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一人ぼっちが嫌なだけ
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1:
さき
目が覚めて気付いた。あれ?家じゃない。隣には男が寝ていた。二日酔いの頭を軽く叩きながら昨日の出来事を思い出す。
飲み会に行って…ゲームして…そっか。こいつと二人でこっそりばっくれたんだっけ。
私は裸。こいつも裸。名前も下の名前しか知らない相手と私は寝てた。2006-02-06 12:18:00 -
118:
さき
でもそんな日が続いた11日目、食事をしてた私の目の前にどかっとデカイ女が座った。
「お前なんかうちに用あるらしいやん」
「は?誰やねん」
「一番偉い奴探してたんちゃうんか。うちがここでは一番偉いんじゃ。口の聞き方考えろよ」
へぇー。こいつか。なんや図体でかいだけのシャクレやん。2006-02-07 23:50:00 -
119:
さき
「なぁあんた何やらかしてぱくられたん?」
私はひるむことなく聞いた。そいつは腹が立った顔で私を見ながらゆった。
「刺してぱくられたんじゃ文句あるか?」
「殺したん?」
「死なんかったけど。ってお前に何の関係があんねん」2006-02-07 23:55:00 -
120:
さき
「ほんな殺人未遂?」
「まぁうまいことやって傷害になったけど」得意げに私に向かって話す。
「ほんなら一緒やん。ちゅーか傷害とかザラやろ?なんであんたが一番偉いん?なんか持ってんの後ろ」2006-02-07 23:58:00 -
121:
さき
「あほか。そんなんなくても余裕やわ。お前どこのやつやねん?」
「元は夜神。今は…」
「今はなんやねん」
「今はどっこも入ってへんわ。一匹狼やな。なーんも考えてへんし死ねるでいつでも。だから次出た時は二人殺したろうかと思って今計画してんねん」2006-02-08 00:02:00 -
122:
さき
「お前…頭いってんの?監視員に聞こえてんで」
「あー。聞こえるようにゆうてるからな。傷害もくそもないわ。だいたい誤認逮捕やで?でもだーれも信じてくれんし信じてもらいたい人もおらんからな。それなら飯食えて寝れるとこあるほうがいいかなと思っただけ」2006-02-08 00:04:00 -
123:
さき
「気に入った。うちは道化師魔天楼のレディースの総長」
「魔天楼…ってあの摩天楼?」
びっくりした。魔天楼は関西一大きい暴走族で、男女共に人数もかなりおる。同じ名前のレディースもあって、それは魔天楼のバックがあるからレディースさえも私ら暴走族からは一目置かれるような存在やった。
その…総長…なんや2006-02-08 00:10:00 -
124:
さき
「仲ようしよや。肝すわってそやわ。あんた」
そう言って笑った魔天楼のレディース総長。彼女の名前は福本すず。彼女は私の人生で初めて友達と呼べる存在になっていく。
歳は私より二つ上だった。15歳の春、私は二度目のいい出会いをした。東先生以来やった…2006-02-08 00:16:00 -
125:
さき
「歳なんぼ?」「15」
「くそがきやな」
またすずは笑った。くそがき。今まで何度も言われたことのある言葉やった。でも変やったな…あの時から。
くそがき、ゴミ、恥さらし、虫けら、笑い者。今までこんな言葉ばっかり言われてた私。ろくな育ち方せんやろ。
でもすずに言われた時は、なんか嫌な気持ちにはならんかった。2006-02-08 00:20:00 -
127:
さき
「私は中村さき。あんたは?」私は聞いた。
「うちは福本すず。つーかお前あんたはないやろ。うちお前より二つ上やで」
「ほんならすずやな」
「は?くそ生意気やなぁ。まぁえーわ。お前はほんならさきな。まぁよろしく」
考えてみれば魔天楼の総長相手にこんなことをしてるって思ったらゾッとした。少し前の私なら…絶対に無理やったのに。2006-02-08 00:25:00