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本命

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  • 1:

    羽梨

    羽梨、現在?歳。
    恋ゎいっぱぃしたけど、めちゃめちゃ手に入れたかったんゎ?人だけ。
    手に入らんかったんゎあんただけ?

    2006-01-12 12:50:00
  • 400:

    『あんたアホやなホンマに!めっっっちゃキショイで??それに気付いて?ヤーさんバックに鉄パイ振り回してな?』『羽ー梨ッ…!?』
    背中を叩いてくるおにいは素無視!
    サエコ『何とでも言いや?何言ってもあたしの勝ちやけどな。笑 その証拠にほら、皆黙って見てるやんか。』簡単に"勝ち"なんてゆって欲しくナイわな――。。『…あんたじゃ話ならんわ。』

    2006-01-13 06:37:00
  • 401:

    あたしは覚悟を決めて、"山口サン"の元へ歩いた。 『羽梨いーから!』神田くんがあたしの腕を掴む、けど、『イヤ大丈夫。』とだけ言って手を振りほどいた――。
    ―ガシャーン―!! その時、サエコがまた、おにいの車のガラスを割る音がした。〈………ッ―。〉
    この音で、あたしの中の何かが切れた――。

    2006-01-13 06:38:00
  • 402:

    あたしはサエコのそばに立って、車を蹴った。―ガンッ―!!そして言った。
    『それ、新車で絶対かわすから。』『は…?』
    サエコが口を開く前に鉄パイ思いっきり引っ張った!サエコ『ッ…何すんねん!!』――綱引き状態。 『クッ…!』
    奪ったのはあたし――。力でこんなヤツに負ける気がしん!

    2006-01-13 06:40:00
  • 403:

    そして倒れたサエコを見下ろして、周りに聞こえへん位小声で言った。

    『そっちがその気ならこっちももぅそーさしてもらうから。後悔さしたるわ。』
    呆然としてるサエコを無視して、鉄パイ握りしめて山口サンの元へ一直線で歩いた。

    2006-01-13 06:41:00
  • 404:


    書き込みはこっちでどうぞ↓
    http://bbs.yoasobiweb.com/test/read.cgi/yomimono/1132819747/l5

    2006-01-13 06:47:00
  • 405:

    名無しさん

    2006-01-13 10:54:00
  • 406:

    『何や、姉チャン?』鉄パイを持ち上げた時、神田くんが追い掛けてきてあたしに怒鳴った。
    『羽梨!やめ!』
    『エェ根性しとるやんけ、姉チャン。』あたしは山口サンを見上げて言った。

    『これ、お返しします。』

    2006-01-13 13:34:00
  • 407:

    『!?』神田くんも周りの皆も「へ?」って顔であたしを見てる。
    あたし『…もぅいいでしょ?』鉄パイを受け取る山口サン。。
    『まだやなぁ〜、ワシの気がすむすまん以前に、コイツらがこんなんじゃ済まされへんコトしとんのや。』――軽くビビるあたし??…でも大丈夫!
    〈ウチのおっさんのが怖い!??笑〉
    山口サン『オイ!火ィや。』『はぃっ!』あたしはチンピラが出す前にジッポを差し出した。

    2006-01-13 13:35:00
  • 408:

    『山口サンすいません!』そう言って振り向いて、あたしに "あほ!"って口パクした。後ろ手でシッシってしてる。。〈…?〉
    その時山口サンが口を開いた『この姉チャンお前の女か?』
    『イヤイヤイヤイヤ???』……?人揃って断固否定?笑 それを見て山口サンはハッハッと笑い出した。
    『おまえこの姉チャンやったらたこう売れるんちゃうかぁ?』〈…―?????ぅ、ぅ、ぅ、"売る"?〉あたしは真剣ビビった顔をしてしまった。。

    2006-01-13 13:37:00
  • 409:

    『イヤイヤ?笑 そんなんヤメたって下さいよ!』ノリで返す神田くん。
    〈冗談―…??〉
    山口サン『まぁそんな冗談はええとして』
    〈そんな冗談ヤーさんがゆうなや???〉心の中で突っ込むしかナイ。。
    『お前やったら女?人泳がすん屁でもナイやろ。ハッハッハッ!』〈―泳がす??海に…???〉またあたしの頭は大パニック?笑

    2006-01-13 13:38:00
  • 410:

    『イヤ、コイツはムリなんで勘弁して下さい!』頭を下げる神田くん。
    〈誰も沈めたらアカンて!?神田くん!??笑〉
    山口サン『ほぉ〜。。ハッハッハッ!ほんならお前らどぅケジメつけんのや?サエコはまだ気ィ済んでへんみたいやからの〜。』――そこにサエコが走ってきてあたしに掴み掛かってきた。
    『ッわ??』

    2006-01-13 13:39:00
  • 411:

    そんで左頬を思いっきりブタれた。―バチンッ…―!
    『お前うっとイねん?』そう言って次はおなかを蹴ってきた。
    『ッ……』〈ヒールとかせこいわ…!〉うずくまるあたし。結構痛い…
    『サエコ!』神田くんがまたあたしの前に立つ。〈あかん…。〉そんなんしたらサエコが余計逆上するて―…。

    2006-01-13 13:40:00
  • 412:

    『咲希なんで…?何でなん?なんでそんなんすんの?』『何でってコイツ何も関係ナイからやん!』
    サエコが涙目になりながら続ける――。
    『…あたしがどんなけ咲希のタメに働いたり、イヤやのにヘルス行ったり、咲希のタメに部屋も借りたやん?家具も揃えたやん?それやのにあたしのコトフッたんはこの子のタメなん…?』
    『そんなんちゃうって!』神田くんが一言冷たく否定する。〈…。。〉

    2006-01-13 13:41:00
  • 413:

    『あたし本番もしたんやで…?でも咲希がおったから、咲希のタメやから、体も売ったし家族だって捨てたんやで??それやのにな…何でこの子は何もしてなくても守ってもらえんの?勇気クンの妹とか関係ナイやろ?あたしだってそれ位わかるねんで?』
    『…』
    涙ボロボロで、最後の方はヒクヒク言いながら話すサエコを見て、わかってしまったコト。。
    "絶対根は悪い子じゃナイ"コト。。そして、"ただ神田くんのコトが大好きでたまらん純粋すぎるくらい純粋な女の子"なだけッてゆぅコト。。

    2006-01-13 13:42:00
  • 414:

    神田くん『ごめん。』
    サエコ『…ゥッ…ゥッ。。』

    どんなけ思っても伝われへん想いがある。報われへん時がある。そぅ、何でかワカランけど、頑張る分だけ、傷ついてしまう時がある…。神田くんを「信じた。」そして「裏切られた」時、、きっとカラッポになって、おかしくなってもーたんやね…。。

    2006-01-13 13:42:00
  • 415:

    サエコ『…ッ…あたし悔しい…ゥッ…ッ』

    泣いてるサエコは、さっきまでの鉄パイ振り回してたゴジラじゃなくて、むしろまだ子供な、"可愛い女の子"に見えた。。

    『サエコ…』神田くんをしゃべらさんとサエコは言う。

    2006-01-13 13:43:00
  • 416:

    『…だからあたし咲希のコト許されへん…あたしにはもぅ何もナイねん…。薬だって手ェ出したやん、あんたのタメに。。……もぅ今更ひくわけにいかんねん!!』
    そぅ怒鳴ると、山口サンの足元に置いてた鉄パイを掴んであたしを睨んだ。
    〈――くる…。〉サエコが手をあげたと同時に言った。

    2006-01-13 13:45:00
  • 417:


    『あたし旧姓花村!!花村羽梨!』

    もぅ"しょうがナイ"と思った――。

    2006-01-13 13:46:00
  • 418:

    一瞬シーンとなって、皆があたしを見た。そして、山口サンの顔色が一気に変わる――。。
    山口サン『花村て…あの花村か?』
    あたし『…。』
    おにいがデッカイため息をついたんが聞こえた――。
    〈ごめん…おにぃ。。〉

    2006-01-13 13:47:00
  • 419:

    山口サン『…ほな、お前花村サンの娘か?』
    『そぅです。』

    ――そぅ、あたしはとうとう自分自身で一番嫌いでやりたくなかった方法を使ってしまった――。。
    "おとん権力"。。?

    2006-01-13 13:48:00
  • 420:

    『…ホンマか?』山口サンは明らかに"ヤバイ"って顔で聞いてくる。
    『はい。』
    神田くんや周りの人らは"何?"って顔で見てた。 おにぃは呆れた顔でその場に座り込んだ。『…チッ』てゆぅ舌打ちが聞こえる…あたしはポケットから財布を出して中をあさる。 〈あった――…。〉それを手に取り、携帯を開く。

    2006-01-13 13:50:00
  • 421:

    〈出て――…!〉

    ―プルッ―…『誰じゃぁ?ぃ??』〈即効出るやん!笑〉『おとん?あたし羽梨!』『おー!お前か!やっぱりお前はかけてきてくれたなぁ!』明らか嬉しそぉなおとん?〈やっぱりて何やねん??笑〉
    『今な、あたしの連れが山口サンて人とモメてんねんけどな…。』『山口?それドコのモンぢゃ??』―すでにキレ気味なおとん。。? 不安そぅにこっちを見てる山口サン。。 『ちょっと待って、変わるわ。』

    2006-01-13 13:51:00
  • 422:

    『変わってくれません?』山口サンに携帯を渡した。 『もしもし…。』
    おとんと山口サン電話中。。
    おにい『…お前あと?絶対ダルなんぞ??』あたし『しゃーない…シュウシュウつかへんやろ。』おにぃ『チッ!』かなりダルそうに何回も舌打ちするおにぃ――。。 神田くん『え!てかお前のオッチャンもしかしてヤクザ?!』

    2006-01-13 13:52:00
  • 423:

    あたし『ウウン、ただのキチガイ』
    神田くん『何やそれ!笑』おにい『でもまぁオッサンらの年代には結構有名?。。ただキチガイすぎるだけやねんけどな。』
    神田くん『ヤクザもビビるキチガイッスか!笑』
    あたし『笑い事ちゃうからな?。この場はしのげるけどその後どぉなるかはあたしにもわからへん。』
    神田くん『何やそれ!笑』そぅやな、例えるなら、じゃりんこちえのてつのヒドイばん…?

    2006-01-13 13:53:00
  • 424:

    もちょっとキョドってるサエコチャンに釘を刺しておこか。。
    『あんた、どーなるかしらんで?悪いけど。』『は…?』
    おにぃ『まぁこのコにはコレでえーんちゃう??俺のシルビーにアホみたいにバンバン鉄パイぶつけよってんからな!』おにぃはサエコから鉄パイを取り上げてあたしに向ける。
    『ほんで何でお前もどさくさに紛れて蹴っとんネン?笑?』『痛ッ!いでッ!?』 軽くケツに当ててくる? 神田くんはちょっと緊張が溶けた様に笑ってた――。。

    2006-01-13 13:54:00
  • 425:

    山口サンが携帯をあたしに返してきた。
    『もしもし?』『おーお前山口なんかヮシ聞いたコトなんか聞いた事ナイぞ!ただのイチビリのチンピラやぞ!』 〈お前も大概な……?笑〉『そーなん』『ヮシの事知っとるみたぃで謝ってきよったがな。』『マヂで!さすがおとん!?』(←あえてやで?笑)
    〈良かった…とりまおさまる。〉
    『ありがとぉな?またかけるわ!』…と、思ったのに……………!?

    2006-01-13 13:55:00
  • 426:

    『今からヮシもそっち向かうから待っとけ!』
    〈…は??〉
    『え?こんでイイで???も?大丈夫やし??』
    『そーゆーチンピラは一回しばいとかなアカンのや!』
    〈イヤ???笑?〉 『イイって!』 『お前も帰らんとそこおれよ!』――ブチッ、ツーツー…。―……………………………

    2006-01-13 13:56:00
  • 427:

    おにい『何て?』
    あたし『…くるって。』
    『ハァ?マヂゆーてん?俺帰ってィィ??』
    『あかん!?あたし?人でおとんと喋るん無理やし!』『俺だってイヤやしな!俺がしばかれるわ!』『あたしだって!?』『お前がよんだんやんけ!!?』 『だってぇ???』
    兄妹ケンカ勃発?――――

    2006-01-13 13:58:00
  • 428:

    神田くん『何何?そんなオっちゃんヤバイんスか??』おにいがタメ息。『…なんしかキチガイやからな。MAX薬中やし、ココきたら標的俺に変わるカモやし???』
    おにぃはおとんと最後にケンカした時、炊飯器で肋骨を折られてる。コレ、真剣な話。昔から仲が悪い?人は会わしたらかなり危険なんはわかってた――。

    2006-01-13 13:59:00
  • 429:

    おにぃ『でもお前もヤバイかも。』
    神田くん『え??何でスか??』
    おにぃ『羽梨の中学ン時つきあってた男、バチ?いかれてるからな…。』 神田くん『マヂ??』
    ……あたしの場合。つきあってる男がバレたらその男呼び出し→バチ????過去に?人、やられてる。?人はそれで別れた。?思い出したくナイ話――。

    2006-01-13 14:00:00
  • 430:

    名無しさん

    2006-01-13 14:00:00
  • 431:

    山口サンとチンピラ達は、何やらコソ?話してた。
    舞チャンは龍くんの元で泣いてた――。ヤンキー達も少しずつこっちに近寄ってくる。サエコは呆然と?人座り込んだまま――。
    〈まだ終わった訳ちゃうしな――…。。〉

    2006-01-13 14:01:00
  • 432:

    あたしは神田くんにも釘をさした。
    『あたしの彼氏って思われたら最後やからな!』『思われる!笑 絶対思われる!笑』『何でや!笑』
    そんな話をしてたら、とうとうおとんが来てしまった――…。―ブーン…―!!

    2006-01-13 14:02:00
  • 433:

    黒のローレル?から降りてくる…。。
    『山口どれや??』

    いきなり怒鳴ったおとんの声でみんなシーンとなる――。助手席から、後ろからで?人、おとんに慕ってる後輩サン、登場。。 『羽梨チャン!勇気クン!こんばんわ!久しぶりやな!』『こんばんは。』あたしとおにいは頭を下げる――。『しばらくみんうちに?人とも大人なったなぁ!』 『アハハ?』愛想笑い炸裂??

    2006-01-13 14:03:00
  • 434:

    『お前もおったんか!』 『…おん。』恐れてたおとんとおにいの再会……。 『元気か?就職決まったんか?』『…いちよ居酒屋の社員。』『ほ?か?』 〈良かった…?〉大丈夫みたいや。。
    『羽梨も元気か?学校いっとんのか?』『ウン、行ってるよ。』『ほ?か?!』
    …あたしも何とか大丈夫。後は……
    『お前なんや??』

    2006-01-13 14:04:00
  • 435:

    おとんの視線の先には……『あ!初めましてこんばんは!』……可愛い?神田くん。。?
    『おー!勇気の連れか?』『後輩っス!』『羽梨の彼氏か?』〈…きた――!〉あたしとおにぃと顔を見合わせる。。
    『あッはぃ!…じゃなくて、学校一緒のお友達ッス!』〈オィ???????〉おにぃは"ァチャァ〜"と、半笑い????

    2006-01-13 14:05:00
  • 436:

    『お前ホンマは彼氏ちゃうんけ?』詰め寄るおとん。〈アホ…?〉
    『イヤ?!?まさか!?あんな可愛いお嬢サン僕にはもったいナイっすわ!ナイっスわ!せーぜー僕はお嬢サンのアッシーなれるヵナくらいっス!はぃ!』〈何ゆーネン???〉
    神田くんのこの誰にでもこんな感じの人懐っこさは、キチガイにも通じるんやろか…――。。?

    『ハッハッハ???おもろいやんけお前!』――――――通じたんかいッ!

    2006-01-13 14:08:00
  • 437:

    『まぁ学校一緒なんやったらコイツが何かあった時何やらしたっといてくれな!』
    『うィッす?もちろんッす!任して下さい!!???』
    おそるべし神田くんパワー…??おにぃとまた顔見合わせて笑う。神田くんもあたしらの方を見てニカーッ?と笑った。

    そしてお次は――………。

    2006-01-13 14:09:00
  • 438:

    『こんばんわッ!!』チンピラ達が一斉に挨拶。その中から?人前に出る山口サン。
    『こんばんは。山口デス。今日は娘サンやとも知らずに色々…。』
    ―バチーン!!――――――
    皆注目?。山口サンが喋り終わる前におとんはキチガイスイッチオン!!!?笑
    『ヮシの子供に何さらしとんじゃぃ!!!このクソチンピラがぃ!!!』あたふたする山口サンとチンピラ達――。 『イヤ、あの花村さ…』

    2006-01-13 14:11:00
  • 439:

    ―バチーン!ボコッ―!!
    『イキがんなよ!チンピラがぁぁ?今花村サンが喋っとるやろぉ!!!』後輩の?人が山口サンを蹴り、シバク。。

    興奮する神田くん。『バリカッコえーやんけ!笑 お前の親父!』『ハズイし…?笑』おにぃと声が揃う。
    文面ではカッコ良く感じるカモしらへんけど、実際見るからにキチガイ。服装キモィ、髪型キモィ、歩き方も喋り方もキモィ??笑

    2006-01-13 14:11:00
  • 440:


    『お前ら全員ブチころっそぉ?????』

    あたし&おにい『マヂはずぃ……………。』笑
    おとんの口癖が出た瞬間山口サンはもちろんボッコボコ――。。ちょっと悲惨…

    2006-01-13 14:12:00
  • 441:

    ――――――――――――――――――――――――どれ位時間が経ったやろう…。おとんらの襲撃が終わった時、あたりはさっきに増して色ンなものが散乱していた。札、薬、ガラス、山口サンの帽子、鉄パイetc―…―。。。
    〈あたしこんなトコで何してんねやろう?〉何となく我に返った、悪夢から覚めた様な感覚やった――。

    『羽梨!もー大丈夫や!!やったったからな!』

    2006-01-13 14:14:00
  • 442:

    〈やりすぎやねん??笑〉心の中でツッコミ入れて、『ありがとう?ホンマ助かった』と、この口でお礼を言う。
    『おぅ!大丈夫や思ぅけどまたアイツらがチャチャ入れてきたらヮシにすぐゆーてこい?』『ありがとう?』 『ありがとうございマス!』神田くんやヤンキー達が一斉に言う。
    『おぅ!羽梨と勇気と、仲ようしたってくれなぁ!』『はい!』
    『ほな羽梨、勇気またな!ヮシは仕事いくからな!』―おとんは誇らしげに自信気な顔で後輩を引きつれて帰って行った――。

    2006-01-13 14:15:00
  • 443:

    山口サンらは、起き上がってあたしらに何も言うコトなくそそくさと帰って行った――。。

    残されたうちら――。
    神田くん『これで済むんかな?…』おにぃ『わっからへんなぁ。正味。』あたし『…あたし余計なコトした?』そう言うと、神田くんはあたしの髪をクシャってして笑った。
    『イーの!だいぶおもろかったしな!お前の親父のキチガイ振り!?笑 お前もキレたらあんなんなん?』 『ナイから????笑』

    2006-01-13 14:17:00
  • 444:

    …ふと横を見たら、さっきの体勢のまま座り込んでるサエコがおった。
    〈置いて帰られてるし…〉
    おにぃが言った。
    『てか!皆!いちお今日ンとこはこれで終わりやろ?解散しよか???』
    ――そして次々に壊れたバイクや車で帰って行く皆。。

    2006-01-13 14:18:00
  • 445:

    お金をセッセ拾う神田くん。『あんたよぉやるわ。笑』『お前金は神様やぞ!笑』――いつでも相変わらずですね。。
    すると、おにいがサエコに近寄って言った。
    『お前どーすんの?』
    『…』
    黙ったまんまのサエコ。。『お前自分のしたコト許される思うなよ。俺女やからとか、神田に色々されたからとかで許す気ナイからな。』おにいはホンマに大概サエコにムカついてるみたいやった。

    2006-01-13 14:19:00
  • 446:

    あたし『なぁ、とりま舞チャンに謝りや。一番関係ナイんやから。』――あたしはもぅ怒りの熱も冷めて冷静やった。
    『ウン…。』サエコは素直にそう答えると。舞チャンの方へ歩いて行った。。
    『ごめんなさい…。』頭を下げたサエコ。。
    〈舞チャンが許さんハズナイ。〉『あ…舞は…』そう思った瞬間、、、

    2006-01-13 14:20:00
  • 447:

    ―バンッ―!!龍くんが転がってた鉄パイをサエコに投げた。
    『…許さん。お前が舞チャンに土下座しろや!!』――――――〈こわ…ッ〉初めて龍くんがキレてるんを見てビビってしまった。
    『龍!舞はイイって!大丈夫やん、もぅ痛ナイしなッ!』 〈さすが舞チャンやぁ…。〉 『なぁ、舞はイイから、羽梨チャンとお兄チャンに謝って?』――サエコが何も言わずにあたしらの方を向く。

    2006-01-13 14:21:00
  • 448:

    『ごめんなさい…。』〈……。〉下を向いたまま謝るサエコ。。
    『謝って済む思うなゆーてるやろ!』『まぁまぁ!兄やん?笑』イラついてるおにいをなだめつつあたしはサエコに言った。
    『なぁ後悔した?あたしはあんたの真似してんで。ほんであんたはこれどーやって済ますつもりなん?皆の大事な車とかバイク自分のムカつきだけで壊しといてな?殴ってな?自分が守られてるからってこんなんするんただの調子やで?』
    『…』泣き始めたサエコ。

    2006-01-13 14:22:00
  • 449:

    『お前が悪いのに泣くなや?ホンマしばきたい??』『まぁまぁ?お兄サン!笑』おにぃの背中を神田くんの方へ押して、続けた。

    『とりま、形でしめし。謝ってもおにぃ許さんゆうてるし。…お金やで。それ以外ナイねんからな。』
    『ゥッ…』泣き崩れていくサエコ―。
    『あんたな、ちょっとは悪いと思てんねやろ?』 泣きながら頷くサエコ、なんか可哀相に思えてしまった。。

    2006-01-13 14:23:00
  • 450:

    そこにまたイラチMAXのおにぃ様が戻ってくる。あっちやったのに!?
    『ちょーあかん?俺イラ?おさまれへん!お前、あんなけコイツらに土下座?ゆーたんやからお前がやれや!』
    『おにい!もーえ?やん、修理代もろておわろや?』『お前ムカつかんの?お前ホンマムカついてもすぐ忘れるな!』
    〈別に忘れてへんし!たださぁ……。〉さっき神田くんに泣きながら自分の気持ちを伝えてた、サエコの顔思い出したらさぁ??。。

    2006-01-13 14:23:00
  • 451:

    サエコは『ごめんなさい…』と、地面に手をついた。

    その時、神田くんがサエコの横に腰を下ろしてあたしを見上げた。
    『羽梨ィーごめんなー?』 『え?』
    『俺のせいでー、サエコがゴジラなってお前に手出したから!笑 勇気クンもシルビースイマセン!』〈………………〉

    2006-01-13 14:24:00
  • 452:

    『…神田くんそれ代わりに謝ってるつもりなん?笑 何で土下座はしんのよ!笑』そぅ言うと、
    『お前土下座は嫌がるやんけ!笑』と笑った。
    ちょっと嬉しかった
    …サエコは泣いてた。
    多分、神田くんからサエコへの、初めての"ホンマの優しさ"やったんちゃうかなぁ?と思う――。 『も?い??腹減った?』おにいももぅ諦めたみたい。

    2006-01-13 14:26:00
  • 453:

    『帰ろっかぁ…。』
    神田くんがポツリと言った。『舞、龍と病院いくわ!』と、舞チャン。
    『お前腰大丈夫なん!笑』笑うな神田くん!?
    『あの闇病院っスか?笑』あたしがそう言うと、龍くんはしんどそうに起き上がり、『そぅそぅ〜〜?………お前ら死ね!!笑』
    皆、少しずつ、いつもの顔で笑い始める――…。

    2006-01-13 14:27:00
  • 454:

    舞チャンと龍くんはボロボロの車で帰って行った――。
    『お前ど?すんの?』と、おにい。あたし『え??』神田くんがあたしの服を後ろから引っ張った。
    『羽梨、一緒に帰る?』
    〈………。〉サエコの方を見る。
    『この子連れて帰ったりや。足ないやんか。』神田くんもサエコに目をやる。。

    2006-01-13 14:27:00
  • 455:

    『……しゃーなし送ったろかぁ!乗れサエコ!』
    『…ッありがとう…。』
    『勇気クン、お疲れです!色々ほんッッまスイマセンした?』
    『送って帰らんでえーやん。』と、おにい!??
    サエコを車に乗せて、おにいも車に乗り込んだ後、神田くんがあたしのトコに走ってきた。

    2006-01-13 14:28:00
  • 456:

    『今日はお前に助けてもらったな!笑』と、ニマーっと笑う神田くん。その顔の可愛さときたら…………?笑『…あんたもこれで懲りたやろ。笑』
    『まぁな!笑 次俺お前のおっちゃん目指そかな!』『お願いやからやめて?笑』――ハハっと笑う神田くん…。しると、車に見えへん様に後ろを向いて肩を組んできた。。

    2006-01-13 14:29:00
  • 457:

    『羽梨?まじ好き!』
    そう言ってキスしてくれた――。
    『ほなまた?ばいばいッ』そう言って神田くんはサエコと帰っていった―――。

    この時、一緒に帰ってたら良かったんかなって、何回も思ったりした。。サエコなんかほっときゃよかったって――…。。

    2006-01-13 14:30:00
  • 458:

    そして最後に、あたしとおにいが出発。???
    おにいが腹減りでラーメン屋へ―。。そこで色々家族会議??
    おにぃ『お前、オッサン呼んだコト、おかんに絶対ゆうなよ。水!』
    あたし『あっハイハイ。』水を注ぐ。。
    おにぃ『バレたらお前終わりやからな!ヒステリ炸裂で何されるかワカランで。』 『うん。。』――――――でもあたしは、何となくわかってた。バレるコトも 、 あの家におられへんようになるコトも…―。。

    2006-01-13 14:32:00
  • 459:



    ――数日が経った。
    おにいいわく、ヤーさん達は何も音沙汰はなく、今の所は大丈夫らしい。。神田くんも龍くんも舞チャンも、元気。――サエコは……神田くんがみんなの車やバイクの修理代を取り立ててくれるらしい――。おにいは親のトコに行くとか、まだ切れてはるけど…?
    多分、多分やけど、ちゃんと反省してんちゃうかなぁ――?

    2006-01-13 14:33:00
  • 460:

    何事もなかったかの様に過ぎる毎日―――…。

    でも、あたしだけはこのまま過ごせる訳がなかった。

    ある日の出勤日。恐れてたコトが起こる―――。

    2006-01-13 14:34:00
  • 461:

    『ちょー羽梨、勇気こぃ???』

    仕事が帰ってくるなりおかんが怒鳴ってあたしを呼ぶ。〈――きたか…。〉
    一緒にプレステしてたおにぃと顔を見合わせる。
    『ふぅ??』 タメ息をつき、そっと立ち上がり?人でリビングに向かった――――。。

    2006-01-13 14:36:00
  • 462:

    『今さっきアイツから電話あったわ????』
    〈……………。〉
    『アンタら何やらかしたんや??自分らでケツ拭かれへんからってアイツよんだんか??冗談じゃナイで??おかんと約束しとったんちゃうんけ??何回もおかんアンタらにゆうとったやろ??あんたらそんな甘い人間に育てた覚えナイで??』

    『……。』黙るしかなかった。

    2006-01-13 14:37:00
  • 463:

    『あんな、おかん…』おにいが喋るのも無視で、おかんの発狂は続く。

    『言い訳すんな???あんたらはおかんの気持ち何もわかってない?アタシが…どんな思いで離婚してアンタら引き取ったか…そんなん全然わかってナイ????』―――――泣きそうになった…。おとんに殴られてボコボコにはれあがった顔。毎日帰ってくる時の疲れた顔。。おかんの色んな顔を、思い出す。

    2006-01-13 14:38:00
  • 464:

    オカンの怒鳴り声を聞きながら、そんなコトを考えたりしてた。

    『アンタら、どっちが呼んだんや????』

    ビクっとして我に返る。『あたし…』口を開いた瞬間、オカンの右手が飛んできた――。

    2006-01-13 14:40:00
  • 465:

    ―バチンッ―!!……………『アンタ出ていけ??アンタなんかあたしの子供ちゃうわ???』〈……。〉
    『ちょー待てや、』
    おにいを突き飛ばしてオカンがあたしの目の前にくる。
    『アンタな、オカンが何もしらん思てるカモしらへんけど知ってんねんぞ??アンタ夜の仕事してるやろ??給料明細見たわ???』
    〈…ッちゃぁ。。〉ミスった、あたしそーいえば、家のゴミ箱に捨てた……。 最大のミスや。あたしとしたコトが……

    2006-01-13 14:41:00
  • 466:

    『金欲しさにそんな仕事するよーな汚いヤツはこの家にいらんねん??アイツんとこでもどこでもいけや???』
    『ちょー待てって、話ぐらいきーたれや!』
    そぅ言うおにいの肩を叩いて、あたしは一言行った。

    『イイて。出ていくわ。あたし。』

    2006-01-13 14:42:00
  • 467:

    この日、あたしは家を出た―――。

    "生きて行ける――。"
    そう思ったから。片手にカバン?持って、この家の鍵をテーブルの上に置いて―――。

    2006-01-13 14:43:00
  • 468:


    ここからのあたしは、ボロボロに墜ちていく――。
    今やったらわかるけど、めちゃくちゃ甘かった…この頃のあたし―――。

    2006-01-13 14:44:00
  • 469:


    その日はとりあえず出勤した――。美羽に全部を話したら『うちこい??』と言ってくれて、美羽ンちに泊まらしてもらった。
    でも、美羽ンちやとおかんから連絡入ったり、美羽ママに迷惑がかかると思ってたから、地元のかなえの家にしばらく泊まらしてもらった――。
    カバンの中身は、携帯、充電器、化粧品、コテ、財布、プリ帳――これだけ。。 "生きれるモンやな!" 始めはそう思ってた。

    2006-01-13 14:45:00
  • 470:

    学校には行ってナイ。仕事とかなえんちの往復――。 でも、いつまでも人の実家で寝泊りする訳にもいかん。
    家を探した――。お金は有る。でも保証人がおらん。おにいは無理やろな…。社員成り立てホヤホヤ。誰か先輩…迷惑やんな、そんなん。。

    あたしに現実が降る―。。

    2006-01-13 14:46:00
  • 471:


    "ただの?歳のガキ"ってゆぅ現実――。

    2006-01-13 14:47:00
  • 472:

    あたしみたいな子はいっぱい他にもおるやろう。でも、あたしは必死やった。

    美羽『店の寮は?』〈寮なぁ……〉寮となると、店辞める時、厄介カモやしな…。一応店長に聞いた。
    『寮今一杯やねん〜。』
    あたしはタイミングがとことん悪い――。

    2006-01-13 14:48:00
  • 473:

    おにいとは連絡を取ってた。『謝って帰ってきたら?探されるで!』
    『前から出よ思てたし大丈夫!』
    ――?日?件埋まる、オカンからの鬼電は、素無視。
    『なぁ、それよか神田くんは?』『あ〜!また携帯繋がれへん!大丈夫や思うけどな。』〈………。〉
    なぁ、神田くん。 "会いたい―――…"

    2006-01-13 14:49:00
  • 474:

    仕事?で飲んだくれて、疲れて人様の家に帰る毎日。"会いたい…大丈夫。"
    呪文の様にこぅ自分に毎日言い聞かせてた気がする。オカンから、おとんから鬼電――…。。〈出られへん。〉
    ジタバタあがいてるうちに客が切れてきた――…。 〈何で…?〉焦る、イライラする。。。
    〈このままじゃアカン…。〉

    2006-01-13 14:50:00
  • 475:

    しばらくしてかなえの家を出た――。
    かなえ『おりいや!アンタ行くトコあんの?』
    あたし『大丈夫?!マヂありがとな??』
    店の女の子の家に泊まらしてもらった。?日中気ィ張ってて、やたらしんどい…。
    ちょうど、そんな時やった――…。。 携帯が鳴る。。―???―

    2006-01-13 14:51:00
  • 476:

    『も〜し…』結構あたしの疲れはピークにきてた。。そんな時…。。

    『お前今ドコおんねん!』
    その声は、オカンでも、神田くんでもなく、光チャンやった――…。
    『え?』

    2006-01-13 14:52:00
  • 477:

    『お前何ブチってんねん!』
    あたしは光チャンからの…とゆうより友達からのメールも結構ブチったまんまやった。『あぁ…ゴメン。』
    『お前美羽から聞いたぞ!家出中なんやって?ドコおんねん?』
    〈美羽アイツ…?〉
    『友達んち!出たったわ家!笑』『帰れや!』『は?』…アカン。イラっとする。〈何でお前にそんなんゆわれなアカンねん……。〉

    2006-01-13 14:53:00
  • 478:

    『今ドコ?』『駅!もーすぐ仕事やから!』
    『なんし仕事終わったら俺んちこい!俺明日休みやから。』『何しに?』
    『話聞くから!』『イイって。』『いーからこいって!』〈…ひつこいなぁ。〉
    『わかったわ!行くからきんで。』『絶対やぞ!』 『わかったって!!』――電話を切った。『ハァ??』〈できるなら今誰にもあいたナイねんけど…。〉……………神田くん以外は。。

    2006-01-13 14:54:00
  • 479:

    イライラMAXで店に急ぐ。着いた瞬間女の子らとたわむれてる美羽を非常階段に呼び出した―。
    『美羽?ちょーきて?』
    「へ?」って顔で驚いてる美羽。?人で非常階段へ移動。
    『何?何かあったん?』
    『あんた何で光チャンにあたしが家出してる事ゆーたん?』…〈アカン。。イライラとまらへん。。〉

    2006-01-13 14:55:00
  • 480:

    『あ?あんな、光クンから羽梨と連絡つかんって電話かかってきてなぁ〜…』
    あたしは美羽が喋り終わる前に話す。
    『光チャンの事は全部アンタに話してたやん?光チャンに心配されるんイヤやねん。』 『でもな、光クン心配してるし、言った方がイイかなって…。羽梨今大変やし、光クンやったら助けてくれるやん!一人暮らしやし!』

    イラっときて、、つい。。

    2006-01-13 14:56:00
  • 481:

    『そんなんいらんねん!』ちょっと大きい声出してしまった……。ビックリしてる美羽の顔。。〈アカン…〉そう頭でわかってながらあたしは美羽にあたってしまった――。
    『あたしは自分の力で何とかしよーとしてるネン。しかも光チャンは彼氏ちゃうネン!あたしだって意地あるし!しかもな、美羽は勘違いしてるカモしらんけどあたしは光チャンの事好きちゃうネン!戻りたいなんか思わへんネン…もう。』
    頭の中がグチャグチャやった…。〈……。〉言い終わる頃、美羽の目が潤んでた。 『ごめんな…。羽梨。』 〈アンタ悪ナイしな―…。〉

    2006-01-13 14:57:00
  • 482:

    一瞬泣きそうになった。『…。』あたしは何も言わずに店に戻った。。
    〈やってもーた……。〉
    接客中、チラっと美羽の方を見る。顔がひきつってた。〈ごめんな…。〉
    あたしらは普段こんな言い合いさえしいひん位仲良しやった――。。大概ちょっとイラっときても、お互いあたる事なかったのに……。

    2006-01-13 14:58:00
  • 483:

    それでまたイライラしてたら、新規客にチェンジされて、ボーイとケンカ……。。。〈ダルイ…。〉気を取り直して客電せな…―???―

    《メール?件》オカン『あんた帰ってきいひんつもりやったら全部自分でやってみぃ!甘いで!携帯も自分で買え!それはオカンの名義やからな!友達の家に迷惑かけとったら承知しいひんで!』

    『…ダルイ。』

    2006-01-13 14:59:00
  • 484:

    でも、言う通りや。家を?人で飛び出しても、エラソーな事ゆうても、結局人に迷惑かけてる。しまいには友達にあたって…。。友達や客と連絡とるこの携帯でさえ、あたしのモノじゃない――――…。"甘い"。。
    ぴったりの言葉やった―。

    先の事、考える余裕なんかいつもなかった。いっつも行き当たりばったりなあたし――…。。

    2006-01-13 15:00:00
  • 485:

    仕事が終わり、テンション落ち?のまま光チャンの家に向かった。
    『おぅ!入れや!』
    『お邪魔〜。』
    コンビニで買ったおにぎりを食いながら話す。
    『お前家帰れや!』 『イヤやしな!』『じゃーどーする気やねん?』『すむトコは?』『無理やって。』『お前が悪いンちゃん?』『甘いな。』―――――………光チャンの説教の様に話す言葉ひとつ?にイライラする。。

    2006-01-13 15:01:00
  • 486:

    でも最終あたしが切れたんはこの言葉やった――。

    『神田くんもお前の兄貴もアホやな。自業自得やん。』

    『てゆうかな。。』

    2006-01-13 15:02:00
  • 487:

    『光チャン何様なん?何で何もしらんのにそぉ人の事見下した風なモノの言い方すんの?』
    『別にホンマの事ゆーてるだけやん!てか大体お前もな…』
    仕事で結構飲んでたんもあってあたしはかなり大きい声で初めて光チャンに怒鳴ってキレた――。。

    2006-01-13 15:03:00
  • 488:

    『てゆーか?一体あたしの何やねんな自分??ゴチャ?ゆわれる筋合いナイやろ彼氏でもナイのに???うっといネン??お前と別れてからあたしも色々あってん?でもそれは関係ナイ事やろ??ほっといてくれやッ…。』

    怒鳴りながら泣いてた。。ずっと溜めてた何かがプツンと切れた……そんな感じ。
    黙り込む光チャン――。 『…ッぅッ………。。』

    2006-01-13 15:04:00
  • 489:

    泣いてるあたしをみつめながら光チャンが一言こう言った――。。
    『お前の何って…お前の事好きな一人の男やんか。』
    ―その言葉を聞いてまた涙が溢れてきた。そんなあたしを光チャンがそっと抱き締めた――。

    2006-01-13 15:05:00
  • 490:

    『羽梨…ごめんな?俺確かに関係ナイけどお前の事心配やったから…。お前は俺の事好きちゃうかもしらんけど、どっか友達んトコ行くぐらいやったらココおれや。帰りたくナイんやろ?』
    『…でもあたしッ…。』
    『別につきあえとかゆわんから。落ち着くまでおったらえーやん。それでここでこれからの事考えたらいーし。』
    『でもな…』光チャンは更に強くあたし抱き締めて言った。。
    『てゆうかおれ!!お願いやから……。』

    2006-01-13 15:05:00
  • 491:

    『ウン……。』

    その日からあたしと光チャンの同居が始まった。
    〈アカン…。〉わかってた。けど、あたしは光チャンの優しさにまた"甘えた"――。ウウン、光チャンの気持ちを"利用"した――……。

    2006-01-13 15:06:00
  • 492:

    光チャンと一緒に住むと言っても、生活ペースは真逆やし、顔会わす時間は少ない。?畳一間の狭い部屋――。でも、友達の実家を転々するよりずっと楽やったな…

    それでも、相変わらず仕事では客がどんどん切れていく。成績は下がる一方。家を借りる見当もつかへん。携帯も―…"解約しな、コレ"

    空回るばっかり――……。

    2006-01-13 15:07:00
  • 493:

    オカンから鳴りやまへん鬼電&鬼メール…、おにい『帰ってきた方がィィ。』と言われる…――。
    今更引くワケにいかんかった――。
    美羽『ウチらやっぱミテコやもんな…。』確かにまだ?歳。たかが?。でもこの時のあたしは"されど?"やった。
    ―何とかなる―。
    家が嫌いやった。あたしの居場所と思った事はナィ。自分の力を信じたくて――。

    2006-01-13 15:08:00
  • 494:

    ある日、おにいからまた電話が鳴る――???―。
    おにい『もし!』『何?』

    『なぁ、サエコと神田、飛んだかも。』『はぁ??』
    突然のしらせやった――………。

    2006-01-13 15:09:00
  • 495:

    『…どォゅう事なん?』 『まだわからんけど…。山口サンら、神田?人だけ呼び出したらしくて。そっからサエコも神田も連絡つかへんネン。おかしーやろ?』
    『…神田くんが拉致られたとか??』
    『ナィやろ。アイツんちに電話したらオバちゃん出て、「サエチャンて子と一緒に住むゆーて出ていったよ。」って。。』
    『………………。。』
    唯一、微かにあった光が消された瞬間やった。あたしの道が、真っ暗になって閉ざされたような気分やった―――。。

    2006-01-13 15:10:00
  • 496:

    "会いたい。大丈夫…"

    全部、消えた。もぅ"大丈夫"じゃなくなった。

    "何で――…?"何でなん?神田くん、あんたが"何か違う"んはあたしじゃなかったん?

    2006-01-13 15:11:00
  • 497:


    "羽梨が好き―――。"

    全部、消えた。あんたの言葉も、消えた。
    "咲希、羽梨チャンのコト大好きやで―――" 舞チャン…消えちゃったよ―――…?

    2006-01-13 15:12:00
  • 498:

    あたしはまた墜ちた。色んな事に、すべての事に嫌気が刺した。
    それでも毎日、仕事。笑顔で、接客。
    "壊れそう…。" 楽しみなんかナイ。毎日、飲まんでイイとこまで飲んで光チャンの家に帰った。
    『お前なんで毎日?そんな酔って帰ってくんの?!』『…イヤ仕事ですやん。』 『ヤメたら?』
    『何でそんなんゆわれなアカンねんな?』

    2006-01-13 15:14:00
  • 499:

    最悪な自分やった。
    いつも光チャンにあたって光チャンが仕事に行く前、毎日の様にこうやってケンカ。。愚痴を吐く、光チャンに自分のイライラをぶつけまくる、泣く、暴れる、怒鳴る――。しまいには掴みかかってモノ壊す始末…〈最低…。。〉

    情けない、弱い自分。でもこの時は、それが紛れもない等身大のあたしやった。

    2006-01-13 15:14:00
  • 500:

    〈ごめんな…光チャン…。〉いつも、光チャンが仕事に行った後?人布団にくるまって後悔して泣いてた。

    それでも、光チャンはあたしをウザがるコトなく、家においてくれた。ケンカした後、謝ってくれた。仕事が早く終わった日はご飯とか、遊びにも連れてってくれた。優しく、優しく見守ってくれてた――……。

    2006-01-13 15:15:00
  • 501:

    それでもあたしは毎日仕事で飲んで、連れと飲んで…相変わらず光チャンに全部をぶつけてた――。
    光チャン『お前どーしたいねん!?何しに飲んでんの?』
    羽梨『飲んだアカンの?』
    光チャン『そんなんゆーてへんやろ!お前異常やねん!何がしたいねん?イイ加減俺もしんどいわ!!』
    この家にきて初めて光チャンが言った。"しんどい"と…―――。。

    2006-01-13 15:16:00
  • 502:

    "自分が悪い…。"わかってるけど、「お前なんかいらん。」そー言われてる気がした。。ショックやった。

    『…しんどい思いさして悪かったわ。』

    ほんまに"独り"になってしまった様に思えた。

    2006-01-13 15:18:00
  • 503:

    翌朝、仕事から帰って、光チャンを起こした。
    あたし『おはよう?』
    光チャン『…おぉ。今日は素やんけ。笑』
    あたし『見て見てぇ?!』光チャン『おぉ??まじで!笑』
    慣れへん腕で頑張って朝ご飯とやらを作ってみた。魚焼いて、インスタント味噌汁作っただけやけど?

    2006-01-13 15:19:00
  • 504:

    『何でインスタントやねん!笑』『味噌汁作り方しら?ん』『女として終わってんな!お前!笑』
    そう言った光チャンの顔は、すごい嬉しそうで、こっちまで嬉しくなった。。
    『ごちそう様!行ってくるわ!』『いってらっしゃい?』玄関まで見届ける。 『んじゃーな!仕事今日終わるん早いから帰ってきたらお前のタンス見にいこな??』『おぅ!いってら?』
    ―チュッ――。。
    今したキスは、久しぶりで、そして、"最後"のキス――……。。

    2006-01-13 15:20:00
  • 505:

    光チャンを見送った後、部屋に戻って掃除した。洗濯機を回して、洗いモノをすませて、洗濯モノを干す――。
    風呂もトイレもピッカピカ?『よし!』
    そして荷物をまとめて、一服。そして、紙を用意してペンを握る――。
    最後に、光チャンに手紙を書いた――。。

    2006-01-13 15:21:00
  • 506:

    『光チャンへ?笑?

    光チャンお帰り?そしてお疲れ。部屋バリきれなぃ?? やるやろ。笑 てか、今まで色々ありがとうホンマに!そしてゴメン??あたしを家置いてくれて。しかも毎日怒鳴りまくって…笑 キショすぎるなあたし??笑 こんなあたしを好きってゆってくれたコト、やり直そうってゆってくれたコト。めさ嬉しかったょ?こんなキショイあたしにそんなんゆってくれる人光チャンしかおらんわ絶対?笑

    2006-01-13 15:22:00
  • 507:

    『あたしな、今回家出てきて色々不安やった。でも光チャンがおってくれたカラ何とか頑張れてた。でも甘えすぎてたなぁ〜う〜ん…あたし激甘?笑?光チャンに嫌な思いさせたナイし、出ていくコトにした?今までちょっとだけやけど、ケンカしまくりやけど楽しかった?マジありがとう!あたし自分の力で何とか頑張る?何とかなるやろ!笑?携帯も解約して一からスタートしたいから?自分勝手でごめんやで!光チャンも仕事頑張ってィィ女つかまえろ?楽しい思い出いっぱいありがと??ばいちゃ?

    P.S ドレス大事に着てるで?アレきてから指名炸裂や?笑

    羽梨 』

    2006-01-13 15:23:00
  • 508:

    書き終える頃、目はうるうるなってた。。
    『…いこか!』
    荷物を持って、玄関のドアを開ける――…。いつのまにか見慣れた風景…。

    『バイバイ…光チャン。』

    2006-01-13 15:24:00
  • 509:

    〈何回目のバイバイやろう…。。〉

    思い出は、綺麗になりすぎてしまうから。だから、振り返ってしまうから――。

    だからあたしは前に進みたい――。

    2006-01-13 15:25:00
  • 510:

    飛び出したモノの行く当てがナイのはいつものパターン?荷物と行ってもカバン?つ――。
    "どこへでも行けるハズ。"

    恋が、家がなくなっても、あたしがココに確かに居てる。体ひとつ、ココにあるから――…。

    2006-01-13 15:26:00
  • 511:

    でも?人でいると、光チャンとの"綺麗な思い出たち"が浮かんできてしまう――。

    とりあえず美羽を呼んで、事情を話して、満喫に向かう。漫画の世界へレッツラゴー???
    人間、逃げるコトも必要。。

    2006-01-13 15:27:00
  • 512:

    夜になり、ファミレスでごはんを済ませて?人で店に迎うタクの中?。。
    ―????????―――

    美羽『なぁ…出たりやぁ』羽梨『アカンねんって!』
    ずっと鳴ってる携帯……。光チャンからの鬼電、鬼メール――…。。

    2006-01-13 15:28:00
  • 513:

    『宮崎羽梨ドコだよ??早く出せよ?いるんだろ?』『お客様!こちらにそのような女の子はいてませんのでお引き取り下さい!』
    ボーイ?人が必死で追い返そうとしている客――…

    〈ゴンや…!〉
    あたしは一瞬固まった――。もぅ絶対会うこともナイやろうと思ってたゴン。忘れかけてた嫌な記憶が蘇る…

    2006-01-13 15:30:00
  • 514:

    『羽梨ってさきチャンの本名?』『ウン…』『何で知ってんの??』騒ぎ出す女の子達――。誰かが言った。
    『てか、ゴンの手足何あれ?』
    ――見てみると、サンダルで裸足に包帯を巻いてる。腕にも包帯――。。顔も微妙に傷跡がある…?
    皆がゴンを見て騒いでたら、ゴンがあたしを見て走ってきた――。〈何ッッ―?〉

    2006-01-13 15:30:00
  • 515:

    店長『近藤サンそんなんゆわれても困りますわ!ポリ呼びますよ?』
    ゴン『俺はやられらやり返す主義やからね!この子の身元調べさせてもらったよ!未成年働かしてあんたらこそ警察呼ぶぞ!!』
    店長の手が一瞬とまる―。

    『何ゆうてはるんですか?この子宮崎ゆう子ちゃいますよ?営業妨害なりますよ。』冷静に返す店長―。。『何シラ切るつもりか?』店長がボーイに手で合図する。

    2006-01-13 15:32:00
  • 516:

    『おひきとり下さい。』ボーイ?人がゴンを両端から掴む。
    『やめろ!離せよ!なんなんだよこの店は?覚えてろよ??お前らぁ!』

    ゴンは強制送還された―。美羽『なぁ羽梨!羽梨の男にしばかれたってもしかして…ッ』
    美羽が言う前にあたしは泣いてた――。。

    2006-01-13 15:33:00
  • 517:

    『絶対神田くんやぁ…。』

    会社に脅しかけるとか、そんなんゆうん、神田くんしかおらんやんか……―。。あんたにしかあたし言ってないよ――?

    あたしの中で、無理矢理しまい込んでた想いが一気に全部溢れだした――…

    2006-01-13 15:34:00
  • 518:

    『ゥッ……ぅぅ〜ッッ…!』

    女の子や客やボーイ、みんなが見てる前であたしは泣き崩れてしまった――。

    店長『さき、今日はもうあがり?な?美羽もイッショに上がったって?』

    2006-01-13 15:35:00
  • 519:

    美羽『羽梨、いこ?』
    あたしは美羽に連れられるがままに更衣室に向かった。
    涙がとまらへん――…。
    美羽『羽梨…。どっかで?人で話そや!な?化粧とれんぞ!笑 』
    あたし『…ゥんッ…ゥッ…ッ』美羽があたしの背中を優しくさする。

    2006-01-13 15:36:00
  • 520:

    美羽『大丈夫か?』
    とりあえず、送りを断ってタクに乗り込んだ?。

    美羽『ドコで喋ろォ??』あたし『…あの公園行きたいッ…あたしんちのッ近くの…。。』
    美羽『よし!ほなそれで!笑』

    2006-01-13 15:37:00
  • 521:

    ?人であたしんちの近くの公園に向かった。
    美羽『あ!おっチャンココで?』タクを降りた――。
    〈――――……………。〉真っ暗で、誰もおらん。ちょっとだけ久しぶりの公園――…。。?月の風は、なかなか心地良くて、もぅ夏が目の前まできてる。
    楽しい季節が――…。

    2006-01-13 15:38:00
  • 522:

    美羽『…大丈夫?』
    羽梨『大丈夫…。』
    美羽『ジュース買ってくるッ。レモンティでいー?』
    羽梨『ミルクティ…笑』
    美羽が自販に歩いていった――。あたしはひとり、空を、見た。星が出てる。 …神田くん、今ドコにおる――?

    2006-01-13 15:39:00
  • 523:

    …ゴンしばくなら、しばくってゆえよ…。。てゆうか、いつしばいたん?てか、何で?サエコとホンマに飛んだんかな…?サエコに惚れたん?…そーいやアン時、サエコの代わりにあたしに謝ったよな…。。
    てかてか、何であたしに連絡ナイ訳?「約束」は?あんたがあたしにしてくれた「告白」は――?
    あぁ…―。もぅ全部、「無効」なんかな――…。。

    2006-01-13 15:40:00
  • 524:

    考やんとこうと押し込んでた疑問や想いが、今日ゴンを見たコトで一気に膨れ上がって胸が頭がパンクしそう――…。。
    〈アカン、考えたら―…〉
    『なぁー羽梨!美羽細かいのんナイわ!』
    ちょっと離れた自販から、美羽が叫んでる。
    『待ってぇやぁー!』カバンから財布を出して小銭入れをパカっと開いた。

    2006-01-13 15:41:00
  • 525:

    〈…――――ッ……。〉
    その時やった。あたしが必死で押し殺してた気持ちが、胸から上に、喉にのぼってくる……。
    美羽『羽梨??』
    目頭が、心臓が熱い。。
    ベンチに手を置いて、また泣き崩れてしまう――。

    2006-01-13 15:42:00
  • 526:

    『ゥッ…ゥゥッ〜ッ…!』
    『羽梨?』美羽が駆け寄ってくる。あたしの手には、いつか神田くんからもらった、意味のワカラン500円玉のストラップ。おもちゃみたいなストラップ。。
    美羽『どしたん??』

    それを見て、想いだしてしまった――。あんたのコト。色んなコト――…。。

    2006-01-13 15:43:00
  • 527:

    『ゥ…ゎぁあ〜ッ!!』

    "名前なんてゆーん?"
    "神田ちゃうわ!"
    出会った頃―――……。。"お前が困った時は俺が絶対守ったるから!"――――

    2006-01-13 15:44:00
  • 528:

    「俺レンタルしいひん?」「甘えんな!」「アホ!」――――色んなコト、全部全部浮かんでくる――…。。あんたの言葉も、表情も…「俺だってお前守れるやんけ。」
    つきあって、別れて。
    でも笑かしてくれて、アホして、泣いて、怒ってくれて、喧嘩もした。それでもいつも守ってくれた。
    あんたがあたしをかばって切った左手も、前に立ってくれた背中も、抱き締めてくれた胸も、、あたしは全然忘れてない。。

    2006-01-13 15:45:00
  • 529:

    「俺が大丈夫ってゆったら大丈夫やの!」
    "大丈夫――。"
    あんたの口から出る言葉はいつでもあたしの胸に響いて、宝物になって、それを想いだしてあたしは頑張れた。
    「うりうりぃ!」
    あんたがあたしを呼ぶ瞬間がたまらなく好きやった…

    2006-01-13 15:45:00
  • 530:

    神田くんが大好きやった…

    『美羽ッ…あたしなッ…神田くんがっ、大好きやねんかァッ…ゥッ…。』『ウン、ウン…』横に座って、背中をさする美羽。
    『…ホンマにッ、好きやねんかぁ…ッ!』
    『ウン…そうやろうなぁ。』

    2006-01-13 15:46:00
  • 531:

    『…ゥッん。だからあたしッ…会いたいねんかァッ…ッ、けどなッ…フッ…他の女のコと…ッ、飛んだとかゆーねんやん…ッゥッ…おにいのアホがなッ…笑』『ウン……。』
    "会いたい――――。"

    『連絡もッ…とられへん、し…ゥッ、ドコおるかもな…ッワカランしなッ…ゥッ…、なんかそんなんッ…ヒドないッ?笑』『ウン…。』ただ頷く美羽――。
    "大丈夫―――。"

    2006-01-13 15:47:00
  • 532:

    〈あんたの言葉なら、嘘でも信じる――。信じるコトができるから。だから…〉

    『大丈夫!ッてッ…ゆったけどッッ…!神田くんと会われへんってゆうのだけはぁ…フッ…大丈夫じゃナイッ…ゥッ……ッかも!笑』
    『会えるよ…絶対会えるって!実際光クンと別れる時もそおやったけど、会えたやん!』
    『ゥッ…ぅぅ〜…!』 〈神田くんと光チャンは違う…〉

    2006-01-13 15:48:00
  • 533:

    『…てかぁっ…フッ今すぐ会いたいねんかァッ…!笑』
    『羽梨ィイ〜…!?』
    『だってッ…飛ぶとか思わんやんッ…!いっつも…ッ、何かヒョィってッ…でてきそぉやんッ…!笑 しかもッゥ…ッ、いっつもおったやんッ…?香代チャンの時だってなッ…文化祭で会えたやんッ?笑 でもなッ?何かもう、ムリやんッ…?ゥッ…龍クンに電話してもッ…わからへんゆわれるしッ…ワカランはずナイやんッ?ゥふッ…』
    『羽梨ィ…。。』
    『雨の日になッ?ここで神田くんと暴れてんやんッ…めちゃアン時に戻りたいわァッ…!あたしの隣にッ…おったのになァ…ゥッ。。』

    2006-01-13 15:49:00
  • 534:

    胸が痛い――……。
    ズキズキじゃなくて、キュゥゥ〜って…痛い。

    いつでも、あたしが泣いてる時隣におってくれたやん?守ってくれたやん?
    なぁ神田くん…あんたがホンマにあたしのヒーローなら今やで――…?今あたしを抱き締めてくれるはず……

    2006-01-13 15:51:00
  • 535:

    "羽梨ィ!"って…呼んで、今すぐ来て――…?
    あたし今なら、全部捨てれる。光チャンだって―――。捨てれる。何もいらん。神田くん…あんたに傷つけられるんめっちゃ怖かったから、いつも一歩引いてしまっててゴメンな?あたしビビリやねん…
    でも"今"なら、傷つくんも怖くないよ。あんたの為に傷つくんなら、全然かまわへんから――…。
    絶対"大丈夫"やから――。『お願いやから――…!』

    2006-01-13 15:52:00
  • 536:

    ―ブーンッ…――!!
    〈…!!!!!〉
    『神田くんッ!?』
    その音に振り向いた――。

    2006-01-13 15:53:00
  • 537:

    『…………ッ』

    あたしは一気に肩を落としてその場にへたり込んだ…。

    美羽『羽梨……帰り?』

    2006-01-13 15:55:00
  • 538:

    期待して振り返った先に立ってたのは――……。

    あたしの会いたかった人ではない、大好きな人ではない…

    『光チャン……。』

    2006-01-13 15:56:00
  • 539:

    ――なぁ、やっぱり人生うまいコトなってるなぁ…。神田くぅん。。
    漫画の世界やったらココ絶対あんたがくるハズやのに…今目の前におるのは、光チャン――…。これが"現実"。こーゆー現実。あたしは何だかんだで夢見る少女なまんまやわぁ――…。
    "現実よぉ見てから夢みろな!"
    ―――まさにそれ。あたしはあんたが来てくれるコトを信じてた。そう……夢を、見てた。傷だらけになってしまった夢やけどね――……。。。

    2006-01-13 15:57:00
  • 540:

    ――その日、あたしは光チャンの家に帰った。泣きながら――。。
    もぅ、光チャンを突き放す気力も意味もなかった。

    〈もぅどーでもいい…。〉

    2006-01-13 15:58:00
  • 541:

    その日から、光チャンに八つ当りしてブチ切れるコトもなく、家を探すコトもなく、帰る気もなく…仕事にだけ行く生活。
    〈だるい…。〉毎日心の中はこれだけ。ただ酒だけは前より飲む様になった。光チャンちに帰って、疲れて、眠るだけ――…。。

    2006-01-13 15:59:00
  • 542:

    もう何しに家出てきたんか、何しに仕事してんのか、わからんかった――。。

    あの後、何回か神田くんに電話したけどもちろん繋がるコトはなく…龍くんにも電話したけど、もちろん「わからへん」と言われた―…。
    おにいは、『もぅ確実飛びよったな!』と言って怒ってはった。
    恐らく、"山口サンらの怒りの矛先はサエコに向けられて、神田くんがかばったんやと――…。。

    2006-01-13 16:00:00
  • 543:

    "失恋"…違う気がする。。
    光チャンにフラれた時のズキンズキンする痛みじゃなくて、毎日?泣くんじゃなくて。。
    胸にポカーンて、穴があいてなぁんか無気力でやる気もなくて。脱け殻みたいな。笑ってても笑ってない。そんな感じ――。。

    2006-01-13 16:00:00
  • 544:

    例えるなら。。
    大切に大切に育ててた花達が枯れたとする。でも?つだけ、あたしの目の前に芽だけが出てる双葉があった。あたしは多分"これだけは咲く"と、知らず知らずに信じてたんやろう――。理由も証拠もなかったけど…。でもその大事な双葉でさえも一瞬で風に吹き飛ばされた。
    ――土だけ、残った。それが今。

    今まで色ンな恋をした。めっちゃタイプな人もおった。勇介も、光チャンも、好きやで好きでたまらんかった。――でも、神田くんと出会って恋愛も仕事もすべての価値観が変わった気がする。光チャンが好きやった。フラれても大好きやった。でも心の端っこにいつも笑顔でおったんは神田くんやった気がする。あんたはあたしに嘘をつかんかったから。いつもいつでも本物のあんたがあたしの心に焼き付いた。

    2006-01-13 16:02:00
  • 545:

    普段、いつもイッショにおる訳ではなかったけど、しんどい時、息詰まった時。。。あたしが墜ちて行くんじゃなしに、次の道を切り開けていけたんは他の誰でもない、神田くんのおかげやった――。

    でも今あんたはおらん―。

    2006-01-13 16:02:00
  • 546:

    それでも過ぎていく毎日。〈おもんない…。〉
    学校にも行ってない。だって行っても虚しくなるだけやんかぁ?あんたはおらんのに、あんたを想いだしてまうねんから――…。。

    なんかカラッポになってしまったあたしを、支えてくれたんは光チャンやった―。『飯くいいくぞ!』『買い物いこか!』『プリクラとろ!』――普段インドアの光チャン。気付いてるんか気付いてナイんか、あたしを元気付けようとしてくれてる…優しすぎる光チャン――。

    2006-01-13 16:03:00
  • 547:

    そんなある日、あたしはそんな優しい光チャンを傷つけてしまう――。
    光チャン『なぁ羽梨!遊園地行きたいゆーてたやん?次の日曜いく??』
    あたし『遊園地ィ〜…?てかムリやぁ、次の日曜同伴やから出勤するし。』
    光チャン『日曜ぐらいいーやんけ!休めや!』
    羽梨『日曜からやん。その客結構熱ィし、切れかけてたから今回いっとかな切れてまうしな。』

    2006-01-13 16:04:00
  • 548:

    光チャン『何なん!…てか、お前なんか変わったよなぁ。マジで。前までのお前やったら絶対仕事より遊びとってたのに。連れとかと遊んでる方が楽しいゆうてたやんけ。』
    羽梨『だから今あたし成績落ちてるしヤバイん知ってるやろ?』
    光チャン『あーあ?せっかくユニバ連れてったろーと思ったのにぃ!』
    背中を向けてスネる光チャン。

    2006-01-13 16:06:00
  • 549:


    書き込みはこっちでどうぞ↓
    http://bbs.yoasobiweb.com/test/read.cgi/yomimono/1132819747/l5

    2006-01-13 16:07:00
  • 550:

    〈ユニバ…。〉
    「お前が??なったらユニバ連れていけや!」

    〈イヤや…。〉思いだしてしまった、神田くんのコト。。
    ――思い出したくナイのに―…!

    2006-01-13 17:06:00
  • 551:

    無意識に頭が拒否反応を起こした――。

    羽梨『てか、あたしユニバとか行きたナイし!どーせならエキスポとかゆいや!笑』光チャン『はぁ?何なん!行きたいゆーてやん!』
    羽梨『イヤずーっと前やろ?笑 てか、あたしとつきあってた時の話とか出すんやめてや!笑 もーあの時とはちゃうねんしな色々!』――また、やってしまった――…。。
    だって光チャンが思い出させる様なコトゆうから… 楽しかった時のコトゆうから…――。。

    2006-01-13 17:07:00
  • 552:

    『てか何なんお前…!』
    光チャンがこっちを向く。〈あ…。〉―怒ってる…。
    『お前は神田くんがおらん様なったからって俺とおった時のコトまで忘れたいん?俺のコトバカにしてんの?』『……。』
    久しぶりに光チャンの怒鳴り声を聞いた――。〈知ってたんや――……。〉

    2006-01-13 17:08:00
  • 553:

    『神田くんがおらん様なったと思ったら次は客、客、客…やろ!』
    『別に客は仕事やん…』
    『客だって男やんけ!!』突っ掛かってくる光チャン―なんか、無性に腹が立つ―……。
    『同伴だってしーひんゆうてたのに今のお前何やねん!金、金、金ってお前も神田くんみたいなってもーたんちゃん??』
    ―パンッ…―!

    2006-01-13 17:09:00
  • 554:

    吸ってたタバコごと灰皿をひっくり返した。灰が床に散らばる――――。
    『…そーやったら何?何かアカンの?どーなろーとあたしの勝手やろ??仕事せなどーやって生きンの?金なかったらあたしに何が残るんよ??』
    『だから俺がお前のそばにおるやんけ?』近づく光チャンの手を振り払った――。 『あたしのコト捨てて他の女んトコ行った奴にそんなんゆわれても嬉しナイなぁ?』『…それは…』光チャンをしゃべらさん勢いで怒鳴りまくるあたし――。何かがキレてる。とまらへん――……

    2006-01-13 17:12:00
  • 555:

    『最後の最後にアンタが嘘ついたコトだってあたし忘れてナイ?次は本気でつきあう……?信用できる訳ナイやんけそんなん?』
    唖然として黙り込む光チャン――。そっとタバコを拾う光チャンに更にあたしは言ってしまった。絶対口に出したらアカンかった言葉を―――――……。

    2006-01-13 17:13:00
  • 556:

    『てゆーか…あたしがめっちゃ好きやったんは神田くんやからなぁ??その神田くんが今おらんねんもん!会いたいのに会われへんねん!ホンマに隣におって欲しいんは神田くんやもん!!』

    ハッとして口をつむった――…。

    光チャンの顔を見る。胸の奥が苦しい――……。。

    2006-01-13 17:14:00
  • 557:

    光チャンが、あたしに初めて涙を見せた瞬間やった―…。。
    『……ゴメン、光チャン…』 下を向いた。あたしの目からも涙がこぼれる――。

    『…神田くん、もう今はおらんやんか。』
    一言そう呟くと、光チャンは乱暴にカバンに作業着を詰め込んで、部屋の鍵をテーブルの上に置いた――。。

    2006-01-13 17:15:00
  • 558:

    『羽梨がおって欲しいんは俺じゃナイみたいやし、俺でてくわ。』
    『そんなんあたしが…』
    『お前はおれ!行くトコないやんけ。俺は連れんトコでも実家でもどこでも行くとこあるし。お前がどっか行くあて決まったら連絡して。』
    『いいってそんなん!』
    『いーって!ほんじゃーな!』―バタンッ――…。。。光チャンが出ていった…。

    2006-01-13 17:16:00
  • 559:

    ?人取り残された――。。散らかった部屋の中……。玄関越しに聞こえるバイク音――。。

    『…何やってんッ…あたし――…ッ』―泣き崩れた。 〈ごめんな光チャン…。〉
    あたしをこんなに愛してくれる人を、何であたしは傷つけてんねやろう。。

    2006-01-13 17:16:00
  • 560:

    光チャンの家やのに、光チャンが出ていった――。あたしの為に――。。
    〈いつまで甘えてる気やネン…〉早く、出ていかないと――。ドコか行くあて探さないと――。どうにかしないと――………。

    精神状態がかなりおかしかったこの頃のあたしに、喝を入れてくれたのは――…

    2006-01-13 17:17:00
  • 561:

    『お前失礼極まりナイわ?』―――今、目の前でドーナツ頬張ってる、美羽チャン。あたしの片割れ。出勤前のミスドでの事やった――。羽梨『うん?うん…食ってから喋り、カスカスするやろ、それ。』
    美羽『ん!大丈夫…ん!てかな!!』
    ドーナツを飲み干して、真剣に話し始める美羽。
    いつになく熱い感じ。。

    2006-01-13 17:18:00
  • 562:

    『アンタは光クンが出ていった心理をわかってへんわ!』『うん?』
    『だからな、何で自分ちから自分以外の奴置いて出ていかなアカンかったん?羽梨に"俺の事考えて"ってゆーてんねやろ。』『…うーん。』
    『それをアンタは、でていかな、住むトコ探さな!…じゃ、ナイやろ!まず光クンとどーするか考えなアカンのんちゃん?』
    〈痛いトコつくなぁ…?〉そぅ、はっきりしなアカン事がある。。あたしは確信から逃げてた。。

    2006-01-13 17:19:00
  • 563:

    『羽梨、そこ逃げたアカンやろ!曖昧なんいっちゃんしんどいん羽梨はわかってるやろ?』『そぉやな…。』

    …わかってる。イッショにおるのに、気持ちは自分に向いてナイ。これ程しんどい事はナイ。。さやかチャンと光チャンがつきあってた頃、あたしはそれに気付いてたはず――。

    2006-01-13 17:20:00
  • 564:

    なぁ、何で人と向き合うんはこんなに勇気がいるんやろーか?
    100%全身全霊かけてぶつかってきてくれるなら、あたしも100%で返さなアカン―でもそれってすごく残酷。

    きっと光チャンがあたしに最後に嘘を着いたのは、その残酷な事をするのが無理やったんやろうなって思う。けどそんなん、ホンマの優しさじゃナイ。
    その"嘘"はあたしの深いトコロで傷になった。

    2006-01-13 17:21:00
  • 565:

    「傷つきたくナイ」って皆絶対思ってるけど、傷つく事さえも賭けて手に入れたいモノがきっとあるはず。
    「傷つく勇気」
    「傷つける勇気」
    一度は光チャンの事を真剣に好きになった。だから傷つく勇気を振り絞れた。でも今、どっちかを自分で選ばないとアカン――。お互い本気の究極の選択。
    ホンマに人は難しい――…

    2006-01-13 17:22:00
  • 566:

    『でもあたしはやっぱり神田くんの事…』あたしが言い終わる前に美羽が挙手した。
    『…ハィ、何やねん山口サン。笑』『ハィ?宮崎サンに報告ある?てか、発表記者会見ってヤツやな?笑』
    『何やねん。笑』美羽がちょっとニマっとして声を張って言った。
    『えー…まず?コ目。』
    『何個あんねん。笑』

    2006-01-13 17:23:00
  • 567:

    『美羽、今月いっぱいで店やめるわ!』
    『マジ???』かんなり驚いた?色々、生活の面やら何やらでやめるハズナイと思ってたから。。
    『ウン??もぅ決めた!笑』『あんたホンマにイイんか?最近指名客だって増えてるし、来月あんた誕生日だって…』
    『うっふっふー?』またあたしが喋り終わる前に、美羽がキショく悪い笑いを見せた。
    『なぁ羽梨、美羽キショィ事ゆってィィ??笑』『何やね!ゆえや!笑』――この後美羽が言った事、忘れもしいひん―――。。

    2006-01-13 17:24:00
  • 568:

    『美羽、お金よりも大切なモノ、見つけたカモ???……キショッ!美羽キショッッ!?笑』あたしが笑う前に自分がイス笑い転げてはる…?
    『アポやな、お前。笑』
    『キャッハッハッ――???』よっぽど自分にウケたらしく、なかなか笑い止まへん美羽?……何となく、あたしは言葉の意味がわかった。
    『翔やんと戻ったん?笑』『あーちゃうちゃう??』『?』美羽は座りなおしてまたニマーっと笑って言った。

    2006-01-13 17:25:00
  • 569:

    『戻り"たい!"から、まずはキャバを卒業する?』
    ―"たい"―を強調して言う、美羽。
    『でもアンタホンマは…』
    『戻れるかとか!ワカランけど、戻りたいネン?いけるかもしらんやん?プラス思考で。笑 それで告るなら翔太が嫌がってるキャバやめてからしよかな思って。結構エラナイ??笑』
    『エラィ。美羽じゃナイ。笑』『やろ?笑 でも本気なら本気な誠意見せなアカンやん??当たって砕けたら、そん時はグレる!薬する!笑神田くん探して売ってもらう!そんなノリで???笑』――どんなノリ!?笑

    2006-01-13 17:26:00
  • 570:

    『ってゆうのは言いすぎ?まぁ言いすぎでもナイけど。笑 でも何しそーする。羽梨とか、光クン見てて思ってん。あー皆本気なんやなーって、何か犠牲にしてスゴイなーって!なんかそんなん美羽だって負けたくナイしな!みたいな???笑』
    『そおか、笑。』〈さすがやなぁ…。。〉――昔からいつも、何かと負けず嫌いで、どっちかがガンバって、やっと頑張れた、ダルがりの甘えたなうちら。でも、いつも土壇場まできてしまったら"頑張る事"ができてたな―――。

    2006-01-13 17:27:00
  • 571:

    『だから、美羽も頑張ってみるし。羽梨も、頑張れるやろ!笑』
    『なるほど。笑』最後のドーナツを美羽がほおばって、ミスドを出た―――。

    『羽梨、そろそろうちらも幸せなってもィィんちゃいます?笑 てか、ならなヤバイやろ。ピチピチ?才やし?笑 オッサンの相手してる場合じゃナイかもよ!笑』
    〈幸せに―――……。〉

    2006-01-13 17:28:00
  • 572:

    その日、ミーティングの席で美羽が店長にやめる事を申し出た―――。美羽の目に迷いはナイ――。
    『生活とか、何とかなるしな!笑』〈何とかなる――。〉
    そう。今まで、大事なモノを失ってしまっても、何とかしてやってきた――。お金がなくても、失恋しても――行くあてがなくなっても。"強い想い"で自分だけの道が開けた――。
    そこに、いつも一緒におってくれた美羽が今日、その自分だけの道を、幸せな未来を夢見て、信じて、勇気を出して、この場所からのサヨナラを決意した――。
    自分の為に、たった一人の人の為に―――。

    2006-01-13 17:29:00
  • 573:

    『羽梨、何があっても残る人っておるよな。でもな、振り返ってるばっかりやったらオモロナィやん?
    誰かに賭けてみるんもアリやろ?てか何でもアリやろ!笑羽梨が決めたらえーけど、自分の事大切にしてくれる人の事、捨てれる?神田くんとは絶対また会えるって美羽、マジで思うで!でも考えて?光クンは――?
    なんしか、大事なんは"今"やで――!』

    2006-01-13 17:29:00
  • 574:

    仕事帰りの朝――?
    光チャンがおらんこの部屋で?人。あたしはさっき美羽が帰り際に言った言葉を何回も思い出していた――。

    "大事なんは今"――。
    部屋を見渡す――。光チャンと買いに行った、あたし用のタンス…服がちょっとずつ増えてきたから―…。洗面所の歯ブラシ――。あぁ、フザけてポケモンのんオソロで買ったっけ――……。

    2006-01-13 17:30:00
  • 575:

    ちょっと前まで、この部屋は"さやかチャンの色"がついた部屋やった――。。"今"は、あたしの色がついてるんやな――…。
    昔の事を想いだす――……悪くナイのに、離れて行くのが怖くてひたすら顔色を見ては謝ってた、一緒におっても辛かったあの頃―……

    "今"は違う――。

    2006-01-13 17:32:00
  • 576:

    その日一眠りして、出勤前にあたしは?人で出かけた――…。。

    "あの公園"――――

    一人、ベンチに座ってタバコを吸う―――。

    2006-01-13 17:33:00
  • 577:

    〈静かやな…。〉
    ――なぁ、ココにおると今でもあんたの声が聞こえてきそうやで?うっさい車の音と一緒に、『羽梨ィ!?』って、可愛い顔して…さぁ。。神田くん――。

    今、来てくれたら――…。香代チャンだって連れてきてもィィし、なんならサエコとだって全然ィィし…
    今なら、アンタが「チュゥ!」って口尖らす前にあたしから飛び付いてするし。笑

    2006-01-13 17:34:00
  • 578:

    『はぁ??』
    こんな事になるなら、あの時一緒に帰ってたら良かったかなァ――?
    "羽梨、一緒に帰る?"――"俺と一緒におらへんっ?"つきあってたら良かったかなぁ――?
    "お前やったらいけそう!"ずっと抱きついたまま、離れんかったら良かったか?"羽梨ィ〜…"

    2006-01-13 17:35:00
  • 579:

    『神田くぅん…。』
    ―ポツポツ―…『あ、雨…』突然降りだす、夕立――。。
    "何で俺にもそんなんなんお前――"『ホンマそれやぁ…。』一人頭を抱えた。本音で向き合えてたのに――…人の前に自分の前にバリア張ってしまう、あたしの悪い癖――…。
    "濡れときマス?笑"―――あの時みたいに、ビショビショになって暴れたい。あんたと――。
    ムリな話やけど。

    2006-01-13 17:36:00
  • 580:

    "洗い流せ!全部――。" あたし、そんな綺麗に出来てない。汚いし、未練たらしいし。。あんたみたいな強さはナイし――……。
    だからあんたがすごい、キラキラして見えたよ。
    でも、?個だけ――。あんただって怖かったんよな?"大丈夫――。"神田くんの口から出るそれは、強がりでも何でもナイ、"強くなりたい"気持ちの表れやったんかもしらんなぁ――。。

    2006-01-13 17:37:00
  • 581:

    夏の雨に濡れまくった――。一人でキショィけど…。何かを「洗い流さなアカン」気がしたから―――。。それは、ドコか何か次に進むって言うコトに似てた。
    いつからか思っていた――。"ココにはもう、おられへん"って――。だって止まったままになってまうから。そうなったら、あたしだけ錆びてしまって、そしたら、キラキラのあんたにもぅずっと追い付けんくなるやんかぁ――?
    『あ…。』雨が上がった。そっと立ち上がる――。

    2006-01-13 17:38:00
  • 582:

    ――ひとつだけ、綺麗事、ゆっとこう。夢見させて。――ひとつだけ――。

    『…忘れんなよ、あたしの事――…。』

    立ち上がって公園を出た―。?月の雨の日―――。。

    2006-01-13 17:39:00
  • 583:

    『大丈夫。』――あんたの口癖は、またあたしの心の中に戻ってきた―――。

    理由も自信も何もないけど―――いつも、自分の胸に言い聞かせています。

    2006-01-13 17:40:00
  • 584:

    「?月??日、光チャンが帰ってきた――――――。」。
    「?月??日。
    光チャンとヨリを戻した――。」

    2006-01-13 17:41:00
  • 585:

    これが、あたしの「答え」――。あたし自身で選んだ道。神田くん、隣にあんたはいてへんけどね―……。

    『羽梨!行ってくんで!』『あいやい、ハイ、愛妻べんと?笑』『キショ!バイ?笑』 ―チュッ――。

    朝?時半、光チャンの弁当作って、起こして、見送る――。そんな毎朝。

    2006-01-13 17:42:00
  • 586:

    家には帰ってナイ?オカンとまだバトり中???
    携帯は、光チャン名義で買ってもらった――。
    つまり、養ってもらってあたしはいわゆる「主婦」ってヤツや??
    料理、掃除、洗濯……めさ嫌いでめさダルイ?けどちょっと嬉しかったりする。オカンの有り難み、わかります――…。。

    2006-01-13 17:44:00
  • 587:

    美羽も、少し前、翔やんと見事ヨリを戻した??? 仲良くやってるみたい??

    ―神田くんに未練あるって―?わっからんなァァ……。でも、一個正直に言うと、「会いたい」よ。今でも――……。。ちょっとでィィから話したいよ―――。

    2006-01-13 17:45:00
  • 588:

    ――でも、なかなか新鮮で、平凡やけど楽しい毎日。早起き頑張って、家事頑張って――。昼ドラ見て??買い物行って、再放送ドラマ見て。笑 そうしてる内に光チャンが帰ってきて、?人揃って『いただきます』今日のメニューはシチューだす?(あーしんど。。料理。)

    家で決まった時間にこうやって、テレビ見ながらごはんを食べる。光チャンにとっては「あたりまえ」の事やけど、なんかあたしはくすぐったい。
    〈昔思い出すなぁ〜…〉 家族?人で暮らしてた時の事を――。。

    2006-01-13 17:46:00
  • 589:

    『俺明日遅くなるカモ。』シチューガッツキながら喋る光チャン――。『え????』スプーン握って叫ぶあたし。『ごめんって!現場遠いネン。帰ってきてから遊びいこや!明後日休みやし!』
    『え??????』

    明日はあたしの?回目の誕生日――。〈予定狂ったしな???〉『ハァ??美羽は今日記念日やし…』誕生日に暇児とか終わってるわ…???

    2006-01-13 17:48:00
  • 590:

    誕生日の昼間、家でゴロ?してたら携帯が鳴った―――???―《着信おにい》即効出る?『もぉし??』『もし!』『イヤん感激やわ!??電話だけでも嬉しィし暇児ゃヵラ!!笑』
    『あ?』――へ???
    『…オメデトゥ電話じゃナイんか?』『何もめでたないわ!俺昨日女にフラれたんじゃ!』『そんなんしらんがな???てか、あたし今日で?やねんけど??』
    『そーなん!スロット連れてってや!』『お前が連れてけや!?笑』――そーなんって何やねん?あたしはあんたの去年の誕生日、飯連れてったやんけ!!

    2006-01-13 17:49:00
  • 591:

    兄妹なんてこんなモンかよ…『てか、荷物突っ込んだカラ今のうち取りに来いよ!』『あ、マジれ?』――そぅ言えば家にあるあたしの荷物まとめといてって言ってたんやった!オカンがおらん間に!
    『今ヵラいくわ。』『お前誕生日やのに暇とか俺より終わってるなぁ!ギャハハハ…』―ブチッ―?『…死ね????』
    電話を切った後すぐにチャリンコで実家に向かった??
    『あ〜け〜て〜』『誰やねん!』『羽梨じゃ!笑』

    2006-01-13 17:50:00
  • 592:

    ―ガチャッ―。『よ?久し!』『ヒサシ?』久しぶりに家に上がる―――。
    『何も変わらんな、この狭い汚い家は。』『やろ。』部屋に誘導するおにい。
    『てか、俺お前にプレゼントあんねんなぁ!』『マジれッッ????』めさビックリやがな???だってあんさんさっき…まーいーヮ??
    『何何?何系??笑 チャラけてはる?笑』『チャラけてはる。笑 でもお前絶対喜ぶわ!』『マジぃ?』〈何なん何なんッッ??笑〉――ドキドキしながらおにいがドアを開けて部屋に入る―――――……………………………って………………『わあぁッ??????』

    2006-01-13 17:51:00
  • 593:

    あたしはビックリしすぎて腰が抜けて、おにいの足にしりもちついた――。『イダッ??』でも、そんな事はどぉでも良くて、、
    『え?え?てか、何で?何でおるん??』―――――

    『羽梨ィ〜久しぶりやんけ??ぃ??』

    2006-01-13 17:52:00
  • 594:

    そこには、あたしの布団に寝転がってる、何ヵ月かぶりの神田くんがおったんよ!『マジ何してん?え?何真剣?笑』――かなり動揺して笑けてまうあたし。
    『お前なんでプージャやねぇ?ん!!?笑』――ケラケラ人の布団で笑う、神田くん…〈嘘やろ…。〉開いた口も目も塞がらない???
    『なっ?嬉しいやろ!』と、足を押さえて笑うおにい……。――こんなん有りなん――?

    2006-01-13 17:53:00
  • 595:

    『…てか、何でよ??』おにいに怒鳴ると、『まぁ後はお前らの好きにしろ!俺はスロット行ってくるから?ほな!オバハン帰ってくる前に出ろな!』『はぁ?』『いってらっしゃぁぃ?』と、神田くん――…
    すると、ドアを??ぐらい開けた隙間からおにいがギロリとうちらに囁いた。

    『俺の布団は…汚したらアカンでぇぇぇ?????……ギャハハハハハハ…』
    〈………………死ね??〉―バタンッ―玄関のドアが閉まった。

    2006-01-13 17:54:00
  • 596:


    『……。』二人きりになった。久しぶりのせいか、めちゃめちゃ緊張する…顔が見れん…〈会えるとか思てへんかったし…。〉プージャやし…。。戸惑ってへたり込んでるあたしのデコを神田くんがデコピンした――。『イデッ?』『羽ー梨ィ?ただいまッ!』――そう言っていつもの様に笑った。「何でおるん?」「サエコは?」「飛んだんじゃなかったん?」――聞きたい事は、山程あった。

    2006-01-13 17:55:00
  • 597:

    あったんやけど、あたしの第一声は――『おかえり!』――言うと同時に抱きついてた。
    『うわッ!何お前!笑』『お前が何やねん!』――神田くんの胸の中に顔を埋める――……。何回これを夢見た事か――………。
    『羽梨?笑』『…何』
    『顔見せて?』『嫌!!』『お願い!』『いーや!』『見せろや!!笑』『キャー!!笑』『ハハハっ!?笑』――『ひーつーこーいー!笑』二人で布団の上でじゃれあった―――。
    〈あぁ…神田くんやぁ…〉失いかけてた何かを、取り戻せた感じやった――。自然な、いつも通りのうちら――………。前に戻れた用な気がした――。

    2006-01-13 17:56:00
  • 598:

    『神田くぅん!??』
    『何か今日お前可愛いやんけ!笑』『や?ん?笑』―コレがホンマのあたしやんか!〈会えて嬉しィねやんか…!?〉この時の嬉しさってゆったら何やろう、ホンマに""ヤバい"?
    『羽ー梨ッッ?』―チュッ―…〈めっさ久しぶり!〉テレる…?
    あたしはこの時光チャンのことなんか頭になかった。もぅ目の前に神田くんが…今この空間が嬉しすぎて。

    2006-01-13 17:56:00
  • 599:

    『神田くん髪のびた!?』『そ?お前エクステ取った?』『取った!可愛い?笑?』『可愛い??』――神田くんがあたしの髪を撫でる。チラっとその手をみると、まだ"あの時"の傷跡が残ってた。神田くんが痛い思いをしたのに、この傷さえ嬉しかく思ってしまう。。
    『てか、遊び行く?ヒサシやし。笑』『行く行く???』『よしイコ!てかお前ルフィホコリかぶってるやんけ!笑』ポンっと、部屋に置いてたルフィのぬいぐるみを神田くんが叩いく。
    『洗濯したる!』『ヤメろ!笑 行くで!』
    あたしはルフィを見て嬉しくなる。?人で外に出た――。

    2006-01-13 17:57:00
  • 600:

    『あれッ、車変えたん?』『あーあれ売った!これは今だけ臨時。また買う、金貯まったら。』
    『そうなん…。』
    〈お金なかったんか…?〉―ガチャッ――
    『どうぞ?羽梨姫!笑』
    『ありがと!王子??笑』?人車に乗り込んだ――。

    2006-01-13 17:58:00
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