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春風亭一之輔、ネタおろしの前日にどうしてもビールが飲みたい…「ホッピー(外)」より「ノンアルビール」にするワケ(AERA dot.)

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落語家・春風亭一之輔さんが連載中のコラム「ああ、それ私よく知ってます。」。今回のお題は「ノンアルコールビール」。
ノンアルコールビールは主に体調がすぐれないときか、アルコールを控えねばならないときに飲んでいる。私がアルコールを控えるときは、たいていは「ネタおろしの前日」など精神的なストレス・プレッシャーを抱えているときだ。
「体調がすぐれないのにビール的なモノを飲みたい」とか「ネタおろしの前日に飲みの席に居る」……とかいう矛盾はとりあえず置いておこう。せめてノンアルにするという殊勝な私を褒めてほしい。むしろかわいいよね。これが多様性というモノです。
■「ダイエット中だから」
つまり私がノンアルを飲むのは、アルコールが飲みたいけど飲めないとき。だから誠に申し訳ないが飲みたくて飲んでるわけではない。すまん、ノンアル。正直、嫌々飲んでいるよ。ホントすまん、ノンアル。できればお前など飲みたくないよ。それなのに私は烏龍茶よりはいいだろう、と飲んでいる。ビールみたいな味が飲みたいから、でも酔っ払うわけにはいかないからしかたなく飲んでいる。で、飲んだあと「やっぱりビールがいいな」とか口にしている。いっときでもビールを飲んでいる心持ちにしてもらっているというのに、その恩を忘れて「本当はお前じゃないんだけどな」なんて言っているんだ。オレはサイテーだ。なぁサイテーだろ、ノンアル。
でも、でもね、私だけじゃないはず。ノンアルを飲む人のほとんどがそうだと思う。本来ならビールを飲みたいところだけど「車で来ているので」「ダイエット中だから」「アルコールを医者に止められているから」……などなどの理由のもとにノンアルを選んでいる。たぶん渋々。(たまに下戸だけどビールの味は好きだから飲んでいる、という人もいるけど。ごくたまに) だからビール会社はせめて少しでも美味しくなるようにノンアルの味の向上を競っている。そのせいか「最近のノンアルって美味しいよね」なんて会話をよく聞くし、CMの中の人たちもことさら声を大にして喧伝しているではないか。
「食事にあうね!」「ゴクゴクいけるね!」「のどごしサイコーだね!」「ここまで来たか、ノンアル!」「こんなノンアルが欲しかった!」「これが本当にノンアルなのか!?」「ノンアルがあればもうなにもいらない!」「これビールじゃないの? うそー! ノンアル!?」「ノーノンアル! ノーライフ!」「ノンアルコールビールは永久に不滅です!」なんてね。
でも私はわかっている。本当はちゃんとしたビールが飲みたいくせに、みんなそんなことを言っている。顔に書いてある。「オレはビールのCMに出たいんだ」って。
そんなのあんまりだ。それじゃノンアルが可哀想だ。ノンアルはそれに薄々気づいてるはず。ノンアルはそんなに都合のいいヤツじゃないはず。ノンアルだっていつかみんなを見返してやりたい、と思ってるはず! このままじゃノンアルがどうにかなっちゃうんじゃないかって、すごく心配!! もっとみんなノンアルに優しくなるべき!!!
■この声はノンアルかい?
「ノンアルください」って言った人に「え? 車?」とか「独演会近いの?」とか「ダイエット?」とか「痛風?」とか聞かないでくれ。それを聞いたノンアルがどれだけ傷ついてるかわかってんのかよっ!?
「同情なんかいらないですよ、一之輔師匠」
あれ? 今、そんな声が私のあたまの上におりてきた。
「大丈夫、一之輔さん。われわれはそれを宿命だと理解してますから」
え? ひょっとして、この声はノンアルかい? 君がオレに語りかけてるのかい?
提供元:Yahooニュース