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昭和→平成→令和と変わりゆく「お母さん」役…富田靖子と斉藤由貴は“毒親”演じたら2トップ(桧山珠美)(日刊ゲンダイDIGITAL)

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【桧山珠美 あれもこれも言わせて】
15日放送の「徹子の部屋」は傑作選「『お母さん役』で愛されて」と題して、森光子、八千草薫、加藤治子、沢村貞子らお母さん役で愛された昭和の名女優の在りし日の姿を見せるものだった。
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八千草薫といえば「岸辺のアルバム」を思い出す。今でいうところの不倫妻を演じ、お母さんというよりは妻、女の部分多めだったが、それはそれとして、昭和の美しい日本の母といえば八千草のイメージだ。「俺たちの旅」のオメダ(田中健)のお母さんでもあったが、こちらも料亭の女将でわけあり。妙に色っぽいお母さんだった。
森光子はやっぱり「時間ですよ」か。お母さんというよりはおかみさんのイメージ。加藤治子は向田邦子シリーズのお母さん役、沢村貞子は下町のきっぷのいいお母さんといった印象だ。さらに「ありがとう」の山岡久乃、「肝っ玉かあさん」の京塚昌子、これに池内淳子を加えれば、昭和のお母さんをほぼコンプリートできる。
そんな昭和のお母さんたちを見て思ったのは、あの頃のお母さんは動じず明るい頼りになる圧倒的な存在だった。
■筒井真理子はNHK朝ドラで好演、石田ゆり子は…
そんな太陽のようなお母さんからいつの頃からか、お母さんだって大変なのというのが増えてきた。最近目立つのが毒母親。朝ドラ「虎に翼」でヒロインとともに弁護士を目指す華族の令嬢・桜川涼子(桜井ユキ)の母、筒井真理子など典型。いつも浴びるように酒を飲み、娘に早く結婚しろと迫る。令和目線で見てもなかなかの毒親だ。筒井は昨年「泥濘の食卓」でも娘を抑圧する母親を演じていた。
そして昨今、毒親2トップ女優として頭角を現しているのが斉藤由貴と富田靖子。プライベートでいろいろあった斉藤はなぜか元清純派アイドルを踏襲したものが多かったが、2017年1月期の「お母さん、娘をやめていいですか?」で波瑠演じる娘に執着し、狂気に走る毒親を好演した。
昨年の「いちばんすきな花」でも今田美桜演じる娘に女の子らしさを押し付ける毒親を演じた。
富田は「逃げ恥」などで見せるコミカルな母親も演じるが、吉川愛主演の「純愛ディソナンス」で見せた毒親ぶりがトラウマ級の怖さだ。
令和のドラマにはなぜこんな毒親が出てくるのか。毒親が思い通りにいかない鬱憤を子供にぶつけるのか、子供の主張を正当化するために毒親に描くのか。親が悪いとやっていれば、若い世代から文句が出ないのか。
親たちが正しいとも思わないが、子供の言い分ばかり聞いていたら……と思ってしまう。病んでいるお母さんばかり出てくるドラマはどこか不健全な気がする。
「虎に翼」の白い割烹着が似合う石田ゆり子みたいなお母さんにもっと頑張ってもらわないと!
(桧山珠美/コラムニスト)
提供元:Yahooニュース

