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朝ドラ『虎に翼』で最大の発明といえる重要フレーズ。プロデューサーによる“定義”にも注目(女子SPA!)

『虎に翼』(NHK総合、午前8時放送)の主人公・猪爪寅子(伊藤沙莉)は、社会への違和感として「はて」と疑問を浮かべる。

【画像】『虎に翼』寅子の周囲の女性たちは無感情の「スンッ」を強いられる

 それに比例して、寅子の周囲の女性たちは、感情を表に出さない「スンッ」状態を強いられている。この「スンッ」が俳優の演技レベルではどんなことを表現しているのか。

 イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、本作の最大の発明ともいえる「スンッ」に注目しながら、ドラマのテーマと密接に関わるこのフレーズの定義を考える。『虎に翼』が描く戦前の日本では、外で働く男性に対して女性は内助の功を求められ、献身的な慎ましさを徹底しなければならなかった。本音を外にもらすことなどもってのほか。法律上、「無能力者」とされた時代でもあった。

 女性たちは、無(オフ)の感情を社会的に強いられる。本作ではそれにちゃんと名前がついている。ズバリ、「スンッ」。これは、脚本家の吉田恵里子が編み出した感情表現で、社会に疑問を投げかける寅子の「はて」とともに、この「スンッ」がテーマに関わる重要なフレーズだ。

 そのため当時の女性たちは、感情をひた隠しにして、内面的にも外面的にも「スンッ」が常態化する。第1週第2回では、早くも象徴的な場面が描かれた。寅子の兄・猪爪直道(上川周作)と寅子の親友・花江(森田望智)が結婚することになるのだが、その祝宴の席で寅子の母・猪爪はる(石田ゆり子)など、女性たちは男性を立てるためにろくに自分の意見を言わない。 この場面の状態について、尾野真千子のナレーションが「この通り、スンッ」と説明する。寅子は「私、あの顔苦手だわぁ」とぼやく。戦前に自由を体現したモガ(モダンガール)的資質がある彼女からしたら、女性たちの「スンッ」もまた「はて」の対象となる。

 寅子が法律を学ぶために通う明律大学女子部の学友たちもそれぞれに悩める「スンッ」の女性たち。それを寅子の必殺「はて」がひとつひとつ丁寧に解きほぐす。

 いつまでもほぐれないのは、男性たちだろう。女性に「スンッ」を強いる立場の彼らがその実、「スンッ」の実践者みたいに見える瞬間もある。寅子と本科で同級生になる花岡悟(岩田剛典)が極めつけ。

提供元:Yahooニュース
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