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悔やみきれない

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  • 1:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    俺には恋愛というモノがよく解らなかった。
    「好き」という感情も。
    女に対して全くってくらい興味がなかった。
    俺が16の時ホストの世界に足を踏み入れたのは
    別にそこまで深い意味はなかった。
    ただ酒が好きで、飲んで金がもらえる。
    それでよかった。自分次第で収入も膨らむ。

    2005-10-28 13:36:00
  • 11:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「貴晃。」
    「たかあきくんかぁ!あたしはねー由里っていうのー。よろしくー」
    それが俺と由里が交わした初めての言葉だった。
    その時はほんとにどうでもよかった。早く店に戻りたかった。
    「お前らとりあえず携帯の番号くらい交換してみればー?」
    光輝の提案にとりあえず頷いて、番号を交換してから別れた。

    2005-10-28 14:24:00
  • 12:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    店に光輝とふたりで歩いて戻っている途中に携帯が鳴った。
    ディスプレイを見るとさっきまで一緒に居た由里からだった。
    (なんだいきなり…)俺は内心ビックリした。
    さっきまで話していたのに何故次は電話がかかってくるんだろう。
    「はい」 不機嫌そうな声で俺は電話に出た。
    「あ!貴晃くんー?今度一緒に遊びにいこうねー♪じゃー!」
    プツッ ツーツー
    一方的に電話が切れた。

    2005-10-28 14:28:00
  • 13:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    次の日、仕事に行く前に俺の携帯が鳴った。由里からだ。
    「あ!貴晃くん昨日は酔っぱらっちゃっててごめんね…というかメアド教えてくれないかな。あたし電話よりメールの方が好きなんだー」
    そう普通のトーンで言われて昨日とのテンションの違いに少し驚いた。
    だけど俺は今から仕事だし、メアドを口でいちいち教える時間などなかった。
    「ごめん。明日かけ直す!今忙しいから。」
    そう言って速球に電話を切った。

    2005-10-28 14:38:00
  • 14:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    当時俺は8月から自分の店を持つ事が決まっていて、準備もあったし本当に忙しかった。
    由里に構っている暇なんてほんとになかった。
    客にさえメールや電話を疎かにしていた。
    次の日の夕方に昨日由里に電話をかけ直す約束をかろうじて思い出して電話をかけてみた。
    由里はすぐに電話に出た。
    「ほんとにかけてくれたんだー!」と言って少し驚いていた。

    2005-10-28 14:42:00
  • 15:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    電話で俺のメールアドレスを教えた。
    「じゃーすぐメールしてみる!」そう言われて電話を切った。
    それからすぐにメールが来た。
    「由里でっす☆ちゃんと送れるかな??メアド登録しといてください♪」
    「メール来たよ。登録しとく。」
    俺はそっけない返事をして、その後はメールを返さなかった。
    それから約1か月間由里からちょくちょくメールが来るようになった。

    2005-10-28 14:46:00
  • 16:

    名無しさん

    続きが?めっちゃ気になる??楽しみに待ってますね?

    2005-10-29 01:31:00
  • 17:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    名無しさんありがとうございます^^頑張ります。

    2005-10-29 22:20:00
  • 18:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    ある日いつも通りに由里からメールが来た。
    「あたしもさ、夜の仕事始めようと思ってるの。」
    俺はメールを見て少しだけ動揺をした。
    上手く言えないけど、由里にはあまり夜の世界に浸かってほしくなかった。
    俺の心境を悟られない為にも
    「なんで?」と何時も通りそっけなく返事を返した。

    2005-10-29 22:26:00
  • 19:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「お金がないから…。友達が紹介してくれるからお店ももう決まってるよ^^」
    俺は内心(どうして昼のバイトはしてるのにお金がないのか)とか(どこ店だろう?)とか
    疑問を抱いた。でも口にはしたくなかった。
    「じゃー今度飲みに行ったるわ。」
    そう返事をするのが精一杯だった。
    「うん^^あたしも貴晃くんのお店今度飲みに行くね♪」
    何故か俺の心は複雑だった。

    2005-10-29 22:31:00
  • 20:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    それから1週間後の7月の始め。由里の初出勤の日だった。
    俺はどこかでその事を気にかけながらも仕事へ行く準備をしていた。
    すると携帯が鳴った。由里からメールだった。
    「今仕事中だよ。仕事思ったよりすごく楽しいし頑張る♪今日仕事終わってから貴晃くんのお店行ってもいい?」
    そんな感じの内容だった。
    その日俺は8月に出す店の準備の仕事があった為、今の店へ出勤出来るかは解らなかった。

    2005-10-29 22:45:00
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