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オスカーを取って欲しかったジアマッティの好演「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」(日刊スポーツ)

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「オッペンハイマー」で熱演したキリアン・マーフィーのアカデミー主演男優賞にいまさら異を唱えるつもりはないが、本音を言えば、とぼけた雰囲気が何とも魅力的なポール・ジアマッティに取って欲しかった。
個性的な脇役として多くの作品で記憶に残っているが、04年の「サイドウェイ」では、さえないバツイチ男として主演。この作品が高評価を得て、作品、監督、共演者がオスカー候補となる中で、この人はノミネートさえされなかったのだ。だから、「サイドウェイ」と同じアレクサンダー・ペイン監督の「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」(6月21日公開)で初めて主演賞にノミネートされた時には、56歳という年齢からもこれが最後のチャンスのように思えた。
「ホールドオーバーズ-」で演じたのも、世の大勢から見過ごされてしまうような人物だ。
時は70年、ボストン近郊の寄宿舎付きの名門校が舞台だ。
古代史の教師ハナム(ジアマッティ)は生真面目で融通が利かず、生徒からも教師仲間からも疎んじられている。現校長は元教え子。世渡りはうまいが、決して優秀な生徒では無かったこの校長とは互いに腹に一物を持って接する関係だ。
生徒のアンガス(ドミニク・セッサ)は、学業は優秀だが反抗的だ。彼の父は心を患っており、離婚した母は再婚相手の家庭におさまって行き場が無い。
料理長のメアリー(ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ)は、この学校の生徒だった1人息子をベトナム戦争で失ったばかりだ。裕福な家庭の子息が集い、戦争とは無縁のようなこの学校で、身を削るように働く黒人のメアリーの息子だけが最前線で命を落とした。
エリート校で、どこか置いてけぼりをくったような3人が、がらんとしたクリスマス休暇の学校に取り残される。雪に閉ざされた環境で、最初は反発し合いながら、しだいに心を通わせる様子を、ペイン監督はどっしりと構えたカメラワークですくいとっていく。
あら探しばかりしていたハナムの表情はしだいに優しい父親のようになり、アンガスのとんがりはナイーブに置き換えられ、メアリーの口うるささは優しい気配りと映るようになる。そんな変化が染みるように伝わってくる。
「ハリー・ポッター」のホグワーツをほうふつとさせる伝統校の重厚な内装が効いていて、場違いにも見える3人の繊細な演技をくっきりと浮かび上がる。
ジアマッティの肩の力の抜け加減が今回もいい。セッサのみずみずしさ、ランドルフの肝っ玉母さんのような迫力とのアンサンブルはいつまでも見ていたい気がした。
決して留飲が下がるわけではないが、どこまでもリアルな実人生のような成り行きが、なぜかとっても気持ちいい。ペイン監督作品は今回も何とも言えないの余韻を残してくれる。【相原斎】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「映画な生活」)
提供元:Yahooニュース

