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『大豆田とわ子』の脚本家・坂元裕二が、「3度目の大変化」を遂げている…!(現代ビジネス)

 拙著『テレビドラマクロニクル 1990→2020』(PLANETS)は1990年代から2020年にかけてのテレビドラマについて論じている。大きく取り扱っているのは野島伸司、堤幸彦、宮藤官九郎の3人。彼らが手掛けたテレビドラマについて考察することによって、90年代以降のテレビドラマの歴史と社会的出来事との関係について書いている。

【写真】『大豆田とわ子と三人の元夫』が「3」という数字に満ちている理由

 今回の記事で取り上げる脚本家・坂元裕二についても、野島伸司や宮藤官九郎と比較する形で時代ごとの作家性を掘り下げている。

 今年に入り、映画『花束みたいな恋をした』がヒットし、現在、放送中の連続ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』が注目されている坂元裕二は、今のテレビドラマを語る上で欠かせない脚本家だ。1980年代後半のトレンディドラマ全盛の時代にキャリアをスタートし、現在も第一線で活躍し続けている坂元だが、約30年間の中で3度の大きな変化があったと見られる。 1987年、坂元は第1回フジテレビヤングシナリオ大賞を受賞し、脚本家としてデビューした。この賞はトレンディドラマブームと並走する形ではじまった脚本賞で、今では新人脚本家の登竜門となっている。

 求められたのは、若者が共感する台詞を書ける若い感性。当時19歳だった坂元が大賞を取ったのは、脚本の面白さもさることながら、賞が求める「若い才能」だったからだろう。

 坂元の後も、

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野島伸司(『101回目のプロポーズ』)
尾崎将也(『結婚できない男』)
金子ありさ(『着飾る恋には理由があって』)
安達奈緒子(『おかえりモネ』)
武藤将吾(『桜の塔』)
金子茂樹(『コントが始まる』)
野木亜紀子(『逃げるは恥だが役に立つ』)
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 といった現在も活躍する脚本家を輩出しているヤングシナリオ大賞は、今のテレビドラマになくてはならない賞だ。おそらくその歴史を考えた時に、ヤングシナリオ大賞以前と以後で大きく分けることができるだろう。その意味でも坂元裕二はトレンディドラマ以降のテレビドラマを象徴する存在である。

 やがて坂元は、1989年の『同・級・生』(フジテレビ系)で連続ドラマを初執筆。そして1991年の『東京ラブストーリー』(同)が高視聴率を記録し作家としての地位を確立し、本作以降「月曜の夜は街からOLが消える」と言われた月9(フジテレビ系月曜9時枠)の快進撃が始まる。

 月9ブームの立役者となった坂元だったが、その後、ドラマ脚本家として行き詰まり、1996年の『翼をください! 』(同)以降、テレビドラマから離れることになる。

 バブル崩壊以降の世相をいち早く反映された暗いモチーフを、キャッチーな台詞とストーリーテリングの巧みさで描くことで時代の寵児となった野島伸司に対し、坂元のドラマは台詞の面白さや、役者のやり取りの合間に見え隠れする細かいニュアンスを楽しむものだった。

 つまり本筋のストーリーよりも、細部の遊びにこそ持ち味が出る作家で、それは現在に至るまで変わらない坂元裕二の本質の一つである。

 『東京ラブストーリー』のような原作があれば、遊びの部分が生きるのだが、オリジナル作品を作ろうとするとストーリーテリングの弱さが際立ってしまうというのが、当時の坂元が抱える弱点だった。

提供元:Yahooニュース
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