、亜希の中で何かが切れた。。
    亜希『達也、お客さんいるん?』達也『おらんけど・・・何で?』亜希『あたし達也口座にするわ。芳樹君、こうゆう所ってシャンパンとかおろしたらいいんやんなぁ?』芳樹『そうやけど…?』
    亜希『持ってきて。。』

    2005-12-08 11:52:00
  • 84:

    めぐと達也が驚いた表情で亜希を見つめる。それに気付かない様に亜希は平然とした顔でタバコの火を消した。。すると芳樹が立ち上がり、白いボトルのシャンパンを持って現われた。。
    芳樹『最初からドンペリはきついやろうからカフェパリにしたで。達也、初口座おめでとう!』芳樹が勢い良くコルクを抜くと、景気の良い音と共に拍手が沸き上がった。。

    2005-12-08 11:53:00
  • 85:

    めぐ『達也ぁ!おめでとうっ!』達也『あ…、ありがとうっ。。』亜希『達也これからよろしくな』コールもなしで静かに乾杯すると、達也も嬉しかったのか機嫌が良くなり、自分からたくさん話してくれる様になってきた。。
    カフェパリでみんなが微酔いになり、丁度機動に乗った所で、めぐがあらかじめ頼んでおいたピンクのドンペリが3本も運ばれてきた。

    2005-12-08 11:54:00
  • 86:

    初めてシャンパンコールを経験し、亜希はすっかり舞い上がり時間が過ぎるのさえも忘れていた。。いつのまにか周りは満席になり、カラオケでは常にシャンパンコールが鳴り響く。。 めぐ『なぁなぁ、店終わったらみんなで遊びに行こっ☆みんなめぐん家集合やでぇーっ!(*^_^*)』 芳樹『おうっ!達也も絶対行くやろ?亜希おるしぃ?(笑)』
    達也『亜希もおるん!まじで?』亜希『うん☆今日めぐん家泊まるし!達也も絶対おいでやぁー?』そんな軽はずみな約束を交わして、めぐと亜希はチェックを済ませた。

    2005-12-08 11:55:00
  • 87:

    帰りのタクシーでめぐにカフェパリ代を渡し雑談していると、達也からメールが届いた。。
    『達也やでっ?さっきはほんまにありがとう?めっちゃ嬉しかった?今日絶対行くからおってな?』そのメールを読んでいると、何故か心が和んで笑みがこぼれていた。めぐ『…一人で何笑ってんの?』亜希『ううん。何でもないっ☆』

    2005-12-08 11:56:00
  • 88:

    めぐの家に着き、少し落ち着くと、達也からのメールを返信した。。 めぐ『めぐ芳樹来るまで寝るわ。来たら起こしてなぁー。』
    めぐはそのままベッドに寝転がると、すぐにスヤスヤと寝息を立てて寝てしまった。亜希は眠らない様に小さい音でトランスをかけながら、さっきまでの事を考えていた。。。そのときだった。
    ♪〜♪【着信☆圭ちゃん☆】
    圭司からの着信。。

    2005-12-08 11:57:00
  • 89:

    携帯の画面に映る『圭ちゃん』の文字を見ると、なぜかひどい罪悪感を感じた。めぐに聞こえない様にキッチンの方へ行き、ゆっくりと通話ボタンを押した。。
    亜希『はいはい。もしもしっ?』圭司『おはよぉー。何してん?』亜希『今めぐん家いてるでぇ。』圭司『ふーん…。メール返って来ぉへんかったから何してんかな?思って☆遊んでたん?』
    亜希『うんっ。』

    2005-12-08 11:58:00
  • 90:

    圭司『お前まさかホスト行ってたんちゃうやろなぁ。』
    亜希『ホストなんか行かんよぉー。何でそんな事聞くん?』
    圭司『めぐもかなりホスト好きやからなぁ。お前にはそんなとこ行ってほしくないし・・・・・。。』亜希『えっ?今何て言ったっ?』圭司『お前が他の男とおるん嫌やって言うてんねん。』

    2005-12-08 11:59:00
  • 91:

    亜希『っ……!!?』一瞬時間が止まったかと思った。圭司の口から、そんな思いもよらない言葉が出てくると思わなかったから。。圭司『…もしぃ?聞いてるか?』亜希『あっ!ごめんごめんっ。』圭司『まぁお前意志強いし、めぐの誘惑になんか乗らんかぁー。』亜希『うんうんっ!そうやで!』圭司『じゃあまた夜にでも電話するわなぁ。今から寝るわぁー。』亜希『うんっ。おやすみぃー!』

    2005-12-08 12:00:00
  • 92:

    「はぁ・・・。。」電話を切ってキッチンの壁にもたれかかり、大きなため息をついた。
    「圭ちゃんに嘘ついちゃった…」亜希は今まで自分のしていた事を情けなく感じ、心の中で何度も「ごめん…」とつぶやいていた。。コンポの電源を切り一人用の座椅子に座って圭司からの受信メールを見ていると、少しずつ目に涙がたまっていく。。亜希はそのまま携帯を閉じて、じゅうたんの上に寝転がった。

    2005-12-08 12:00:00
  • 93:

    ――ピーンポーンッ!ピンポン!!―― ひたすら鳴り響くインターホンの音に驚き、目をパチリと開けた。どうやらあのまま寝てしまっていたらしい。「そっか。芳樹君と達也や。」だるい体を起こしてめぐを起こす。だが、めぐは酒が入っているせいかなかなか起きない。亜希は仕方なくドアの覗き穴を見て、ゆっくりとドアを開けた。。

    2005-12-08 12:01:00
  • 94:

    亜希『ごめん寝てた。どうぞ。』芳樹『やと思たわぁ。どうせめぐはまだ爆睡してんねやろ?(笑)』亜希『正解…。起こしたって、』キッチンでお茶を出す用意をしながら部屋を覗くと、なぜか芳樹はスーツもシャツも脱ぎ、上半身裸になっていた。そしてそのままベッドに近づき、めぐのおでこにキスをした。芳樹『めぐ?起きてやっ。』
    めぐ『うぅーんっ…。あ、芳樹ぃ。おはよぉ。芳樹抱っこして?』寝起きのめぐは普段ではありえない程子供らしく、すごく可愛らしい。

    2005-12-08 12:02:00
  • 95:

    すると芳樹は柔らかい笑顔をしてめぐを抱き起こすと、めぐの唇に優しくキスをした。。
    芳樹『めぐ☆ちゃんと起きた?』めぐ『うんっ。起きたぁーっ。』その光景に亜希と達也は赤面。。自分がそんな事をされるのも恥ずかしいのに、人のはもっと恥ずかしい。

    2005-12-08 12:03:00
  • 96:

    心地よく冷房の効いた部屋がやけに暑く感じたのを今でも覚えている。。
    それから4人は少し雑談し亜希とめぐの化粧直しが終わると、近所のファミレスで食事を済ませた。そしてツタヤでDVDを何枚か借りて、めぐの家で見る事になった。。
    最初に見たのはホラー映画。カーテンを閉め、電気も付けず、真っ暗な部屋にはテレビの画面が浮き上がる様に光っている。ホラー映画が苦手な亜希は、めぐに毛布を借りてくるまりながら見ていた。。

    2005-12-08 12:04:00
  • 97:

    達也『そんな恐ないってぇ(笑)』亜希『恐いもん…。』
    ベッドにもたれた状態で座っていると、達也が隣に座ってからかって来た。だが亜希の目はテレビに釘づけ。。そしてついに、一番最初の恐いシーンがやってきた。。
    亜希『ちょっ…!ほんま無理やって。。まじで無理無理ーっ!!』毛布に顔ごとうずくまり、耳を塞いでひたすら恐怖に耐えていた。すると・・・・・、

    2005-12-08 12:05:00
  • 98:

    「――っ!!?」
    急に前が暗くなり、誰かに抱き締められた。硬直して何もできないでいると、一瞬ブルガリの優しい香りがし、毛布越しに亜希の耳元で『大丈夫…、大丈夫やから…。』と囁かれた。。
    亜希『たっ・・・達也なんっ?』『もう恐い所なくなったでぇ。』警戒しながらそっと顔を上げると、そこには優しく頬笑む達也がいた。。

    2005-12-08 12:06:00
  • 99:

    亜希『――あっ!ほんまやぁ!良かった☆ありがとう。…あれ?めぐと芳樹君は?どこ行ったん?』達也『酒とお菓子買って来る言うて外行ったでぇ。』
    亜希『あ、そうなん。。じゃあ、これ辞めて他の奴見ようやぁ。』達也『いいやん。これ見よっ。』亜希『あたし恐いのほんまに無理なんやって。。なっ?辞めよ?』達也『亜希の恐がってる顔見たいから嫌っ☆(笑)』
    達也はそう言って舌を出して笑った。。

    2005-12-08 12:07:00
  • 100:

    「達也言う事聞かなさそうやし、まぁ…いっか。。」めぐと芳樹が早く帰って来てくれるのを願いながら、亜希はまたテレビへと目線を移した。。
    だが、テレビよりも何故か隣に座っている達也の方が気になってしまって映画に集中できない。めぐ達の帰りも遅い。「もしかして……ハメられた!?」

    2005-12-08 12:08:00
  • 101:

    達也『亜希、こっちおいでや。』達也が亜希の肩に腕を回し、自分の方へ引き寄せようとする。
    亜希『ここで十分見えるから…』達也『寂しいねん。。来て…。』達也のすごく寂しそうな顔を見ると、また母性本能が疼き始めた。亜希『もう。しゃあないなぁ。』

    2005-12-08 12:08:00
  • 102:

    仕方なく達也に寄り添う様に座り、相変わらず毛布にくるまって映画を見ていると、今度はベッドに座らされた。そして達也が毛布の中に入って来て、くすぐったり体を触って来たりと……何かとちょっかいをかけて来る。。
    亜希『もうっ!邪魔せんといて』達也『だって暇やねんもん。。』亜希『見といたらいいやん…。』達也『亜希と遊びたいねんっ。』亜希『はぁ!?何言うてんの!』達也『亜希ぃ、遊んでぇやぁ。』

    2005-12-08 12:09:00
  • 103:

    亜希『ほんま何言うてんの・・・ひゃあっっ!』
    映画もクライマックスになり、突然画面が今まで以上に恐いシーンになり、恐くなって目をきつく閉じた。。その瞬間、達也の強い力でベッドに押し倒された。。
    達也『こうしたら見えへんやろ?亜希ほんま可愛いよなぁーっ。』亜希『はぁ?馬鹿にしてんの?』達也『じゃあ見る?』
    亜希『・・・。嫌や…。』
    達也『やろ?ほんっま可愛いわぁ。もう恐いのは終わりなぁっ。』すると達也はテレビとDVDの電源を切って亜希の上にまたがり、真っすぐな目で亜希を見つめた。。

    2005-12-08 12:10:00
  • 104:

    人形の様に固まったまま達也を見ると、、今までの達也とは全く違う、『獣の達也』がそこにいた。亜希『達也どうしたん?‥っ!』急に達也に顔を持たれ、無理矢理に近いキスをされた。そして、焦る様に亜希の体を撫でる様に触る。達也『俺…亜希の事好きやねん』亜希『だからって、こんな事していいと思ってるん?』
    達也『だって好きやねんもん。』亜希『好きやったら何してもいいんや。』
    達也『あかんって分かってるけど好きやから止められへんねん。』

    2005-12-08 12:11:00
  • 105:

    亜希『その言葉、誰に教えてもらったん?』達也『・・・・・。』こんなにも体を求められているのに、亜希はすごく冷静でいた…。亜希の心の中にはずっと圭司への想いがあったから。。遊びで抱かれたりなんてしない。いくら相手が自分のタイプだとしても決して体を許さない。『本気で好きな人にだけ抱かれたい。。』それが亜希のポリシーなのだ。

    2005-12-08 12:12:00
  • 106:

    達也『はぁ…。ごめんなさい。』大きなため息をつきながら亜希の隣に寝転がった。そして腕枕をしながら天井を見上げ、小さな声で謝った。。
    達也『亜希は…他の女と違う。』亜希『他の女はすぐ食えたやろ』達也『うん。ちょっと色かけただけですぐついて来るし、ちょっと甘えたらすぐ股開いてきた。。』亜希『あたしも一緒と思った?』達也『正直・・・なぁ。(;^_^A』亜希『よく言われる…(笑)』

    2005-12-08 12:13:00
  • 107:

    達也『昔っからそんなんなん?』亜希『昔なぁ…。遊んでたな。』達也『いつから変わったん…?』亜希『処女捨てて半年後くらいかなぁ。初めて付き合った彼氏にヤリ捨てされてん。あたしはほんまに好きで抱かれたのに裏切られてん。それがめっちゃショックで、それ以来自分の体なんかどうでも良くなってヤリまくってたで。そしたら憧れてた先輩に『あんたはそんな簡単に股開くしょうもない女やったんか!』って言われてからやっと目覚めたって感じかなっ。。』

    2005-12-08 12:14:00
  • 108:

    亜希『あたしがこんな事言う権利ないけどさ、達也もほんまに好きな人を抱き?達也の彼女悲しむで…。彼女、待ってるんやろ‥?』達也『…亜希、ありがとう。。』亜希『うんっ。ばいばいっ…!』亜希はベッドに座ったまま達也に笑顔で手を振った。。
    「ほんまはあんな話嘘やけど☆」

    2005-12-08 12:15:00
  • 109:

    亜希は達也の押しから逃げる為に嘘をついたのだ。達也を傷付けない様に、そして自分の身を守る為に・・・。
    めぐ『ただいまぁーっ!あれっ?達也どこ行ったぁ?トイレぇー?』 亜希『彼女待ってるからって帰って行ったで。あたしも二人の邪魔せん様に帰りまぁーすっ☆(笑)』めぐ『えっ!ほんまに帰るん?』めぐから『ありがとう』の合図。口ではあんな事を言っているが、本心は『二人っきりになりたい』なのだ。。
    亜希『うんっ。ばいばぁーい!』

    2005-12-08 12:15:00
  • 110:

    タクシーに乗り家に帰った頃には、辺りは真っ赤な夕焼け空。昨日買った洋服を一着一着見ながら、圭司とのデートに着て行く洋服のコーディネートをした。。
    「圭ちゃん可愛いって言うてくれるかな…♪早く遊びたいなぁ☆」家に帰ると圭司の事ばかり考えて一人で舞い上がっていた。。

    2005-12-08 12:16:00
  • 111:

    亜希『遅れてごめんなぁっ(汗)』圭司『別にいぃで。てか…あの人亜希のオカン‥やんなぁ・・・?』 振り返って玄関の方を見ると、庭の水まきをするフリをしてこっちを凝視しているお母さんがいた。目が合うとニカァッと頬笑み手を振って来る。「やめてくれぇ!」心の中で絶叫しながら笑顔を作った。亜希『はっ……、ははっ!(;^_^Aまぁ、そんなとこ!行こっか☆』

    2005-12-08 12:18:00
  • 112:

    助手席に座りドアを閉めると、ゆっくりと車が進んだ。お母さんに見送られながら(?)神戸へと車を走らせる。。
    圭司『亜希のオカン可愛い人やなぁー。俺あぁゆう人好きやわぁ。』亜希『そ‥そうかな?あはは…』車の中で最初に話した言葉……。お母さんの話・・・。お母さんの出現のせいで、亜希の頭の中でまとめていた計画が崩れていった。「お母さんいらん事して…。もうっ!全部台無しやんかぁーっ。」

    2005-12-08 12:19:00
  • 113:

    圭司『・・・何、してんねん?』亜希『あっ、ははっ!はぁ…。』圭司『そんなん置いて行けや。』亜希『何言うてんの!絶対嫌!』圭司『じゃあ先行っとくわな。』亜希『まっ…待ってぇやっ!!』――ベリィーッ!――「…まじで?」鈍い音と同時に、すごく嫌な予感がした。ミュールのかかとどころか…底の生地がはがれて捲れていたのだ。亜希はその場にへたり込み、大声で泣きわめいた。。
    「何でこんな大事な日に嫌な事ばっか起こるん!?もう最悪や!」

    2005-12-08 12:22:00
  • 114:

    「圭ちゃん、これから一生遊んでくれへんかもしらんよ…なぁ。」するとそこに、圭司が近寄って来た。圭司はマンホールの上で無惨な姿になったミュールを見ると、亜希をゆっくりと抱き上げた。
    圭司『ほら。靴買いに行くぞ。』亜希『・・・うん。。でも…。』圭司『金なら気にすんなやっ。』圭司は相変わらずクールな顔をして前を見ながら歩いていく。圭司に抱き上げられて亜希の機嫌もすっかり良くなり、幸福感と優越感にひたっていた。。
    圭司『着いたで。好きなん選べよ。何やったら俺選んだるわ(笑)』

    2005-12-08 12:22:00
  • 115:

    圭司が冗談を言いながらゆっくりと亜希を下ろした。そこは某有名店ダイ〇〇。安い靴屋でしか買った事のない亜希にとって憧れの場所でもあり、まだ若い亜希には足を踏み入れてはいけない場所だと思っていた。。いつもショーウィンドウの向こうから覗いているだけ。。店員『いらっしゃいませ。どういった物をお探しですか?』
    スーツを着た美人な店員が笑顔で話しかけて来る。亜希はそんなのもおかまいなしに、デザインの可愛い靴を手当たり次第履いていった。

    2005-12-08 12:23:00
  • 116:

    圭司『お前キラキラしたもん好きやなぁ。』亜希『うんっ!大好き!』圭司『でも俺はこれが一番似合うと思うねんけどなぁ。』
    すると圭司は一足のシンプルなミュールを差し出した。シルバーでラメがあしらわれてあり、真ん中に取り外し可能の大きなリボンが付いている。ラインストーンがたくさん付いてるのが好きな亜希にはそれがシンプルに感じ、『可愛い』とは思ったが、そんなに履く気にはならなかった。だけど、圭司が亜希の為に選んでくれた靴。おそるおそるそのミュールに足を入れてみた。。

    2005-12-08 12:24:00
  • 117:

    店員『よろしかったら鏡使われて下さいね。』
    店員が大きな鏡を持って来てくれて、そのままゆっくり立ち上がり、鏡の前でモデルの様に止まった。「結構…いや、ばりいいやん!」鏡を見て初めて驚いた。
    店員『わぁ☆お似合いですよ!』亜希『圭ちゃん、どう思う…?』圭司『やっぱえぇやん。一番似合ってるわ。すいません。これください。』

    2005-12-08 12:25:00
  • 118:

    亜希『圭ちゃん、ありがとう☆』圭司『礼なんかいらんってぇ。』亜希『この靴一生大事にする!』圭司『大袈裟やなぁーっ。(笑)』顔を赤くしながら笑顔で圭司にお礼を言った。今度は圭司と並んで歩いている。「周りから見たら…亜希らカップルに見えるんかな?」 そんな事を考えながら大通りを歩く。。

    2005-12-08 12:27:00
  • 119:

    いざ隣を歩くとさっきよりも欲が出てしまい、今度は手を繋ぎたくなった。歩く毎に亜希の手に触れる圭司の綺麗な手…。その度にドキドキして、せっかくのデートなのに会話もままならないでいた。。。圭司『――亜希?聞いてんか?』亜希『…あっ、うん!(*^_^*)』 圭司『お前今日ずっとボケーっとしてんなぁ(笑)眠たいんかぁ?』
    亜希『ううんっ!全っ然!(笑)』圭司『そか?亜希何食べたい?』亜希『えっと…和風のパスタっ!』圭司『よっしゃ!じゃ行くか。』

    2005-12-08 12:28:00
  • 120:

    すると圭司はたくさんの紙袋を持っているにも関わらず、亜希の荷物まで持って車を停めた場所へと歩き出した。。
    亜希『圭ちゃん、どこ行くん?』圭司『ん?俺ん家やで(*^_^*)』 亜希『えっ!?圭ちゃん家…?』圭司『俺がばりうまいパスタ作ったるわっ☆期待しとけよぉーっ?』

    2005-12-08 12:29:00
  • 121:

    圭司『俺こう見えて料理上手いねんで。昔洋食屋でバイトしてたから洋食得意やし。一時期本気で料理学校行こう思ってたもんなぁ。』圭司が運転しながらご機嫌に話す。その隣で亜希はずっと緊張していた。。
    「圭ちゃん家…かぁ。。てか、あたしなんかが行っていいんか?」そうこうしてる間に、大きなマンションの駐車場に車が停まった。圭司が助手席のドアを開けてくれて、亜希はずっと圭司の服を掴んだままエレベーターに乗り込んだ。。

    2005-12-08 12:29:00
  • 122:

    圭司『…うんっ?どうしたん?』亜希『いや、別に・・・・。。』圭司『ほんまお前変な奴やなぁ』エレベーターの中でそんな会話をしていると、あっという間に最上階に着いた。エレベーターを降りると、ママの家がすぐに分かった。まるでどこかのパーティーみたいに完璧にガーデニングの施された入り口。大きな表札には本名で『加藤美代子』と書いてあった。「す…すげぇ。」ママの家に圧倒されていると、圭司がママの家から一番離れている部屋へと歩いて行った。その家もママの家と同じ様に入り口があり、壁に折畳み自転車が立て掛けてあった。

    2005-12-08 12:30:00
  • 123:

    亜希『圭ちゃん家とママん家離れてんねんなぁ。隣同士やと思った』圭司『俺がこうしたのっ!(笑)』圭司が笑いながら部屋の鍵を開け、亜希を招き入れた。部屋はほとんどが黒で統一され、淡いライトとフローリングの色や壁の白さが引き立てられている。。キッチンの近くには熱帯魚の水槽があり、まるでドラマのセットの様に幻想的だった。。
    真っ黒なソファーに座ってテレビを見ていると、圭司が部屋着に着替えて前髪をゴムでくくりながらキッチンに立った。
    圭司『今作るから待っといてな』亜希『うんっ。。』

    2005-12-08 12:31:00
  • 124:

    タバコを吸いながらテレビを見たり熱帯魚を見たりしていると、キッチンからいい匂いがしてきた。亜希はテレビどころか圭司の方が気になり、そっと圭司に近づいていった。。亜希『めっちゃいい匂い!ちょっと味見さしてぇや!』
    圭司『手伝うんやったら食っていいで。』亜希『やるやるぅー☆』圭司『じゃあこれ炒めてフォークとスプーンとコップ出しといてなぁー。』 亜希『了解っ☆』

    2005-12-08 12:32:00
  • 125:

    圭司『……うんっ!食ってみ?』圭司が一口味見すると、ニッコリ笑って頷き、もう一度手で野菜を取ると亜希の口元へ持って来た。。。亜希『・・やばい!おいしい!』圭司『やろ?俺ほんま天才やわ』亜希『あたしが愛情込めてやったからやし!』圭司『はぁ?(笑)』圭司はそう言って笑いながらフライパンにパスタを入れて絡めていく。。それを二人で見ながら雑談していると、圭司が急に黙り始めた。。亜希も黙ってボーッと熱帯魚を見ていると、少ししてから圭司が口を開いた。
    圭司『こうしてたら俺ら付き合ってるみたいやんなっ☆』

    2005-12-08 12:34:00
  • 126:

    亜希『――…!!?えぇっ!?』圭司『そのリアクション何やねん(笑)』亜希『いやっ、いきなりそんなん言うからびっくりして・・・。』圭司『えっ、何?意識してん?』亜希『意識とかしてないしっ!』圭司『ふーん。まぁええけどな。よっしゃできた!食べよかっ☆』

    2005-12-08 12:35:00
  • 127:

    圭司がパスタとサラダをテーブルに置き、向かい合う形で椅子に座った。亜希『いっただっきまぁーす!』圭司『どうぞっ。』
    亜希『…んーっ!ばりうまい!』圭司『うまいやろ?』
    亜希は満面の笑顔で頷きほっぺいっぱいにパスタを詰め込んだ。その向かいでは圭司がほほ笑みながら亜希が食べているのを見ている。亜希『圭ちゃん、食べへんの?』圭司『お前めっちゃうまそうな顔するから観察してんねんっ(笑)』亜希『は?(笑)圭ちゃんも食べぇやっ☆何なら食べさしたろか?』圭司『うん。食わしてやぁ(笑)』

    2005-12-08 12:36:00
  • 128:

    亜希『はいっ!あーん(*^O^*)』 圭司『…モグモグ…。うん。OK!』二人の間にまったりとした優しい空気が流れる。亜希はこの時間をもっと長く味わっていたくて、わざとゆっくり食事をした。
    食事も終わり亜希が食器をまとめて洗い場へ持って行くと、圭司が『手荒れしたらあかんからホステスはあんまり洗い物したらあかん!』と言ってキッチンの洗い場に行ってしまった。亜希はまたソファーに座り、また退屈そうにテレビを見ていた。

    2005-12-08 12:37:00
  • 129:

    圭司『ふぅー。終わったぁ!亜希退屈やろ?DVDか何か観るか?』 亜希『うん!泣ける奴観たい☆』圭司『泣けるやつなぁ…じゃあこれでも観る?めっちゃいいで。』すると圭司は一端寝室に入り、一つのDVDを持って来るとデッキに入れて再生した。。
    そのDVDは・・・、東京のホストと地方から上京して来た風俗嬢の悲しくも幸せなラブストーリー。。地方で水商売をしていた女の子が、大手企業の社長と愛人契約を結び上京する。お金もあり働かなくても裕福な暮らしができた。だがある日、社長の会社が倒産し、社長は行方を眩ました。。

    2005-12-08 12:37:00
  • 130:

    そして二人は幸せなキスを交わし交際がスタートした。だがそんな幸せも長くは続かなかった。『忙しくて逢えなくなる。少し距離を置こう。』祥からのメール。彼女は祥の仕事をよく理解できなかったが、祥を困らせてはいけないと距離を置いた。それから数ヵ月後…。仕事を終えて携帯を見ると祥からメールが届いていた。『ごめん』。ただそれだけ。彼女は祥に何かあったのかと心配し、急いで祥の家を訪ねる。鍵が開いたままのドアを開けリビングへ走った彼女の目に映ったものは…。大量の錠剤と眠る様に死んでいる祥の姿だった。

    2005-12-08 12:39:00
  • 131:

    そして祥の手に、しっかりと携帯が握り締めてあった。「送信しました」携帯の画面を見て彼女の目からまた涙が溢れだした。彼女は祥の髪や顔を撫でながら『ずっと辛かったんだよね。祥よく頑張ったね。だけど、私を置いてくなんてひどいよ。私だって辛かったんだから。今からそっち行くね?』青くなった祥の唇に優しくキスすると、彼女はたくさんの錠剤を飲み込み、祥に寄り添いながら眠る様に死んでしまった。。
    「私達…やっと幸せになれたんだね。これからはずっと一緒だよ。…ね?祥・・・・。」

    2005-12-08 12:40:00
  • 132:

    その言葉を最後に、映画が終了した。エンドロールに映る二人が笑っている写真、キスしている写真、手を繋いではしゃいでいる写真。。。その一つ一つを見ていると、圭司が目を潤ませながら停止ボタンを押した。。
    圭司『お前っ、泣きすぎやで。』亜希『だってぇ…あんなん悲し過ぎるやん…。ほんま残酷やわ。。これってツタヤとかに置いてる?』圭司『いい映画やろ?これ俺の連れが学校で作った作品やからどこにも置いてへんねん。ちなみに祥が連れで、主人公の子が連れの彼女やで。演技うまいやろ?(笑)』

    2005-12-08 12:41:00
  • 133:

    亜希『うん…。ほんまにすごい。何の学校行ってる人らなんっ?』圭司『役者の学校やで。将来俳優になる奴が行く所っ。こいつらもつい最近まで夜やっててんでっ☆今はもう上がって俳優目指して頑張ってるけどなぁ。連れ昔っから演技うまかったからなぁー(笑)』亜希『ははっ!(笑)そっかぁー。昔一緒に働いてた人やんなぁ?』圭司『せやで。超が付く程の色ホス!まぁ俺も負けじと色使いまくってたけどなぁ。』

    2005-12-08 12:42:00
  • 134:

    亜希『はぁ?(笑)じゃあ昔みたいに色ってみてぇや!』
    圭司『何でそんなんせなあかんねん。お前欲求不満か?(*^_^*)』 亜希『あほかっ!そんなんちゃうわっ!ただ『どんな風に女騙して来たんかなぁ?』と思って。。』圭司『・・・・・やったろか?』亜希『…。う、、うんっ。。。』

    2005-12-08 12:43:00
  • 135:

    すると圭司はタバコの火を消して、少し大きく深呼吸すると亜希の方を見た。「…!圭、、ちゃん?」亜希の顔が一瞬にして赤くなる。いつもの圭司じゃない。いつもの優しい目じゃない。。キリっとした目付きに、少し上がった口角。自信に満ち溢れた表情。深呼吸一つでホストの圭司が目覚めたのだ。。

    2005-12-08 12:44:00
  • 136:

    圭司『亜希、こっちおいでや。』肩に腕を回して亜希を引き寄せる。亜希の頭が圭司の胸元に当たり、圭司の心臓の鼓動がゆっくりと聞こえる。。
    圭司『亜希ぃ、、顔見して…?』亜希『うん?』
    圭司『可愛いな。俺亜希の事好きやねん。全部俺のモンにしたいねん。亜希は俺の事どう思ってる?』圭司と亜希の顔の距離、約数十センチ。そんな至近距離で、しかも大好きな圭司にそんな甘い言葉を言われた亜希はもう失神してしまいそうな程圭司に酔ってしまっていた。

    2005-12-08 12:44:00
  • 137:

    亜希『…あたしも…、好き。。』圭司『・・・プッ!はははっ!!』亜希『何で急に笑うんよっ!?』圭司『お前騙されやすいよな。』亜希『えっ?…あ、そうかも。』圭司『男に散々弄ばれて結局最後には捨てられるタイプやろ?(笑)』亜希『うん…。何で分かるん?』圭司『一発で分かるわ。何年女扱う仕事してると思ってんねん。』亜希『そうやんなぁ……。。。』圭司の言葉に少し落ち込んでいると、圭司がまたタバコを吸った。。亜希がふと圭司の顔を見上げると、いつもの優しい圭司に戻っていた。

    2005-12-08 12:45:00
  • 138:

    圭司『まじで!ほんまにいい?』亜希『うんっ!圭ちゃんがいいねん。……あーっ!ママ!ママはどうするん!?』
    幸せ過ぎて忘れてた。ママという存在。。亜希にとってママは先生の様な存在であり、最強の敵なのだ。圭司『あいつの事は心配すんな。絶対バレへん自信あるからっ☆』 亜希『けどママ勘鋭いし、しょっちゅうココ来るんやろ?無理やって』圭司『それが大丈夫やねんな。』自信あり気に微笑む圭司。。

    2005-12-08 12:47:00
  • 139:

    コピペ

    コピペここまでです。
    この作品には多数の応援レスがついていましたが省かせて頂きました
    沙恵ちゃん気ついたら続き書いてね。

    2005-12-08 12:50:00
  • 140:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 141:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 142:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 143:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 144:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 145:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 146:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 147:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 148:

    名無しさん

    頑張って

    2005-12-08 22:48:00
  • 149:

    削除

    削除されますた

    あぼ~ん
  • 150:

    名無しさん

    ?

    2007-01-30 16:26:00
  • 151:

    名無しさん

    あけ

    2007-01-31 00:38:00
  • 152:

    名無しさん

    えっ終わりですか??
    めっちゃ面白くて入り込んでたのに(>_

    2007-02-01 08:57:00
  • 153:

    名無しさん

    書いて??マヂ気になる?凄いおもしろい?

    2007-02-01 09:34:00
  • 154:

    名無しさん

    ???????

    2007-02-26 16:48:00
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