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キャラ変幻自在・高橋克典の役の幅を広げる「笑ってもらおう」精神(てれびのスキマ 戸部田誠)(日刊ゲンダイDIGITAL)

【今週グサッときた名言珍言】

「僕、56歳になって事務所が『これ以上おまえをどう売ったらいいのか分からない』と」(高橋克典/フジテレビ「まっちゃんねる」6月19日放送)

憧れの先輩芸人の「心と技」を受け継ぐ有吉弘行のトーク術

  ◇  ◇  ◇

 芸人たちが笑わせ合い、最後まで誰が笑わずに生き残れるかを競う「ドキュメンタル」。その男性タレント版「イケメンタル」に参戦したのが、高橋克典(56)だ。まさかの登場に皆どよめく中、高橋が笑いながら語った参戦理由が今週の言葉だ。

 もともとは知的でクールな役回りが多かった高橋だが、転機となったのは1999年から始まった「サラリーマン金太郎」(TBS)の主演だ。猪突猛進の強烈なキャラクターを演じ、シリーズは映画化を経て2004年まで続いた。

 03年から始まった「特命係長 只野仁」(テレビ朝日)では、昼はさえないサラリーマン、夜はギラギラのハードボイルドキャラに変貌する男を演じ、12年まで続く長期シリーズとなった。こちらも映画化され、17年にはAbemaTVで配信オリジナルドラマも制作された。

 アクションシーンはもちろん、この頃は既に希少となっていたお色気シーンもあり、小ネタも満載。アクションシーンはブルース・リーや松田優作、萩原健一ら自分の憧れを投影し、ベッドシーンは「昭和のドリフターズみたいに、親から『見ちゃダメよ』と注意されるような雰囲気が出るように演じていました」(AbemaTV「ABEMA TIMES」16年7月14日)。

「色気」と「強さ」に説得力を持たせるため、ジムトレーニングとボクシングとピラティスを繰り返し、食事制限をしながらストイックに体をつくっていった。視聴者の「金曜の夜のキャバクラ代を浮かす」というテーマを持ち、「一番大切にしていたのは、バカをやって笑ってもらおうという気持ち」(同前)だったという。

 その結果、高橋といえば「只野仁」の風貌を思い出すほどイメージが定着した。前出の「イケメンタル」でも、只野風に黒ずくめの衣装にティアドロップのサングラスをかけ、“くまだまさし方式”でグラサンをズラすなど、イメージを逆手に取った手法で笑わせていた。

 一方で「しばらくの間は何を演じていても只野仁に見えてしまい、ヒューマンドラマの話が来なく」なってしまった(同前)と嘆いていたが、その後も「金太郎」でもなく「只野」でもない、「すべての角が取れた河原の石ころみたいな高橋克典がいた」(NHKアーカイブス「NHK人×物×録」)との感想を寄せられたという17年の「ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~」(NHK)をはじめ、順調に役柄の幅を広げ続けている。

 それはその端正な顔立ちにあぐらをかかず、「イケメンタル」挑戦に象徴されるように「バカをやって笑ってもらおう」という“何でもアリ”な精神があるからこそなし得たものだろう。

(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)

提供元:Yahooニュース
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