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庭という小宇宙「モリのいる場所」画壇の仙人の晩年をしみじみおかしく描く(産経新聞)


 実在の人物を描いても、ユーモアは外せない。「横道世之介(よこみち・よのすけ)」の沖田修一監督(40)が5月19日公開の最新作「モリのいる場所」で挑んだのは、「画壇の仙人」と称された画家の熊谷守一(くまがい・もりかず)(1880~1977年)。亡くなるまでの約30年間は、自宅の庭から外へ出たことがなかったといわれる守一のある一日を、しみじみとしたおかしみを加味して見つめた。「コメディーじゃないけど、そういうタッチで作らないと気が済まないんです」と苦笑する。


■ミクロとマクロ


 映画は、94歳の守一(山崎努)のある夏の一日を描く。妻(樹木希林)と家事を手伝うめい(池谷のぶえ)と3人での朝食から始まって、カメラマン(加瀬亮)とそのアシスタント(吉村界人)、看板の揮毫(きごう)を依頼に来る旅館の主人(光石研)、近所でマンション建設を計画するオーナー(吹越満)と現場監督(青木崇高)といったさまざまな人が守一の家を出入りする。


 さらに守一が“冒険”に出かける庭には、アリだのチョウだのカマキリだの小さな動物たちが必死に生きている。これらを虫と同じ目線でじっと見つめる守一の表情を映し出す一方、本人が小宇宙と称するこの庭でスケール感のあるファンタジーが展開されるという、まさにミクロとマクロの世界が1つの画面に共存する驚異的な作品になっている。


 「いろんな人が出入りしていたというのも、皮肉な面白さがある。絵を描くシーンもないけど、伝記映画にあるまじきことがあってもいいんじゃないかなって」と沖田監督は恐縮する。


 撮影は神奈川県葉山町の民家を借りて行われた。隣り合った2つの庭を1つに見立てて撮影したが、居間を通して奥に庭が見える構図が素晴らしい。


 「家と庭のロケ地を別にして撮る方法もあると思うが、どうしても一緒の絵がほしかった。観客も守一さんの庭に迷い込んできたみたいな感じにしたかったんです」と打ち明ける。


■虫の芝居


 現場には“生き物係”のスタッフもいて、アリやカマキリは専門家の先生に集め方などを教わったという。とにかくたくさんの生き物を出したくて、誰かが見つけたら連絡を受けたスタッフが虫かごと網を持ってすぐに駆けつけるという風景が繰り広げられた。


 「用意した虫もいたが、実際に住みついている虫の方がいい“芝居”をしていた。なじんでいるというか、当たり前のようにそこにいる顔をしているんですよ」


 そう愉快そうに笑う沖田監督が映画に親しむようになったのは、高校生のころからだ。友達同士でビデオカメラを回して遊びで撮っていたが、そのうちに編集の面白さに目覚めた。


 「つなぐって5分でも大変なんです。それを長編映画だと2時間もつなぐわけで、すごいなと思った。映画が全く違うふうに見えてきました」


 大学は日本大学芸術学部映画学科に進むものの、専攻は撮影コースだった。だがカメラには全く興味がなく、実習に参加せずに自主制作で映画を撮っていた。


 そのころからすでに誰に頼まれなくても映画を作り続けるつもりでいたが、監督として食べていけるかもしれないと思うようになったのは、初の商業映画「南極料理人」(平成21年)の後、さまざまな依頼が来るようになってからだという。以来、毎年のように作品を発表しているが、一貫しているのはユーモアのある娯楽映画への志向だ。


 「皮肉だったり、痛快だったり、人間ってばかだなと思ったり、誰が見ても面白いよなと思える瞬間ってあると思う。そういうちゃんとした面白さに行きつくような映画を毎回撮りたいとは思っています」


■どアップをみんなで見る


 そうやって精魂込めて作り上げた作品を見せる場として、やはり映画館は欠かせないと指摘する。監督自身、映画館でわくわくしながら見た経験から映画が好きになったし、映画館で映画を見ることは特別な時間だという気がする。


 「先日、ウェブムービーの仕事をしたが、携帯電話で見ることが前提になっているんです。こんなに一生懸命やって、最終的に携帯サイズで考えているんだ、という悲しさはある。やっぱり映画館に耐えうるような作品をやりたいという気持ちはありますね」


 「モリのいる場所」は、ほとんどが守一の自宅と庭に限られているにもかかわらず、その世界観はとてつもなく広い。特にラストの映像は、映画館でなければその魅力を味わいつくせないような驚きに満ちている。監督本人も「確かに映画館で見るとわかるんですよね」とほくそ笑む。


 「例えば山崎さんが演じる守一さんのどアップを映画館のスクリーンでみんなで見る。そういうのって、何かいいなと思うんです。今の日本映画でなかなかない絵じゃないかな、と思いながら撮っていました」


 人気監督だけに、今後はさらに多様な依頼が増えてくるに違いない。制約が多い仕事もあるかもしれないが、「でも好き勝手にやってくださいといわれたときに、自分の好き勝手って何だっけ、とならないようにしたい。それはちゃんとわかっていないといけないなと思っています」と気を引き締めていた。(文化部 藤井克郎)





 「モリのいる場所」は、5月19日から東京・シネスイッチ銀座、渋谷ユーロスペース、横浜・イオンシネマみなとみらい、大阪・なんばパークスシネマ、シネ・リーブル神戸、名古屋・ミッドランドスクエアシネマ、福岡・KBCシネマ、札幌・ディノスシネマズ札幌劇場など全国公開。


 沖田修一(おきた・しゅういち) 昭和52年、愛知県生まれ。埼玉県で育つ。日本大学芸術学部映画学科卒。短編「鍋と友達」(平成14年)が水戸短編映像祭でグランプリを受賞。初の長編「このすばらしきせかい」(18年)に続き、「南極料理人」(21年)が全国で公開されてヒットする。その後、「キツツキと雨」(24年)が東京国際映画祭で審査員特別賞、「横道世之介」(25年)がブルーリボン賞最優秀作品賞を受賞するなど、期待の若手監督として国内外で高い評価を受けている。


 熊谷守一(くまがい・もりかず) 明治13年、岐阜県付知(つけち)村(現中津川市)に生まれる。30年に上京し、画家を志す。33年、東京美術学校(現東京芸術大学)に入学し、黒田清輝、藤島武二らの指導を受ける。同期に青木繁、和田三造ら。37年、首席で卒業するが、父の急死によって故郷に戻り、木材運搬などで働きながら、二科会で作品を発表し続ける。


 大正11年、42歳で当時24歳の大江秀子と結婚。5人の子をもうけるが、3人は早くに亡くす。戦後は明るい色彩と単純化されたかたちを特徴とする「モリカズ様式」と呼ばれた画風を確立。晩年は身近な動物、植物を深い洞察力で描き、亡くなる数カ月前まで創作に励んだ。昭和52年、97歳で死去。45年暮らした東京都豊島区の住居跡地には熊谷守一美術館が建つほか、故郷の付知には熊谷守一つけち記念館がある。

提供元:Yahooニュース
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