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【「マリリン・モンロー 私の愛しかた」評論】セルフ・ブランディングの天才だったモンロー、その成功と結末(映画.com)

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今も高い人気を誇る女優マリリン・モンローの知られざる一面を描くドキュメンタリー。不遇な幼少時代から映画スターへの道、そして謎に包まれた死の真相にまで迫る。イアン・エアーズ監督は、かつてのモンローの恋人で、作中のインタビュイーである俳優トニー・カーティスから様々な裏話を聞いたことがきっかけでモンローに興味を持ち、彼女に関する入念なリサーチを開始。12年の歳月をかけて集められた膨大な資料や関係者のインタビューを収録し完成にこぎつけた。
【動画】「マリリン・モンロー 私の愛しかた」予告編
モンローに関する映像作品は近年もコンスタントに製作されている。「マリリン 7日間の恋」はサイモン・カーティス監督、ミシェル・ウィリアムズ主演で「王子と踊子」(1957)撮影時のローレンス・オリビエとの確執を描いたドラマ。「マリリン・モンロー 瞳の中の秘密」は死後50年を機に発表された直筆のメモや日記をもとに、ユマ・サーマン、マリサ・トメイ、エイドリアン・ブロディらがストーリーテラーとなってモンローの人生を浮き彫りにする異色ドキュメンタリー。一部創作も交えたアンドリュー・ドミニク監督のNetflix作品「ブロンド」は、モンローを体当たりで演じたアナ・デ・アルマスがオスカー主演女優賞にノミネートされた。
本作の魅力は、モンローを単なる「セックス・シンボル」ではなく、自己演出のプロとして再評価する視点にある。彼女は、セクシーなブロンド女優というステレオタイプなイメージを巧みに操りながら、内心では演技派女優としての尊敬を強く求めていた。当時では珍しい専用の演技コーチを雇用し(同性の愛人でもあったナターシャ・ライテスなど)、メソッド演技法に傾倒しそれを活かすために自らの個人事務所を設立したことが作中でも触れられる。
一方、映画界の男性優位な構造を逆手に取り、様々な権力者たちとの華やかな交際も描かれる。ラスベガスを作った男バグジー・シーゲル、20世紀フォックスの会長ジョー・シェンク、「ゴッドファーザー」で愛馬の首を寝室のベッドに入れられて発狂するプロデューサーのモデルと言われる製作者ハリー・コーン、ジェームズ・エルロイの小説でも有名なマフィアのサム・ジアンカーナ、そしてケネディ兄弟など。彼女の悲劇的な最期とこれらの男たちがどのように絡むのか、映画は独自の真相を述べてクライマックスを迎える。
没後60年以上が経ったものの、彼女の人生が正当な形で語られるようになったのは、#MeToo運動以降のことなのだと再認識させられた。トラウマや政治がらみの陰謀論、内面を掘り下げる演技法による弊害といった、モンローの個人的な事情だけで語れない問題を社会が孕んでいる。この映画はそれを改めて教えてくれる。
(本田敬)
提供元:Yahooニュース