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レイコ
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1:
ユキ
ブーンブーン
真夏だとゆうのに。ラブホテルの一室は、寒いくらい冷房が効いている。
ブーンブーン
僕は、両の手に握られた細く白い首を、力いっぱい締め付ける
ブーンブーン
息が、完全に止まる。
ブーンブーン
僕は、今。この世で一番愛してる人を殺した。
シーツが、濡れている。おそらく失禁してしまったんだろう。
そんなもの、全然汚くない。僕は、冷たくなった体を抱き締めた。
「愛してるよ、レイコ。」ブーンブーン
僕は、レイコにキスをした。
ブーンブーン
辺りには、奇妙な虫が飛んで居るような、機械音が静かに響いていた。2005-06-10 12:55:00 -
101:
ユキ
「おい、小僧!夕飯だぞ。休憩だ。」
掃除の途中だったが、店長に呼ばれて、従業員室に、向かった。
「いただきます。」
店長は、口は、とても悪いが、いい人だった。
いつも、撲の分も出前を取ってくれた。 「おまえよ、仕事きつくないのか?」2005-06-20 07:24:00 -
102:
ユキ
「大丈夫ですよ。結構、楽しいですよ。」 バイトを始めて、今日で、二週間だ。
日曜以外、ずっとここに来て居る。 「なら、いいけどよ。しんどかったら、早めに言えよ。急に休まれたら、困るからな!」
「はい。気を付けます。」バイトに来た時は、店長とこうやって、夕飯を二人で取る事が多かった。2005-06-20 07:31:00 -
103:
ユキ
店長は、仕事は、厳しかったが、かわいがってくれた。 撲は、仕事に、体も慣れ、家に帰らないでいいので、バイトが、とても楽しくなってきていた。 タカシは、あまり遊べなくなったので、淋しそうにしていたが、大した問題も無く、バイトを始めて、一月たった。
2005-06-20 07:48:00 -
104:
ユキ
バイトを、していて。撲が楽しみにしている事があった。
「おはようございます。」店の前の道路を、掃除していると、レイコが出勤して来た。 「おはよう。今日も、頑張ってコキ使われてね。」
意地悪に笑いながら、店に入っていく。
ほんの、数秒のやりとりだが、毎日、レイコの姿を見れるのが、とても嬉しかった。2005-06-20 07:59:00 -
105:
ユキ
ブッ! タカシが、飲みかけの牛乳を吹いた。 「汚いなぁ。大丈夫?」 ぼくは、ハンカチをタカシに渡した。 昼休み、僕らは、屋上で昼メシを食べている。 「おまえさぁ。おまえこそ、大丈夫か?」 撲が、レイコと会えるのが嬉しいとゆう話を、している途中だった。 「何が?」 「何がって、おまえ、自分の気持ち、気付いてねぇのかよ?」
2005-06-20 08:07:00 -
106:
ユキ
「気持ち?なんの事?」 タカシが、変な顔をして撲を見ている。 「おまえさ、今まで、女好きになった事ある?」 中一で、義母と肉体関係を持つ様になって、撲は、初恋も、まだだったのだが。義母のせいで、女嫌いになっていた。 勿論、女の子と付き合った事もないし、好きになった事も無い。
「無いなぁ。」 撲は、タカシに素直に答えた。 「だろーな。おまえ、自分が、あの女の事好きなの気付いてないだろ?」2005-06-20 08:17:00 -
107:
ユキ
ドクン 撲が、レイコを? タカシは、動揺している撲を無視して、話を続けた。「おれさ。おまえが刺された時、初めて会ったじゃん?あの時、おまえの彼女かと思ったんだよ。だから、あの女に、聞いたんだ。」ドクンドクン
「そしたら、違うってゆーし。なんか、あの女得体が知れねえじゃん。おまえの怪我治せるし、風俗嬢だし。」2005-06-20 08:24:00 -
108:
ユキ
ドクン 「彼女の事、悪く言うな!」
また、だ。 タカシは、にやにやして、撲を見ている。
「おまえさ、こないだ、おれにキレた時と、今、一緒の気持ちだろ?」
確かに、そうだ。撲は、自分の、この感情が、なんなのか分からなかった。2005-06-20 08:29:00 -
109:
ユキ
撲に、赤い傘をくれた。 夢と、刺された時、二回助けてくれた。
年齢不詳で、黙ってれば、すごい美人。 撲に、対しては、かなり毒舌。 風俗嬢で、不思議な力を持っている。 これが、撲の知ってるレイコだ。昼休み、タカシと喋ってから、撲はずっと、考えていた。2005-06-20 08:37:00 -
110:
ユキ
レイコに、対する感情は、何になるんだろう?
ちゃんと、喋った事も数えるしかないし、やさしい言葉を、かけられた事もない。 それどころか、助けてもらったとはいえ、タダ働きを、強制されている。 普通、こんな扱いをされてて、好きになるだろうか?2005-06-20 08:47:00 -
111:
ユキ
「おい!看板つけてきたか?何ぼーっとしてんだ?」店長に、怒鳴られ、我にかえった。 「すいません。」
撲は、急いで、表に出て看板の電気を付けた。
もう、夜七時だが、あたりはまだ、少し明るい。
梅雨明けもして、本格的に、夏が始まろうとしていた。
夜だとゆうのに、空気が熱い。少し、外に出ただけで、汗が出てくる。 すると、路地から、レイコがこちらに、向かって来るのが見えた。
2005-06-20 08:57:00 -
112:
ユキ
ドクン! タカシの言葉を、思い出す。 ジブンガスキダッテコトワカッテナイノカヨ レイコが、近づいてくる。ドクンドクン 「お・・」 あいさつを、する前に、撲の目の前で、レイコが倒れた。
2005-06-20 10:13:00 -
113:
ユキ
「昨日、客多かったからなぁ。」 店長が、レイコの額に、冷たいおしぼりを、当ててあげている。 レイコは、意識が無く、青い顔をしていた。
撲は、レイコを、店の中まで、運んだ。今は、事務所のソファーに寝かしている。 「小僧、レイコの事好きか?」2005-06-20 10:21:00 -
114:
ユキ
店長が、撲に、いつになく真剣な顔で、聞いてきた。撲は、黙ってしまった。 「まぁ、いいや。レイコの力については、知ってるか?」 撲は、首を縦に振った。 「そうか、じゃあ、気味が悪いとおもったか?」
撲は、首を横に振った。 店長は、それを、確認してから、レイコの事を話しだした。2005-06-20 10:29:00 -
115:
ユキ
レイコは、不思議な力を持っている。 ふらりと、半年前、この店で働かせてくれと、レイコは、店に入ってきた。
この業界では、身分も学歴も関係ないので、その日から、レイコは、この店で働く事になった。 一月も、経たない頃に、レイコは、この店のナンバー1になった。 しかし、それだけでなく、驚く事が起こった。2005-06-20 10:35:00 -
116:
ユキ
始めは、レイコの飛び抜けたルックスと顔で、お客がついたんだと、店長も、店の人間も思っていた。 しかし、お客が異常な程、レイコを目当てで集まる様になり。予約だけで、二ヵ月先まで埋まる程だった。客の中には、金なら、いくらでも積むから、会わせてくれと、頼むものが次々出て来た。
2005-06-20 10:42:00 -
117:
ユキ
レイコの、お客達は、口をそろえて、彼女では、ないとダメだという。
もともと、肉体的な満足を得る為に来る所なのだが。レイコの客は、そういったものに、興味がなく、レイコ目当てに来ていた。
さすがに。店長も不思議なり、レイコの客に、聞いた。何が、そんなに引き付けるのか?2005-06-20 10:48:00 -
118:
ユキ
皆、ゆう事は、一緒だった。 言葉には、出来ない、だが、自分がこんなに癒されたのは、初めてだ。 店長は、ある日レイコに、お金を、払うから、客と同じ事をしてくれ。と頼んだ。レイコは、それを承諾した。
2005-06-20 10:52:00 -
119:
ユキ
途中までは、レイコは、なんら、ふつうの風俗嬢と変わらない仕事をした。
しかし、レイコが、店長を抱き締めた時だった。 「なんか、いきなりさぁ。からだが、温かくなってさ、風呂ん中に浸かってるみたいなさぁ。そう、かあちゃんに、抱いてもらってる様な感じだな。」 そして、気が付いて、レイコを見ると、優しく微笑んでいた。2005-06-20 11:00:00 -
120:
ユキ
「ちょっと、最近頑張りすぎてたからなぁ。こんな、ほせぇ体で。」
店長は、こまめに、おしぼりを替えてあげている。
「俺はさ、よく分かんねーけど、この子にすごい力があるのは、分かる。でも、それと、同時に、この子が重たいもんを、背負っちまってんのも分かるんだよ。」2005-06-20 11:10:00 -
121:
ユキ
「客にしたら、自分を癒してくれる神様みてえなもんかも、しれねぇが、俺から見たら、自分を削ってまで、他人の為に頑張ってる、けなげな普通の女の子にしか、見えねんだよ。」
そっと、店長が、レイコの髪をなでた。
2005-06-20 11:18:00 -
122:
ユキ
それは、まるで、親が、自分の子供を、慈しんでる様に見えた。 「小僧、惚れた女を命かけて守るのが、男だぞ。」 にやりと、撲を見て笑った。
2005-06-20 11:22:00 -
123:
名無しさん
?しぉり?
2005-06-20 16:43:00 -
124:
名無しさん
いい店長さんだぁ☆
2005-06-21 02:52:00 -
125:
ユキ
?130さん??131さん?読んで頂いてm(__)m主は、おっさん好きなので?ついつい、店長は、力入れて書いてしまいます??
2005-06-21 09:07:00 -
126:
ユキ
ジーワジーワ
アブラぜみが、元気よく鳴いている。
空は、よく晴れ。雲一つない。
歩いているだけで、汗がどんどん、出てくる。
撲は、見知らぬ道を、店長が書いてくれた地図を、頼りに歩いていた。2005-06-21 09:14:00 -
127:
ユキ
地図どおり、歩いて行くと、古びたアパートに、たどり着いた。
レイコが、住んでいるアパートだ。2005-06-21 09:16:00 -
128:
ユキ
「今日は、仕事はしなくていいから、見舞いに行ってやってくれ。」
今日、店に行くと、店長に言われた。 「昨日、目が覚めてから、送ってやったが。あんまり、体調よくねんだよ。」 撲は、昨日の青白い顔した、レイコを、思い出す。
「病院とか、行かなくていんですか?」 「レイコが、行きたくないつっーんだよ。」2005-06-21 09:28:00 -
129:
ユキ
「俺は、仕事があって、行けねえからよ、お前が代わりに、様子見て来てくれ。頼んだぞ。」 カンカンカン
階段を、上がり、レイコの部屋を探す。
「あった。」2005-06-21 09:32:00 -
130:
ユキ
撲は、呼び鈴を、鳴らした。 キンコーン キンコーン
返事が無い。もしかしてと思い。ドアを、回すと鍵が開いていた。 「あのー。おじゃましますねー。」 間抜けな、声掛けをして、撲は、部屋に入った。2005-06-21 09:36:00 -
131:
ユキ
部屋は、静かで、薄暗かった。 上がると、すぐにある台所のテーブルの上に、病院から処方された薬の袋が、いくつかあった。 撲は、台所と、部屋を仕切っている、ガラス戸を、ゆっくりと、引いた。
2005-06-21 09:45:00 -
132:
名無しさん
続き気になる??
2005-06-21 19:52:00 -
133:
ユキ
六畳の、畳の部屋には、ベットと、小さなテーブルしかない。 カーテンは、締め切られていて、薄暗い。 冷房が、寒いくらい効いている。
2005-06-22 08:36:00 -
134:
ユキ
一度、撲は、ここに来た事があるが、辺りを見る余裕など、なかった。
この間、帰る時は、出てすぐ、タクシーで帰ったので、場所も覚えていなかった。
2005-06-22 08:51:00 -
135:
ユキ
ベットの上には、レイコが寝ていた。 顔を、覗くと、昨日より、顔色は、よくなっていた。静かに、寝息を立てている。
2005-06-22 08:58:00 -
136:
ユキ
少し、ほっとした。
今日、学校に行っている間も、ずっと心配していた。店長の、頼みは、ほんとに、ありがたかった。
撲は、コンビニの袋から、水を取出し、ベットの脇に座って飲みほした。 「あたしにも、ちょーだいよ。」2005-06-22 09:07:00 -
137:
ユキ
びっくりした。
ベットの方を、見るとレイコが、寝たまま、顔だけ撲の方を見ていた。
撲は、レイコに飲みかけの、ペットボトルを渡した。「ありがと。」
上半身を、だるそうに起こし、レイコは、水を飲んだ。2005-06-22 09:15:00 -
138:
ユキ
その仕草が、なんだか、とても、エッチに見えた。
薄いキャミ一枚を、肌に付けているため、ノーブラの胸の形がまる分かりだった。 撲は、目のやり場に困り、レイコから、目をそらした。 「体、大丈夫ですか?」2005-06-22 09:22:00 -
139:
ユキ
撲は、ヨコシマな気持ちを、誤魔化すように、話しかけた。
「まぁ。昨日よりは。」 レイコは、ベットから、起きて、床に落ちていた、カーディガンを羽織った。
「これで、大丈夫?」
レイコは、にやりと、撲を見て笑った。
2005-06-22 09:47:00 -
140:
ユキ
「ねえ、タバコ持ってる?」
撲は、レイコに自分の持っていた、タバコを渡した。
レイコは、カーテンを、開け、窓を少し開けて、タバコに火を付けた。 部屋が、急に明るくなり、撲は、自分の顔が赤い事が、レイコにばれていないか、ドキドキした。2005-06-22 09:54:00 -
141:
ユキ
「あんたってさ、分かりやすいよね。」
レイコは、そう言いながら、笑った。 ドクン やっぱり、レイコは、綺麗だなと思った。
「ほら。また、あたしの顔、見とれてるでしょ。」
「!!」
レイコが、撲の顔を覗き込む。
「からかわないで下さい。」
撲は、顔をそらした。2005-06-22 10:00:00 -
142:
ユキ
ドクンドクン 「素直じゃないわねぇ。」レイコは、タバコをふかしながら、また、笑った。 「あの、前から思ってたんですけど。撲の事からかうの、すごくたのしんでるでしょ?」
「うん。すごい、楽しい。」 レイコは、意地悪く微笑んだ。2005-06-22 10:04:00 -
143:
ユキ
「なんか、そうゆうの、性格悪いですよ?」
「今頃、気付いたの?」 しゃあしゃあと、言ってのけた。
ほんと、店長のゆう通りだ。
『レイコはさぁ、見た目、いんだけどよ、口は悪いし、いい性格してっからなぁ。小僧、せいぜい遊ばれない様に気ぃ付けろ。』2005-06-22 10:10:00 -
144:
ユキ
昨日、そう、最後に言われたのだ。 「何買って来てくれたのー?」
レイコは、ガサガサと、撲が持ってきた、コンビニの袋を漁りだした。 「うわ。最悪!」
2005-06-22 10:14:00 -
145:
ユキ
「あたしの、食べれるもの無いじゃん!」 「え!?」 とりあえず、飲み物と、チョコレートと、ヨーグルトと、サンドイッチを買って来た。 「あたし、お菓子と、乳製品と、パン嫌いなの。」 レイコが、撲を軽く睨みながら言った。
2005-06-22 10:19:00 -
146:
ユキ
「すいません。」 口を、とがらしてすねている。かわいい。 「じゃあ、何食べたいですか?」
「そうめん!ねぎたっぷりのやつ!」
レイコは、目を、キラキラさせながら、撲に訴える。「じゃあ、コンビニ行ってきますよ。」 「えーやだ。」2005-06-22 10:23:00 -
147:
ユキ
「違うのー!茹でたてのが食べたいの!コンビニのいや。」
「え、撲に作れと?」 「うん。材料ないから、スーパー行って来てね。今日、仕事ないんでしょ?これぐらい、いーでしょ?」 満面の笑みで、レイコは、撲を見ている。2005-06-22 10:28:00 -
148:
ユキ
外に、出ると、陽が、落ちかけていた。
撲は、結局、レイコの言う通り、スーパーにむかっている。 ほんとに、レイコはわがままだ。
でも、撲は、全然いやじゃなかった。
逆に、わがまま言われるのがうれしかった。 わがままを、ゆう、レイコが、とても、かわいかった。 「ヤバイなぁ。」 撲は、ぼやきながら、スーパーへ、急いだ。2005-06-22 10:37:00 -
149:
ユキ
その日から、レイコは、店を休む様になった。
撲は、店長に、店は休んでいいから、見舞いに、毎日行く様に、言われた。
撲は、学校が終わると、スーパーに行き、レイコの家に行く様になった。2005-06-22 10:52:00 -
150:
ユキ
レイコは、ものすごい偏食で、食が細いので、大変だった。
母が、早くに亡くなり。小さな頃から、家事をしていたおかげで、撲は、料理が人並みに、出来る。 弁当や、ファーストフードを、一切食べない、レイコの為、撲は、好みを考えて、毎日、ご飯を作ってやった。2005-06-22 11:00:00