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  • 1:

    あたしの名前は矢竹紗莉。

    お前のために、

    今日も明日もこれからも。

    2006-03-03 08:54:00
  • 100:

    『あ、あの子かわいい』
    歩き出した背中がぴたりととまった。
    『なぁなぁカズキ、かわいいってあの子』
    二人組の女の子をチラリと指差して、ハヤトは小さな声で雅也に笑いかける。
    『あー。キャバ嬢っぽいねー。特に左のコ。』

    2006-03-03 10:41:00
  • 101:

    『そぅ(。゚∀゚。)左が好み☆新地の匂いがプンプンやん♪』
    目を細め、獲物をしっかりと見つめるその目付きは、立派なハンター。
    『行く?』
    『カズキはどっちがィィ?』
    『どっちゃでも。でも左のコはきつそうなので、正直ゆーたら右のコがィィ。』

    2006-03-03 10:42:00
  • 102:

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━その頃。

    2006-03-03 10:43:00
  • 103:

    『てか腹減ったー(。´`。)』
    『飯行く?』
    『もちろんです。サリなに食べたいー?』
    『ん〜肉かしら。』
    『焼き肉でも行こか。今日はメリ居てないからツマランなぁ…』

    2006-03-03 10:44:00
  • 104:

    『何してんの〜!!』
    突如、後方から声が聞こえて振り返る。
    『あ、キャッチ?』
    サリの言葉の先にはホストらしいスーツが二人。
    どちらも大層男前だが、声をかけて来た方は何と言うか、チャライ

    2006-03-03 10:45:00
  • 105:

    『キャッチちゃうで〜☆暇やったら遊びましょ☆』
    ニッとかわいらしく笑ったホストを見ると、
    ━あ、このホストは八重歯がチャームポインツなのね━
    そんな事を思っているかのようにサリがふと笑う。

    2006-03-03 10:46:00
  • 106:

    『名刺ちょうだい?お店に遊びに行くから☆』
    八重歯に負けじとサリは優しく微笑む。
    普通、カッチョィィ売れっ子ホストがプライベートで遊んでくれるなら、なんともやっぱりうれしいはず。
    でもサリは絶対にプライベートでは係わり合おうとしなかった

    2006-03-03 10:47:00
  • 107:

    ──この当時、
    豆とサリはモデルの仕事もチラホラしていた。
    カットモデルやら、美容院のホームページやプリクラのモデル。
    なので、遊びも自粛するようにとマネージャーモドキに常々言われていた。
    サリはそれを理由に男の人との係わりを拒絶していた。ホステスもやりながらのモデル業、喫茶店アルバイトとモデル業の豆なんかよりも遥かに疲れていたのかもしれない。

    2006-03-03 10:48:00
  • 108:

    ただでさえホステスをやりながらモデルなんかしていると周りの反感も少なくはない。
    けれどサリにとっては、モデルだろうがホステスだろうが、
    全てはお金の為。
    娘の為に使い貯める為。
    なので正直、彼氏なんて作ってる余裕はどこにもなかったのかもしれない。

    2006-03-03 10:50:00
  • 109:


    『ほな、名刺わたしとくわ。電話してよぃ(。゚∀゚。)』
    ----ホストは小綺麗なスーツから、はたまた小綺麗な名刺ケースを取り出すとさっさと名刺を差し出す。
    『ありがと。えっとー、ハヤトくん?今度行くわ☆』
    軽く挨拶をかわし、女二人と男二人は別々に歩き出した。

    2006-03-03 10:51:00
  • 110:

    『好み〜?』
    後方からイシシと笑うメイ。
    『チャライ。』
    つまらなさそうに名刺をコートに突っ込むと、カツンカツンとヒールを鳴らし歩き出す。
    『確かにチャライね。でも飲みたくなったら行ってみよ』

    2006-03-03 10:52:00
  • 111:

    それから、
    たいした問題もなくただ月日は流れて行った。
    何もかもが順調に、
    ……行っているかのように思えた。

    2006-03-03 10:53:00
  • 112:



    確実に、狂って行く前兆だとは誰しもが気付きもしないでいた

    _

    2006-03-03 10:54:00
  • 113:

    『あ、そーいやメリも幼稚園慣れてきた〜?』
    大好きな彼氏と同棲を始め、幸せ色に頬を染めたメイがメリをポッキーでつんつん。
    『うっさいわ(。゚∀゚。)』
    最近めっきり生意気になったメリはポッキーをふんだくる。

    2006-03-03 10:55:00
  • 114:

    『なッッ(*゚Д゚)!!!メリ生意気なったねー』
    悲しそうにへしゃげてメイはポッキーをぽりぽり。
    『メイ気にせんとコツいたってや。メリ生意気やし』
    サリはクスッと笑ってグラスに刺さったひんやり冷たいポッキーを摘んで振り回す。

    2006-03-03 10:56:00
  • 115:

    『まぁ、ちょっと早い思春期って奴ね(。´v`。)ノ』
    何をされようとメイは相変わらず怒らない。
    『幼稚園児が思春期とか…早。ポリポリ…』
    また少しクスッと笑ってサリはポッキーをポリポリ。

    2006-03-03 10:57:00
  • 116:

    『…で、話って何?』
    メイは煙草を口に宛て、ライターを探しながら呟いた。
    『んー・・・・・』
    ポリポリと無表情にポッキーをくわえたまま、サリは浮かない返事をする。

    2006-03-03 10:58:00
  • 117:

    『実はー…』
    --------その時。
    ♪♪リンロン♪♪♪リンロン♪♪♪
    サリの手元の携帯電話が世話しなくなりだした。
    まるで急かすかのように。まるで会話を断ち切るかのように。

    2006-03-03 10:59:00
  • 118:

    ─パカッ……
    携帯を開いたサリの表情は、相変わらず浮かない。
    『出んの?』
    『……出てくる』
    スクッと立ち上がり、細い足を重々しく行進させてサリはリビングから出て行った。

    2006-03-03 11:00:00
  • 119:

    数分して戻って来たサリから出た言葉は

    『何話したいんか忘れたからもうええわ(。゚∀゚。)』

    妙な笑顔でそう言った。

    2006-03-03 11:01:00
  • 120:

    『なんやソレ(。´v`。)』
    返した言葉の真意は、
    本当の所気にはなったものの、踏み込んではいけないような変な勘が、メイは働いていた。

    2006-03-03 11:02:00
  • 121:

    ・・・・・・その勘は、後に『やっぱり』に変わる事となる。

    2006-03-03 11:03:00
  • 122:


    ・・・・・数週間後。

    .

    2006-03-03 11:04:00
  • 123:

    『ちょっと!!どーゆう事!?電話でもゆったやん!!』

    深夜、とある部屋の玄関。

    女の声が響き渡る。

    2006-03-03 11:05:00
  • 124:



    その声の主は、サリ。

    2006-03-03 11:06:00
  • 125:

    『メリは何処!!!返して!あんた自分が何やってるかわかってんの!?』

    怒鳴り付けるその声は、
    しとしとと雨のふりつける、
    初夏にしては寒い夜だった。

    2006-03-03 11:07:00
  • 126:

    『ちょっと、…うるさい。とりあえず入れば?近所迷惑』

    冷たく言い放つ声は、

    元、旦那。マサヨシ。

    2006-03-03 11:08:00
  • 127:

    『メリ返せや!!はよ返して!!何処やねん!』
    荒々しいサリの声は息をするのも忘れるかのように切羽つまったものだった。
    『早く!!メ・・・・』
    『メリは実家や。おかんがみてるわ。』
    サリは過呼吸気味になりながらも瞬時に耳を疑った。

    2006-03-03 11:09:00
  • 128:

    その日、
    サリは体調が悪く、病院へ行こうとしたが、
    メリも前日から風邪をひいて薬を服用して寝ていたので連れて行く事を躊躇い、メイに電話をしていた。
    あいにく仕事だったメイには頼れず、
    丁度、面会日だったマサヨシは仕事も休みでかけつけた。

    2006-03-03 11:10:00
  • 129:

    メリを身篭った時、
    親権をマサヨシに渡す事で、マサヨシの親に離婚を承諾されていたサリは、
    離婚してすぐに引越した。
    親としての関わりはマサヨシが望むなら与えてあげたいと、サリは常々言っていた。
    『マサヨシの子でもあるねんから、マサヨシも義母も義父も、メリを愛してくれたらあたしはうれしい。』

    2006-03-03 11:11:00
  • 130:

    しかしある時から
    マサヨシの義母はメリを引き取りたいと申し出だした。
    開業医のマサヨシの家は、マサヨシの唯一の兄は結婚をしないで遊びっぱなし。
    働く事すらなく、跡取りはマサヨシだけ。
    義母の欲は年々嵩張り始めていった。

    2006-03-03 11:12:00
  • 131:


    『お義母さん何考えてるん!?そんなやり方めちゃくちゃちゃうん!!だいたいメリは今風邪やねんで!!返し…』
    『……親権は…親権はこっちが持ってるからな。』
    ──そのマサヨシの声に、掴みかかったサリの両手は、ドクンと不快な心音で揺らめいた

    2006-03-03 11:13:00
  • 132:

    『ぶっちゃけ、おかん等はメリ返すつもりな…』

    --バキッ!!!

    サリの拳は、無情すぎる言葉を遮ろうとしてマサヨシの頬を無意識のうちにも思い切りぶん殴っていた。

    2006-03-03 11:14:00
  • 133:

    『…ッッた・・・・』
    頬を痛々しく、さするマサヨシをサリは睨みつける。
    『…信じて……あんたら親子…信じてメリを会わしてたんちゃうんか…?せやのに…』
    落胆したサリのもたれかかったドアは、雨に湿らされてじとじとと生ぬるい。

    2006-03-03 11:15:00
  • 134:

    『……悪かった…』
    『悪かった!?そんなんいらんねん!!メリを…メリを返してや…メリは!!メリはあたしの唯一の……』
    もう力はカケラも残っていないのか、サリはその場にへしゃげこむ。

    2006-03-03 11:16:00
  • 135:

    ━━━━━━━━━━━━━━━━何分、いや何時間、
    そこにくたばっていたのか。
    サリは泣き疲れた表情でゆっくりと立ち上がりドアノブに手をかけた。

    『……また来る…。メリ返してくれるまで……何回でも来るから…!』

    2006-03-03 11:17:00
  • 136:

    振り絞った最後の力を使い精一杯、
    マサヨシを睨みつける。

    ──フラフラと朝を迎えた街を歩く。行く宛てもなく、家に帰るとまた辛くなるだろう。サリはフラフラとミナミへと歩き出した。

    2006-03-03 11:18:00
  • 137:

    見慣れたミナミは、幾分か気持ちを和らげた。
    『仕事帰り〜???』
    振り返ると、酔っ払いのサラリーマンが、
    おぞましいアルコール臭を蒔き散らしながら笑いかけていた。

    2006-03-03 11:19:00
  • 138:

    会話や会釈なんてする気力はどこにもない。
    無視をして歩き出す。
    『待って〜や〜ねえちゃん〜!!ナンボや!?ホテル代別でお泊りしてぇや〜』
    しつこいサラリーマンの触れる腕をソッと振り払う。

    2006-03-03 11:20:00
  • 139:

    『無理なんか〜!?ちょっとべっぴんやからってなぁ〜』
    ----フラフラと千鳥足の、そのサラリーマンはサリに絡み出した。
    『…離して。』
    泣き腫らした瞼を手で拭いながら精一杯の会釈を振るう。
    しかしサラリーマンは引かなかった。

    2006-03-03 11:21:00
  • 140:

    『態度わっるいの〜!!ええやんけ、お泊り位〜。俺と子作り励も〜…』

    ・・・・・限界だった。

    バコッッ・・・バキッ・・!!!

    2006-03-03 11:22:00
  • 141:


    『うわッッ!あのオッサン血だらけやん!!てかあの女イッてんの?ヤバイんちゃん?』

    ----通行人の声がぼんやりと聞こえる。
    何もわからない。気がつくと、南署にいた。

    2006-03-03 11:23:00
  • 142:

    酔っ払いサラリーマンは、
    家族があるのか、
    さっさと血まみれのまま帰っていったらしい。
    『ミナミはなぁ…よーある事やから。でもおねーちゃんやり過ぎやで(。´v`。)』
    初老の私服警察官が湯気をくゆらしたコーヒーを机にコトッッと置いて向かいに座る。

    2006-03-03 11:24:00
  • 143:

    『身元引き受け人は、一応誰か来て貰わなあかんからな』
    警察官はメモと安っぽいボールペンを差し出す。
    スラスラとボールペンを滑らすと、
    『……御浜めい…さんやな。平仮名やったらマメさんやな〜アッハッハ』
    警察官はメモを取り出ていった

    2006-03-03 11:25:00
  • 144:

    飛んできたのか、ものの数分でメイは現れた。

    『ああああんた!(* ̄Д ̄)!!何し◎◆※£$★◇!!!』

    寝起きを全面に醸し出した寝癖頭とヨレたTシャツ。メイを見て、毛羽だった気持ちがフワッと軽くなった。

    2006-03-03 11:26:00
  • 145:

    タクシーに乗ると、
    ぼーっと外の景色を虚ろに眺める。
    視界を彩る光景は、
    世話しなく流れるスーツの群れは、夜のけばけばしさは微塵も感じさせない。
    それは、やけに淋しい気持ちにさせる明るい景色。

    2006-03-03 11:27:00
  • 146:

    『……って事が有った訳。ごめんねメイ。…なんか迷惑かけちゃって』
    意味はなく何となく入った喫茶店で全てを語り終え、サリはグラスに浮かぶ氷をくるくるといじる。
    『…………。』
    向かいに座るメイは、相変わらずヒョロリと立ったままの寝癖を手でガシガシといて呆然とグラスを眺めていた。

    2006-03-03 11:27:00
  • 147:

    『…いや…迷惑ではないけどもやね・・・・』
    腑に落ちないメイの面持ちは、ドスッピンで眉毛がない顔でもしっかりと解る程に、ひん曲がっていた。
    『まー・・・・何とかするわー☆』

    2006-03-03 11:28:00
  • 148:

    クシャッッと煙草を灰皿に擦りつけ、サリは笑う。

    『なんで笑ってんの』

    メイは今にも零れ落ちそうなその言葉をアイスコーヒーと一緒に飲み込んだ。

    2006-03-03 11:30:00
  • 149:

    それから何日も、
    サリはマサヨシの家を尋ね続けた。

    そんなある日。

    2006-03-03 11:31:00
  • 150:

    いつもの様に
    ホストとしての職務を松任する一人の男、雅也。
    彼はお客様の送り出しを終え、ミナミを闊歩していた。

    ──その時。

    2006-03-03 11:32:00
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