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杉良太郎の思いが詰まったハノイのチョコレートケーキ(スポーツ報知)

先月、外務省の日本ベトナム特別大使を務める歌手で俳優の杉良太郎(74)のベトナム訪問を取材した。杉と伍代夏子夫妻を始め、EXILE ATSUSHI、ピコ太郎、ベトナムの人気女性歌手ミー・リンら両国のスターたちが出演した「日越友好音楽祭」が主な目的だったが、翌朝、「私の原点。是非見て欲しい」というハノイ市内のバックラー孤児院にも初めて同行した。
杉は1989年3月以来、毎年2回、同孤児院を訪れており、迎えた養子は152人。1000ドルの寄付金に加え、子供たちの生活費や学費、治療費も支援してきた。
「遠い日本からいつもみんなのことを心配してるんだよ。しっかり勉強して日本とベトナムの懸け橋になって下さい」。そう語りかける“お父さん”の元に子供たちが駆け寄り、プレゼントのチョコレートケーキをおいしそうにほおばる。いつも眼光鋭い杉が、表情を崩して笑っているのを初めて見た。はた目には、ほほ笑ましい光景に映るが、杉にとっては甘いだけのケーキではなかった。
初めて孤児院を訪問した時も杉は子供たちにケーキをプレゼントした。しかし、悲しそうな顔をしたまま食べようとしない少女がいた。「おいしいよ」とすすめる杉に、少女さんは「ケーキなんかいらない。お母さん、お父さんが欲しい…」とつぶやいた。それを聞いた杉は部屋を出て、ひとり泣いたという。「子供たちの心を理解できていなかった」。自分が出来ることは何かと考え、その場で少女を含む4人きょうだいの里親になることを決めた。
あの時の少女がこの日、杉のそばにいた。グェン・タン・ガーさん。2人の子供のお母さんとなり、幸せな家庭を築いていた。現在、「ヌイチュック杉良太郎日本語センター」の会計課長を務めているガーさんは「みなさんもお父さんに感謝して、幸せを見つけて下さいね」と優しく子供たちに語りかけた。結婚式の花嫁の隣に立つ父のように、杉は唇をかみしめ、静かに聞き入っていた。
杉は新たに就任した院長に「30年前に来た時、鶏小屋と豚小屋を作ったんです。鶏や豚を育て、ミシンの使い方やチョークの作り方を覚え、自活できるように援助してきた。お金を寄付したらそれでおしまいでは意味がない」と訴えた。甘いだけでは子供たちのためにならない。「いつまでもハイ!だけではダメ。もっとしっかり日本語を勉強しなさい」将来を真剣に考えるからこそ、子供たちにも厳しい言葉を掛けた。
福祉活動について杉は「以前は売名行為と言われるのが嫌で目立たないようにやっていたけど、今は何とも思わない。家や会社を抵当に入れて銀行に借金をしてすべて自腹でやってきた。それでも売名と言うなら言わせておけばいい」という。30年の思いと覚悟が詰まったチョコレートケーキ。私も食べるようにすすめられたが、簡単に口をつけることは出来なかった。
(芸能デスク・高橋 誠司)
提供元:Yahooニュース