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幸せの色。
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1:
◆ObanGQEW7M
10月―ミナミ
寒い、昨日までとは打って変わって寒い。
アキは自転車で店まで向かっていた。
アキの家から、アキがレギュラーで勤めているキャバまでは自転車で10分くらいだった。2005-11-02 04:59:00 -
361:
◆ObanGQEW7M
耐えられなくなり、ヒカリサンにメールをしてみた。
「幸せって何ですか?」
このメールを受信した時のヒカリサンは何を思ったんやろ…?すぐに返事が来た。
『う〜ん…』2005-11-22 02:04:00 -
362:
◆ObanGQEW7M
「例えば、アキの事をこんなに考えてくれてる彼氏がいてる事は、アキにとって幸せだよって考えもあって、でも逆に、そんなダメ男といても幸せになれないって考えもあって…そんな事を考えてるうちに、幸せって何か分からなくなりました?」
ヒカリサンから返事はなかった。代わりにすぐに電話がかかってきた。2005-11-22 02:07:00 -
363:
◆ObanGQEW7M
『今から会える?』
まだ夕方前だったので、アキはヒカリサンとご飯に行く事にした。
久しぶりに外に出る。思ったより寒かった。
気付けば、11月になっていた。2005-11-22 02:09:00 -
364:
◆ObanGQEW7M
相変わらずミナミは活気で溢れていた。平日だってゆーのに……。
ツタヤ前で待ち合わせをして、焼肉食べ放題に行った。
ヒカリサンは、ちょっとやつれてた。
「お店、行ってるんですか?」2005-11-22 02:13:00 -
365:
◆ObanGQEW7M
「行ってないね〜ん!」
アハハと軽く笑いながらヒカリサンは答えた。
「実はさぁ、タクチャンと別れてん。」
豚トロを裏返しながら、またまた軽くヒカリサンは言った。2005-11-22 02:15:00 -
366:
◆ObanGQEW7M
「えっ!?いつですか!?」
意外だった。あんなに好き好き言ってたのに…。
「アキチャンが悩んでた時には別れてたんよ。」
全然気付かなかった。アキが悩んでたから、ヒカリサンは言わないでいたらしい。2005-11-22 02:16:00 -
367:
◆ObanGQEW7M
そっか、とアキが言った後、2人はしばらく焼肉に没頭していた。
一段落ついて、2人で一服している時、アキは思い切って言った。
「多分、てゆうか多分じゃないけど…アキ、マサキの事、好きやねん」2005-11-22 02:18:00 -
368:
◆ObanGQEW7M
ヒカリサンはさしてビックリした様子でもなく、ただウン、と小さく言った。
「でもマサキは、ぶっちゃけ何考えてるんか分からんし…彼氏を突き放す事も出来ひんし…マサキの優しさは営業やなって思う事にして、彼氏と頑張ろうかなって思った。思ったのに…最近はマサキの事ばっか考えてしまうねん。」2005-11-22 02:22:00 -
369:
◆ObanGQEW7M
「それで、アキチャンは余計しんどいねんな?」
「うん…」
アキは俯きながら、焦げかけた肉をいじっていた。
ヒカリサンは何も言わない。不安になって顔をあげた…ら、目の前のヒカリサンは泣いていた。2005-11-22 02:24:00 -
370:
◆ObanGQEW7M
「ヒカリサン!?どないしたん!?」
「ヒカリなぁ、アキチャンがマサキの事好きなん気付いてたやんかぁ。」
「えっ…」
「でも、アキチャンはマサキの事、話してくれへんかったから…ヒカリには言いたくないんかなって、思ってて…。」2005-11-22 22:01:00