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ゴダールは“残念な夫”!? 妻の目で見た巨匠の素顔『グッバイ・ゴダール!』(dmenu映画)

“ヌーヴェルヴァーグの旗手”と呼ばれ、映画史を語る上で欠かせない存在、ジャン=リュック・ゴダール。手持ちカメラでの撮影や、即興演出といった斬新な手法をいち早く取り入れ、映画の既成概念を幾度も塗り替えてきた巨匠です。
誰もが認める映画人ですが、7月13日より公開される『グッバイ・ゴダール!』で描かれるのは、映画監督としてではなく、夫としてのゴダールの顔。これが、なんとも“残念”なんです。
本作は、ゴダールの2番目の妻であり、『中国女』(1967年)で主演を飾ったアンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝的小説を映画化したもの。『中国女』の撮影を機に距離を縮め、夫婦となった20歳のアンヌと、36歳のゴダールの結婚生活が綴られます。
当時、哲学科の学生だったアンヌにとって、ゴダールとの出会いは刺激的な日々のはじまりでした。映画の撮影に参加したり、世界中が注目する映画監督と恋に落ち、プロポーズを受けたりと、毎日が新鮮なことの連続。パリでスタートした新婚生活は、どこに行くか、何を食べるかなど、生活のすべてを決めるのはゴダールでしたが、若いアンヌにとっては楽しいことばかりで、夢中であらゆることを吸収していきます。
ところが、順風満帆な結婚生活に、徐々に不協和音が響きはじめるのです。
2人が結婚生活をはじめたのは、今から50年ほど前の1967年。労働者・市民による反体制運動「五月革命」の気運が日に日に激しさを増していく時期でした。ゴダールも映画制作より、機動隊との闘いや学生たちとの討論会に熱を入れるようになります。
運動の激化によって「毎日がつまらないから、映画くらい楽しいものが観たい」と言う者がいれば、「映画は日常を描くものだ」「学生や労働者と連携すべき」と相手を言い負かすまで反論を続けるゴダール。
結婚当初はゴダールのウィットに富んだ返しに魅力を感じていたアンヌですが、運動が激しさを増すうちに彼のウィットは皮肉へと変わり、やがてアンヌを追い詰めていきます。彼が真面目に政治活動に取り組んだこと、それが作風に影響を与えたことはフィルモグラフィーを見れば一目瞭然ですが、妻の視点を通して見るゴダールは、まさに“残念な夫”といったところ。次第に笑顔を失っていくアンヌを見ていると、こちらまで息が詰まるような思いになります。
とはいえ本作からは、不器用で真面目で、それゆえにチャーミングなゴダールの魅力も見えてきます。例えばゴダールは反対運動に熱心に参加しますが、人の波に揉まれて何度もメガネを壊す羽目に。またアンヌに主演映画のオファーが来ると、「全編ヌードだから断ろう」と言って、自ら担当の監督に電話をかけます。ところが、企画意図を聞くうちに監督魂に火がつき「この作品はヌードじゃなきゃ意味がない」と熱く語り出す、なんて一幕も。
映画人としては一級でありながら、愛する妻との距離を測りきれずにいる夫・ゴダール。映画監督としての彼の偉業は言わずと知れたところですが、本作に登場する彼らの物語は、誰にでも共感できるラブストーリー。どちらが悪いわけでもないのに、一緒にはいられなくなってしまうカップルの切ない顛末が丁寧に描かれます。
提供元:Yahooニュース