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作家、橋本治さんが「草薙の剣」で問う漂流する日本人の心の実相(産経新聞)


 平成という時代の終わりが迫るなか、現代日本人の歩みを見つめ直す本が相次ぎ刊行されている。作家、橋本治さん(70)の新刊「草薙(くさなぎ)の剣(つるぎ)」(新潮社)もその1つ。昭和から平成に至る100年を、ごく普通の人々の群像を通して描く異色の長編小説だ。時代の渦に巻き込まれ、漂流していく日本人の心の実相が浮かんでくる。


 ■「作家としての責任」


 「私たちは今、どういうところにいるんだろう? って。それを書くのは、小説を書いている人間にとっての責任のひとつかもしれないな、ってふっと思ったんですね」と橋本さんは言う。


 12歳の凡生(なみお)


 22歳の凪生(なぎお)


 32歳の夢生(ゆめお)


 42歳の常生(つねお)


 52歳の豊生(とよお)


 62歳の昭生(あきお)


 世相に重ね、彼らが歩んだ人生をその両親や祖父母の時代までさかのぼりながら紡ぐ。


 「普通の人を書きたかったんですよ。『時代』といっても、そういうひとつの“人格”のようなものがあって、何かをやるわけではない。巨大な砂浜というか海のようなところに普通の人間がいっぱいいて、それが結果的に時代になっていく」


 敗戦後の焼け野原から高度経済成長への道のり、オイルショック、昭和の終焉(しゅうえん)にバブルの狂騒…。一方で受験戦争は激しさを増し、女性の社会進出に伴い就職や結婚・離婚のかたちも変わる。眼前に広がってくるのは、普通の日本人たちが作り出す大小さまざまな時代の流れ。


 でも読み進むうち、世代間で継承されている感覚や記憶があまりに乏しいことに気づく。むしろ世代間の断絶が際立ってくるのだ。


 ■昭和は前に進もうとする時代だった


 幼少期に苦労してきた世代は「今太閤」と言われる田中角栄首相(1918~93年)の登場に、体を震わせて興奮する。でも豊かさを享受してきた子供たちはその傍らで「だから何?」と冷めている。歌手の美空ひばりの死への感慨も、親子では共有されない。戦争の惨禍だって、後の世代の心の奥深くに届くようには語り継がれていないのかもしれない。


 「つながっていないんですよ。戦争という大きなことも伝えられない。それは、伝える側の当人が実際自分に何が起こったか分かっていないからかもしれない。ある日突然、空襲警報が鳴って、父がいなくなり、学校もなくなり、焼け野原に投げ出された。『何だったのか』と考える間もなく、生きていくために『何かしなきゃ』って方向にほうり込まれた。昭和は前に進もうとする時代だから、しようがないですけどね」


 世代間の断絶に加え、自分たちが時代を作るんだ、という当事者意識の欠如も浮き彫りになってくる。


 「みんな自分1人で完結しちゃっているんです。だから、人が集まっても『世の中をどうしよう』って方向に行かない。それぞれの愚痴がちょっとずつ深くなっていくだけで、愚痴のアリジゴクみたいな負のループになる」


 そんな心のありようを、時々の風俗や流行に絡めて照射しているのが面白い。例えば1980年代のテレビゲーム。携帯型液晶ゲーム機「ゲーム&ウォッチ」と家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」のブームを追い、少年の心を見つめている。


 「テレビにつなげるファミコンの登場で、子供はテレビを支配できるようになった。ファミコンをやる子は情報を遮断できる。遮断しても生きていけるという変な自信を持つのかもしれない。平成が始まるころオタクが浮上してくるということは、すでに昭和のなかにその根っこがあったんだと思うんです」


 ■大事なのは「火打ち石」?


 平成に入ると、神戸の連続児童殺傷事件をはじめとする陰惨な事件の記述が増える。少子化、高齢化も顕著になる一方、阪神大震災と東日本大震災が国を揺るがす。「下り坂」の時代のなかで、登場人物も迷走しているようにみえる。この小説は、そんな現在を生きる私たちにも、この荒波の中でどう泳いでいきますか? と静かに問いかける。


 タイトルは日本神話の「三種の神器」から。日本武尊(やまとたけるのみこと)は東征の折、一面の野原で周囲に炎を放たれたが、この剣で草をなぎ払って難を逃れたとされる。


 「最初は自分にとっての『草薙の剣』を日本の男たちは失ったんだ、というつもりでタイトルを付けたんですよ」


 だが、神話の中で日本武尊はそのときになぎ払って集めた草に、火打ち石で火をつけ、敵の炎を迎え撃ったとされる。


 「考えてみると、重要なのはむしろ(向かい火をおこす)火打ち石なんだなって。それで話の流れも微妙に変わっていった」


 敵をかわしてばかりでは難局を打開できない。ときには正面から受け止め、立ち向かう勇気も必要かもしれない。


 「火打ち石に、『草薙の剣』のように特別な名前はない。だから見えていないだけなんです。この小説の6人にも、それぞれにそういう何かがあるんじゃない? と。何のドラマもない人たちばかり集めて、これだけのドラマができるんだから」(文化部 海老沢類)


 橋本治(はしもと・おさむ) 昭和23年、東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。イラストレーターなどを経て52年に小説「桃尻娘」を発表し、文筆活動に入る。平成14年に「『三島由紀夫』とはなにものだったのか」で小林秀雄賞、17年に「蝶のゆくえ」で柴田錬三郎賞。ほかの著書に「巡礼」「九十八歳になった私」など。

提供元:Yahooニュース
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