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悔やみきれない
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1:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
俺には恋愛というモノがよく解らなかった。
「好き」という感情も。
女に対して全くってくらい興味がなかった。
俺が16の時ホストの世界に足を踏み入れたのは
別にそこまで深い意味はなかった。
ただ酒が好きで、飲んで金がもらえる。
それでよかった。自分次第で収入も膨らむ。2005-10-28 13:36:00 -
76:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
止まらない言い争い。今にも殴り合いになりそうな雰囲気に慌てて従業員達が止めに入る。
(仕事中なのに俺なんでこんなに取り乱してんだ…かっこわりぃ…)
我に返って気を取り直して仕事を続けた。
優也とはその日気まずいままだった。
なんだか由里と知り合ってから調子を狂わされてばかりだ…。2005-11-23 12:35:00 -
77:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
仕事が終わっていつもは一緒に住んでいる優也と一緒にタクシーで帰るが
この日は別々に帰った。優也と喧嘩なんていつぶりだろう。
優也とは幼稚園から一緒だった。幼なじみでもあり一番の親友。
(めんどくせぇな…でも謝る気はしねぇ…)
イライラしながら家に着いた。2005-11-30 17:02:00 -
78:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
未だ優也は帰ってないみたいだった。
俺は少し安心した後、思い出した様に由里にメールを送った。
「今日は来てくれてほんとにありがとう!かなり楽しかった!!」
…由里からの返信は一向に来ない。
(もう寝てんのかな…それともメール無視されたのかな…)2005-11-30 17:06:00 -
79:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
ますますイライラする。
こんな些細な事で不安になるなんて今まで一度もなかった。
気付けば由里に電話をかけていた。
由里は眠そうな声で電話に出た。
「あーごめん寝てたぁ…仕事おつかれさまっ♪」2005-11-30 17:08:00 -
80:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
(なんでこいつはこんな可愛い声してんだー)
思わず俺の顔が緩んだ。
「いーよ^^でもほんと今日は嬉しかった!!」
そんな話をしていると玄関のドアが開く音がする。
(優也が帰ってきた…!気まずい…)2005-11-30 17:10:00 -
81:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
優也の足音が俺の部屋まで近付いてくる。
コンコンッ 「貴晃、ちょっといーか?」
ドアをノックされて俺は慌てて由里との電話を切った。
「何?」ふてくされた顔で俺はドアを開いた。
「さっきの話の続きなんだけど。」2005-11-30 17:13:00 -
82:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
「あー何?」
「俺には正直に言えよ?お前は由里ちゃんの事好きなんじゃねーの?」
「…」
優也に改めてそう聞かれて何も答えられずに俺黙ってしまった。
好きとかそういう感情がよく解らなかった俺にとって「好きだ」なんて口にした事もない言葉。2005-11-30 17:15:00 -
83:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
「好き…ではない。でもなんか他の女と違う。気になるっつーか…」
そう答えるのが精一杯だった。
「お前そういうのを好きっつーんだよ!」
優也は呆れたように苦笑い。
「俺もさ、一目惚れとか初めてだし、そりゃ由里ちゃんの内面はまだよく知らねーけど、本気で頑張ってみようって思ってんだ。」2005-11-30 17:18:00 -
84:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
「うん…そっか。悪かったな店で思わず怒鳴っちまって。」
「俺は諦めないから。でもお前がライバルじゃちょっとキツイなー笑」
(ライバル…?俺と優也が…?)
なんだかよく状況が把握出来ていない俺は
「いや俺はお前と競う気ねーから!」と言った。2005-11-30 17:21:00 -
85:
貴晃 ◆fnkquv7jY2
「いやいやちゃんと話聞いてる?貴晃はさっき店で俺に「アイツは俺のだから手出すな」って怒鳴ったんだぞ?それって完璧惚れてるって事じゃん。そして俺も由里ちゃんに惚れてる。お互い引く気ねーならライバルじゃん!笑」
優也に笑いながらそう言われて
俺はまだ腑に落ちなかったが「そっか…」とだけ言った。
「お互い容赦なしな!そうと決まったら俺に由里ちゃんの番号教えてくれよ♪」2005-11-30 17:25:00