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尾行、妨害、不倫、元女性誌編集長…松本人志vs文春の裁判がスゴいことになってきた(元木昌彦)(日刊ゲンダイDIGITAL)

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【週刊誌からみた「ニッポンの後退」】
松本人志は焦っている。
自分が“世界でいちばん悲しい、忘れられたお笑い芸人”になってしまうことを。
松本人志も“多目的トイレ不倫”渡部建と同じ道?活動再開→地上波復帰を阻む女性からの拒絶反応
週刊文春が松本の性加害疑惑を報じたことに対して、松本側は名誉毀損だとして5億5000万円の損害賠償を求めた。裁判は3月から始まったが、決着がつくまで2~3年はかかるといわれる。
これまで沈黙してきた松本はここへきてSNSで定期的に発信すると言い始めている。だが、反応は「センスがなくなった」「面白くなくなった。いなくてもなんの問題もないことがわかった」という厳しい声が多くなってきているようだ。テレビでも松本の存在感が日に日に薄れていっている。
そんな中、文春(7月18日号)は、法廷に出て松本から性被害を受けたと証言する決意を固めているA子に対して、松本側が2つの探偵業者を使って彼女の行動を逐一監視し、写真、動画を撮っていたと報じた。
彼女が休日にホテルに泊まった際は、チェックインする彼女を3人の男たちが撮影し、彼女の部屋の前で入室を確認。翌日は彼女が自宅に戻るまで尾行を続けたという。
さらに文春によれば、A子がこの問題を相談しているXに対して松本の代理人・田代政弘弁護士は、「A子と不倫している。雑誌が記事にするらしい」と脅し、A子が証人として出廷しないよう求めたという。
それだけではない。大手出版社に“在籍”している女性週刊誌の元女性編集長がXのところへ来て、A子とXとの不倫をにおわす記事コピーを示し、「わが社では掲載しないが他社なら記事にする」「出廷せずに和解してくれればA子には1億円払う」と言ったというのである。
文春で佃克彦弁護士は、「松本氏側の対応は自分たちの反対尋問が成功しないことを自ら認めているようなもの」「自分たちの主張に自信がないことを露呈している」と話している。
これらはあくまでも訴えられている文春側の言い分である。したがって、田代弁護士は最初、文春側の反論に対して「『記事にあるような行動をとったことは一切なく、全く事実に反する』と声明を出した」(スポニチ7月11日付)。だが、翌日のスポニチはこう伝えた。
「被害を訴えている女性を特定するため、A子らを調査会社に調べさせたという文春報道は認めた。調査について『(松本は)当事者ですから知っています。了解なくやりません。お願いします、と言われた』と明かした」
A子に対し、これほど露骨な妨害工作をやるのは、弁護側の能力不足にもよるが、松本の「何としても早くこのことにケリをつけて、忘れられないうちにテレビに戻りたい」という激しい焦燥感があると、私は考える。
さらに文春の記事は、取材対象と一体化している女性週刊誌の非ジャーナリズム性もあぶり出している。
このところ週刊女性は「独占入手 松本人志(60)告発女性の驚嘆発言『性被害はなかった』」(7月9日号)、「『私は上納されてない!』新証言を独占入手」(7月23.30日号)など、松本側に寄り添った報道が目立つ。また、週刊誌に中立公正など求めはしないが、松本側の代理人のような働きをした元女性誌編集長の行動は、私から見ても分を越えた編集者にあるまじき下劣な振る舞いである。
くだんの人間がどこの大手出版社に在籍しているのか文春は書いてないから真相はヤブの中だが、女性誌の女性編集長経験者といえば、数は限られる。疑惑をかけられた社は、社の名誉をかけて、在籍の有無を含めて事実関係をつまびらかにし、公表するのが出版社としての責務であるはずだ。 (文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)
提供元:Yahooニュース

