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カンヌで物議のドイツ映画「女は二度決断する」ヒロインの決断とは(産経新聞)

30代にして世界3大映画祭(ベルリン、カンヌ、ベネチア)の主要各賞を手中に収めたトルコ系ドイツ人、ファティン・アキン監督(44)の話題作「女は二度決断する」が日本でも公開された。テロで大切な家族を失ったヒロインの決断をめぐって、2017年のカンヌ映画祭で物議を醸した。アキン監督は、何を託したのか。
■カンヌで物議
ヒロインを演じたダイアン・クルーガーさんに、主演女優賞をもたらした第70回カンヌ国際映画祭だったが、クルーガーさんが演じた主人公カティヤが下す決断は、映画の祭典で賛否両論が渦巻いたのだ。
アキン監督は「特に英国の映画評論家たちからの批判が厳しかった。僕のことを人種差別主義者レイシストだという声もあったが、それはまったくの見当違いだ」と残念そうな表情を浮かべる。
《独ハンブルクで暮らすドイツ人のカティヤ(クルーガー)は、トルコ移民のヌーリ(ヌーマン・アチャル)と結婚。愛息をもうけ幸せな日々を送るが、爆弾テロにより夫と息子を同時に奪われてしまう。犯人の男女が捕まり裁判が始まったが、証拠が乏しい》
ドイツでは、2000年から07年にかけて、外国人排斥を掲げるネオナチグループ「国家社会主義地下組織」(NSU)が、移民らを対象に銃や爆弾を使った連続テロ事件を引き起こしていた。捜査当局は10年以上も取り逃がしていたうえ、独メディアは組織と当局の癒着も報道した。
映画はこの事件を下敷きにしている。移民問題を抱えるドイツで、トルコ系移民2世のアキン監督は、自らのルーツを意識した作品を作り続けてきた。
「報道で明らかになる事件の様相に対する怒りと恐怖が、この映画を作るきっかけだった。外国人排斥を旗印とする一連のテロの根底には、ドイツ人に内在する人種差別の意識がある。移民2世の私は、怒りと同時に戦慄を覚えた」
犠牲者の中にアキン監督の兄の知人もおり、ひとごとには思えなかった。
■準備
事件についての認識に誤りがないよう、脚本執筆には弁護士にも加わってもらった。
主演のクルーガーさんは独ハノーバー出身の米ハリウッドスターで、ドイツ語映画に出演するのは初めてだという。
「移民や外国人との共生をテーマに考える上で、演出上、金髪碧眼(へきがん)という典型的なイメージを持つドイツ人を表現する必要があった。彼女は現代のマレーネ・ディートリヒ(ドイツの名女優)とも言うべき容姿を備えている」とアキン監督は、クルーガーさん起用の理由を語る。
クルーガーさんが、撮影前を振り返る。
「撮影が始まる半年前、監督から、役作りは『遺族への取材以外してはいけない』と厳命されました。役作りにこれほど時間をかけたのは初めて。主人公に信憑(しんぴょう)性を持たせるには必要で効果的な作業でした」
撮影が始まると「自分が演技をしているという意識がほとんどなくなっていた」とクルーガーさん。アキン監督は「彼女に役作りで要求することは何もなかった」と完璧な準備に脱帽した。
■虚無を掘り下げる
アキン監督は、脚本に取りかかる前に、法が解決できない理不尽な犯罪被害の遺族に、どのような解決法があるかの考察を重ねた。
「例えば復讐」とアキン監督。日本文化が大好きだというアキン監督は、テレビ時代劇「必殺」シリーズを例に挙げ、「大好きな日本文化からインスピレーションを受けた部分もある」と明かす。
では、映画で夫と息子を奪われた主人公カティヤは、どのような解決法を見つけたのか。カンヌでは、なぜ、ヒロインの行動が、物議を醸したのか。
映画の原題は、ドイツ語で「Aus der Nichts」。訳せば「虚無から」だ。アキン監督は「母親が子供を奪われたら何が残されるのか。そこを深く掘り下げてみたかった」という。それが、この映画の狙いだ。アキン監督は続ける。「この映画は家族を失った親の悲しみとの向き合い方を描き、その後の生き方を問うている」。答えは、観客それぞれの中にある。(文化部 高橋天地)
提供元:Yahooニュース