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伝えたい言葉

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  • 1:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    あの日の君に会いたい。
    あの頃のあたし逹は、もろくて………弱くて…………。
    もう一度あの時のあいつらに会いたい……。

    2006-06-21 03:06:00
  • 2:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    「あい!!今日、走りに行くぞ!!」
    龍のいつもの声で、あたしは眠い目をこすりながらあくびをした。
    龍は、あたしの二歳年上の16歳。何よりも単車が好きで、走りに行くと聞けば目を輝かせて飛び出て行く。
    「夜やろ?まだ昼やん!寝かせてや。」

    2006-06-21 03:14:00
  • 3:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    「せやけど………ってかあい!!お前、何学校さぼってんねん!!」
    龍とは、家も近所とゆうこともあって小さい頃から仲が良い。いわゆる幼なじみとゆう奴だ。
    「あ"ー!!!うるさいうるさい。龍やって学校なんてほとんど行ってへんやんか!!」
    だだをこねるあたしを無視し、制服を渡してくる龍。

    2006-06-21 03:24:00
  • 4:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    中学一年生の時は、龍逹がいたしけっこうちゃんと行っていた。
    でも、龍逹が卒業してしまってからは、ほとんど行ってない。ずっと龍逹と居たあたしには、同級の友達がいなかった。
    怖がられてしまっていたようで、敬語でしか話しかけられなかったし、浮いた存在……って言葉がぴったりだった。
    「乗れ!!」

    2006-06-21 13:16:00
  • 5:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    龍自慢の単車にまたがり学校に連行されるあたし……。
    「行きたくない………。」
    龍の広い背中に抱きつく。龍ちゃんの匂い。この匂いは何だか落ち着く。あたしの好きな匂い……。
    「あかん!!学校終わる頃また迎えに来たるから!!行け!!」

    2006-06-21 13:29:00
  • 6:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    ……龍ちゃんのバカ。
    学校の門の前でおろしてもらうと、校庭で体育の授業をしていた一年生があたしに注目する。
    「こわいなー」「あの人が、浜田あいさんやんな?」「キレー」「結構ちっさいな。」「あの単車の人、彼氏なんかな??」
    ………聞こえてますから。こわくて悪かったなー!キレーゆうた子は、ええ子やんか♪ちっさいとか腹たつわ……龍ちゃんは彼氏ちゃいます!!

    2006-06-21 13:38:00
  • 7:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    心の中で、返答しながら下駄箱に入って行く。
    「浜田ー!!!来たんか!!えらいぞ♪」
    この学校の校長は変わっている。学校に来ただけでえらいとか言われても…。
    「龍ちゃんに連れてこられてん……」

    2006-06-21 13:44:00
  • 8:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    無愛想に返答すると、あたしは教室に向かう。
    ジャムオジサンはまだニコニコしながら手をふっている。きっといい校長なんだろう。
    階段をのぼって行ってると、踊り場に何人かが座ってタバコをすっている。
    「あい!!あいやん♪久しぶり〜!!」

    2006-06-21 13:52:00
  • 9:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    一つ年上のやすが声をかけてきた。やす逹は、龍ちゃん逹とよく一緒に居るから仲が良い。
    「龍ちゃんに連れてこられてーん。あのおっさんダルイわぁ!!」
    「龍くん今日仕事休みやったんや!てかほんま仲良い夫婦やなぁ♪」
    あたしと龍ちゃんは、周りに夫婦と呼ばれている。幼なじみやから毎日いてるだけで、付き合ってるなんてことはないのに…………ただ…………。

    2006-06-21 14:04:00
  • 10:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    あたしは密かに龍ちゃんが好き……。
    幼なじみだし、龍ちゃんにとったらあたしなんて妹のようなものだろう。
    龍ちゃんは、女の子にもてる。背は182cm、髪の毛はサラサラの金色で、奥ぶたえだけど黒目がちの綺麗な目、鼻筋はとおっている。

    2006-06-22 01:34:00
  • 11:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    モデルみたいな体型と顔なのに、龍ちゃんは人を笑わすのが大好きで、とにかくよく喋る。いつも笑顔の龍ちゃんは、あたしにとってもみんなにとっても太陽のような人だった。
    そんな龍ちゃんの妹でいられるだけ幸せだ。
    そう思ってた。この心地のいい関係を手放したくなかったから。

    2006-06-22 02:07:00
  • 12:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    「夫婦とかやめてーや!!まッうちは授業うけてきます♪あんたらも受けなあかんで!!」
    あたしは、やす逹にヒラヒラ手を振ると教室に向かって歩きだした。
    自分の教室に入ると、クラスの子逹や先生までもがビックリした目であたしを見る。
    慣れてるけど、やっぱこの空気は好きじゃない。

    2006-06-22 02:18:00
  • 13:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    同級生にやんちゃな子がいないわけじゃない。
    仲の良い子もいたけど、男ばっかりだった。
    …………つまらへん。
    龍ちゃんと一緒じゃない時は、何をしてもつまらない。

    2006-06-22 02:24:00
  • 14:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    キーンコーンカーンコーン
    終わりや!!
    あたしは急いで教室を飛び出て、校門までダッシュ!!
    龍ちゃん絶対女にかこまれてるやろなー。

    2006-06-22 03:31:00
  • 15:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    思った通り、校門で待つ龍ちゃんの周りには、女逹がまとわりついている…。
    「龍ちゃん!!」
    つい声が大きくなるあたし…。
    「愛〜♪おつかれや!!乗れや!!」

    2006-06-22 03:36:00
  • 16:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    女逹の恐ろしい目線………。
    無視、無視。
    「俺んち来るやろ?」
    「うん!」

    2006-06-22 03:39:00
  • 17:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    あたしは夕方からは絶対に家にいない。
    ママの彼氏が仕事から帰ってくるから。
    あたしが生まれてすぐに、本当のパパはなくなった。最初からいないから、寂しいなんて感じないし、パパはいなくて当たり前。ただ周りの同情の目がうっとうしかった。

    2006-06-22 03:44:00
  • 18:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    ママは、あたしを育てるために水商売をやっていて、綺麗なママはあたしの自慢だった。
    ただ、ママは一人じゃいられない…。すごく寂しがりやのママには、いつも彼氏がいた。
    いつだったかな?ママが彼氏と別れて泣いてた時、聞いたことがある。

    2006-06-22 03:49:00
  • 19:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    「ママ?あいだけじゃあかんの?あいだけじゃママ寂しい?」

    2006-06-22 03:50:00
  • 20:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    ママは、何も言わずに泣いていた…。
    今の彼氏ができたのは、あたしが中学に入ってすぐ。ママよりずっと年下で、初めて会った時から何だか苦手だ。
    だから、夜はいつも龍ちゃんの家で寝る。
    龍ちゃんの隣やないとゆっくりねられへんもん……。

    2006-06-22 03:56:00
  • 21:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    龍ちゃんの家につくと、ひさぽんとゆうじが勝手にくつろいでいた。
    ひさぽんとゆうじは、龍ちゃんとおない年で、同じ暴走族のチームに入っている。
    「あい〜おじゃましてるで♪」
    ひさぽんがケラケラ笑いながらしゃべりかけてくる。

    2006-06-22 04:04:00
  • 22:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    ……ひさぽん、何か目とんでるし。くさい…。
    「何してるん?ひさ!!キマってるなら出てけや。あいの前でしたらあかんゆったやろ!!」
    ひさぽんとゆうじはシブシブ出て行った。
    「ひさぽん、シンナーしてたんちゃうん?ネタくさかった!」

    2006-06-22 14:47:00
  • 23:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    「お前はそんなんしらんでいいねん!」
    龍ちゃんは薬とかほんまキライ。ひさぽんがやってたことに、かなりイライラしてるみたいだ。
    「龍ちゃん!!あいはしいひんから。大丈夫♪」
    「俺の大事な妹にそんなことさせるか!!」

    2006-06-22 22:22:00
  • 24:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    …………妹かぁ。龍ちゃんは、あいを大事にしてくれる。すごく…すごく。
    でも妹。あいは、龍ちゃんの妹でしかない。それ以上でもそれ以下でもない。
    きっとこれでいいんだ。
    この時まではそう思っていた。

    2006-06-22 22:27:00
  • 25:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    それからなんヶ月かたった。
    あいは夏休み。元々あんまり行ってなかったから、変わりないけど…。
    女友達もできた。暴走で知り合った、二歳年上のミナだ。
    ミナは、キャバクラで働いている。龍ちゃんとおない年の16歳だけど、大人っぽくてとても16歳には見えない。

    2006-06-22 23:13:00
  • 26:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    ミナは、綺麗で大人っぽくて、サバサバしてる姉貴!!って感じで。話しているとすごく楽しかった。
    「あい〜夏休みなんやろ?うちの店きいひん?」
    突然のミナからの誘い。ママが水商売ってこともあって、あいはすぐに行く!!と返事をした。
    昔から憧れだった世界…。

    2006-06-22 23:25:00
  • 27:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    「あっ!!龍ちゃんには言わんといて!!」
    つい口から出た言葉。なんとなく龍ちゃんには知られたくなかった。きっと心配する。まだ子供やからって………あいはもう子供ちゃうのに。
    「あいは本間に龍ちゃん大好きやなぁ!!」
    ミナは、ニヤニヤとあたしの顔を見てくる。

    2006-06-22 23:30:00
  • 28:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    「何やねん!!龍ちゃん口うるさいねんもん!!大好きちゃうし!!」
    そう反抗するあいを、ニコニコ見るミナ……ミナには何だか全てみすかされてる気がする。

    2006-06-22 23:35:00
  • 29:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    ━キャバクラ体験当日。
    龍ちゃんには、ミナの家に泊まりに行ってくると伝えてミナの家に急いだ。
    ミナに髪の毛をアップにしてもらい、スーツを借りた。
    白いスーツを来た自分の姿を鏡に写して見る…。

    2006-06-22 23:40:00
  • 30:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    自分で言うのも何か変だけれど、すごく大人っぽくて………綺麗!はい!!ナルです(´∀`)デヘ
    「あい!!えーやん♪ヤンキー丸出しさがあんたらしぃわ♪」
    「ミナもヤンキー丸出しやで♪♪」
    あいは白いスーツ、ミナは白いタイトワンピで出勤。

    2006-06-22 23:44:00
  • 31:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    気にしていた年齢のことも、全然大丈夫で、逆に23くらいに見えるなぁ……とお客さんに呟かれたほどだ…。
    すいません、フケ顔で!!!
    まあ、ほんとに順調にキャバクラ初体験は終わった。
    「あい!おつかれぇ♪どおやった!?」

    2006-06-22 23:52:00
  • 32:

    あい ◆y7s54Yl6B.

    「ヤバイ!!むっちゃ楽しい!!」
    あいは、夜の仕事…水商売とゆうものにはまってしまったのだ。
    お酒は、ママゆずりでかなり強いし、人みしりする方でもないし。

    2006-06-23 00:43:00
  • 33:

    名無しさん

    おもんないやめたら

    2006-06-23 01:44:00
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