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坂東龍汰の熱演が心に沁みる…愛する人を忘れた先に見える希望とは? 映画『君の忘れ方』の真髄に迫る。評価&解説レビュー(映画チャンネル)

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坂東龍汰が単独初主演を務める映画『君の忘れ方』が公開中だ。本作は、坂東演じる森下昴が西野七瀬演じる恋人の美紀を事故で亡くし、茫然自失の日々を過ごす中、ある不思議な体験を通して悲しみに向き合っていく物語。今回は、本作の魅力について深掘りし、レビューする。(文・ばやし)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】
【写真】坂東龍汰の圧巻の演技を堪能できる貴重な未公開カットはこちら。映画『君の忘れ方』劇中カット一覧「グリーフ(grief)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
大切なものとの別れによって心が不安定になってしまう状態を指す言葉で、日本語では「悲嘆」とも訳される。
映画『君の忘れ方』は、そんなグリーフに苛まれる人々が、喪失による深い悲しみと現実を受け入れなければならないと思う葛藤の間で揺れ動きながら、少しづつ再生していく様子が描かれる作品だ。
放送作家の森下昴(坂東龍汰)は結婚式を目前に控えていたなかで、妻の柏原美紀(西野七瀬)を交通事故で亡くしてしまう。彼女の死を実感できず悲嘆に暮れるなか、母親の洋子(南果歩)に促されて、実家のある岐阜へと帰省する。
あまりにも唐突に失われた命。結婚式で使用するために作った画像フォルダからトリミングされた彼女の姿は、結婚したふたりを祝うビデオメッセージではなく、供花に囲まれた遺影として画面に映しだされる。
映像では残酷なほど滑らかに切り替わっていて、昴が死を体感するよりずっと早く、周りの時間だけが流れていくさまが伝わってくる演出だった。 帰省後に昴が取材のために訪れた「つきあかりの会」は、グリーフケアを専門にしている団体だった。大切なものを失った人々が集い、ただ率直な気持ちを吐露して、ひとりではままならない想いを共有する。
冒頭で、ラジオ局のプロデューサーである森優作(木下隆司)がグリーフケアを昴に勧めて難色を示されたあと、「実際、悲しんでいる人はそういう場に行かないのかもな…」と呟くシーンがある。
しかし、悲しみをひとりで整理するのは極めて難しい。ナラティヴ・セラピーという心理療法があるように、人は語ることで初めて悲しみに手触りをもつことができる。
実家のキッチンで昴が、美紀から教えてもらった隠し味に日本酒を入れたカレーを作りつづけるのは、実態として手触りのある存在に縋ってしまうことも影響しているのだろう。
最愛の人の声を聞き返すことはできないのに、思い出のカレーを食べずにはいられない。記憶に生きる彼女の声を再生することはできないのに、記憶に馴染んだ味に口をつけずにはいられない。
そんな昴の姿は、グリーフの時期から抜けだすことができず、確固たるものに固執する彼の心情を痛ましいほどに表現していた。
提供元:Yahooニュース