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  • 1:

    あたしの名前は矢竹紗莉。

    お前のために、

    今日も明日もこれからも。

    2006-03-03 08:54:00
  • 101:

    『そぅ(。゚∀゚。)左が好み☆新地の匂いがプンプンやん♪』
    目を細め、獲物をしっかりと見つめるその目付きは、立派なハンター。
    『行く?』
    『カズキはどっちがィィ?』
    『どっちゃでも。でも左のコはきつそうなので、正直ゆーたら右のコがィィ。』

    2006-03-03 10:42:00
  • 102:

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━その頃。

    2006-03-03 10:43:00
  • 103:

    『てか腹減ったー(。´`。)』
    『飯行く?』
    『もちろんです。サリなに食べたいー?』
    『ん〜肉かしら。』
    『焼き肉でも行こか。今日はメリ居てないからツマランなぁ…』

    2006-03-03 10:44:00
  • 104:

    『何してんの〜!!』
    突如、後方から声が聞こえて振り返る。
    『あ、キャッチ?』
    サリの言葉の先にはホストらしいスーツが二人。
    どちらも大層男前だが、声をかけて来た方は何と言うか、チャライ

    2006-03-03 10:45:00
  • 105:

    『キャッチちゃうで〜☆暇やったら遊びましょ☆』
    ニッとかわいらしく笑ったホストを見ると、
    ━あ、このホストは八重歯がチャームポインツなのね━
    そんな事を思っているかのようにサリがふと笑う。

    2006-03-03 10:46:00
  • 106:

    『名刺ちょうだい?お店に遊びに行くから☆』
    八重歯に負けじとサリは優しく微笑む。
    普通、カッチョィィ売れっ子ホストがプライベートで遊んでくれるなら、なんともやっぱりうれしいはず。
    でもサリは絶対にプライベートでは係わり合おうとしなかった

    2006-03-03 10:47:00
  • 107:

    ──この当時、
    豆とサリはモデルの仕事もチラホラしていた。
    カットモデルやら、美容院のホームページやプリクラのモデル。
    なので、遊びも自粛するようにとマネージャーモドキに常々言われていた。
    サリはそれを理由に男の人との係わりを拒絶していた。ホステスもやりながらのモデル業、喫茶店アルバイトとモデル業の豆なんかよりも遥かに疲れていたのかもしれない。

    2006-03-03 10:48:00
  • 108:

    ただでさえホステスをやりながらモデルなんかしていると周りの反感も少なくはない。
    けれどサリにとっては、モデルだろうがホステスだろうが、
    全てはお金の為。
    娘の為に使い貯める為。
    なので正直、彼氏なんて作ってる余裕はどこにもなかったのかもしれない。

    2006-03-03 10:50:00
  • 109:


    『ほな、名刺わたしとくわ。電話してよぃ(。゚∀゚。)』
    ----ホストは小綺麗なスーツから、はたまた小綺麗な名刺ケースを取り出すとさっさと名刺を差し出す。
    『ありがと。えっとー、ハヤトくん?今度行くわ☆』
    軽く挨拶をかわし、女二人と男二人は別々に歩き出した。

    2006-03-03 10:51:00
  • 110:

    『好み〜?』
    後方からイシシと笑うメイ。
    『チャライ。』
    つまらなさそうに名刺をコートに突っ込むと、カツンカツンとヒールを鳴らし歩き出す。
    『確かにチャライね。でも飲みたくなったら行ってみよ』

    2006-03-03 10:52:00
  • 111:

    それから、
    たいした問題もなくただ月日は流れて行った。
    何もかもが順調に、
    ……行っているかのように思えた。

    2006-03-03 10:53:00
  • 112:



    確実に、狂って行く前兆だとは誰しもが気付きもしないでいた

    _

    2006-03-03 10:54:00
  • 113:

    『あ、そーいやメリも幼稚園慣れてきた〜?』
    大好きな彼氏と同棲を始め、幸せ色に頬を染めたメイがメリをポッキーでつんつん。
    『うっさいわ(。゚∀゚。)』
    最近めっきり生意気になったメリはポッキーをふんだくる。

    2006-03-03 10:55:00
  • 114:

    『なッッ(*゚Д゚)!!!メリ生意気なったねー』
    悲しそうにへしゃげてメイはポッキーをぽりぽり。
    『メイ気にせんとコツいたってや。メリ生意気やし』
    サリはクスッと笑ってグラスに刺さったひんやり冷たいポッキーを摘んで振り回す。

    2006-03-03 10:56:00
  • 115:

    『まぁ、ちょっと早い思春期って奴ね(。´v`。)ノ』
    何をされようとメイは相変わらず怒らない。
    『幼稚園児が思春期とか…早。ポリポリ…』
    また少しクスッと笑ってサリはポッキーをポリポリ。

    2006-03-03 10:57:00
  • 116:

    『…で、話って何?』
    メイは煙草を口に宛て、ライターを探しながら呟いた。
    『んー・・・・・』
    ポリポリと無表情にポッキーをくわえたまま、サリは浮かない返事をする。

    2006-03-03 10:58:00
  • 117:

    『実はー…』
    --------その時。
    ♪♪リンロン♪♪♪リンロン♪♪♪
    サリの手元の携帯電話が世話しなくなりだした。
    まるで急かすかのように。まるで会話を断ち切るかのように。

    2006-03-03 10:59:00
  • 118:

    ─パカッ……
    携帯を開いたサリの表情は、相変わらず浮かない。
    『出んの?』
    『……出てくる』
    スクッと立ち上がり、細い足を重々しく行進させてサリはリビングから出て行った。

    2006-03-03 11:00:00
  • 119:

    数分して戻って来たサリから出た言葉は

    『何話したいんか忘れたからもうええわ(。゚∀゚。)』

    妙な笑顔でそう言った。

    2006-03-03 11:01:00
  • 120:

    『なんやソレ(。´v`。)』
    返した言葉の真意は、
    本当の所気にはなったものの、踏み込んではいけないような変な勘が、メイは働いていた。

    2006-03-03 11:02:00
  • 121:

    ・・・・・・その勘は、後に『やっぱり』に変わる事となる。

    2006-03-03 11:03:00
  • 122:


    ・・・・・数週間後。

    .

    2006-03-03 11:04:00
  • 123:

    『ちょっと!!どーゆう事!?電話でもゆったやん!!』

    深夜、とある部屋の玄関。

    女の声が響き渡る。

    2006-03-03 11:05:00
  • 124:



    その声の主は、サリ。

    2006-03-03 11:06:00
  • 125:

    『メリは何処!!!返して!あんた自分が何やってるかわかってんの!?』

    怒鳴り付けるその声は、
    しとしとと雨のふりつける、
    初夏にしては寒い夜だった。

    2006-03-03 11:07:00
  • 126:

    『ちょっと、…うるさい。とりあえず入れば?近所迷惑』

    冷たく言い放つ声は、

    元、旦那。マサヨシ。

    2006-03-03 11:08:00
  • 127:

    『メリ返せや!!はよ返して!!何処やねん!』
    荒々しいサリの声は息をするのも忘れるかのように切羽つまったものだった。
    『早く!!メ・・・・』
    『メリは実家や。おかんがみてるわ。』
    サリは過呼吸気味になりながらも瞬時に耳を疑った。

    2006-03-03 11:09:00
  • 128:

    その日、
    サリは体調が悪く、病院へ行こうとしたが、
    メリも前日から風邪をひいて薬を服用して寝ていたので連れて行く事を躊躇い、メイに電話をしていた。
    あいにく仕事だったメイには頼れず、
    丁度、面会日だったマサヨシは仕事も休みでかけつけた。

    2006-03-03 11:10:00
  • 129:

    メリを身篭った時、
    親権をマサヨシに渡す事で、マサヨシの親に離婚を承諾されていたサリは、
    離婚してすぐに引越した。
    親としての関わりはマサヨシが望むなら与えてあげたいと、サリは常々言っていた。
    『マサヨシの子でもあるねんから、マサヨシも義母も義父も、メリを愛してくれたらあたしはうれしい。』

    2006-03-03 11:11:00
  • 130:

    しかしある時から
    マサヨシの義母はメリを引き取りたいと申し出だした。
    開業医のマサヨシの家は、マサヨシの唯一の兄は結婚をしないで遊びっぱなし。
    働く事すらなく、跡取りはマサヨシだけ。
    義母の欲は年々嵩張り始めていった。

    2006-03-03 11:12:00
  • 131:


    『お義母さん何考えてるん!?そんなやり方めちゃくちゃちゃうん!!だいたいメリは今風邪やねんで!!返し…』
    『……親権は…親権はこっちが持ってるからな。』
    ──そのマサヨシの声に、掴みかかったサリの両手は、ドクンと不快な心音で揺らめいた

    2006-03-03 11:13:00
  • 132:

    『ぶっちゃけ、おかん等はメリ返すつもりな…』

    --バキッ!!!

    サリの拳は、無情すぎる言葉を遮ろうとしてマサヨシの頬を無意識のうちにも思い切りぶん殴っていた。

    2006-03-03 11:14:00
  • 133:

    『…ッッた・・・・』
    頬を痛々しく、さするマサヨシをサリは睨みつける。
    『…信じて……あんたら親子…信じてメリを会わしてたんちゃうんか…?せやのに…』
    落胆したサリのもたれかかったドアは、雨に湿らされてじとじとと生ぬるい。

    2006-03-03 11:15:00
  • 134:

    『……悪かった…』
    『悪かった!?そんなんいらんねん!!メリを…メリを返してや…メリは!!メリはあたしの唯一の……』
    もう力はカケラも残っていないのか、サリはその場にへしゃげこむ。

    2006-03-03 11:16:00
  • 135:

    ━━━━━━━━━━━━━━━━何分、いや何時間、
    そこにくたばっていたのか。
    サリは泣き疲れた表情でゆっくりと立ち上がりドアノブに手をかけた。

    『……また来る…。メリ返してくれるまで……何回でも来るから…!』

    2006-03-03 11:17:00
  • 136:

    振り絞った最後の力を使い精一杯、
    マサヨシを睨みつける。

    ──フラフラと朝を迎えた街を歩く。行く宛てもなく、家に帰るとまた辛くなるだろう。サリはフラフラとミナミへと歩き出した。

    2006-03-03 11:18:00
  • 137:

    見慣れたミナミは、幾分か気持ちを和らげた。
    『仕事帰り〜???』
    振り返ると、酔っ払いのサラリーマンが、
    おぞましいアルコール臭を蒔き散らしながら笑いかけていた。

    2006-03-03 11:19:00
  • 138:

    会話や会釈なんてする気力はどこにもない。
    無視をして歩き出す。
    『待って〜や〜ねえちゃん〜!!ナンボや!?ホテル代別でお泊りしてぇや〜』
    しつこいサラリーマンの触れる腕をソッと振り払う。

    2006-03-03 11:20:00
  • 139:

    『無理なんか〜!?ちょっとべっぴんやからってなぁ〜』
    ----フラフラと千鳥足の、そのサラリーマンはサリに絡み出した。
    『…離して。』
    泣き腫らした瞼を手で拭いながら精一杯の会釈を振るう。
    しかしサラリーマンは引かなかった。

    2006-03-03 11:21:00
  • 140:

    『態度わっるいの〜!!ええやんけ、お泊り位〜。俺と子作り励も〜…』

    ・・・・・限界だった。

    バコッッ・・・バキッ・・!!!

    2006-03-03 11:22:00
  • 141:


    『うわッッ!あのオッサン血だらけやん!!てかあの女イッてんの?ヤバイんちゃん?』

    ----通行人の声がぼんやりと聞こえる。
    何もわからない。気がつくと、南署にいた。

    2006-03-03 11:23:00
  • 142:

    酔っ払いサラリーマンは、
    家族があるのか、
    さっさと血まみれのまま帰っていったらしい。
    『ミナミはなぁ…よーある事やから。でもおねーちゃんやり過ぎやで(。´v`。)』
    初老の私服警察官が湯気をくゆらしたコーヒーを机にコトッッと置いて向かいに座る。

    2006-03-03 11:24:00
  • 143:

    『身元引き受け人は、一応誰か来て貰わなあかんからな』
    警察官はメモと安っぽいボールペンを差し出す。
    スラスラとボールペンを滑らすと、
    『……御浜めい…さんやな。平仮名やったらマメさんやな〜アッハッハ』
    警察官はメモを取り出ていった

    2006-03-03 11:25:00
  • 144:

    飛んできたのか、ものの数分でメイは現れた。

    『ああああんた!(* ̄Д ̄)!!何し◎◆※£$★◇!!!』

    寝起きを全面に醸し出した寝癖頭とヨレたTシャツ。メイを見て、毛羽だった気持ちがフワッと軽くなった。

    2006-03-03 11:26:00
  • 145:

    タクシーに乗ると、
    ぼーっと外の景色を虚ろに眺める。
    視界を彩る光景は、
    世話しなく流れるスーツの群れは、夜のけばけばしさは微塵も感じさせない。
    それは、やけに淋しい気持ちにさせる明るい景色。

    2006-03-03 11:27:00
  • 146:

    『……って事が有った訳。ごめんねメイ。…なんか迷惑かけちゃって』
    意味はなく何となく入った喫茶店で全てを語り終え、サリはグラスに浮かぶ氷をくるくるといじる。
    『…………。』
    向かいに座るメイは、相変わらずヒョロリと立ったままの寝癖を手でガシガシといて呆然とグラスを眺めていた。

    2006-03-03 11:27:00
  • 147:

    『…いや…迷惑ではないけどもやね・・・・』
    腑に落ちないメイの面持ちは、ドスッピンで眉毛がない顔でもしっかりと解る程に、ひん曲がっていた。
    『まー・・・・何とかするわー☆』

    2006-03-03 11:28:00
  • 148:

    クシャッッと煙草を灰皿に擦りつけ、サリは笑う。

    『なんで笑ってんの』

    メイは今にも零れ落ちそうなその言葉をアイスコーヒーと一緒に飲み込んだ。

    2006-03-03 11:30:00
  • 149:

    それから何日も、
    サリはマサヨシの家を尋ね続けた。

    そんなある日。

    2006-03-03 11:31:00
  • 150:

    いつもの様に
    ホストとしての職務を松任する一人の男、雅也。
    彼はお客様の送り出しを終え、ミナミを闊歩していた。

    ──その時。

    2006-03-03 11:32:00
  • 151:

    前方からホストと歩いて来る女に雅也は目をやった。

    『あの子…どっかで見た事あるっ…け。』

    べつに不思議な事でもなんともない。しかし、雅也はなぜかその女が気になった。

    2006-03-03 11:33:00
  • 152:

    女はニコニコと、
    愛想よくホストに別れを告げたのか一人で歩いて来る。

    そしてそれは雅也とすれ違った瞬間の事だった。

    2006-03-03 11:34:00
  • 153:



    ドンッッッ!!!!

    女はフラついていたのか、通行人とぶつかり、こけた。

    2006-03-03 11:34:00
  • 154:


    『…大丈夫?』

    そっと腕を掴む雅也。
    その瞬間、雅也はゾッとした。

    2006-03-03 11:35:00
  • 155:


    まるで人形に触れているかのように冷たい二の腕。
    凍ったように、生気のない大きな目。
    雅也は背中に走る嫌悪感に、少し手に汗を感じた。

    2006-03-03 11:36:00
  • 156:

    『あ、ありがとう☆ごめんね〜酔っちゃって〜』

    その女はヨロヨロとよろけながら立ち上がる。

    パンパンッッと細い足を包むデニムを叩き、雅也を見上げる。

    2006-03-03 11:37:00
  • 157:

    まるで人形が人間になったかのように、
    女は微笑ましい笑顔で雅也に笑いかけた。
    『あ、ホスト〜!?飲み足りないし君の店行くわ〜☆どこ?行こ行こ(。゚∀゚。)』
    一人でキャラキャラと女は喋る。

    2006-03-03 11:38:00
  • 158:

    『…お兄さん?聞いてるー!?名前は!?』
    ----突如覗き込まれて、雅也ははっとする。
    『あ、カズ…キ。カズキやで。名前は?』
    なぜか本名を言いそうになり、雅也は我に帰り焦ると源氏名を告げた。

    2006-03-03 11:39:00
  • 159:

    『あたしはサリ。よろしくね?カズキ☆』

    それがサリと雅也の、ありふれたホストと客としての出会いだった。

    2006-03-03 11:40:00
  • 160:


    『ドンペリは渋いから嫌い。そーやなぁ…。クリュグ持ってきて☆ピンクね☆
    コールはうるさいから嫌い。グラス持って来て。
    あ(。゚∀゚。)カズキは?頼んで頼んでッッ。』

    2006-03-03 11:42:00
  • 161:


    『あの客新規すか!?えらい上玉っすねカズキさんッッ!!しかもベッピンやしー!!!!オレなら枕歓迎!!!』
    ──バックルームで新入りのマサトが鏡に写る自分の頭をいじりながらはしゃいでいる。

    『アハハ。何言ってんの。お前早くしなょー』

    2006-03-03 11:43:00
  • 162:

    『カズキは何歳なんー?』
    ----ヘラヘラと、
    まるでさっきの異常なまでも凍てついた表情など微塵も見せずに、サリは笑いかける。
    『23やで。サリは?』
    『サリは21☆老けてるやろ?26とか普通にゆわれるねんヶド!!!ダッヒャッヒャ!!!』

    2006-03-03 11:44:00
  • 163:

    【サリ】は本当によく笑っていた。
    ------数時間して、
    『あ、ソロソロ帰ろかな』
    とサリはいきなり告げ、財布から分厚い現金を出すとテーブルに置いた。
    『多いって、笑。こんだけ貰うわな。ありがとう。』

    2006-03-03 11:46:00
  • 164:

    エレベーターに乗る。
    うるさい店内から解放され、静か過ぎるエレベーターの中では慣れずにまだ耳が少しキーンと鳴っている。
    雅也は?のボタンを軽く押し、振り返ると…

    2006-03-03 11:47:00
  • 165:


    ポスッ・・・・・

    『え…サリ?…大丈夫?』
    ----いきなりフワッともたれかかってきたサリに、躊躇いながら雅也は背中に手をあてた。

    2006-03-03 11:48:00
  • 166:

    『…………ん。』
    腕の中で小さくコクリとサリは頷き、軽すぎる重心を雅也にかけている。
    雅也は何もかける言葉が浮かばない。
    刻一刻と、エレベーターは下へと向かう。
    ──?・?・?・?・・・・

    2006-03-03 11:50:00
  • 167:

    ──?・・チーン!!!

    タイムリミットを告げるエレベーターの音が響いた時。
    ふぁッ・・・と軽い体が腕から離れてゆく。
    『ふふ。今日はありがとう☆バイバイ…』

    2006-03-03 11:50:00
  • 168:

    むず痒いような、少し息が詰まるような。
    ほんの数時間で、雅也はサリに恋をしていた。
    愛おしく、生暖かい感情が言葉に出来ない。
    ゆっくりと離れて行ってしまうサリの背中。
    ----気がつくと雅也は足を動かしていた。

    2006-03-03 11:52:00
  • 169:

    グイッと細い腕を掴む。
    『へッッ!?あ、カズキ?どーしたん☆びっくりするやんー!!』
    素っ頓狂な笑顔を作り、サリは雅也にそう言った。
    『……腹…』
    『腹!?痛いん!?飲ませ過ぎたかなあたし!?大丈夫!?』

    2006-03-03 11:54:00
  • 170:

    『腹減ったやろ(`∀´*)飯行こ飯!!!』
    "なんてダサい誘い文句だ"
    と、本人も思っているのか雅也の頬は真っ赤になっていた。
    『*゚Д゚)・・・・・。』
    サリはポカンとした顔で、少し口を開け立ちぼうけている。

    2006-03-03 11:55:00
  • 171:

    真っ赤だった雅也の頬は次第に青ざめて行く。
    《うわ…俺ダッサ…最悪・・》
    心の中では恥ずかしい余り、のたうちまわる雅也。
    『*゚Д゚)・・・・・・・』
    サリはしばらく立ちぼうけ、

    2006-03-03 11:56:00
  • 172:

    『・・・・・・ぶッッ』
    ついに口が動いた。
    『ぶッッ!!!(`ε`*)……ダッヒャッヒャッヒャッヒャーー!!』
    そして笑い出す。
    『?3?やっけ?カズキって。ァヒャヒャ!顔が!!顔が赤い!!アハハ!』

    2006-03-03 11:57:00
  • 173:

    『…うま!!!』
    『やろー(。゚∀゚)ここ、あたしの1番のお気に入りやねん☆』
    ----スカスカの店内で、サリは指揮者のように自慢げに箸を振り回す。
    『アハハ。サリ、お箸から米が飛んでくるよ(。´v`。)うん。でもほんと旨い。』
    『友達にも内緒やねんで☆ここのご主人堅物やし、流行ったら嫌やしカズキも内緒なッッ』

    2006-03-03 11:58:00
  • 174:

    『ハハっ。でも客連れてはこれそにないね。』
    ----古ぼけたパイプ椅子はガタガタと不安定。
    壁はガランと萎びたコンクリート。
    見渡して俯き加減に雅也は笑った。
    『ダッヒャッヒャ!!確かに☆じゃあ、二人の秘密基地ね。』

    2006-03-03 11:59:00
  • 175:

    …《秘密基地》
    なんだかその言葉が嬉しくて、雅也は照れる気持ちを隠そうと煮っころがしをほうばった。
    でもなぜか、時折見せるサリの淋しげな笑顔に雅也は目には見えない不安を抱いていた。

    2006-03-03 12:00:00
  • 176:

    それから何度も雅也とサリは会っていた。
    電話番号は交換していたが、
    サリは気まぐれで。
    《秘密基地》でご飯を食べては他愛もないお話をする。
    雅也は、心がホワリと温かくなる日々に、すごく幸せを感じていた。

    2006-03-03 12:02:00
  • 177:

    ──そんなある日。

    『…って事が有ってー本当びっくり…、…サリ?』
    その日のサリは何かがおかしくて、雅也は口を紡いだ。
    『あ!?ごめんごめん。なんか寝不足で。ァハ(。゚∀゚。)で、なんですって?』

    2006-03-03 12:03:00
  • 178:

    『…顔色悪ない?』
    『そー?大丈夫やで(。´v`。)カズキは気にしすぎやいッッ。ホレホレ早く食べなされっ!!』
    そう言って笑うと、サリは雅也の皿に唐揚げや煮物をドカドカ乗せる。

    2006-03-03 12:04:00
  • 179:

    『さて、腹ごしらえもしたし、どっか行く?』
    雅也は小銭をチャリチャリと手のひらで踊らせながら言う。
    『眠いから帰る(。゚∀゚。)』
    サリは雅也を見つめ返す事もなくそう言った。

    2006-03-03 12:05:00
  • 180:

    『そ。じゃタクシー拾おーか』
    チャラつく小銭を乱雑にポケットに仕舞い込み雅也はサリを追い越し歩き出した。
    朝の南はタクシーも諦め気味に走る。
    手を上げるとすぐに止まり、サリは乗り込む。
    『ありがと。』少しはにかんでそう呟くとドアがしまった。

    2006-03-03 12:07:00
  • 181:

    ────その夜。

    ♪♪リンコロ♪♪♪リンコロ♪♪♪

    出勤して間もない雅也の携帯が鳴り出した。

    2006-03-03 12:08:00
  • 182:

    『カズキ電話。』
    八重歯がチャームポインツな隼人がタバコをくわえながら差し出しす携帯を受け取り、少し気だるさの漂う表情を浮かべ雅也は画面に目をやる。
    『?(゚Θ゚。)!!』
    雅也は携帯の画面を凝視した。

    2006-03-03 12:09:00
  • 183:

    【【着信-**サリ**-】】
    こちらからかけたって気まぐれで出ない確率9割のサリからの着信。
    今朝の飯屋での表情も頭を過ぎり、雅也は嫌な予感がした。

    ──直感は時に残酷な程に的確だ。…あの時のように・・・・

    2006-03-03 12:10:00
  • 184:

    《二度と味わいたくない》

    雅也の後ろに広がる陰。
    それもまた、雅也の女嫌いを確執化させるものだった。

    2006-03-03 12:11:00
  • 185:

    雅也の母は、
    雅也なしでは生きていけないような人だった。
    ただでさえ父の居なかった雅也はそんな母を世界中の誰よりも愛していた。
    17歳まで。
    雅也の母は雅也が17の時に、自殺。

    2006-03-03 12:13:00
  • 186:

    少し浮世離れした女性だった、と周りは葬式の時に囁き合っていた。
    自殺した理由はいまだにわからない。
    しかし、ただ一つだけ雅也が抱え続けて居る事がある。

    ──ピッ!!『もし、サリ?どうしたんやー・・・・?サリ!?…泣いてんの?』

    2006-03-03 12:14:00
  • 187:

    ─ブッ!!!…ツーッツーッ・・・・

    『カズキ?ってオイ、カズキー?どこ行くねんミーティングはじまる…』
    ----隼人の声が遠退く。
    雅也は突然かかってきた揚句、啜り泣くサリの声が、まるで気を使うように切れた携帯を握り締め店の重く白いドアを抜け出て走り出した。

    2006-03-03 12:15:00
  • 188:

    ダラダラと走るタクシーを捕まえると乗り込む。
    ドライバーは意気揚々と俊敏にアクセルを踏む。
    目的地はサリの家。
    以前に一度きり、酔ったサリを送った場所まで、記憶を辿り伝えるとタクシーは走りゆく。
    リダイヤルからコールするサリの電話は圏外。嫌な予感が頭を駆け巡る。

    2006-03-03 12:15:00
  • 189:

    『…急いで貰えます?』
    苛立ちがタクシーを覆い尽くして行く。
    『ちょっとねー混んでるみたいやね〜』
    苛立ちをまさぐるかのようなドライバーの声。
    『お客さん〜ホストかなんかか?男前やもんなぁ。女とくっちゃべって銭稼げりゃ…』

    2006-03-03 12:16:00
  • 190:

    『…止めて。』
    雅也は胸から長い色とりどりの色が散らばったプッチ柄の財布を取り出した。
    『へ?もう着くでー。のっときい…』
    『ええから。コレ。釣り銭いらんし。開けて。』
    雅也は隠し切れない苛立ちを静かに彷彿させていた。早くサリの元へ…。早く早く…。

    2006-03-03 12:17:00
  • 191:

    タクシーから降りた雅也は
    まるでドラマの様に走り出し、週末だと言うのに
    繁華街から抜けて静まり返った街を走り抜ける。電話を耳に宛て、なんども通話ボタンを押し続ける

    ──オカケニナッタ電話ハ電波ノ届カナ …

    2006-03-03 12:18:00
  • 192:



    『ッ…ハァ…ここやったよな』

    目的地に着き、見上げる。まだチラホラと電気のついている部屋もある。

    2006-03-03 12:19:00
  • 193:

    エレベーターすらもどかしい。早く早くと鼓動が急かす。

    ──マサヤ…アイシテルヨ…

    苦しい。もうやめてくれよ。聞きたくないんだ。お願い…

    2006-03-03 12:20:00
  • 194:


    エレベーターから解放される。サリの部屋は1番奥。
    --カッカツカツカツカツ!!!

    【矢竹】の表札の前に立つ。

    2006-03-03 12:21:00
  • 195:


    ──ピンポ───ン…

    『…サリ?……サリ!!!』

    2006-03-03 12:22:00
  • 196:


    何分も、雅也はドアを叩いた。手は赤く擦れ、
    吹出してしまいそうな恐怖を噛みしめながら、
    フラッシュバックで震える声を荒げながら。
    ……何分も何回も。

    2006-03-03 12:23:00
  • 197:


    『…サリ?頼むから出て…。なぁサリ…』

    掠り出した声も消えそうになった、その時…

    2006-03-03 12:24:00
  • 198:



    ……‥………カタッ…

    2006-03-03 12:25:00
  • 199:

    ドアが少しだけ開いた。

    ────カチャ……

    『………サリ…』

    2006-03-03 12:25:00
  • 200:


    そこに立っていた女性。
    あの時ミナミで初めて見た時と同じ、
    冷たく冷え切った人形のようなサリだった。

    2006-03-03 12:26:00
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