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悔やみきれない

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  • 1:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    俺には恋愛というモノがよく解らなかった。
    「好き」という感情も。
    女に対して全くってくらい興味がなかった。
    俺が16の時ホストの世界に足を踏み入れたのは
    別にそこまで深い意味はなかった。
    ただ酒が好きで、飲んで金がもらえる。
    それでよかった。自分次第で収入も膨らむ。

    2005-10-28 13:36:00
  • 201:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    このまま時間が止まって欲しい なんて思ったりした。
    こんな事を思うのは産まれて初めてだ。
    由里は俺の中の初めてをどんどん奪っていく。
    人の愛し方さえ解らなかった俺にとったら、きっとこういう気持ちのなにもかもが初めてだった。
    なんだか胸が苦しくなる。どんどん俺が俺じゃなくなっていく気がしていた。

    2005-12-27 03:42:00
  • 202:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    マクドを食べ終えてまた沢山の荷物を持ってショッピングモールを歩いた。
    由里は服屋が並んでいる所で立ち止まる。
    俺は気を利かせて由里の分の荷物も持ち
    「服見て来たら??外で待ってるから。」と言うと
    「ありがとう^^」と微笑んで店の中へ入って行った。

    2005-12-27 05:21:00
  • 203:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    (由里はなんか買い物とか長そうだな…笑)
    そう思いながら俺は近くにあったベンチに腰を掛け、一服していた。
    すると由里はすぐに店から出て来た。
    俺はビックリして
    「え?何も買わんかったん?!」と訪ねた。

    2005-12-27 05:24:00
  • 204:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「うん^^欲しい服なかった。荷物増えるのも困るしね。それに貴晃待たせるの悪いから。」
    俺は心の中で拍手をしていた。どこまでいい女なんだろう由里は。
    思いやりのあるというか、他人の事をちゃんと考えて行動出来ている。
    悔しいけどますます惚れ直してしまった。
    今まで俺の女に対するイメージは、ワガママとか自己中とかそんなものしかなかったから。

    2005-12-27 05:30:00
  • 205:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「最後にさ、ブルガリのお店だけ行ってもいい…?」
    「もちろん。」
    少し歩いてブルガリの直営店へふたりで入った。
    由里はキョロキョロしながらネックレスのコーナーへ向かう。
    俺も後と着いていくと
    「あー!あった♪」と由里が目を輝かせて商品を見ている。

    2005-12-27 05:35:00
  • 206:

    ☆彡

    更新イェィッ(●>_

    2005-12-27 07:30:00
  • 207:

    ???

    おもろい?頑張ってね?

    2005-12-27 12:27:00
  • 208:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    >>214さん&>>215さん
    いつもコメント本当にありがとうございます♪
    おもしろいって言ってもらえると感激ですm(_ _)m
    これからも頑張って更新していきます。

    2005-12-28 02:39:00
  • 209:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「え?なにが??」
    俺が不思議に思ってそう訪ねると由里は次の瞬間、店員に向かって
    「これふたつください♪」と言ってのけた。
    「?????」
    俺は何がなんだかよく解らなかった。

    2005-12-28 02:41:00
  • 210:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    (一体何を買ったんだ…?!)
    俺も由里の隣に行ってその商品を見た。
    店員がショーケースから取り出したのはブルガリのインゴットのネックレスふたつだった。
    (由里、誰かとお揃いにでもするんかな…?)
    ふとそんな事を思う。

    2005-12-28 02:44:00
  • 211:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「あ!荷物増えるんで箱とか要らないです^^」
    爽やかに店員に言う由里。
    (誰かへのプレゼントじゃないのか…??)
    不思議に思う俺。
    由里はさっさと会計を済ませてしまった。

    2005-12-28 02:46:00
  • 212:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    インゴットネックレスの定価は約25万。
    それがふたつだから約50万…。
    またしても由里は躊躇なく財布から札束を出して払っていた。
    俺はまた呆然とその光景を眺めているだけだった。

    2005-12-28 02:48:00
  • 213:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    会計を済ませてネックレスをそのまま受け取る由里。
    (ふたつも一体どうするんだろう?色も全く同じやつなのに。)
    すると由里はひとつを自分の首にすぐに付け始めた。
    それから俺の首にもうひとつを付けようとしてきた。

    2005-12-28 02:50:00
  • 214:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    俺はただビックリして
    「いやいや何しよん?!」と咄嗟に言う。
    「おそろいのネックレスふたつめー♪ちゃんと付けてね?^^」
    由里は満面の笑みで答える。もう唖然とするしかなかった。
    「ただでさえさっきもいっぱい買ってくれたのにあかんわこんなの…」

    2005-12-28 02:54:00
  • 215:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「だーかーらー!貴晃はそんなの気にしなくていいんだってば。あたしが勝手に買ってるだけだし…嫌なら付けなくてもいいよ?あたしこのネックレスが欲しかっただけなの♪どうせならお揃いがいいなって思って^^」
    平然としている由里。一体どうしてここまで気前がいいのか…
    勿論嫌な訳はなく強引な由里に流されて俺はネックレスを付けられた。
    内心かなり嬉しい。顔はきっとにやけていた。

    2005-12-28 02:59:00
  • 216:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    (由里はなんで俺にここまでしてくれるんやろ…?!)
    俺の中でどう考えても由里は俺の事を好いてくれているという確信を持った瞬間だった。
    「メッチャ嬉しい…大切に付けるわ。ありがとうなほんま…」
    「素直でよろしい♪笑 喜んでくれたらなんでもかまんねん♪由里も貴晃とお揃いが増えて嬉しいっ♪」

    2005-12-28 03:05:00
  • 217:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    とびきりの笑顔でそう言ったあの日の由里の声が今も耳から離れない。
    なぁ、由里。
    お前は俺が由里の事をまだ忘れられないって言ったら 一体どう思うかな。
    忘れたくなんてないんだ。なにもかもを。

    2005-12-28 03:07:00
  • 218:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    思い出なんかに出来ない。
    きっと由里の事だから
    「早く私の事は忘れて幸せになって」とか微笑むだろうな。
    俺はいつまでも忘れない。
    お前のくれた物全ても最初で最後の手紙も いつまでも俺の宝物なんだ。

    2005-12-28 03:12:00
  • 219:

    続きほんとに楽しみです!!頑張って下さい

    2005-12-28 16:25:00
  • 220:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    ☆彡さんいつも感想ありがとうございます(>_

    2005-12-29 04:05:00
  • 221:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「さーそろそろ帰ろっか♪貴晃疲れてるだろうしゆっくり休んで^^」
    由里がそう言うのでショッピングモールを出てタクシーを探す。
    時刻は午後3時くらい。
    走っていたタクシーを捕まえてふたりで乗り込んだ。

    2005-12-29 04:07:00
  • 222:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    タクシーを乗ってる間の約30分間。
    俺はやっぱりここ何ヶ月間かずっと気になっていた事を由里に聞こうと必死だった。
    由里が優也に言った「大切な人」。
    だけどなかなか勇気が出ない。
    これ以上ないくらい緊張してたと思う。

    2005-12-29 04:08:00
  • 223:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    訂正 タクシーを=タクシーにです^^;

    あまりに挙動不審な俺を見かねてか、由里から沈黙を破った。
    「貴晃どーしたの??気分でも悪い??」
    「いや…」

    2005-12-29 04:11:00
  • 224:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「なにー??」
    「あのさ…由里前に優也に告られたんやろ…??」
    「…え?うん…貴晃知ってたんだ…」
    「うん。優也から聞いた。それでさ…大切な人がおるって言ったんやろ…?」
    「…うん……」

    2005-12-29 04:14:00
  • 225:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    急に悄気たような顔になる由里。
    (やべー空気が重い…)
    それでもめげずに俺は確信へ迫った。
    「由里の大切な人って誰なん…?」
    「………」

    2005-12-29 04:15:00
  • 226:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    由里はずっと下を俯いたまま口を閉ざしていた。
    (言いにくいんかな…)
    俺は急に焦る。(やっぱり聞いてはいけない事やったんかも…)
    「…忘れれん人がおるねん……」
    「え…?!」

    2005-12-29 04:17:00
  • 227:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「元彼。今でも忘れれんねん。でも他に今気になる人が居るかな^^」
    「そぉなんや…」
    俺は元彼が忘れられないという言葉で頭がいっぱいいっぱいになっていた。
    さっきまでの緊張のドキドキがズキズキに変わっていた。
    (いやでも今他に気になる人がおるとも言うたよな…?!)

    2005-12-29 04:21:00
  • 228:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「今気になる人っていうのは誰…?」
    僅かな可能性を信じて恐る恐る聞いてみた。
    タイミング悪くタクシーは由里の家へ着く。
    由里は俺の言葉を遮って財布から金を出して俺にタクシー代を渡そうとする。
    「いやタクシー代くらい自分で払うから!!」

    2005-12-29 04:24:00
  • 229:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    俺がタクシー代を受け取らないでいると、イキナリ顔を近づけてきて由里は俺にキスをしてきた。
    あまりに突然で俺は驚くしかなかった。
    「貴晃やで^^」
    「…え?!??」
    「今気になるひとっ!じゃーね!今日はありがと!」

    2005-12-29 04:27:00
  • 230:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「運転手さん気を付けて送ってあげてくださいね^^よろしく♪」
    そう言ってタクシーのドアを閉めて笑顔で手を振る由里。
    俺はまだ唖然としたままだった。
    少し経ってなんとか我に返って由里に手を振り返し、タクシーの運転手に自分の住所を告げる。
    気付けば由里に座ってた場所にはタクシー代の2万円…。

    2005-12-29 04:31:00
  • 231:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    (やられた………)
    俺は愕然とする。ほんとにこれ以上金を出してなど欲しくなかったのに…。
    それにしても胸の鼓動が異常なくらいに早い。
    突然の2度目のキス。俺はきっと由里が降りた後のタクシーの中で顔を真っ赤にしてたと思う。
    「貴晃やで^^」と微笑んだ由里の顔がなかなか頭から離れなかった。

    2005-12-29 04:34:00
  • 232:

    ☆彡

    更新待ってマス(癶з癶)♪

    2005-12-30 02:58:00
  • 233:

    名無しさん

    ジャマしてゴメソ?
    >>1-250

    2005-12-30 03:36:00
  • 234:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    ☆彡さんまたまたレスありがとうございます(>_>241サン読みやすくしてくださってありがとうございますm(_ _)m

    2005-12-31 02:58:00
  • 235:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    由里の家から20分ほど走って俺の住んでいるマンションに着いた。
    俺は由里が置いてった2万円は使わず自分の財布からタクシー代を払う。
    (この金は今度由里に返さんとあかん…)
    2万円を財布の隅によけて仕舞った。

    2005-12-31 03:01:00
  • 236:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    俺は両手にいっぱいの荷物を抱えてマンションへ入る。
    (優也にこの荷物絶対ビックリされるやろうな…なんて言い訳しよう…)
    エレベーターに乗っている間そんな事ばかり考えていた。
    家の前に着いて家のドアを開く。

    2005-12-31 03:04:00
  • 237:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    ドアを開いた瞬間にリビングに居た優也が
    「おー貴晃おかえりー!結構早かったな!…っつーかどしたん?!そのヴィトンの山!!」
    と言って来た。
    (いきなりかよ……)
    さすがにちょっと焦った。笑

    2005-12-31 03:06:00
  • 238:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「あー…いや今日一緒にアフター行ってた客が買ってくれてん…」
    優也はなぜか目を輝かせてヴィトンの袋の中を漁ろうとする。
    「いやお前勝手に見るなって!笑」
    「こんなに買わせて悪い奴やなー!笑 っつーか今日アフター行った客って誰???!」

    2005-12-31 03:08:00
  • 239:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    (来た…!うーなんて言えばええんや…由里に買ってもらったなんて口が裂けても言われへんし…)
    「…Cちゃんやで!!」
    また咄嗟に嘘が出てしまった。俺はどこまで優也に嘘を重ねなければいけないんだろう…。
    Cちゃんとは俺の客で風俗嬢だ。

    2005-12-31 03:10:00
  • 240:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「え?!マジで?!お前Cちゃんとアフター行く程仲良かったっけー?!」
    「いやそんな事ないけど…」
    「でもまーこんだけ買ってくれるならアフターくらい行くよなー!羨ましー!お前がアフター行くって言った訳が今分かった!笑」
    「いやいやプレゼント目当てで行ったんじゃないし!!」

    2005-12-31 03:13:00
  • 241:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「ハイハイいい人ぶらんでえーから!笑 あれ?っつーか貴晃ネック増えてね?!」
    (あ…!やべネックの事忘れてた…)
    「それも買ってもらったんかー?!どんだけ貢がすねん!笑」
    「ハハッ!まー実力や♪」

    2005-12-31 03:15:00
  • 242:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    もう開き直って優也に調子を合わせるしかなかった。
    下手に言い訳をするよりも優也の推測に便乗する方が詮索されずに済む。
    「俺そのネックレス一番欲しかったやつだし!マジ羨ましー!!」
    本気で羨ましそうな優也。
    しかも由里に買ってもらってお揃いなんて言えばお前はあの時どんな顔したかな。

    2005-12-31 03:20:00
  • 243:

    名無しさん

    2005-12-31 04:07:00
  • 244:

    ☆彡

    更新してる(●>_

    2005-12-31 08:50:00
  • 245:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    更新遅れてすみません…><
    いつもほんとに読んでくださってありがとうございます^^
    そして明けましておめでとうございますm(_ _)m

    2006-01-03 01:54:00
  • 246:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    俺はその夜なかなか寝付けなかった。
    寝てないし疲れているはずなのに、由里のひとつひとつの言葉を思い出すと
    なんだか鼓動が早くなって落ち着かない。
    (やっぱり気になるって事=好きって事やんな…?!)

    2006-01-03 01:57:00
  • 247:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    気になる人 よりも 好きな人 って言って欲しかったけど…。
    由里は以前の俺みたいにハッキリ好きと言える程は俺の事を想ってはないんだろうか…
    だけど俺は充分嬉しかった。でも「忘れられない元彼がいる…」か…。
    少し複雑すぎる。
    そんな事を寝付くまでずっと考えていた。

    2006-01-03 02:01:00
  • 248:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    その2日後。俺のバースデーイベントの日。
    恐れていた事が起こった。
    優也との史上最悪な喧嘩に発展した。

    2006-01-03 02:04:00
  • 249:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    その日俺はいつもよりかなり早めに家を出て開店準備をした。
    沢山届いている花をセッティングして、白いスーツの貸衣装に着替える。
    (由里は来てくれるかな…?)
    それが一番の期待と不安だった。

    2006-01-03 02:08:00
  • 250:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    いつの間にか時刻は12時を回って俺の誕生日になった。
    同時に従業員達や優也も出勤してきた。
    俺の携帯が鳴り通し始める。
    客達からのハッピーバースデーメールと電話。

    2006-01-03 02:09:00
  • 251:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    だけど由里からは連絡が来なかった。
    俺は軽くショックを受ける。
    そうしてるうちに開店時間になり一斉に客が入り始めた。
    由里の姿はなかなか現れない。

    2006-01-03 02:11:00
  • 252:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    感情を表に出さない俺もあの日ばかりは結構焦っていたのが表に出ていたかもしれない。
    淋しさを紛らわすように客達が卸してくれたシャンパンを飲みまくった。
    (早く酔ってしまいたい…)
    「貴晃いつもより気合い入ってるねー!」

    2006-01-03 02:14:00
  • 253:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    客達が珍しそうに口を揃えて言う。
    「当たり前やん!1年に1度しかない誕生日やしー?!」
    (別に気合いが入っとんちゃうねん。由里が祝ってくれんから寂しいねん。)
    心のどこかでそう叫ぶもう一人の俺。

    2006-01-03 02:18:00
  • 254:

    名無しさん

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    2006-01-03 11:32:00
  • 255:

    名無しさん

    あげぇ

    2006-01-04 18:49:00
  • 256:

    あげ☆

    2006-01-06 22:13:00
  • 257:

    名無しさん

    あげたった

    2006-01-07 02:27:00
  • 258:

    ☆彡

    あげたったたたん♪

    2006-01-07 05:10:00
  • 259:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    みなさんスレッドをあげてくださってありがとうございますm(_ _)m
    更新遅れてしまってすみません><
    今からまた更新します^^

    2006-01-07 14:16:00
  • 260:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    時刻は既に午前4時を回っていた。
    (いつもなら由里はこの時間には絶対来てくれてるのに…)
    そう思うとまたどんどん落ち込んでいった。
    俺はすでにほろ酔いを超えて意識が朦朧としそうだった。

    2006-01-07 14:18:00
  • 261:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    従業員達も俺のヘルプに着いて潰れるまで飲もうと頑張ってくれている。
    俺が自分の私情で落ち込んで酔いつぶれる訳にはいかなかった。
    せっかくの誕生日。気を持ち直して未だ頑張ろうとしていたその時。
    店のドアが開いた。

    2006-01-07 14:21:00
  • 262:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    開いたドアから見えたのは紛れもなく由里。
    俺が誰よりも心待ちにしていた由里だった。
    俺は一気にテンションが上がる。
    「お誕生日おめでとう^^ごめんね遅くなって…」

    2006-01-07 14:23:00
  • 263:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    いつもと同じ笑顔で俺の元へやってくる。
    俺はとりあえず他の客に一言断って真っ先に由里の席へ着いた。
    たぶんあの時の俺の顔はかなり緩んでたと思う。
    優也も一緒に由里の席へ着いた。

    2006-01-07 14:26:00
  • 264:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    優也が心配そうに言う。
    「ホンマいつも通りドリンク飲んでてえーから!!」
    俺ももう由里には金を使わせたくないからそう言った。
    ぶっちゃけ俺はワインがあまり好きじゃないからロマネは飲みたくなかったのもある。笑

    2006-01-07 14:41:00
  • 265:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「無理なんてしてないよー?ロマネってワインだよね…?あたしあんまワインは好きじゃないからワインタワーでもする?笑」
    「いやいやそれはもったいなさすぎだから!!!!!!!!」
    俺と優也の言葉が見事にハモる。笑
    「決めた♪誕生日のお祝いはワインタワーで^^」

    2006-01-07 14:45:00
  • 266:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「え…?!いやあかんって!!!!」
    「なんで…?」
    「そんなのもったいないやん…タワーがしたいならカフェパとかでええやん…!」
    「そういう事お客さんに言うもんじゃないよー?貴晃は代表失格!笑」

    2006-01-07 14:48:00
  • 267:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「だって由里の事は客やと思ってへんもん!」
    「え…?そうなの??」
    ついつい出た俺の本音に不思議そうな顔で俺の目を真っ直ぐ見る由里。
    俺の方を真顔で見て明らかに何か言いたそうな優也。

    2006-01-07 14:51:00
  • 268:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    (やばい…まずったかも…)
    俺は一気に酔いが冷めて冷静になる。
    「まー貴晃があたしをどう思ってるのかは知らないけどー?笑 とりあえずロマネをタワー出来る分だけ持ってきてよ^^」
    やっぱり金銭面では強引な由里。

    2006-01-07 14:55:00
  • 269:

    名無しさん

    2006-01-07 15:49:00
  • 270:

    名無しさん

    ぉもろぃ?
    頑張って書いてね?

    2006-01-08 16:45:00
  • 271:

    ☆彡

    age↑

    2006-01-09 04:00:00
  • 272:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    >>279さん読みやすくしてくれてありがとうございます^^
    >>280さん頑張って更新していくのでこれからも読んでやってください^^
    >>☆彡さんいつもスレを上げてくださって応援してくれてありがとうございますm(_ _)m

    2006-01-09 12:07:00
  • 273:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    俺は仕方なくロマネの在庫を確認しにカウンターまで向かった。
    確認したところロマネはあと4本だった。
    シャンパングラスを集めてボトル4本で出来そうなタワーのセッティングをする。
    タワーは少し小さめの6段になった。

    2006-01-09 12:10:00
  • 274:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    由里はワクワクした様子で並べられたシャンパングラスを眺めている。
    ここまで来たらもうするしかない…。
    やっぱり複雑だけどかなり嬉しくはある。俺は覚悟を決めてマイクパフォーマンスをした。
    「5番テーブル!由里ちゃんからロマネコンティー4本でタワー頂きましたぁぁぁ!!!!」

    2006-01-09 12:14:00
  • 275:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    店内が一瞬にしてざわめく。
    他の客が信じられないと言った目でタワーの方を凝視してくる。
    従業員達のコールに合わせて次々とロマネをタワーに注いだ。
    由里はタワーの真ん前で満足そうに笑っていた。

    2006-01-09 12:16:00
  • 276:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    タワーのグラスにロマネが全て注ぎ終わってから優也が
    「ここで由里ちゃんから一言!」といきなり由里にマイクを向けた。
    由里は「貴晃誕生日おめでとう!!これからも応援しています。」とマイクを通して言った。
    俺はなんだか感動して涙が出そうになった。

    2006-01-09 12:19:00
  • 277:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    席に戻って一息ついたあと3人で乾杯をした。乾杯の後に
    「あ!そういえばふたりに言ってなかったっけ…?」
    イキナリ由里が唐突に言い出した。
    「え…?何を?!」由里の答えは少し信じ難いものだった。

    2006-01-09 12:24:00
  • 278:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「あたしねー、仕事辞めたの。」
    「え?!いつ?!」
    またまた俺と優也の声がハモった。
    「んー9月頃かなぁ。」

    2006-01-09 12:26:00
  • 279:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    (え…?!9月って随分前じゃねーか…!?)
    「嘘やん?!由里10月頃も週2回仕事帰りに来てくれよったやん!」
    「あー仕事帰りに見せかけて家から来てたんだけどね。笑」
    「じゃぁ今は仕事してへんの?!」

    2006-01-09 12:28:00
  • 280:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「うん。毎日ゴロゴロしてるよ。笑」
    (マジで?!じゃぁ一体どこから大金が出てくんねん…?!)
    俺はかなりビックリしていた。でもあまり詮索したくはない…。
    由里なりの事情があって仕事を辞めたんだろうと思った。

    2006-01-09 12:31:00
  • 281:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    そこで優也も唐突に言い出した。
    「というか俺、さっきから気になっとったんやけど…」
    「なに??」
    「由里ちゃんと貴晃、付けてるネックレスが全く同じじゃね?!ビーゼロワンとインゴット…」

    2006-01-09 12:34:00
  • 282:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    (やばい…!しくった…!!)
    俺は一瞬にして焦る。それまで気にも止めなかった。
    確かにひとつまでならまだしも、ふたつも同じ物を付けているのは誰がどう見ても偶然とは思わない。
    「あーこれあたしが貴晃にあげたんだもん^^ふたつともお揃いなの。」

    2006-01-09 12:37:00
  • 283:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    由里は無神経なのか、まさか優也がまだ自分の事を諦めてないと思いもしなかったのかありのままに言った。
    (終わった……)
    俺は急に顔が青ざめる。優也は一瞬にして顔を曇らせた。
    「なぁ…貴晃。正直に言えよ?こないだアフター行くっつって買い物行った相手も由里ちゃんなのか?」

    2006-01-09 12:41:00
  • 284:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「そうだ。」
    俺が静かにそう言うと優也は立ち上がって俺の胸ぐらを掴んだ。
    「なんで俺に嘘付くねん!!!同情でもしてたんか?!傷付けたくないとか偽善者ぶってたんやろ?!どうせ俺の事見下して優越感に浸ってたんやろが!!!」
    爆音のBGMも掻き消す程の大声で俺に怒鳴って来た。

    2006-01-09 12:44:00
  • 285:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    由里は何が何だか解ってない感じで呆然とその光景を見ている。
    俺達の異変に気付いて従業員達は慌てて優也を宥めにかかる。
    「貴晃表出ぇや!!!!!!!!!」
    優也の怒りはなかなか治まらない。

    2006-01-09 12:45:00
  • 286:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    他の客達もこっちの様子を驚いた顔で見てくる。
    せっかくの誕生日が一瞬で台無しになった。
    とりあえず俺は優也と一緒に店の外に出る事にして優也の後を着いて行く。
    由里が俺を追いかけて来て心配そうに

    2006-01-09 15:36:00
  • 287:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「もう喧嘩はダメだよ?!なんで優也くん怒ってるの…?」
    と哀しそうに言ってきたから
    「大丈夫やって!他の客の目もあるしなんとか表で優也宥めて来るから待っといてな。」
    そう言って由里の頭をポンポンと撫でた。

    2006-01-09 15:38:00
  • 288:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    俺は優也が今までにない程にキレているのは手に取るように解っていたから
    正直宥める事は不可能だろうと思っていた。
    気が済むまで殴ってもらうしかないかな と覚悟を決めて表へ出た。
    由里には心配をかけたくないけど…こうなってしまった以上仕方がない。

    2006-01-09 15:40:00
  • 289:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    従業員達も心配して一緒に外へ出てきたけど、優也が
    「貴晃とふたりにしてくれ」と静かに言ったのでふたりで表に出た。
    ふたりになった途端、優也はまた俺の胸ぐらを掴んで壁に押し付けて来た。
    「気が済むまで殴れ。」

    2006-01-09 15:46:00
  • 290:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    俺は至って冷静だった。
    「お前…由里ちゃんと付き合ってんのか…?」低い声で優也が嘆く。
    「付き合ってない。」
    「じゃぁなんでお揃いのネックレス貰ってんねん?!」

    2006-01-09 15:48:00
  • 291:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「わからねぇ。」
    「なんで俺に嘘付いてん?!」
    「優也を傷付けたくないから。」
    俺がそう言った瞬間優也は拳を振り上げる。

    2006-01-09 15:49:00
  • 292:

    ☆彡

    由里ちゃん羨ましぃ(○′3`)

    2006-01-09 22:57:00
  • 293:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    ☆彡さんへ。
    由里は確かに美人でスタイルもいいし愛想もいいからかなりモテていました。
    でも由里はすごく不憫な奴で…。
    やっと半分くらいは書けたと思うので、これからも完結まで是非読んでやってください。^^

    2006-01-09 23:25:00
  • 294:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    (殴られる…!)
    そう思って歯を食いしばった瞬間、優也は俺の顔の真横の壁を思いっきり殴った。
    鈍い音がする。優也の拳から血が噴き出す。
    俺は驚いて顔を上げた。優也は俯いていたが頬に雫が流れている…。

    2006-01-09 23:28:00
  • 295:

    ☆彡

    由里さんカナリ不思議な所がイッパィあるから楽しみに完結までバッツィリ見させてもらぃまぁぁ〜す(´∀`)

    2006-01-09 23:29:00
  • 296:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    「俺…お前の事親友やと思ってた…。隠し事もないって思ってた。やのにどうしてそんなしょーもない嘘とか付くねん…」
    優也は急に寂しそうに呟く。
    俺は胸が痛くて仕方なかった。「ごめん…優也ほんまにごめん…」
    涙を堪えてそう言うのが精一杯だった。

    2006-01-09 23:31:00
  • 297:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    いっそ気が済むまで殴ってくれた方がマシだった。
    傷付けまいと付いた嘘が余計傷付けてしまう事もある事を19歳にもなってその時初めて知った。
    優也はその後何も言わずに一人でエレベーターに乗ってどこかへ行こうとした。
    「優也…?!オイ!どこ行くねん!!!!」

    2006-01-09 23:33:00
  • 298:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    優也は何も答えずにエレベーターのドアを閉めて1Fへ降りて行ってしまった。
    慌てて俺も階段で1Fまで駆け下りた。
    優也を引き止めようとしたけど、優也は既にタクシーに乗り込んで俺の目の前から走り去った。
    優也が去った後、表現出来ない感情が込み上げて来て、俺は一人でしゃがみこんで泣いた。

    2006-01-09 23:36:00
  • 299:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    泣くのなんて何年ぶりだろう。
    大切な大切な親友をあんなに傷付けてしまった。
    それだけがなんだか悔しくて仕方なかった。
    10分程1Fで呆然としていたけど、我に返って涙を止めて店へ戻った。

    2006-01-09 23:38:00
  • 300:

    貴晃 ◆fnkquv7jY2

    店へ入ると従業員達が駆け寄ってくる。
    「貴晃さん大丈夫でしたか?!あれ…?優也さんは……?」
    「あーアイツはとりあえず帰ったわ。俺は大丈夫やからホンマ気にせんといてくれ。」
    心中穏やかではなかったけど、優也と俺の問題だから従業員達に心配をかけたくはない。

    2006-01-09 23:41:00
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